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中国国内外企業の市場戦略

中国ソフト企業の輸出能力は依然として脆弱

 情報産業部の最近公表した調査によって、中国ソフト企業の発展のスピードはさ
らに加速しているが、現時点では輸出能力が依然として弱いことがわかった。
 情報産業部と国家統計局が共同公表した「2002年中国ソフト産業統計調査報告」
によると、中国国内の抱えている問題点は以下のとおりである。
1) 知的所有権を有する目玉商品がない。
2) プロジェクトの分析や設計の経験が不足している。
3) 中国のソフト企業の国際情報市場に対する先進的なソフトウエアの設計、開発
 方法の理解が不足している。
4) 大部分の品質保証システムの不備。ソフトウエアの開発過程に対し有効な管理
 体系が確立しておらず、厳格な品質認証や規範となる管理がなされていない。
5) 中国国内のソフト企業は国際標準に達しておらず、ソフトの輸出の大きな障害
 となっている。
 この報告では、中国のソフト産業の全体規模がまだ大きくなく、企業規模も小さ
いものに偏っていること、また、ソフト関連の人材不足、コア技術の欠乏などの問
題もあると指摘されている。
 また、CSIA統計を引用し、2002年全世界のソフト業界のシェアについて、40%を
アメリカ、31%を西ヨーロッパが占めており、中国ソフト業界はたった2%であると
述べている。アメリカにおけるソフトの自国提供率は97%に達しているが、中国は
今のところ約3分の1にすぎない。
 しかし、報告では、2003年中国のソフト産業は急成長を持続し、産業全体規模は
さらに拡大し、ソフト企業の規模の構造と人的資本の構造もさらに高度化し、国内
ソフトの輸出展望もより楽観視できると予想している。
 2002年のソフトとシステム構築を含む中国のソフト産業規模は1100億元、従業員
数は59万人に達している。
〔中新網5月20日〕

1~4月関税ゼロで深センの携帯電話輸入量が5倍に

 今年1月から中国政府が携帯電話の輸入関税をゼロにしたことによって、大幅に
輸入量が増加した。統計によると、1~4月深センで輸入された携帯電話は264万台、
総額3.9億米ドルで、昨年度の同じ時期の4.8倍、5.2倍に達し、物すごい勢いで伸
びている。
〈韓国からの輸入量が最多〉
 携帯の輸入先は韓国、台湾、日本がほとんどである。その中で、韓国製の輸入量
が最多で計163万台、台湾製の携帯は89万台、日本製は7万台である。
 ほとんどは一般貿易で輸入されたもので、その数は250万台、総額3.8億米ドル、
同時期の輸入総量、総額に占める割合は95%と97%である。
 また、加工貿易で輸入された携帯は14万台、総額1389万米ドル、輸入総量、総額
に占める割合は5%、3%である。
〈輸入品にシール貼付販売増加〉
 深セン税関からの輸入携帯のほとんどは、深セン康佳(KONKA)、三星科健、TCL
グループなどの大企業によってなされ、携帯輸入企業の集中度は過去最高となって
いる。
 その中で、深セン康佳が輸入した台数は108万台、三星科健は56万台、TCLグルー
プは32万台輸入し、3社の合計は深センで輸入された総量の74%を占め、ほとんどが
輸入品に自社ネームを貼ったものだ。
 2月以来、携帯の輸入量は月を追うごとに増え、今後も速い勢いでふえてゆくと
予想される。昨年末、輸入業者は輸入関税率が下がるとの予想をしたため、1月に
輸入が集中し、1月の1カ月間に97万台という過去最高の台数が輸入された。また、
2月は27万台、3月は50万台、4月は90万台と月を追うごとに増加の傾向にある。
(編集部注:2月が減っているのは、春節に入って半月ほど休みであったため)
 中国の移動通信サービス業の発展に伴い、中国国内携帯市場の需要も急速にふえ、
今後の携帯の輸入は引き続き急激に増加するものと予想されている。
〈輸入携帯はハイエンドが主流〉
 輸入携帯はハイエンドが主流となっているため、価格が上昇している。
 今年1~4月までの一般貿易による輸入携帯の平均価格は1台当たり151米ドルで、
昨年の同時期の1台当たり137米ドルに比べると10%のアップである。
 携帯のバージョンアップが進み、カラー液晶、CDMAの需要が増し、輸入携帯のク
ラスも徐々に上がっていることが、輸入携帯の価格上昇を起こす原因となっている。

中国のブランドが外国製品のシェアを奪還

 コンピューターにしてもシャンプーなどの製品にしても、中国の製造メーカーが
外国企業が持って行ってしまったシェアを取り戻そうとしている。
 2001年末以来、中国の携帯製造会社は世界最大の移動電話市場――中国でのシェ
アを既に2倍以上拡大されており、市場をリードしてきたモトローラ社やノキア社
との距離を縮めた。
 情報産業部の調査によると、中国国内のメーカーで生産された携帯電話は2001年
末には15%しかなかったが、2003年3月は35%。2003年4月末までの中国の携帯所有者
は2億2600万人である。モトローラ社やノキア社にとって、中国は本国あるいは欧
米以外の第2の大市場である。
 モトローラ社とデルコンピューターなどの外国企業は、最初は低コストの輸出基
地と位置づけていたが、次第に13億の人口を持つ中国消費者の製品販売へと傾いて
いる。
〈中国製品 消費者ニーズにマッチ〉
 中国のコンピューター市場でのシェアは、外国の多国籍企業は中国メーカーに及
ばない。
 中国最大のパーソナルコンピューター製造メーカーの聯想グループは、2002年中
国国内シェアが27%。しかし、3大外国メーカーの中国国内シェアは計13%で、その
内訳は、デルコンピューター社とIBM社はそれぞれ5%、ヒューレットパッカード社
は3%である。
 このことは、中国のコンピューターメーカーの製品種類、価格、アフターサービ
スが消費者の要望に合っているためと市場アナリストは見ている。
 例えば、ヒューレットパッカード社は直接中国の個人ユーザーにデスクトップ型
コンピューターを販売していない。デルはネットを通じて製品を販売している。し
かし、聯想は全国の小売の売り場で販売を行っており、聯想のノート型パソコンは
同じような規格のIBM社のコンピューターより約10%安い。
 このほか、シャンプー市場においても、中国製品は国外のライバルを負かせている。
 ACネルソン社の調査によると、中国の4大都市において舒蕾(SLEK)、拉芳(LAFANG)
やその他国内ブランドのシャンプーのマーケットシェアが2000年の25%から34%に上
昇している。ある小さい町でのシェアでは、36%から63%と急激に増えているところ
もある。
 このほか、洗濯用粉石鹸、髭剃り、スキンケア製品などの日用品においても中国
製品は国外ライバルの地盤を奪っている。
 アメリカ最大の日用品生産メーカーP&G社は、ZEST(石鹸)、CREST(歯磨き粉)、
OLAY(スキンケア用クリーム)などの自社製品の中国での販売が10%を超える伸び
を見せている。だが、競争によるプレッシャーをいつも感じていると言う。
 現在、中国はP&G社の十大マーケットの一つである。P&G社は今後10年内に中国を
第2あるいは第3番目のマーケットにしたいと思っている。