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金融市場の潜在力と金融不祥事

中国個人金融市場の潜在力 ACニールセンのアンケート調査

 個人金融業の領域での中国市場の潜在力はどのぐらいあるのだろうか? 全世界
をリードするマーケティング会社のACニールセンの最新調査では、中国の個人金融
業界は高速発展期にあり、中国市場は驚異の潜在力を備えている。
 ACニールセンは最近、北京、上海と広州で、18歳から54歳の2500名に対する電話
アンケートを行い、その結果、3地区の消費者の個人金融サービスについて、異な
る消費理念と特徴が見られたと発表した。
 このアンケートによると、アンケートを受けた29%が生命保険に加入しており、
個人投資経験者は4分の1以下で、過去1年間に個人ローン申請をしたのは10%以下で
あった。80%が銀行に預金があり、クレジットカードを所有しているのは約20%で、
そのうち、男性で年齡が25歳から34歳の高収入者の使用が比較的多くなっている。
 約40%が将来クレジットカードを利用したい、とても利用したいと答えている。
上海では、家計収入が2500元以上の消費者の60%がクレジットカードを利用したい
と答え、キャッシングを利用したいと答えた人が約3分の1であった。特に、高収入
群で個人ローンへの強い需要があり、主要な目的は不動産購入であった。
 ACニールセンのAlistair Watts中国地区会長は、中国個人金融サービスは今のと
ころ普及率は割合低いが、利用してみたいと考えている人は少数ではないと分析し
ている。
 このことは、中国個人金融サービス市場の開拓を急務としている中国国内と外国
の金融機構にとっての朗報であるが、しかし、同時に、消費者が現在の金融サービ
ス業とその提供している商品サービスへ信頼を置いていないとも言えると述べている。
 このアンケートでは、中国工商銀行が中国消費者との接触が一番多い銀行である
ということがわかっている。
 知名度では、外資系銀行は国内の銀行より明らかに低くなっている。何らかの外
資系銀行の名前を知っているのは30%以下で、この3地区で比較的知名度の高い外資
系銀行はHSBCとシティバンクであった。
 また、アンケートでは、資産運用方法に3地区で明らかな差が存在することがわ
かった。上海人の投資意識は最も強く、個人投資比率は北京や広州より明らかに高
くなっている。過去1年間の上海人の個人ローンの申込者は、北京、広州に比べは
るかに高くなっている。
 Alistair Watts社長は、「金融機関にとっては、各地の市場を開拓にはその地に
適した方法を取らなければならないことを意味しており、的確な策略をとり、個性
的、多元的な製品とサービスをすることで、消費者を得ることができる」と述べて
いる。〔和訊網6月22日〕

中国建設銀行 今年に入り474人の管理職が処罰される

 中国建設銀行のとある責任者は27日、会計監査署が25日全国人民代表大会常務委
員会に中国建設銀行が抱える管理上の問題を報告したと語った。管理上の問題中、
90年代までに起きた問題の80%以上が隠れ資産の存在で、2001年までに起きた問題
の70%以上は規定違反などの経営問題であった。
 新華ネットの報道では、中国建設銀行は会計監査や風紀粛清の過程で各種問題が
発見され、今年に入り既に474人の管理職が処罰されている。
 その責任者によると、今年の初め、中国建設銀行が会計監査署の会計監査審査結
果を受け取った後、判明したいろいろな問題に対して直ちに調査にかかったという。
 会計監査結果報告に書かれた21件の金融案件にかかわる手がかりをもとに、中国
建設銀行が既に処罰を行ったのは金融案件8件、処罰された管理職39人で、現在処
理を行っているのは7件、処理待ち6件である。
 特に被害が大きかったのは、前汕尾市公安局の某副局長が出した虚偽の証明書に
よって銀行資金がだまし取られた事件で、中国建設銀行は科長クラスの管理職3名
と部長クラスの管理職2人を含む関係者8人の責任を追及している。
〔中新網6月27日〕

企業の裏帳簿作成は一般的 会計監査で判明

 会計監査署会計監査長の李金華氏が25日、全国人民代表大会常務委員会に2002年
度中央予算執行及びその他財政収支に関する会計監査報告を行った際、国有大企業
管理職における主要な問題を報告した。
 李金華氏は会計監査の中で、内部コントロール意識が薄く、特に管理職の権力に
対して有効な規制措置がとれておらず、多くの職員が機に乗じて国有資産を使い込
んでいると語った。
 中国電子輸出入総公司前社長などは、1994年10月~1995年2月までの間に、北京
と山東にある会社2社の輸入貨物の偽信用状を担保に詐欺を行った。現在、その2社
は会社登記を既に抹消しており、海外からの信用状の元金、利子の全ての損失、人
民元に換算して7.76億元を銀行が肩代わりされている。
 1993年~1995年には、巨額の金を勝手に投資したり、香港や北京の関連会社に貸
し付けたりし、現在までの損失額は2.08億元になっている。
 これらの担保、投資や借金は、国家に巨額な損失を与えているが、直接の責任者
は、この7年間責任追及はなされていなかった。そのため、国務院は公安部に立件
を依頼した。
 また、李金華氏は、中国建設銀行と農業発展銀行の管理上に存在する問題を報告
した。
 中国建設銀行並びに支店20店舗の2001年資産損益表の会計監査を行った際、収入、
損益のごまかし、隠れ資産などの問題を発見した。主に規則に違反した貸し付け、
署名、為替の引き受け、為替の割引、高い利息での預け入れや規則に違反した借り
入れが比較的多く行われていた。
 会計監査でわかったことは、現在、中国建設銀行では新たな管理上の問題が発生
しており、新たなリスクとなっている。主に個人の融資業務で、ある支店が限度額
を超えた消費ローン、目的のはっきりしないあるいは虚偽の消費ローンを行ってお
り、多額の貸付金が借りた側の株の売買や債務の返還に充てられている。
 広州地区の中国建設銀行の支店8店舗でサンプリング調査を行ったところ、住宅
ローンで10億元にわたる架空のローンが組まれており、内部者と外部者が結託して
銀行の資金をだまし取っているのがわかった。
 例えば、広東省汕尾市公安局の某副局長は、1998年~1999年に他人の名義を使い、
虚偽の証明書を提出し、中国建設銀行広州市芳村支店のローン資金3793万元をだま
し取った。
 そのうち2576万元はその副局長などの個人預金として現金が引き出されて行方が
わからなくなっており、それを含む計3720万元は取り戻すことができない。現在、
その副局長を含む9人の容疑者は、既に公安局に拘留されている。
 農業発展銀行並びに支店34店舗の2001年度資産負債損益状況の会計監査を行った
ところ、財務管理上の問題が突出しているのがわかった。1995年以来、農業発展銀
行本店では、虚偽の支出で資金をだまし取ったり、新しい手口の高い利息を語った
融資といった方法で、隠れ資産がつくられ、累計総額は5736万元に上る。
 1996年~1999年にかけて、農業発展銀行本店では、リースという名目で、ある会
社に総額は9.2億元の電子設備と自動車などの固定資産の購入を委託し、そのうち
8.1億元は株式購入に使われてしまい、その収益さえも行方不明になっており、大
きな刑事事件となっている。
 李金華氏は、今回の会計監査で、中国建設銀行、農業発展銀行で起きた刑事事件
は52件、容疑者75人が発覚したと語っている。これらの事件はすべて司法機関にゆ
だねられ、立件中である。〔中新網6月26日〕