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待ったなしの三農問題

農村の各分野における改革が三農問題解決のかぎ

 中央経済工作会議では、三農問題(農業、農村、農民)の解決が党全体の業務の
中でも重要な位置を示すことが強調し、また、専門家はこの難題を解決するかぎが
農村の各分野における改革を推進することだと指摘する。

 中国改革雑誌社の温鉄軍社長は中央電視台経済情報放送の取材を受け、農民が農
業から得られる収益の増収の可能性は小さく、一般的には非農業収入に頼っている
ことを指摘した。
 郷鎮企業の発展、都市化の実現、県レベルの経済発展といった一連の中国の実情
に合った政策支援が求められている。

 統計によると、目下中国の農民の収入の17%は労務収入によるものであり、農民
収入の増加の41.8%は出稼ぎに依存しているものの、専門家は、現在の中国の都市
化の過程の中で、農民は都市化の利益を享受しにくいと指摘する。

 国家発改委産業経済研究所の馬暁河所長は、「都市化は、一種の閉鎖的なもので
あり、農民の都市流入を遮り、土地を代表とする富だけが都市に流れることになれ
ば、農民は都市化の成果を享受できない。したがって、農民が都市に移動すること
を奨励し、門戸を閉じられないようにすべきで、さもなければ社会全体の「小康」
は達成できない」と指摘する。
〔中新網11月29日〕

中国の農民と都市住民の不平等は社会発展に影響

 「中国の人口の70%以上は農民である。基本的な権利もなく、十分な保証も得ら
れていない。農民の権利と都市住民のそれとの間には不平等が発生している」
 海南で開かれた中国転換期政府改革国際討論会で、元国家体制改革委員会党組書
記で、現財国家発展及び改革委員会の顧問である張皓若氏はこのように述べた。

 張皓若氏によると、中国の人口の70%近い農民は、基本的な権利保障が最も薄い
状況にあり、農民の権利と都市住民のそれとの間には不平等が発生している。これ
は、中国の社会発展におけるアンバランスの重要な兆候であるという。
 張皓若氏は、3つの分野から中国の農民の権利保障を行うべきであると考えている。

1)土地問題
 農民は長期土地利用権を持っているが、土地使用権、処分権、収益権といった内
在するすべての権利を持っておらず、農民の利益は常に奪われている状況にある。
 張皓若氏は、実行可能な方法として、農民の土地使用権を使用期間内において農
民が支配できる財産権に変更することを考えている。このことで、農民は、土地使
用権移転の収益権、土地使用に対する継承権を含む土地使用権、処分、収益権を享
受できる。

2)農民の税負担問題
 現在中国の農業税と特産税の合計は都市の中、低収入住民の所得税水準より高く
なっている。
 張皓若氏は、農業税を減免し、特産税をやめ、ある程度の時間を経て最終的に農
業税を免除することを提案している。

3)農民の社会保障問題
 郷村で農業を営む農民は、都市住民の享受している失業保障、養老保険、医療保
険等社会保障を享受できない。都市で仕事をする農民は、居住権、子女の教育、医
療保障及び失業救済等々の処遇を受けられない。さらに、常に差別を受けたり、迫
害されたりしている。

 張皓若氏は、中国農民は「温飽」問題を解決し、まさに「小康」へと向かいつつ
あり、社会は農民の生存権を保障するだけでなく、保健衛生、教育、文化、政治的
権利を含めた農民の権利の全面的な発展を尊重し、徐々に満足させることが必要で
あると指摘する。

 「農民は今日の中国社会と政治生活の中における声はそれほど弱くない」と張皓
若氏は述べた上で、「これは、農民の発する声であり、中国社会の発する声でもあ
る。政府は改革を進める段階で、決して農民を無視することはできなくなった」と
現状認識把握を促している。〔中新網海口11月30日〕

来年から果樹と茶の競争力の向上を計画

 全国果樹・茶優良品種育成場建設並びに産業発展経験交流会において、農業部は
来年より全国で「果樹・茶生産産業競争力向上計画」、「リンゴ輸出促進アクショ
ン」を優先プロジェクトとして始動をすることを決定した。

 「果樹・茶生産産業競争力向上計画」の具体的目標は以下のとおり。
 2005年までに、果物の作付面積を1.35億ムーほどに安定させ、総生産高7500~
8000万トンにする。果物の輸出は220万トン、15億米ドルにする。
 茶は、1700万ムー、総生産高80万トンほどにする。茶の輸出は25万トン、5億米
ドルにする。
 2010年までに、果樹・茶製品の輸出総額を2005年の2倍の40億米ドル以上にする。

 朱秀岩氏は、「果樹・茶生産産業競争力向上計画」の実施をめぐって、農業部が
今後重点的に5つの業務に力を入れることを強調した。

1) 優勢区域の区画設定の制定と実施を行い、果樹、茶生産地帯の形成を加速させる。
 既にリンゴ、かんきつ類の優勢区域が制定されているため、今後、農業部は引き
続きブドウ、梨、熱帯及び亜熱帯果物、茶などの区画を行う。
 同時に、戦略に基づくプロジェクトを実施することで資金傾斜配分を行い、リン
ゴ、かんきつ類の優勢区域の区画実施を大々的に図る。

2) 優良品種体系の設立と管理を強化し、果樹・茶産業の発展の基盤を固める。
 投入を引き続き拡大し、省レベルの果樹・茶優良品種育成場を拡張、建設し、新
たに優良品種繁殖基地を建設し、第11次五カ年計画内に比較的完成された「三級」
の果樹・茶優良品種繁殖体系を確立させる。
 果樹・茶苗木管理弁法の研究と制定を早急に行い、雑多になっている苗木の管理
を解決する。

3) 科学技術の応用と普及に力を入れ、果樹・茶の質を全面的に向上させる。
 今後5年間に、農業部は毎年4回、果樹・茶技術訓練クラスを組織する。
 収穫後の処理、備蓄、輸送技術の研究と開発に力を入れ、収穫後の処理レベルと
能力を向上させ、外観や質を向上させる。果樹・茶の「有機生産モデル基地」の創
設を引き続き展開する。

4) 先行企業を育成し、農民専門組織を発展させ、果樹・茶の産業化経営を積極的
に促進する。
 今後、農業部は果樹・茶業界組織の建設に対して支援と指導を拡大させ、業界組
織が健全な企業経営行為を行えるようにし、無秩序な競争によって自制しないよう
にさせる。

5) 「リンゴ輸出促進アクション」の実施により、国際市場の開拓に努める。
 来年、農業部は「リンゴ輸出促進アクション」を始め、欧米市場を重点に据え、
専門家を組織する。
 特に、東南アジア市場の調査研究により、国際リンゴ市場の消費構造と潜在力を
理解し、企業を組織し、国外でリンゴ推薦紹介会あるいは展示販売会を開き、海外
での販売拠点ネットの設立と販売量の拡大を図る。
〔農民日報12月5日〕