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今年中国のマクロ政策運営

7%の経済成長目標 中国政府の発展観が大きく転換

 5日の温家宝総理の「政府活動報告」記者会見後の国家統計局チーフエコノミ
ストの姚景源氏の発表によると、政府は2004年の経済成長予測目標を7%前後と昨
年の実質成長9.1%より低く設定していることは、経済成長データ重視から中国が
科学的発展観へと経済成長の考え方を変えたことをあらわしていると説明してい
る。

 姚景源氏は、7%前後の目標設定は、マクロ経済のコントロールに深遠で重要な
意義を持たせたと述べた。
 国家統計局の推計によると、今後の中国経済が毎年7.18%の速度での成長を維
持できれば、2020年には国内総生産を4倍にするという目標は間違いなく実現さ
れ、「小康」社会の建設の目標実現は確実であるという。

 今後、中国は、単に経済成長速度を追求するだけではなく、全面的に調和のと
れた持続可能な発展に重点を置いた上で、都市と農村の発展、地域の発展、経済
社会の発展、人と自然の調和のとれた発展、国内の発展と対外開放について考慮
したものにする。
 中国の経済社会発展の監視測定機関である国家統計局は、今年から、国民経済
と社会の発展統計指標を万全なものにすべく、GDPデータ公表と同時に、環境、
資源、生態などの変化情況のリストを作成し、経済成長の影で支払われている負
の代償についても明らかにする。

 経済成長予測目標を7%前後としたことには、重要な意味が隠されている。
 姚景源氏によると、中央政府が目標を7%に定めたことは、各レベルの地方政府
に対し、経済成長の質と効果を高めることに力を集中すべきという明確なシグナ
ルを発したものだという。
 中央政府が予測目標を低くしたのは、地方政府の経済成長目標達成のための圧
力を軽減し、各地で発生している何段階もの値上げ防止、成長スピードのみの追
求競争の防止を避けることに効果があり、経済成長の質と効果を高めることに力
を集中させるためである。

 さらに、GDPの単位当たりの生産性が向上すれば、たとえ今年の経済成長速度
が昨年に比べ多少下がったとしても、経済成長全体に対する効果は昨年より高く
なる。
 つまり、GDPは重要な経済指標の一つではあるが、経済、社会発展のすべての
内容を網羅しているわけではない。GDPには、人々の幸福感、市場外での労働、
生産、経済成長のもたらす環境影響や経済発展のバランスは含まれていない。
 「政府活動報告」を見ると、2004年の中国政府活動の重点をGDPの高速成長に
限っておらず、さらに困難で重要なこととして、GDPの数字が反映されない部分、
つまり、人を主体とした科学的な発展観の堅持を取り上げている。

 温家宝氏は5日に行われた「政府活動報告」では、今年の経済成長予測目標を
7%前後と発表し、マクロコントロール目標の一貫性維持を考慮するだけでなく、
経済の成長長速度とエネルギー、重要原材料、交通運輸などの実際的な条件との
関連、資源と環境に対する圧力の軽減をも考慮し、各方面での改革、構造の調整
が推進されることにより、経済成長の質、効果が上がり、さらに多くの財力、物
資を社会発展と脆弱点を強化することができるようになるとしている。
〔新華社北京3月5日〕

財政部予算案 軍事費増加、農民負担額は118億減少

 新任の金人慶財政部長は6日、任期後初の中央及び地方予算案を発表し、2003
年度予算の実行状況について総括を行った。

<3198億の赤字は昨年並みを維持>
 2004年の中央財政総収入と総支出はそれぞれ前年比で7%、5.6%の増加で、赤字
は昨年並みの3198億元である。国債は1100億元の発行が予定され、前年比で300
億元減少している。
 関係者によると、今年の中央財政は「三農(農業、農村、農民)」問題を含む六
大分野(労働・社会保障、教育、衛生、科学技術、文化、スポーツ等の事業)に
重点配分する。
 また、地方への移転支出に対しては、税制等の改革の推進、各レベル政府の正
常運営の保障を支援する。

<税制の見直しで、農民負担は118億の軽減>
 「三農」問題は、今期政府の最も重要な課題である。中央財政は「三農」への大
幅な予算投入の増加を継続する。投入額は総額で300億元以上増、前年比で20%以
上増となる。
 注目すべきこととして、今年よりたばこ葉以外のすべての農業特産物税を廃止
し、農業税の税率を全体で1%下げ、かつまた食糧生産を主とする地域と食糧生産
農民に対し、118億元の税負担を減少させる。さらに、5年以内に農業税の取り消
しをする。

 中央財政は、農村の税改革特定移転支出資金として396億元を計上することを
予定している。
 食糧流通体制の市場化改革を積極的に推進し、流通段階の間接的補助金を、食
糧生産を主とする地域の食糧生産農民への直接補助金に切りかえ、食糧リスク基
金から100億元を食糧生産農民へ直接補助金とすることを予定している。
 同時に、農業インフラ施設建設、林業生態建設などへの財政投入を増加させる。

<医療体系への投入増加 >
 昨年、突然発生したSARSにより、中国医療体系不足が露呈してしまった。
 そのため、金人慶財政部長は、疾病予防調節体制と突発的な公共衛生事案の応
急医療体制の建設を加速することで、公共衛生サービス水準と突発的な公共衛
生事案に対する応急能力を高めることを提案した。
 また、農村医療の衛生条件を改善し、新しい農村協力医療制度の改革の試行を
支持した。

<内外所得税を統一する>
 それ以外にも、税制等の体制改革を進めることを支持した。
1) 輸出税還付構造改革を順調に行う。
2) 内外資企業所得税の統一とその他の税制改革政策の方策についても研究を加
速する。
3) 金融システム改革の支持、金融リスクの防止と解消、中国銀行、建設銀行の
株式制への改造と農村信用社のインフレスライド預金の損失補てん等を行う。
4) 投資システム改革と電力、電気通信、民間航空会社、鉄道、郵政、都市の公
益企業等の改革を支持する。

<軍費費大幅増>
 予算案では、人民解放軍のハイテク防衛作戦能力を高めるため、軍人の給料と
退職金支出等を調整し、国防支出は218.3億元増の11.6%増となり、昨年の増加幅
と比べ、2%上昇している。
 中国の国防支出方面では、過去15年平均で増加を維持しており、2003年の増加
幅が9.6%であるほかは、ずっと2けたを維持してきている。ただし、2001年の17.7%
をピークとして、その後は年々増加幅が減少している。

 ヨーロッパ軍事アナリストによると、中国実質支出は既に公表予算の2、3倍に
まで達しているという。
 また、外電の予測では、中国の2003年の国防支出は1800数億元に達しており、
さらに、過去1年間の周辺国家との関係、中台関係、米台関係などの国際情勢と
して注目されているものが、今年度国防支出増額の動機となっているという。
〔鳳凰衛星テレビ 3月6日〕