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中国自動車市場の価格と戦略

今年の乗用車価格は10―20%の下落 高級車値下げ幅大

 多くの乗用車が大幅値下げしている。自動車価格の底値は一体どこにあるのだ
ろうか。

〈またたく間にどんどん安くなる 消費者は混迷状態〉
 乗用車の価格は一体いつまで下がり続けるのだろうか?これは自動車購入を計
画をしている人の関心の的である。
 11日に行われた中央テレビ局広告部と中国自動車工業協会が共同主催する「中
国自動車産業ブランドのマーケティングトップフォーラム」で、車両価格はさら
に下降する可能性があり、下降幅は10―20%ぐらいであると発表された。

 フォーラムには、一汽轎車股ブン有限公司、東風汽車公司、上汽集団奇瑞汽車
有限公司などの10社以上の自動車メーカーが参加した。
 多くの自動車メーカーは、今年の自動車価格競争が依然として激烈だと語って
いるが、一部のメーカーは、値下がりがないのは既に適正価格であるためである
と語っている。
 東風悦達起亜汽車有限公司の李春栄常務副総経理は、東風の価格戦略は適正価
格であると語っている。例えば、2003年に東風の全国の千里馬(mlhorse)を除くす
べての一般車を値下げしたが、千里馬は既に適当な価格であるため値下げしなか
ったという。

 中国自動車工業協会の顧翔華副事務総長によると、中国がWTOに加盟するに際し、
2006年7月1日までに、3リットル以下の車の関税は25%まで下げられることが決まっ
ており、国内企業は早目の国際価格に沿った価格への転換に努力している。これが
値下げの状況をつくり出しているという。
 専門家は、今年の乗用車価格は全体では依然として下がっており、全体の下降幅
は10%―20%ぐらい、中でも中高級車の値下げ幅は比較的大きく、一般車の値下げ幅
は小さいと見ている。〔中央テレビ局6月11日〕

中国自動車市場の「変貌」 5月の自動車販売台数20%激減

 連続3年間50%以上の増加率を維持していた、中国の自動車市場は突然「変貌」し、
5月の自動車販売台数は20%に激減している。

 新華社北京の6月15日の記事によると、統計では連続3年間50%以上の増加率を維
持していた中国の自動車市場の、今年5月の販売台数が全面的に減少している。先
月に比べ20%も減少し、余剰在庫は総生産台数の10%以上にまでなっている。販売台
数が30%以上激減している自動車販売店もある。
 ある自動車販売店は、この1カ月を中国乗用車市場の「ブラックメイ(暗黒の5
月)」と呼んでいる。

 国家統計局の公布した最新月間データの数字でも、販売台数減少は明らかであ
る。
 5月の自動車業界の工業付加価値は33.3%増、乗用車は30.5%増で、先月に比べて
1.3%と12.1%減少している。
 自動車業界は依然として比較的高い成長速度を維持してはいるが、成長速度は
先月に比べると明らかに減少している。

 自動車価格の大幅な下落により、長期的に抑圧されていた国内潜在消費エネル
ギーが集中的に爆発し、これが2002年と2003年の自動車販売額の大幅な増加の基
礎となっていた。
 しかし、需要の減少に従い、国内の自動車需要は正常な発展へと変化している。

 現在、国内の自動車整備製造企業は123社で、27の省市で自動車を生産しており
、17の省市で乗用車を生産し、23の省市に乗用車の生産ラインがある。
 各地での報告をもとにつくられた「第10次5カ年計画」工業規格では、2005年の
全国自動車の生産能力は622万台以上となっている。
 しかし、これは2000年のデータで、この2年間の自動車市場の爆発で、多くの自
動車企業は続々とさらに生産を拡大している。ある研究では、各車種の総合生産
能力は2007年までに1400万台にまで達するという。

 自動車生産能力は通常18カ月以上の周期が必要であることを考慮すると、2002
年のプロジェクトの効果は今年表面化することになる。
 2003年の新プロジェクトでの大量生産開始で、生産能力過剰が競争の激化と利
潤減少を招くことになる。2005年の中国乗用車の生産能力利用率は55%まで減少す
ると予想されている。したがって、2002年-2010年の生産能力利用率は最低の時
期となる。

 国資委情報センターによると、このような状況は既に確かにあらわれており、
13社の国有重点企業の自動車業界統計では、今年の1-4月の完成品在庫が大幅に
上昇していることが明らかになっている。
 また、4月末までの完成品在庫総金額は142.1億元で27.9%上昇しており、在庫品
の増加により企業は値下げ戦略をとらざるを得なくなってくる。

〈自動車価格は値下げが続くと報道 市場は比較的落ち着きを見せる〉
 新華社福州の6月15日特電では、今年の自動車業界の流行語は「値下げ」で、最
近の値下げはさらに激しくなっている。
 厦門の南山自動車城では、車両価格はずっと下がり続けているが、自動車市場
の消費量はかなり落ち着いているという。

 今年初めから現在までの輸入車平均価格は15%下がっているが、消費者はお金を
懐に持ちながら、買わずにじっと待っている。
 専門家によると、自動車市場はもともと売り手市場であったが、供給と需要に
微妙な変化が生まれ、大幅な値下がりになっているという。
 そのほか、重要なポイントとして、WTO加盟により、来年1月1日から、輸入車許
可証が廃止され、同時に輸入車の関税が下げられる。輸入車の購入しようとして
いる消費者に、そこでまで待とうという心理が生まれている。

 一部の自動車販売店では、近いうちにさらに値下げすることはなく、今年中に
値下げされる価格幅はわずかだと述べている。
 しかし、実際は国産車の定価決定権は自動車メーカーが握っており、輸入車の
定価も国産車との競争が考慮されている。
 消費者は自動車ローンと燃料価格上昇の影響を受けており、もっと大幅に値下
がりすれば、車両購入需要が解き放たれるかもしれない。〔深セン商報6月16日〕

三菱は中国市場振興計画開始 三菱の専売店が急速に拡張

 日本の自動車の中国市場争奪戦は、三菱の中国業務が「技術サポート」から「合
弁」に転向しようとしている。

 第8回北京国際モーターショーで、三菱自動車は昼食の時間を利用して、臨時記
者会見を開いた。これは三菱が5月21日に復興計画を発表後、初めての中国での記
者会見である。
 この記者会見で、三菱汽車公司研究開発本部の貴島彰部長は、三菱自動車が今
年「中国市場の新振興計画」の実施開始を決定したことを発表した。

〈中国は部品供給基地に〉
 貴島彰部長によると、三菱は中国業務発展について、3つのポイントに力を入れ
ているという。
1) 在中の協力会社の関係を強化し、三菱ブランドの生産販売ネットワークを構築
 する。中国業務の発展を図ると同時に、利潤機会拡大の実現に努める。
2) 市場ニーズを満足させる新製品とアジア戦略を踏まえた商品の陣容を強化する。
 2007年までに累計で11の新車とモデルチェンジ車を出す。
3) 在中のエンジン、ギアチェンジの合弁プロジェクトを建設し、アジア地区の部
 品供給基地とする。

〈三菱ブランドの専売店が急速に拡張〉
 貴島彰部長は、今後中国市場での利益増加を実現するため、今年中国市場では
4車種の販売が計画されており、今回モーターショーで発表されたMPV「GRANDIS」
は10月に中国で発売し、2004年で販売台数20万台を上回る計画であると語ってい
る。
 また、上述の3つのポイントを推進することにより、三菱は2008年に500店の三
菱専売店を設置し、三菱ブランドの単独販売で22万台、中国生産ブランドを含め
て31万台の販売することを目標としている。

 貴島彰部長はさらに、三菱自動車の今後の自動車製品シリーズと発展戦略方針
を発表した。目標はパジェロを代表とするSUVとLANCEREVOLUTIONを代表とするス
ポーティーが三菱自動車のDNAであり、これを重点的に発展させ、新しい三菱ブラ
ンドの製品シリーズを創造すると語っている。

〈中国戦略の背景〉
 三菱自動車が発表した今年第1期会計年度(2004年3月31日まで)の財務報告に
よると、三菱の前年比損失額は日本円で2150億円(約19億ドル)となっている。
 三菱は今年の損失20億ドルを、2005年までに黒字転換するという計画を出して
いる。

 三菱が国際市場で四面楚歌の状態であることと比較すると、中国市場は唯一の
スポットライトと言える。「チーター」、「ランセル」、「パジェロスポーツ」、
「o-land」などの国産車の技術はすべて三菱の技術提供によるもので、また三菱
にも高利益を運んできている。
 2003年に三菱自動車の中国販売台数は15.1万台で、昨年比で66%増大している。

 それ以外にも、三菱の中国でのエンジンプロジェクトも極めて大きな成功を得
ており、現在国内で生産されている「中華(zhonghua)」、「東方之子(Chery)」、
「陸風(Landwind)」、「パジェロスポーツ」、「中興(zhongxing)」など10余りブ
ランドはすべて三菱のエンジンを採用しており、三菱のエンジンは中国市場の年
間販売数は30万台に達している。
〔民営経済報6月15日〕