ヒートするエアコン市場
最新エアコン市場研究 今年のエアコンメーカーの淘汰率は60%に
2000年、中国のエアコンメーカーはおよそ400社、2003年はおよそ140社まで減
少し、淘汰率は30%であった。今年、およそ50社のメーカーが市場で活発な展開を
維持しており、淘汰率は約60%である。市場の上位4社で2003年より6%増の51.9%を
占有している。この状況は依然として続くだろうと考えられている――。
このデータは、国務院発展センターの市場経済研究所、北京市場調査研究セン
ターによってつくられた、中国家電市場合同調査研究プロジェクトチームが発表
した最新の「2004―2006年の中国都市消費者のエアコン需要状況の研究報告」に
よるものである。
調査研究報告の責任者であり、国務院発展研究センターの市場経済研究所の主
任でもある陸刃波氏によると、この調査研究は今年の1月―7月に行われ、全国の
50都市、1.6万人を超える都市住民家庭に対し、国内エアコン市場の発展状況、国
内外企業のマーケティング効率などに重点を当てて調査研究をしているという。
このプロジェクトチームのデータを見ると、2003年末の中国都市住民家庭のエ
アコン普及率は48.9%に達し、昨年に比べ2.4%増加している。
都市部家庭では、平均2.13台のエアコンを持っている。
中でも、一級都市家庭のエアコン所有率は比較的高く64.8%にまで達し、将来的
な潜在的市場は主に一般家庭での2台目、または新規不動産の需要によるものであ
る。
二、三級都市のエアコン所有率もそれぞれ50.3%、39.6%にまで達しており、さ
らに拡大しようとしている。
市場規模から見ると、今後3年間冷夏が続いたとしても、エアコン市場総台数は
安定上昇の勢いを見せ、それぞれ1228万台、1320万台、1400万台に達すると予想
されている。しかし、不動産業の発展と都市住民の快適な生活の追求という2大要
素の影響で、成長速度に緩やかな下降傾向があらわれ、それぞれ7.16%、7.49%、
6.06%になると予測されている。
健康、省エネは消費者にとってエアコン購入時に最も関心を持つ要素となって
いる。調査研究では、今後1年間のエアコンの予想購入率は9.5%、健康、省エネの
エアコンを選択する割合は50%を上回っている。〔南方日報7月20日〕
7月の高気温による「灼熱」市場 エアコンの売り上げが「爆発」
7月に入りますます蒸し暑くなっている。しかし、気温によって売り上げが変わ
るエアコンの業界にとって、「灼熱」は大きなごほうびとなった。冷夏の年はエ
アコン市場は伸び悩むが、今年は猛暑となり、販売の最盛期を迎えている。
〈高温「灼熱」のエアコン市場〉
「よほどのことがなければ、今週末にも1日平均6000台の販売が達成される」蘇
寧電器(SUNING)重慶支店の侯恩竜総経理は上機嫌で語っている。気温の突然の上
昇により、エアコンの販売業績は急激な伸びを見せているからだ。
今週末にピークに達し、先週末に比べ250%増になると予想されている。高温の
「灼熱」で売り上げ最盛期となり、笑わずにいられない状況である。
同様の状況は重慶のほかの量販店でも起こっている。国美(gome)の沙坪〓ショ
ッピングセンターのエアコンコーナーでは、エアコンを買う客の人波でごった返
しており、天気が原因なのか、国美の価格による刺激なのか、消費者はとても熱
心である。
エアコンコーナーの中央にあるカウンターは客で満員で、店員はやっとのこと
カウンターのそばに立っていて、しかも同時に何人もを接客しているという状況
である。急いでいる消費者は無理やり前に出て聞いたり、店員を引っ張って放さ
なかったりして、売り場は活気にあふれている。
国美では、週末の販売量は8000台を突破すると予想されている。
商社電器(cgtg)は、売り場にある各メーカーの販売数が前年同期比平均279%増
となっている。その中でも、格力(Gree)、奥克斯(Aux)などのメーカーのエア
コン販売台数の増加は顕著で、前年同期比346%増である。
注目すべきなのは、月曜日―水曜日は1週間のうちでも売り上げが少ない時期な
のに、今週の販売台数は既に先週末を上回っていることだ。
重百(CBOL)では、火曜日に3つの店で2500台以上、水曜日に3000台近くのエア
コンが販売された。
関係者は、この勢いが続けば、今週末には1店での販売台数が1500台に上ると見
られ、最盛期を迎えるだろうと語っている。
〈各メーカーでも大変なことになっている――〉
格力市場普及部の李強部長は「格力エアコンの現在の1日の販売台数は約5000台
で、週末にはピークになるだろう」と語る。梅雨前には1店で1日100台を販売する
ことさえ難しかったのが、急激に販売台数が伸び、現在では300台までになってい
るというのだ。
美的重慶支社のエアコン責任者の張守文氏は、猛暑によりエアコンの購入が集
中しており、その爆発力は驚異的だという。エアコンは販売の最盛期を迎えてお
り、美的の各売り場では毎日約400台を販売、エアコン販売上昇幅は30%―40%に達
している。
華凌空調(Hualing)の羅経理も、主な市街区域では梅雨のころは1日に50―60台
しか出荷していなかったが、今週は2日間だけで600数台を出荷していると述べて
いる。
〈商品の供給不足、設置サービスも困難〉
今までの経験では、7月はエアコン市場では最後のチャンスと言われ、8月、ひ
どいときは7月下旬からエアコン販売の動きは鈍くなり、その1年の市場は終わり
になる。そのため、専門家は7月を「生死を分ける月」と呼んでいる。
また、エアコンの売り上げが「爆発」する一瞬が「生死の瀬戸際」となり、ど
うしても多くのメーカーで商品の供給不足が始まる。
消費者は「不確定では動かない」ため、酷暑になってから集中的にエアコンを
買うことになる。したがって、多くのエアコンメーカーでは在庫不足、売り切れ
の問題が起こっている。
中でもコンプレッサーが非常に不足しているため、小規模生産の窓用エアコン、
安価で取りつけやすい1.5馬力の壁掛け型エアコンの在庫はかなり厳しい状態であ
る。
「窓用エアコン、1.5馬力のエアコンの在庫不足の問題は確かにある」と重慶格
力販売公司の販売責任者は少しも隠し立てをしていない。「実際、一部の製品の
売り切れは毎年起こる現象で、ただ時間的に早いか遅いかである」
華凌空調では、既に商品売れ切れの現象があらわれている。売り切れたのは1.5
馬力のエアコンで、華凌の販売責任者は「この型番だけが売り切れている」と説
明する。
先週末に大量に1馬力と1.5馬力のエアコンを売り出したため、今週の初めの商
品供給は自然と厳しい状況になった。現在、華凌空調では緊急に商品を調整して
おり、週末には商品を供給できるという。
専門家によると、まさにエアコンの「爆発的な」売り上げはピークとなってお
り、さらに家電店でも当日に取りつけができない状況となっている。
蘇寧、国美は取りつけサービス体制を充実させ「2時間で取りつけ」、「買った
らすぐに取りつけ」をうたっているが、エアコン販売の「爆発」に直面し、大変
な状況になっている。
蘇寧では「2時間で取りつけ」ができるとしているが、それは売り場にある限定
された型番のエアコンであることに注意すべきである。つまり、消費者は買って
すぐ使えるエアコンを買いたくて、販売店が特定しているエアコンを選んでいる。
蘇寧は3000人の取りつけ工事担当者以外にも、他の都市から1500人の派遣を準
備しており、取りつけ最盛期の困難な問題を解決している。
〈ピーク期をずらしての購入がお勧め〉
エアコンの売り上げが「爆発」している時期に購入するのは最悪である。
オフシーズンや最盛期の前には、多くのメーカーは販売促進活動として、特別
値引きやプレゼントをつけて、消費者の購入意欲を刺激している。
しかし、販売の最盛期は、ほとんどが「座って紙幣を数えている」状態で、6月
中旬から大手のエアコンメーカーは前後して各種の販売促進活動を終えているし、
さらに言えば、価格も上昇している状況である。
それ以外にも、爆発的な売れ行きの時期は、各メーカーの在庫はすぐになくな
ってしまい、根本的に爆発的な販売台数を支える力がない。
一般的には、毎年、最盛期の爆発的な販売期間(10日間ぐらい)で年間の販売
台数の約30%近くを占め、もっと多いこともある。考えればわかることだが、この
時期のエアコン取り付けは消費者の需要を満たすことができていない。
この状況を緩和するため、各家電店は消費者に対して、エアコン販売最盛期に
なる前、エアコンの取り付けがスムーズにできるうちの購入を勧めている。
蘇寧電器は営業時間を延長して、「エアコン夜市」を実施している。商社電器
も同様に営業時間を夜9時ごろまで延長し、売り場の混雑を解消している。
〔重慶商報7月23日〕
注)〓は、つちへんに「覇」
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