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医療費高騰と医療アクセス、医療機会の格差

医療費高騰 施設はふえても受診率は上がらず

 衛生部の最新調査によると、10年間で中国住民のための衛生施設は増加してい
るが、都市と農村の周りには経済困難で病院に行けない人が4割近くいる。
 衛生部統計情報センターの饒克勤主任は11月21日、広州で、中国国民の収入は
増加しているが、医療費の増加が著しいという報告を行った。
 中国は過去に1993年と1998年に国家衛生施設の調査を行ったほか、昨年の9月18
日―10月20日にも全国92の県と市で19万3689人規模の第3回目の調査を行ってい
る。
 饒克勤主任が公表した調査の概算結果によれば、2003年の中国の都市と農村の
住民が病気になる率は14.3%で、1993年に比べて0.3%増加している。これから推
定すると、中国では数十年のうちに病人が述べ7.1億人増加し、50億人になった。
 病気になる人がふえているが、診察を受ける人は少なくなっている。調査によ
ると、都市と農村住民の受診率は1993年の17%から13.4%まで下がっている。入院
率は10年前と同じ3.6%である。
 同時に、都市と農村住民で病気になって診察を受ける割合は5割未満で49%であ
る。一部は経済困難によるもので、割合は都市と農村でそれぞれ36%と39%である。
 それ以外にも、退院の原因に対して調査を行っている。43.3%の人はみずから
退院しており、そのうち63.9%が経済困難を理由にしている。
 それから、1993―2003年の外来診察費と入院費用の変化状況を比較すると、都
市と農村を合計した年平均の外来診察費と入院費は、物価上昇を考慮すると、1
年当たり14%ぐらいのスピードで上昇している。1993年は外来診察費は21元で入
院費用933元であったが、2003年には75元と2233元となった。
▽関連ニュース
〈大病院の外来診察での伝染病の申告漏れは深刻〉
 中国は2.4億元を投じ、医療救急治療情報システムを構築する。これは11月21
日、広州で開催された中国衛生情報学会創立会議の席上、衛生部の王隴徳副部長
が発表したものである。
 王隴徳副部長によると、現在大病院の外来診察の申告漏れは深刻で、多くの病
院では、外来診察で肝炎などの伝染性の患者の検査を行った後に、報告せず、疫
病を拡散させているという。各地で原因不明の肺炎の報告、監視測定作業を厳し
くし、SARSの再発を防止しなくてはならないと王隴徳副部長は語る。
 SARS発生後、中国は110億元を投じ、各地の専任の伝染病院と救急病院を強化
し、各地に疾病コントロールセンターを建設したが、現在まだ情報伝達がスムー
ズでなく、全体的にはうまくいっていない。伝染病患者がどの病院へ行ったらい
いかわからない、あるいは病院が既にいっぱいであるという状況がよく見られて
いる。
 このため、2.4億元を投じ、医療救急治療情報システムを建設し、全体の医療
システムで、入院前、入院中、入院後の疫病発生状況、指揮体制をつくり上げる。
 その医療システム内容は、各病院に空いている病床が幾つあるのか、さらにそ
の調整、患者の病状の軽重、転院治療などである。
 また、衛生部は近いうちに関連政策を発表する。
 来年から国は12億元を投入して、中西部地域の農村の「受診困難」問題の解決
に力を入れる。
 具体的な方法としては、発展地域の病院と中西部地域の郷鎮に対し援助し、積
極的に全国に各県レベル以上の病院の大学卒業生を2年仕事した後、郷鎮へ1、2
年派遣する。すべての地方で毎回3人の医者を派遣し、そして途絶えないよう実
行する。この経費は国が負担する。
〔信息時報11月22日〕

中国の病人の約半数は医者にかかっていない 医療費の高騰が主な原因

 衛生部が7日公表した「第3回国家衛生施設調査の主要結果」によると、中国の
医療費の上昇は平均収入増加速度を上回っている。医療費は食費、教育費に続く
3大消費事項となっているが、5割近い市民は病気になっても病院に行っていない。
 1993年、1998年、2003年の3回、中国は衛生施設の調査を行った。昨年の調査
によると、過去5年間の中国都市と農村の年平均レベルはそれぞれ8.9%、2.4%増
大している。そして年間の医療費は、都市と農村の住民でそれぞれ13.5%、11.8%
増大している。
 経済上の困難と通院が不便なため、都市部と農村部住民の医療サービスの利用
は減っている。今回の調査で、中国の48.9%の住民は病気になっても病院に行っ
ていないことが明らかになった。
 一部の人は自分で薬を買って飲んでいるが、全く治療措置をとらない人もいる
ことがわかった。病院に行った患者で、医者が入院治療を宣告しても入院しなか
った人は29.6%に達している。
 病気にかかっても病院に行かない、入院しないなどの治療措置をとらない理由
の38.2%が経済困難によるものである。入院すべきであるのに入院していない患
者の70%は経済困難が利用である。
 都市部と農村部の低収入者層では、入院しなければいけないにもかかわらず入
院していない割合は41%にまで上っており、一般収入層よりかなり高くなってい
る。
 そのほか、一部辺境地域では医療資源が不足しており、住民が医者にかかるの
は不便である。貧困地域では最も近い医療機関までのアクセスが5キロ以上とい
う家庭は18%で、4分の1は最も近い医療機関までのアクセスが30分以上かかる。
〈慢性で非伝染性が主要な病気の特徴〉
 7日、衛生部が公布した最新の全国衛生施設の調査では、病気になる人が増加
し続け、毎年の延べ50.8億人が病気になっている。その中13%が慢性疾患と診断
されている。
 衛生部統計情報センターの饒克勤主任によると、現在、慢性で非伝染性の疾患
は都市部と農村部住民がかかる主要な病気であるという。
 専門家による今回の調査では、中国の慢性疾患者は1.6億人で、10人のうち1.3
人が医者に慢性疾患と診断されている。高血圧、糖尿病、脳血管病は都市住民の
よくある病気で、多発している。
 慢性疾患は都市住民の生活水準向上と高齢化に伴って一層上昇している。年齢
が10歳増加すると慢性疾患になる割合は50%以上増加する。
 過去10年の都市部と農村部住民の喫煙率、飲酒率は減少し、自発的に運動して
いる人が増加している。15歳以上では、喫煙率は26%、1日の喫煙本数は15.9本で
ある。また、47.2%人が健康情報を自発的に得ている。〔北京娯楽信報12月8 日〕

北京 出産費用が20年前に比べて100倍

 北京における出産費用は20年前に比べ100倍以上多くなっており、一人の子供
を養育するためにかかる費用は4、5000元、さらにひどいところでは万元単位に
も及んでいる。
 有名な歌手である那英は北京のアメリカ合資の病院で出産したのだが、入院わ
ずか5日間で12万元もかかっている。
 この病院のホームページに掲載されている価格表によれば、順調に出産すれば、
入院日数4日、部屋代、食事代及び助産看護及び薬代で9237米ドルかかる。仮に
帝王切開であれば、部屋代(3900米ドル)、診察代、助産師代、看護代で5853米
ドルかかる。そのほか、設備機械代3837米ドル、薬代313米ドルかかる。すべて
合計すると1万4000米ドル以上かかる。
 病室については、この病院は幾つかのランクに分けられており、一般病室は一
日当たり800米ドル、最も高額な豪華な病室は一日当たり1600米ドルかかる。記
者が取材したところによると、豪華な病室はわずか2部屋しかなく、値引き交渉
も可能で1200米ドルにもなる。
 この北京の病院で出産するこのような考えられないほど高額な費用を必要とす
ることは少ないといえども、記者の取材によると、北京の多くの病院で、とりわ
け三級甲といったランクの病院における出産費用は、二十数年前に比べて100倍
上昇している。
 産婦人科の専門家によると、1960年代、70年代に生まれた子供の出産費用はわ
すか数元でよかったが、80年代は4、50元、90年代は2、3000元、そして現在は既
に4、5000元に上昇しているという。
 北京のある三級甲で、出産したばかりの男の子を抱いた〓さんと出産費用につ
いて話したのだが、彼女が費用を計算するのには十数分かかった。
 妊娠3カ月のとき、彼女は病院で診察券をつくり、検診を始めた。検診の1回当
たりの費用は100元近くかかり、そのほか血液検査1回で800元かかった。
 妊娠4、5カ月のとき、検診1回当たり30元かかった。
 妊娠5カ月以降は毎月1度の検診が必要で、そのたびに2、30元かかった。
 妊娠6、7カ月のとき、超音波検査を一度受けなければならず、30元前後かかっ
た。
 妊娠8、9カ月は分娩の時期で、毎週1回検診があり、そのたびに20元前後かか
った。
 さらに、各種検査及び妊娠後に服用する各種栄養食品など、病院に入院する前
に少なくとも3000元かかった。
 彼女は順調に出産し、各費用はまとめて合計3000元以上かかっている。しかし、
彼女と同室のほかの妊婦は帝王切開で、薬代、部屋代、治療費等まとめて、入院
期間中に5、6000元かかっている。
 〓さんによると、これらかかった費用は通常のものであり、仮に出産後に臍帯
血を保存したいのであれば、少なくとも5000元かかる。そして、子供が18歳にな
るまでに毎年500元の保存費用がかかる。また、出産前に仮に子供に保険をかけ
たいのであれば、数千元はかかる。
 〓さんの母によれば、現在の費用のかかり方は想像しにくいものである。二十
数年前に彼女が出産したときには、出産前検診、入院といったことでも4、50元
を超えず、当時の1カ月分の給料に相当するものだった。現在の出産費用は20年
前に比べて百数倍に上昇しているという。
 業界関係者によると、目下出産費用が高騰している主な要因は、消費能力の格
差がますます増大していることにある。このほか、病院のある種非合理な費用も
出産コストを増加させる原因を生じさせている。〔新華網11月23日〕
注)〓は「革」の右横におのづくり