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政治主導で地方経済活性化

江蘇省 都市部と農村部住民間の所得格差は2:1

 江蘇省の2500万人の都市部住民と4900万人の農村部住民との間の所得格差が注
目されている。
 江蘇省都市経済調査局が提供したデータによると、昨年江蘇省の都市部住民の
1人当たり収入は1万482元で、前年同期より13.4%増加した。一方、農村部住民の
1人当たり収入は4840元で、前年同期より14%増加した。農民部と都市部の所得格
差は1:2で、全国の31の省・直轄市・自治区の中で最も小さかった。
 これに対して、江蘇省社会科学院の宋林飛院長は、江蘇省の都市部と農村部住
民間の所得格差が連続して全国最小を維持することが容易ではないと考えている。
 宋林飛院長は、この主な原因は、省政府が一連の政策措置をとって、直接、強
力に農業と農村経済の発展を支援していることにあると分析している。
 「農村、農業、農民」の「三農」施策は、マクロコントロールの中で強化され、
農民の1人当たり収入の増加幅は1997年以来最高水準に達している。昨年、省財
政から「三農」各項目への資金投入は113.2億元だった。
 江蘇省全省の農業税の税率を3ポイント下げ、うち5市では農業税が免除された。
農村労働力の移転は新たに70万人の労働者を創出している。農民1人当たり61元
の政策性負担が軽減された。都市化率の推進、第二次、第三次産業の発展につれ、
農民たちにさらに多くの就業機会を提供し、収入を増加させた。
 しかし、都市部と農村部住民間の所得格差は依然として拡大する傾向にある。
昨年、都市部住民の収入は農村部住民の収入より1.2倍多く、都市部と農村部住
民間の所得格差は拡大されつつある。
 都市部住民と農村部住民の収入は1990年代から根本的な改善をしておらず、農
村部住民と都市部住民の収入比は1990年の1:1.66から1995年の1:1.71まで拡大
され、さらに2000年の1:1.89、2003年の1:2.18、2004年の1:2と、依然として
拡大する傾向になってきた。
 それと同時に、その格差は経済発展がおくれている地域ほど大きくなる特徴が
あらわれている。そのため、農民たちの収入水準を高めることが都市部と農村部
住民間の所得格差を縮小するポイントだと指摘されている。〔揚子晩報1月28日〕

広東国有企業トップの年収差10倍 150万元から15万元まで

 広東国資委責任者によると、今年より省属国有企業のトップの収入差が広がり、
最高年収が150万元、最低が15万元になった。
 2日前、広東省食品企業集団の周放理事長は、広弘資産経営有限公司の納会に
おいて、2004年、省食品集団の従業員を指導し、グループの目標を達成し、巨額
の利益を得たことで、グループから36万元の賞金を受け取った。
 その日の午後、彼とともに表彰台に登ったのは、さらに広弘の旗下にある1、2
級子会社のトップ約20人で、賞金には36万元、26万元から、1.2万元、8000元ま
で差がつけられて渡された。
 そして、損失を出したか、あるいは連続2年で任務を達成できなかったトップ
は解雇された。
 広弘の改革手法は省属国有企業20社に広がっている。
 広東省国資委の劉富才主任によると、最新の省属国有企業の報酬計画のうち、
約15%の国有企業のトップは年収100万―150万元を受け取り、約4%は、広東省全
省の従業員の平均収入の3倍に当たる年収15万―25万元しか受け取っていないと
いう。中間のトップの年収は40万―90万元である。
 以前は、広東省の国有企業トップの年収は20万―30万元にすぎなかった。
 劉富才主任によると、今年1月に発表された「企業経営人員業績査定暫定弁
法」が、国有企業経営管理水準向上の重要なインセンティブとなっているという。
〔重慶晩報1月3日〕

政治経済色が濃厚 環渤海地域の「諸侯経済」突破の道 上

 環渤海経済圏は、狭義では、遼東半島、山東半島、北京・天津・河北を主とす
る、渤海海浜経済地帯である。広義では、山西、遼寧、山東と内モンゴルの中東
部までを指している。
 環渤海地域の範囲は中国の国土面積で12%、人口で20%を有しており、この環渤
海経済圏は中国の経済発展の全局面を左右する影響がある。
 行政の存在感が強く、市場、地域との連携が余り緊密でなく、生産要素の移動
が余り円滑でなかったため、環渤海地域経済グローバル化のスローガン提唱はと
ても早く、重要視されていたが、実際の進展はかなり緩慢であった。
 珠江デルタと長江デルタと比較すると、この地域の発展停滞状況もはっきりし
ている。統計資料では、2003年環渤海経済圏の経済総量は長江デルタ経済圏の
45.3%に相当し、珠江デルタ経済圏に比べて10%低い。中国の経済総量では、長江
デルタは17%、珠江デルタは9%を占めているが、北京・天津・河北地域は8%にす
ぎない。
 統計数字の差から、北京・天津・河北を代表とする渤海周囲地域は巨大な発展
空間と広大潜在能力を秘めているとも言える。
 環渤海地域は多くの人々の観察を経て、メカニズム構築が行われ、経済発展の
エンジンは既にスタートしたようだ。
〈初期条件と政府政策〉
 環渤海地域は特に経済発展の優位に恵まれていることは、既に政財界では紛れ
もない事実だ。
 国際的には、環渤海は中国北方の三大結合部で、改革開放後は交通の優位性、
十分な工業インフラと科学技術教育の優位性、豊富な自然と豊富な資源、密集し
た基幹都市群など5つの優位性があると言われている。
 これらの優位性が同時に集中していることは、東北アジア地域の国際開発協力
の独特な優位性を強化しているとも言えよう。
 環渤海地域は日ごとに東北アジア経済圏の中心地域となり、中国沿海の経済発
展構造の全局面を左右しているだけではなく、東北アジアないしアジア太平洋地
域の国際分業においても重要な地位を占めている。
 しかし、ここ数年は長江デルタ、珠江デルタ地域と比較すると、環渤海地域の
経済発展速度は緩慢で、経済実力は下がっており、地域の優位性はあるべき姿に
なっていないと言える。
 伝統的な計画体制と行政区画の影響が比較的深刻なため、環渤海地域の国有経
済の比重は高く、地域政府は資源のコントロールに対し強い影響力を持ち、政府
の企業に対する関与が比較的多い。2001年の国有及び国有持ち株企業の比重は北
京市が65.1%と、全国の20.7%に比べて突出している。
 「濃厚な政治経済色を持つ環渤海地域経済は新時代を迎え、着実に変化してい
る」。南開大学経済学院の専門家である周立群氏はこのように述べる。
 「WTO加盟後、旧工業都市が密集し、老舗の集中する地域として改革が進み、
民間資本が導入され、強い勢力を持つ国有企業の再編されることに伴い、企業制
度の革新といった「内的要素」が数年のうちに顕在化してくるかもしれない」と
語る。
 古い経済発展の遺物が徐々に切り離され、新しい発展を迎えている。
 中国企業家連合会の陳錦華主席は、環渤海地域は外資にとって中国北方地域で
最も投資の密集している地域になっていると言う。ますます多くの人が、環渤海
経済地域を長江デルタ、珠江デルタ経済圏に続く、中国経済さらには東北アジア
地域に極めて強い影響力を持つ経済が起こっていることを認め始めている。
 2004年、環渤海地域での経済協力は明らかに加速し始めた。
 2月、国家発展改革委員会は北京・天津・河北の発展改革委員会を招集し、廊
坊で北京・天津・河北の経済交流協力を強化する「廊坊の共通認識」を成立させ
ている。
 5月、人民大会堂で環渤海地域の経済協力とハイレベル発展フォーラムが開催
された。環渤海地域の7省市がこのフォーラムに参加し、その際に7省市の副省ク
ラスの会議を開催され、協力メカニズムのプロセスである「北京提案」を進めて
いる。
 6月、環渤海の7省・直轄市・自治区の政府官僚が再度召集され、初めて河北省
の廊坊で環渤海協力メカニズム会議が行われた。「第3番目の中国経済成長地
点」と形容される地域協力発展見通しの青写真を計画した。
 協力メカニズムの名称を「環渤海地域経済協力連合会議」と決定した。また、
環渤海地域の政府官僚、企業家、専門家により組織されたハイレベルで定期的な
協議メカニズムで、内部交流、調和と対外経済協力の強化を目的とした。
 2005年春、環渤海地域は廊坊市で第1回の環渤海ビジネス祭が開催される。
 「廊坊の共通認識」から「北京提案」、さらに地域経済協力連合会議へと、環
渤海経済圏の政府上層部の地域協力の認識と構想はますますはっきりしてきてい
る。
 河北省の才利民副省長は、環渤海地域の各省区市は産業、資金、人材、技術、
情報などの方面にとても強い相互補充性があり、協力の将来性は非常に広大で、
今後地域内の各省市は重点的にエネルギー、インフラと産業投資などの方面での
協力を強化するという。
〈渤海地域の上昇の契機〉
 中国東部沿海地域の20年以上の成長による蓄積は、経済発展のための頑丈な基
礎をつくり上げている。
 長江デルタ、珠江デルタの後に続き、環渤海経済圏は急速に突出し、特に北
京・天津・河北地域は、2010年ごろに中国経済、さらには東北アジア地域に極め
て強い影響力を持つ経済地帯になると考えられている。
 今後5―7年で、中国の三大経済圏に再発展のチャンスが訪れる。これは中国経
済全体に一層貢献することとなる。同時に、環渤海経済圏、特に北京・天津・河
北地域の中国経済発展での重要度が日増しに上がっている。
 地域投資状況から見ると、資本は徐々に中国北部地域に移転している。潜在競
争力から比較すると、東北の老工業基地振興の戦略実施に伴い、環渤海地域にさ
らに明確に優位性を持ち、さらに広大な発展空間を持つようになる。
 太平洋西岸に位置する環渤海地域は日増しに活性化する東北アジア経済地域の
中心であり、ユーラシア鉄道の東側の起点の1つであり、中国での交通の要衝で
もある。
 この地域は中国の政治・文化の中心として、中国の西部大開発や東北の発展を
促し、中国経済の南北格差解決にも特殊な作用を持っている。
 環渤海地域は中国の全世界への経済協力の参加と南北の協調発展促進にとって
重要な位置を占めており、この地域の発展させることは必須条件となっている。
この経済圏ではまず北京・天津・河北地域が「上昇の契機」に立っている。
 約20数年の中国経済の高速発展に伴い、環渤海地域は中国第3の大規模製造セ
ンターとなった。工業インフラがあるため、環渤海地域は鋼鉄、原油、原塩など
の資源を利用した製品での優位性を維持しただけではなく、同時に、新分野であ
る電子情報、バイオ製薬などの、新材料といったハイテク産業の発展も急激であ
る。
 環渤海地域は外資の中国北方における投資が最も密集している地域で、しかも
その動きは徐々に力強くなっている。
 現在、世界80数社の多国籍企業が中国に研究開発施設を設立しているが、その
うちの40%以上が北京にある。
 天津には現在外商投資企業が1万社以上あり、その中の全世界500強に入ってい
る企業200数社が生産性投資企業を設立している。
 大連の外商投資企業も8000社近くあり、東北地域で外資投資の最も多い都市と
なっている。
 十数年のインフラ発展により、外資の投資は、管理、技術、マーケティングな
どに重大な影響を及ぼしており、この地域の整えられた市場経済システムに投下
されている。これが急速に老工業基地のエネルギーを活性化させ、古い産業を高
度化させ、同時に新しいの製造業を形成している。
 そのほか、「オリンピック経済」というこの「スーパーエンジン」が環渤海経
済圏のために強大な発展の力を注ぎ込んでいる。北京オリンピックは準備から開
催までの間、中国の国内総生産を毎年約0.3%増加させており、この地域がまず利
益を受けることになるだろう。
 オリンピックの準備期間、北京だけで2000億元を投入して、都市のインフラ建
設に用いる計画だという。仮に、これに相応した戦略的計画があり、コストと利
益を重視し、経済発展の前後の連携がうまくいけば、オリンピック経済は経済社
会の発展とその後の経済への影響を10―15年持続させることになる。
 北京、天津の二大直轄市の協力は、環渤海地域の求心力と影響力をさらに強め
ている。
 北京政府は、何度も「北京・天津・河北」の連合経済圏のコンセプトを提示し
ている。
 天津市の戴相竜市長は「北京寄り」で、北京・天津地域の一体化した具体的な
建設プロジェクトの促進を発表している。
 環渤海地域のインフラは互いに連携しており、既にソフト、ハードの両方面か
ら急速に展開している。2003年10月、北京港と天津港は直通を始め、2市は港の
機能の一体化を実現している。
 首都国際空港と天津海浜国際空港は連携したことにより、真っ先に中国民航の
地域にまたがる空港統合が実現した。
 北は山海関に始まり、南は山東の煙台までの環渤海経済圏の鉄道は、現在既に
既存計画の3分の2の建設が終わっている。
(次号に続く)
〔中華工商時報1月25日〕