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ボーナスの出し方

「ボーナス」の裏技 経営者9つのテクニック

 中国企業のボーナスに9つのテクニックがある。社長は状況に応じて適宜に処
理し、事情を考慮して支払っているのである。
1) 「個人のへそくり」として出す
 以前から年末賞与金の発給基準が制定されているわけでなければ、それは主観
判断になり、バランスのとれた支給というのはそう簡単ではない。そのため、社
長の中にはひそかに賞与総額に加えて、「個人のへそくり」を出して従業員の不
満を解消している。
 会社と部門責任者は部下の知らないところで一部金額を保留する。部門への発
給総額が30万元であっても、一部はとっておいて、責任者がひそかに分配するお
金に充てる。
2) まず高い金額を支給し、実際は抑える
 才能があり、成績もよく、自尊心が特に強く、腕ききだが、多くの従業員が企
業文化に対してマイナスだと不満に思う人がいる。この場合、この人の育成を望
むのであれば、まず高い金額を支給し、実際の支給を抑える方式が有効である。
 最高の年末賞与金を支給することで栄誉を示すのだが、実際は一部だけを支払
うのだ。説明を求められたら、「最高ボーナスはあなたなら達成できるはずのボ
ーナスです。しかし、実際は私たちの期待を達成しているとは言えません。そこ
で、この差額をしばらくの間、会社で保管し、3カ月か5カ月後に達成できたとき
にあなたにお返しします。私たちはあなたにとても期待しているということを忘
れないでください」と説明する。
3) 作り話でごまかす
 会社はとても困っており、今年の経営に望みはない。たとえ従業員はすべてこ
の点をよく知っているとしても、年末賞与金を後から支払う予定がないのであれ
ば、年末賞与金に対して未解決のまま棚上げにはしない。
 それならば、従業員にはっきり言うべきである。ごまかしていると、従業員は
邪推し、心はさらに離れていく。
 従業員に教えること、そしてさらに重要なのは、来年の動静をみんなに教え、
従業員の未来に対する自信をつけさせることである。それは虚構でも構わない。
「もし来年が……であれば、みんなに……の待遇を与えます」と。
4) 酒席でボーナスを渡す
 食事会の途中でボーナスを渡すと、楽しく、期待を膨らませる雰囲気を簡単に
つくり出すことができる。部門や会社のみんなで食事をし、酒を飲み、感謝と希
望を語り、ボーナスを渡せばいいのだ。
 しかし、特に年末賞与の金額の差をみんなに理解させる目的でない場合は、こ
のような状況では、比較的みんなのボーナスが公平であるという状況が望ましい。
5) 細かく分けて支払う
 「最優秀従業員」「優秀従業員」「最優秀貢献賞」などの多くのボーナス項目
をつくり、短い期間に何度も発給し、いつも絶えず激励する。
6) 従業員の家族にもボーナスを出す
 これまでいつも故郷に錦を飾るということを奨励してきたことはなかっただろ
うか?。そうであるならば、会社の名義でボーナスあるいは贈り物を従業員の両
親、配偶者に渡せばいいのだ。
 例えば、ある会社は従業員の両親に500元の現金を送り、従業員の実家に対す
る虚栄心を満足させる。このことは同時に、従業員家族への会社のイメージを上
げることもできる。
7) ちょっとしたテクニック
 もし、年末賞与金額が比較的多いのであれば、月ごとに支給すれば節税になる。
しかし、「会社と従業員が比較的安定し、しかも従業員の実際的な所得を増加さ
せるために双方がみずからの意思で分配支給の形式を選ぶということでなければ、
希望どおりに事が運ばないこともあり得る。
8) 策を講じて支給する。
 現金以外で従業員が喜ぶのは、商品券、贈り物、旅行などである。後者は節税
の1つの方法でもある。
 それ以外にも、人情味のあるものや、文化的なものも歓迎されている。例えば
フィットネスカード、保険、特に従業員の家族と関係がある物などである。
9) 失敗したら迅速にカバーする
 年末ボーナス支払い後は、必ず不満を持つ人がいる。
 「管理者は年末賞与金の支給後に、状況を詳細に調べ、従業員の意見と不満を
収集、整理、分析している」
 展動力ヘットハンティング公司の郭展序さんは、会社にとって失いたくない従
業員が合理的な意見と思われる不満をあらわにし、その気配に気づいたとき、
「旧正月後の出勤した3、5日間以内に、従業員の不満を解決すると、ヘットハン
ティングは困難だ」という。
 広東では、旧正月の後で社長からボーナスが出る。最も処理するのによいチャ
ンスはこのときである。速ければ速いほどよいのだ。
〔中国経営報2月5日〕

「ボーナス」の美学 激励にも一工夫

 「雇い主」と「従業員」はある程度対立しているものである。特に「金」の分
配に直面しているときは――。
 従業員の自分の勤務貢献の評価にそれぞれ相違があったとしても、みんなに普
遍的な法則がある。それは、ほとんどの人がいつも自分の成績を過大評価し、他
人を過小評価していることである。
 従業員が年末賞与金をもらった後の満足度は心理期待値、横方向対比、縦方向
対比の3点でわかる。そのうち、心理期待値と横方向対比に満足度は甚だしくあ
らわれる。
 ボーナスのテクニックは、雇い主と従業員の「対立」、従業員と従業員の判断
の「相違」、従業員の満足感などの多くの複雑な要素の中でのバランスをとるこ
とにある。
 通常、雇い主は実際の支給前に、ボーナス内容を早めに知らせ、合理的な意見
であれば直ちに受け入れていることが大事だ。
〈給料はコミュニュケーション〉
 「給料はコミュニュケーションである。(Payment is communication)」。
 「慣れた管理者は通常年末賞与金を支給する前に、3回のコミュニュケーショ
ンをとる。1回目は年初めで、目標の制定、最低値、目標値、挑戦値などの数値
を明確にし、目標の達成後の約束と奨励を行う。2回目は年の中ごろで、効率の
向上、改善方法、そして年初の目標の修正を行う。3回目は年末賞与金を支給す
るときで、部下と一緒に総括を行い、成績の査定、問題点を探し、意見を出す。
 成績査定はコミュニュケーションのかわりにはならない。成績査定が確立して
いない企業であって、ただボーナスを受け取るというだけならば、そのことに激
励の意味はなく、管理する意義の半分を失ったことになる。
〈激励にも一工夫〉
 ある飲料企業の販売人員は、たゆまぬ努力ですばらしい成績を上げた。年末に
社長は彼を単独で事務室へ呼んで、「今年度のあなたの成績は突出しています。
激励として10万元の支給を決定しました!」と告げた。
 この従業員はとても喜んで、社長にお礼を述べた後部屋を出ようとした。その
とき、社長は突然尋ねた。
 「ちょっと待ってください。もう一つ聞きたいことがあります。今年何日間会
社に出社しましたか?。奥さんと何日間過ごしましたか?」。この社員は「今年
は家にいた日は10日もありませんでした」と答えた。
 社長の驚嘆の余り、1万元をとり出し、社員に手渡した。「これはあなたの奥
さんに渡してください。あなたがこんなに働いてばかりでも、恨みも後悔もしな
い。彼女の協力に感謝しています」。
 社長はまた尋ねた。「息子さんは何歳ですか?。今年何日ぐらい一緒にいまし
たか?」。この社員は「息子はもうすぐ6歳で、今年私はほとんど一緒に遊んで
いません」と答えた。
 社長は感動して、また引き出しの中から1万元をとり出して、テーブルの上で
置いた。「これはあなたの息子さんへです。偉大なお父さんだということを教え
てあげてください」。
 この社員は感激の涙を目にためて、非常に感謝した後に部屋から出て行こうと
した。そのとき、社長は再度尋ねた。「今年、あなたと両親に何回会いました
か?。親孝行できていますか?」。この社員は苦しげに言った。「何回か電話を
かけただけで、一回も顔を見せていません」。
 社長は感慨深げに言った「あなたと一緒にお父さん、お母さんにお目にかかり
にぜひ行きたいです。会社のために、このような優秀な人材を育てていただいた
ことに大変感謝しています。会社を代表して1万元をプレゼントします」
 この社員は、ついに自分の感情をコントロールできなくなり、涙にむせんで社
長に対して言った。「私に対する会社の奨励を大変感謝いたします。私は、今後
もますます努力します」。
 同様に13万元を企業のトップが直接お金を従業員に支給しても、それだけでは
こんな効果は得られなかったであろう。
 聞くところによると、この後、この従業員の家と会社に同時に何か起こったと
き、この従業員の妻は夫に先に会社のことを処理するように言うという。
 激励の実行過程は、激励の効果に極めて大きな影響があり、同様な奨励でも、
異なった方式で支給すると、はっきりと異なった効果が得られるものだ。
〔中国経営報2月5日〕