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経済発展がもたらす健康問題

20年以内に中国がん死亡者倍に

 先日開催された腫瘍予防治療キャンペーンウイーク報告会で、衛生部、中国癌
研究基金会、復旦大学、中国医学科学院等部門の医学専門家が警鐘を鳴らした。
 それによると、現在、中国の年平均がん発病者は180万―200万人、死亡者数は
約140万―150万人で、もしこのまま予防措置を講じなければ、今後20年で中国の
がん死亡者数は2倍になるという。
 専門家によると、1970年以降、中国がん死亡者数は一貫して持続的に増加傾向
にある。
 現在、中国の死亡者5人に1人はがんによる死亡者である。0―64歳までのうち、
4人に1人はがんによる死亡者である。
 がんは中国国民の各種死因のトップに立ち、特に、西部及び農村地域の増加は
顕著である。
 関連部門の概算によると、中国は毎年がん患者の医療費が100億元に達してい
る。
 専門家は、人口動態、高齢者層の人口数、環境悪化要素に基づいて予測すると、
もし予防措置を講じなければ、今後20年のうちに中国のがん死亡者数は倍増する
と警告している。
 専門家は、早期に科学的な予防措置を講ずれば3分の1のがんは予防できると説
明している。
 例えば、喫煙をコントロールすることで、80%以上の肺がんと30%以上のがん全
体の死亡率を下げられる。B型肝炎をコントロールすることで、肝臓がんと肝硬
変の発病率を下げられる。栄養管理で3分の1のがんを減少できる。職業上の被害
を取り除くことで多くのがんに関連するものを減少できる。
 中国医学科学院腫瘍医院の石遠凱副院長は、現在の科学技術水準では一つの薬
品、一つの治療手段で中期、末期腫瘍の治療を済ますことはできないことから、
いかなる誇張した治療効果宣伝も科学的根拠はなく、人をだましているものだと
指摘している。〔中国青年報4月18日〕

病院の外来診療費 年平均13%上昇

 病院外来診療費は年平均13%増加し、入院費用は11%増加しており、都市住民収
入の増加幅を大幅に超えた。そのため、衛生部は18日、各レベル各種類の病院に
病院費用の管理を厳格にし、不合理的な費用を途絶するよう求めた。
 衛生部の副部長馬暁偉氏は18日、衛生部と国家漢方医薬管理局が連合で開催し
た病院管理年次活動会議で、次のように話した。「近年、我が国の医療費の増加
ペースは突出した問題となっている。そのうち、外来診療費は1.3倍増、入院費
用は1.5倍増、平均毎年の外来診療費は13%増、入院費用は11%増加となり、居民
の収入増加の幅を上回っている。目下、都市の平均入院費用は7600元、都市居民
の年平均収入は6500元に対し、農村平均入院費用は2400元となり、農村人口の年
平均純収入と相当している」
 また、馬暁偉氏は、「病院管理年間活動において、各レベルの各種病院は、法
に基づく病院の経済活動を通じて、医療コストを控え、医療費用を下げ、人々の
経済負担を減らさなければならない」と示している。
 衛生部は、各レベルの各種病院は「全国医療サービス価格項目規範」を厳格に
遵守し、医療サービス費用の項目と内容を統一し、費用の分解や、対照や、重複
を禁止すること。費用の透明性を高めるべく、病院が症状別医療費や、症状別平
均入院日を正直に社会に公開することを奨励、提唱すること。速やかに患者から
の規則違反の費用に対する苦情を処理し、人々に不合理的な医療経済負担を減ら
すことを求めている。〔北京娯楽信報4月19日〕

2億人が職業病被害

 19日、北京で開催された第10回職業性呼吸器系統疾病国際会議において、現在
中国の有毒有害企業は1600万社を超え、職業病の被害にさらされている人数は2
万人を上回っていることが明らかになった。
〈じん肺は中国の各種職業病の80%〉
 衛生部の関連部門の責任者の指摘によると、中国の職業病の傾向は非常に厳し
い。職業病に対する予防及び急速な経済発展水準に適応できず、職業病は既に重
大な公衆衛生及び社会問題になっている。
 全国で報告された各種職業病のうち、じん肺が80%を占めたほか、急性慢性中
毒は20%を占めた。
 統計によると、1950年代以降、中国のじん肺病例累計数は58万人以上で、この
数字は、世界のその他の国家のじん肺患者数の総和に相当する。そのうち、14万
人以上は死亡し、現在の患者数は44万人以上である。
 しかし、専門家によると、現在工場及び鉱工業企業労働者の健康診断受診率は
低く、この報告は整っているものではない。したがって、実際の発病は報告例の
10倍以上だと試算されており、じん肺病例数は少なくとも100万人であると指摘
されている。
〈古いものが去らずに新しいものが来る〉
 職業病問題の深刻さについて、専門家は主要な原因を次のように分析している。
1) 職業病予防の法律制度がいまだ全面的に実際されていない。
2) 幾つかの地域では、経済発展ばかりが強調され、監督管理が不徹底。
3) 労働者管理が混乱し、労働者の職業病予防に深刻な影響を与えている。
4) 伝統的な職業病被害がいまだに除去されていないのに、新しい職業病の被害
が生まれている。
 衛生部は、今後検査を強化し、労働者の職業安全を保護する意向を示している。
最近、国家の関連部門は既に国家職業衛生規範企業の選定を行っている。
〈中国職業病被害に3つの変化〉
 「中国の職業病の被害はまさに都市の工業地域から農村へと変化し、東部地域
から中西部地域へ変化し、大型中型企業から中小企業へと変化している。職業病
の被害分布はますます広がっている」国家安全生産監督管理総局の王徳学副局長
は中国の職業病被害の3大変化傾向を分析している。
 王徳学副局長はまた、中国が職業衛生活動を高く重要視し、労働者の健康を保
護できたとしても、否定することができないことは、中国経済の急速な発展に伴
い、職業衛生の展望はさらに厳しくなるということであると指摘している。
 特に、患者の全体数の多さ、発病率の高さ、経済損失の大きさ、被害の拡大が
際立ってあらわれているという。
〈職業病とは何か?〉
 新華社が2001年に発表した「中華人民共和国職業病予防治療法」の中に規定さ
れたもので、職業病は、企業、国家機関、個人といった経済体の労働者が職業活
動中に、粉じん、放射性物質、その他の有毒、有害物質といった接触が原因で引
き起こされる疾病のこと。
 職業病予防治療法の規定によると、衛生部が労働社会保障部と「職業病目録」
を発表しており、この目録に規定されている職業病は、じん肺、職業性放射性疾
病、職業中毒等10種別115種類である。
 職業病は職業活動によってもたらされる疾病であるが、勤務中に発生した病気
がすべて職業病であるというわけではない。
 職業病は「職業病目録」に記載されていなければならず、職業と明確な相関関
係があり、職業病診断基準に照らして、法定職業病診断機関が明確に診断した疾
病である。
 したがって、勤務中に発生した病気が職業病であるというわけではなく、「職
業病目録」中の疾病が職業病であるというわけではない。
〈都市では新職業病が上昇傾向〉
 「マウスを持つ手が凝る」「プレッシャーが大き過ぎてよく眠らない」「オフ
ィスビルの空気が悪くて息苦しい」――我々がいつも周りのホワイトカラーがこ
のように自分の「職業病」のことを話していることを耳にする。
 しかし、19日、衛生部の関連責任者によると、各業界の都市における新たな職
業病研究の声はますます高くなっているけれども、現在衛生行政部門はしばらく
の間これらを職業病の範疇に入れるつもりはないとしている。
 中国は現在新職業病について具体的な基準を設定しておらず、この方面での研
究の声がますます高くなっているけれども、このことを議事日程に上程するには
一定の時間がかかるという。
 これらの新職業病関連疾病を職業病予防治療計画に組み入れるには問題が山積
している。各職業層の病態調査の実施、その後の分析、総括の実施、最終的によ
うやく採用されることになる。
 しかし、新職業病に相関する疾病は職業病予防治療計画に組み入れる趨勢には
ある。
 社会の発展に伴い、ホワイトカラーは企業の用意する各種の労働保護によって、
健康診断、職業病診療等の保障を受けられる。
 衛生部の調査によると、現在都市ホワイトカラーの職業病の隠れた危険因果と
して、主に、職場環境の密閉空間による新鮮な空気の交換不足、オフィスの施設
が基準未達、長時間座っていることでの運動不足が引き起こす不快感がある。
 研究では、現代のハイテク技術は職場環境の質の向上にはならず、大量に職業
に関連する疾病の発生を引き起こし、職場環境に関連する疾病の数は今後10年以
内で上昇傾向になる可能性がある。
〔中国青年報4月20日〕