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豚連鎖球菌の動揺

豚連鎖球菌 四川の豚肉の輸出・販売に影響

 四川省の資陽、内江などで豚連鎖球菌病が発生して以来、豚肉の一大産地であ
る四川省が大きな打撃を受けている。
 四川省商貿庁によると、7月上旬から資陽などで死者を出す「奇病」が発生し
ていると報道され、真相を知らない一般市民がパニックを起こし、都市部の住民
が豚肉を食べなくなっている。
 このため、省内の市場での豚肉の売り上げは減少している。感染地域の周辺で
は20―30%、多いところでは40%も減少している。豚肉の価格も10%ほど下落して
おり、豚肉の輸出にも影響が出ている。入荷を見合わせる地域も少なくない。
 国家質量監督検験検疫総局が先日、四川省質量監督検験検疫総局に一部の重点
企業の豚肉を出荷させないように電話で指示し、四川省の関係者を慌てさせた。
 四川省の豚肉の入荷を制限している省・自治区は少なくないようだ。四川近郊
の重慶では12カ所の検疫所を設け、四川省から重慶に運ばれる豚の検査を強化し、
四川産の豚が重慶に入るのを制限している。
 四川省は全国最大の豚の産地。最も多いときで毎年2000万トン前後の豚を生産
しており、全国の市場供給量の3分の1を占める。香港、マカオ、ロシアなども大
量に四川省で豚肉を買い付ける。
 四川省の畜牧協会の担当者は、昨年の豚の輸出量は15万トンで、今年はピーク
時期ではない上半期だけで既に7.5万トンに達していたという。
 豚連鎖球菌の流行がなければ、今年の四川豚の輸出による外貨収入の見通しは
良好だった。四川省政府も養豚産業に期待していた。農民の収入増加、輸出によ
る外貨獲得に大きく貢献すると見込んでいた。
 「豚連鎖球菌の発生が全省の養豚業にマイナスに働くことは間違いない」と関
係者は肩を落とす。
 影響は少なくとも3カ月以上は続くと予想されている。長引けば子豚の価格も
低下しかねず、飼料価格も変動し、影響がさらに拡大することが懸念される。
 7月29日、四川省は四川省防疫工作テレビ電話会議を開催し、全省の防疫作業
を強化した。
 四川省は感染状況への応急措置を始動。四川省の各地、北京、南京から49人の
専門家を集めて資陽へ派遣し、感染者の治療に当たらせている。
 衛生部の高強部長、農業部の杜青林部長、尹成傑副部長はこのほど、資陽、内
江などの感染地を訪れ、防疫作業の実地検査を行った。
 豚連鎖球菌の伝染を予防するため、農業部の承認を得て、広東で豚連鎖球菌2
型の不活性化ワクチンの製造を開始した。10日後には大量のワクチンを出荷し、
農業部の特殊検査を経て、さらに一週間ほど後には四川の感染地域に届く見込み
だ。
 現段階では、四川省の感染状況は小康状態にあるが、依然として厳しい状況に
ある。
 衛生部の新聞弁公室は7月30日、7月30日12時までに四川省で報告された豚連鎖
球菌の症例は累計174例で、このうち実験室で確認されたものが19例、臨床で診
断されたものが104例、豚連鎖球菌と疑われるものが21例あったと発表した。
 これらの症例のうち、完治が12例、危篤状態が28例、死亡が34例となっている。
 症例は、9つの市、26の県(市区)、96の郷鎮(街道)、164の村(社区居民委
員会)に分布している。
 7月29日12時から30日の12時までに四川省で新たに豚連鎖球菌に感染した症例
は11例増加した。うち、臨床で診断されたものが7例、疑いがあるものが4例とな
っている。死亡は7例、完治は1例だった。
 四川省の各党委員会、各政府部門は今回の感染状況を非常に重視している。
 豚連鎖球菌2型の発症地域では、病死した豚の浄化処理、予防のための消毒作
業などの措置が実施された。豚連鎖球菌が発症している地域のすべての豚の流通
を制限し、最後の1頭が死亡した後の処理までを徹底するよう要請している。
 予防のための薬の使用、消毒などの措置を実施し、21日間経過した後も再発し
なければ、検査をし、流通制限を解除するとしている。
 工商部門の対応は速く、突発的な公衆衛生事件に対して応急措置を開始した。
市場の監督管理を強化し、未検疫の豚肉の流通を厳禁し、市民が安心して食べら
れる豚肉を確保している。
 資陽市では、道路に24の臨時検査所を設け、内江市資中県では26ケ所の臨時検
査所を道路に設置した。豚を輸送・搭載する人、車両、家畜に対する検査、消毒
を強化し、感染地区から畜産品を搬出することを厳禁している。
 資陽市は、今回の感染業務で職務怠慢やミスがあった3人の幹部に、免職など
の厳しい処分をもって対処している。
 四川省牧畜食品局が公布した最近の報告書では、四川全省に事業展開している
養豚場では、豚連鎖球菌病が発生していないとしている。同局は、特定の場所で
処理され、加工会社が加工した豚肉は、厳しい検査、検疫が行われており、安全
で、安心して食べられると説明している。
 衛生部から四川省資陽に派遣されている専門家チームの楊維中座長は、検疫済
みの豚肉はしっかり加熱すれば安心して食べられると話す。豚連鎖球菌は現在、
人の消化器を介して感染したという根拠はないという。専門家チームは四川資陽
で豚連鎖球菌の発症地域の豚肉を毎日食べている。
 病死した豚を「屠殺、加工、輸送、販売、食用しない」ようにすれば問題はな
い。病死した豚に接触する農民は、規定に従い、病死した豚に石灰をかけて穴に
埋め、焼却すれば、豚連鎖球菌に感染することはない。
 四川の市場では現在、鶏、鴨、魚、ウサギなどの家禽や水産物の販売量がふえ
ており、価格も若干上昇している。外食産業には影響は出ていない。
〔中華工商時報8月2日〕