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中国対外貿易の優位度

2004年中国の対外投資導入が世界3位

 「2005年世界投資報告」が29日北京で発表された。
 2004年海外直接投資の世界フローは2%復調し、中国には610億ドルの対外直接
投資額があり、引き続き発展途上国中最大の外貨流入国で、世界第3位となった。
 「世界投資報告」は国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表する世界投資の現状と
展望の年次報告である。
 29日発表された「2005年世界投資報告」によると、外国直接投資の世界フロー
はここ3年下落していたが、2004年にやや回復し、海外直接投資の流入額は6480
億米ドルに達し、2003年比2%増となった。
 これは世界の異なる地域の実情を反映したわけではなく、発展途上国への海外
直接投資の流入は40%上昇し、2330米ドルに達したものの、先進国への海外直接
投資の流入は持続的に下降しており、2004年は3800億米ドル、14%減となり、ピ
ークだった2000年の3分の1にとどまった。
 アジア太平洋の海外直接投資の成長は最も顕著で、発展途上国は投資者の注目
を集めている。この地域の資金流入は1480億米ドルに達し、2003年比の50%増と
なった。
 中国は2004年、610億米ドルの海外直接投資額で引き続き発展途上国中最大の
外貨流入国で、米国(960億米ドル)、イギリス(780米ドル)に次ぐ規模となっ
ている。〔中華工商時報9月29日〕

中国は多国籍企業のR&D機関設立トップに

 国連貿易開発会議(UNCTAD)は9月29日に「世界投資報告」を正式に発表した。
報告では、研究開発の国際化及びその発展について深く分析している。
 報告によると、現在、研究開発経費は主に情報通信技術、自動車、製薬、バイ
オ技術分野に集中している。多国籍企業は依然として研究開発に力を入れており、
その研究費用支出は世界研究開発経費の半分以上を占めている。
 例えば、2003年における多国籍企業6社(フォード、ファイザー製薬、ダイム
ラー・クライスラー、シーメンス、トヨタ自動車、ゼネラル・モーターズ)の研
究開発費用はすべて50億米ドルを超えているのに対し、発展途上国中研究開発経
費が50億米ドルを上回るあるいは前後に位置しているのはブラジル、中国、韓国、
台湾にすぎない。
 多国籍企業の研究開発活動はますます国際化しており、発展途上国への研究開
発子会社投資の傾向はさらに加速している。
 2002年―2004年における世界1773件に及ぶ研究開発の海外直接投資プロジェク
トのうち、1096件は発展途上国に向けられ、アジア太平洋地域にはその半分近く
である861件を占めている。
 2004年の貿易開発会議の行ったアンケート調査によると、中国は多国籍企業の
R&D機関投資のトップであり(アンケート回答の61.8%)、他国を大きく上回って
いる。(米国41.2%、インド29.4%、日本14.7%、イギリス13.2%、ロシア10.3%、
シンガポール4.4%、台湾省4.4%)〔商務部ホームページ9月29日〕

広東貿易黒字は中国全体の4分の3 加工貿易の比重過剰

 今年の1―8月、対外貿易省である広東省は261.1億米ドルの貿易黒字という史
上最高記録をつくり、かつまた昨年年間の貿易黒字の水準を上回った。そのうち
7月、8月の単月貿易黒字額はそれぞれ40億米ドルを突破した。
 全国的に見ると、これらの黒字額が全国対外貿易黒字額に占める比率は43.4%
以上で、次に浙江が迫っているが、このような高さの比率はここ数年まれなこと
である。
 昨年の年初においては、全国では数カ月もの赤字状態を維持していたが、広東
はわずかながら黒字を保っていた。その一方で、今年は全国水準ではわずかな黒
字であったが、広東では史上初となり、かつ全国の半分を占める高水準の貿易黒
字となった。
 ここ2年の間にどうしてこのような大きな変化があらわれたのだろうか?。こ
の対外貿易省である広東省の数値が示す意味は何か?。記者は税関及び関連分野
の多くの専門家を取材し、広東ともう一つの貿易黒字省である浙江省と比較した。
〈輸出入増加幅は上昇から下降への曲がり角〉
 表面的には、貿易摩擦は対外貿易の好調な足並みを妨げていないとはいえ、輸
出入の成長傾向をさらに分析すると、既に微妙な変化が生じていることがわかる。
 データによると、今年1―8月までの中国の輸出額は1432.4億米ドルで、前年同
期比23.5%の増、輸入額は1171.3億米ドルで、前年同期比11.7%の増となっている。
輸出、輸入を問わずその増加幅はWTO加盟後2002年―2004年の3年間の27.3%、26.7%
という成長水準より低く、輸入増加幅が下落していることは明らかである。
 輸出の伸びが緩慢で、輸入の伸びが大幅に下落しているという状況のもと、貿
易黒字は月ごとに増加ないしは史上最高額を更新している。どうしてこのような
微妙な変化があらわれるのか?。仮に、輸出増加幅が数ポイント下落することが
正常であるならば、輸入増加幅が10%以上下落するということの背後には、幾重
もの比較的影響の大きい要素が存在するはずだ。
 広州税関統計処はこのことに対し、とても説得力のあるデータを提出してくれ
た。
 比較的長期で必然的な傾向から見れば、WTO加盟以後の中国国内産業投資の伸
びと生産能力は急速に拡張し、国際市場シェアをより多く獲得したと同時に、一
方では中国国内では、徐々に輸入産品にシェアを取ってかわられた。
 相当な比率が再生産輸出されている鋼材を例にとると、今年1―8月の広東鋼材
の輸入数量だけでも2004年の同期の678.2万トンから577.1万トンにさらに減少し、
未加工の鋼材及び鋼半製品の輸入はさらに75.2%減少し、もともとの輸入数量28.8
万トンは輸出1.1万トンへと変化した。
 自動車及び部品、耐久消費電子製品といったその他製品も類似の状況となって
いる。
〈幾重もの短期的な要素は輸入需要を抑制する〉
 短期的に見ると、中国政府が2004年から採用している一連のマクロ調整措置、
及び今年さらに加速している不動産産業へのコントロールの強化により、まさに
徐々に予想された効果があらわれている。
 広東統計局のデータによると、上半期の広東省の完成固定資産投資の増加幅は
9.7ポイント下落し、この影響を受けて、資本的な商品輸入の増加幅は明らかに
下落しており、1―8月の広東省輸入機械設備は165.1億米ドルで増加幅はわずか
に9.8%、そして海外投資による設備輸入額は41.5億米ドルで、2.1%減少した。
 国家のマクロコントロール要素を除けば、外国為替レートと貿易環境といった
不確定要素、国際大口商品価格の上昇といったことが企業の輸入ニーズをさらに
抑制している。
〈小さく輸入、大きく輸出は加工貿易水準の向上〉
 人民元レート制度調整前、市場における強烈な人民元切り上げ予想、人民元レ
ートの大幅な変動、中国国内市場環境の硬直状態、貿易摩擦の増大といった要素
の影響を受け、広東企業は技術改良設備や紡績原料等の輸入を抑えていた。
 WTO加盟以降、浙江と広東は中国の最も主要な貿易黒字発生地であり、そして、
2002年、2004年及び今年の1―8月において浙江は広東を超える貿易黒字の最も大
きい省となった。
 浙江と広州の貿易黒字は全国水準で1位、2位の位置にある。その理由は、全国
の対外貿易輸出基地、独自の特色の持つ産業構造の集積を持つこととは明らかに
密接な関係がある。
 貿易方式で比較してみると、広東は加工貿易を主体にした貿易構造が貿易黒字
をつくる主要因となっていて、加工貿易が今年1―7月の広東貿易黒字への貢献度
は100%を超えている。
 商務部の関連専門家によると、広東の外向型経済の主要な特色は、広東の加工
貿易は既に「大きく輸入、大きく輸出」から、相対的に「小さく輸入、大きく輸
出」へと変化し、ある程度全体の加工貿易のグレードとレベルの向上を図ってい
る。
 それに対し、浙江省の加工貿易の貿易黒字への貢献度はわずか16.3%であり、
一般貿易が浙江省が貿易黒字をつくる主要な要因となっている。
 さらに、貿易黒字をもたらす企業構造について比較すると、外資企業が主に広
東の貿易黒字をつくり出しているのに対し、浙江の貿易黒字は主に民営企業によ
ってつくり出されている。
 前述の専門家によれば、この両省の対外貿易黒字は各自独自の経済構造によっ
て形成されたものであるが、中国国内産業が初期条件として生産規模を備えてい
たという状況のもとで輸入がなされていることを重視すべきであると指摘してい
る。
 「特に現在の人民元の切り上げが輸入コストの低下に寄与し、企業はさらに多
くの設備投資や技術導入を行い、自分自身のレベルを向上し、そして、国家及び
各省政府も輸入ローン支援、企業のさらなる外部資源使用の奨励といった政策を
実施すべきである」
〈今年1―7月の主要貿易省の貿易黒字状況〉
省市 輸出 輸入 貿易黒字
浙江 4,163,653 1,724,717 2,438,936
広東 12,259,915 10,064,846 2,195,069
山東 2,541,506 1,650,112 891,394
江蘇 6,529,688 5,709,759 819,929
福建 1,891,733 1,105,555 786,178
遼寧 1,328,759 1,022,477 306,282
天津 487,420 1,358,554 128,866
上海 5,036,519 5,237,154 △200,635
北京 1,688,169 5,139,543 △3,451,374
〈浙江及び広東の貿易黒字がもたらす貿易方式分析〉
▼一般貿易
省市 黒字 総黒字に占める貢献比
広東 135,913 6.19%
浙江 2,245,436 92.06%
▼加工貿易
省市 黒字 総黒字に占める貢献比
広東 2,861,515 130.36%
浙江 399,890 16.3%
〔南方日報9月22日〕