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中国頭脳資源に食い込む多国籍企業

広州に日産世界第四のR&Dセンター 総投資3.3億元

 日産自動車の世界第四のR&Dセンター――東風日産乗用車技術センターが20日、
正式に広州の花都に完成した。
 東風日産の任勇副総理は、今年導入するブルーバード・シルフィ等新車2種を
含め、会社として投入する乗用車の車型がここですべて開発され、今後は、東風
日産乗用車技術センターが日産の中国本土、欧米の三大R&D基地とともに世界的
な連携のとれるR&Dセンターと位置づけられるだろうと示した。
 そのほか、東風日産乗用車技術センターは東風ブランドの乗用車の開発の重要
な役割を担うことになるだろうとした。
 「東風柳汽の乗用車の車型も、できれば東風日産乗用車技術センターに導入す
る」と東風日産関連者が明らかにした。今後、東風日産乗用車技術センターでは、
日産と東風の2ブランドの乗用車の研究、開発、設計を行う。
 東風日産乗用車技術センターの責任者によると、調達関係者も含め、目下東風
日産乗用車技術センターは320人強を擁しており、内訳は研究開発部門が100人強、
直接日産本部から来たエンジニアが20人強となっている。
 東風日産乗用車研究センターは2003年9月に着手され、総投資3.3億元をかけ、
現在における華南地域最大規模のR&D基地として20日、完成した。
 東風日産乗用車技術センターは3段階の発展を目指している。第一段階は、模
倣して国産化する段階、第二段階は、開発して国産化する段階、第三段階は、日
産と共同開発する段階である。
 研究開発を主管する東風汽車公司の童東城副総経理は、東風日産乗用車技術セ
ンターは第二段階に入っており、2010年には共同開発を行う第三段階に入ること
を目標にしていると語った。〔第一財経日報3月21日〕

多国籍企業本部機能上海に照準 上海市は中国地域本部の中心地

 多国籍企業がますます地域本部機能と「頭脳センター」を上海に移し、中国国
内において一定規模以上の民営企業が現在建設を進める「四大センター」を持つ
上海市にどんどん移転し、上海は中国本部が置かれる中心的都市になっている。
 上海市の対外経済貿易委員会、外資委員会の責任者が15日、外資企業25社に多
国籍企業の地域本部証書を交付する際に発表したデータによると、目下、多国籍
企業で上海地域に本部機能またはR&Dセンターを置く企業は129社ある。2005年に
新たに増加した企業数は2004年の2倍、今年第1四半期に新たに増加した企業数は
前年同期の2倍となっている。
 数百社の国内の一定規模以上の民営企業が第九次五カ年計画及び第十次五カ年
計画期間中に相次いで本部機能を上海へと移している。ある情報によれば、上海
は、国内で最も早く本部機能が置かれた都市であった北京を既に上回り、名実と
もに中国本部が置かれる中心的都市になった。
 上海が中国本部機能が置かれ、急速に発展を見せている状況は、上海市が経済
センター、金融センター、貿易センター、物流センターという四大センターを建
設していることや、科教興市のスローガンや民間経済の発展、資金導入等を推進
していることに関連しているだろう。
 本部機能が置かれるためには、人材、科学教育資源、地域の優位性、交通、情
報、法律環境といった多方面の環境整備を必要とする。上海は数年前から、本部
機能誘致のための政策を打ち立てた後、建設投資を含め環境整備のための大量の
事業を行ってきた。そしてまた、より多くの本部機能を誘致するため、上海は、
さらに積極的に国外のサービス業の先進的な経験を取り入れ、これを発展と結び
つけた。
 そのほか、上海は民営経済にてこ入れし、国内の一定規模以上の民営企業が本
部機能を上海に移動する外在的要因を促進するべく一連の政策を打ち出した。本
部機能を上海に移動した民営企業は上海で大きく成長し、多くの企業を引きつけ
る模範となっている。
 上海に本部機能が置かれることは、上海市の経済発展を押し上げるエンジンと
なり、本部機能が置かれることによって納められた税収の上海のGDPに占める割
合は年々上昇している。〔中華工商時報3月22日〕

外国企業が中国古典を登記 西遊記、水滸伝が日系企業の商標に

 「西遊記」「水滸伝」が日系企業の商標にされようとしている。中国の古典と
してしられる名作の名前だが、国家商標局第1007期「商標公告」の372ページに
は、商標の申請人として日本の「株式会社ジー・モード」が記載されている。
 株式会社ジー・モードは、日本のネットゲームのサプライヤー。同社は2004年
3月2日、中国古典の名作である「西遊記」「水滸伝」の名称を、パソコン用ゲー
ムソフトの商標として国家商標局に登録を申請した。この2つの商標は国家商標
局の一次審査を通過し、2006年1月14日、商標に対する異議申し立て期間を2006
年4月13日までとして公告された。
 中国人なら誰もが知っている古典の名作の商標登録申請者は、中国企業ではな
かった。このことが、大きな波紋を投げかけている。
 第一次審査に伴い公告された異議申し立て期間中の3月3日、浙江省温州市のあ
る企業が、現地の商標事務所に委託し、国家商標局に「水滸伝」の商標に対する
異議を提出。登録を承認しないよう求めた。同社の担当者は取材に応じ、「民族
の歴史的文化遺産を保護する目的」で異議を提出したと語った。
 外国企業が中国の民族文化資源、国内の老舗ののれんを登録した例は、以前に
もあった。
 日本の株式会社コーエーは2002年12月、「三国志戦記」を登録。その後も、2004
年3月「三国志―Battlefield」「三国志―online」「三国志―無双」など8シリ
ーズの商標を登録しているほか、「孔明伝」なども商標として登録している。
 また、日本のコナミ株式会社は2003年5月14日、「幻想水滸伝」を商標として
登録した。
 このほか、「牡丹」をオランダ企業が商標として登録。「狗不理」「杏花村」
「杜康」は日本で商標登録され、韓国では「竹叶青」が商標登録されている。
 商標の専門家は、中国の4大古典の名作は「紅楼夢」を除き、すべて海外勢に
登録されていると話す。
 中国民俗学会副理事長を務める華東師範大学中国現当代思想文化研究所の陳勤
建教授は、海外企業の中国民族文化資源、中国の老舗の屋号への執着は、明らか
に商業目的だという。「こうした文化資源は、国際的に、特に東アジア地域での
影響力が大きい。商標として登録すれば、ブランド展開にかなり有利だ」と語る。
 陳教授は、一たん登録されてしまった場合に国内企業が受ける有形無形の損失
は試算不可能だという。
 例えば、紹興女爾紅醸酒有限公司は1998年に「女爾紅」を商標として登録し、
ブランドで利益を得ていることは明らかだ。
 だが、日本市場では、「女爾紅」をめぐり言い知れぬ苦悩を抱える。「女爾
紅」の日本の代理店が1991年、「女爾紅」がまだ中国で商標登録されていないこ
とに気づき、先に日本で登録したからだ。
 その後、「女爾紅」が日本に輸出するたびに、商標侵害とみなされないために、
その代理店と提携しなければならなくなってしまった。「彼らとの提携は、不本
意。だが、手を切ることもできない。」紹興女爾紅醸酒有限公司の担当者はなす
すべもなくそう語った。
 外国企業が中国伝統文化に執着しているのに比べ、国内企業の関心は明らかに
低い。国家商標局は2006年2月28日に発表した第1013期「商標公告」について簡
易統計を実施したところ、それまでの50ページで公表された197社の企業が登録
した商標のうち、中国語名が用いられている商標は102件と全体のわずか51.8%だ
った。
 専門家によると、この中で、老舗の屋号が使われたもの、伝統文化資源が商標
として登録されているものとなると、さらに少なくなるという。ある資料による
と、某省のサービス系企業40万社余のうち、老舗の屋号をサービス商標としてい
る比率は2004年ではわずかに1%だった。
 国内企業は欧米的な名称に一種わかちがたい感情をもち、前述した50ページの
「商標公告」では、西洋的な名称を使用した商標は95と全体の48.2%にも上った。
洋風かぶれのブランドは、どれもみなれっきとした「中国製」なのだ。
 陳教授は、外国企業が「水滸伝」などを商標として登録する行為が証明してい
るように、中国の伝統文化、民俗資源がブランドの創出、展開で果たす役割は軽
視できないと話す。事実、国内企業のえこひいき的な感覚が外国企業に商標登録
の絶好のチャンスを与えたのだという。
 中国対外経済貿易大学国際直接投資(FDI)研究中心の盧進勇・教授は、伝統
文化資源に対し、中国人は往々にして世界遺産の申請や観光開発にばかり関心を
持つが、現代的でグローバルな視野に立ち、文化資源の価値を発掘する習慣がな
いという。盧教授は、「民族的文化資源の中には商業資源が埋もれている」と語
っている。〔解放日報3月11日〕