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住宅不動産問題をめぐる道筋

4年連続上昇の不動産価格も曲がり角

 今年上半期から、不動産価格の4年連続上昇局面ががらっと転換するかもしれ
ない。
 3月31日、「都市観点フォーラム―南京」において、北京師範大学金融研究セ
ンターが発表した「中国住宅不動産金融安全評価報告」でこのような考え方が指
摘された。
 この評価報告ではさらに、都市住民のうち70%には新築不動産の購入能力がな
いこと、今後数年で80%―90%の不動産ディベロッパーが消滅すると試算されるこ
とが指摘されている。
 さらに、未販売不動産が目下主に沿海都市等に主に集中している。
 評価報告では、2002年前後に中国の住宅不動産業の分岐点がある。2002年以降、
住宅不動産の販売速度は投資の成長速度に追いつかなくなった。このことは、大
量の資金が住宅不動産産業に入ったものの、住宅不動産販売の勢いは同時並行的
に進まなかったことを意味しており、業界に変化があらわれ始めた。
 住宅不動産の建設周期と販売周期はなお周回おくれで、ここ数年の住宅不動産
建設周期は数年おくれともなっている。
 中国住宅不動産の未販売の状況は、2003年は1.28億平方メートル、2004年は1.23
億平方メートルとなった。そのうち、未販売不動産は沿海都市に主に集中してい
る。2004年には4236億元の資金が使われずに蓄積された。
 評価報告では、さらに、全国の各地の大中都市における販売最終時期の資金の
蓄積状況を調査したところ、開発が済んでいるプロジェクトで、1年以上経過し
て売られていないものが5―8%あった。このことは、目下の未販売不動産事情は
やはり深刻な問題にはなっていないことを意味している。
 評価報告では、過去3年の状況を見ると、東部地域の分譲住宅の価格は現在単
位当たり4000元前後であり、北京、上海、南京はそれより若干高い。
 しかし、この分譲住宅価格が住民に対してどのようなものなのか?。
 中国の2005年都市世帯当たり収入は1.5万―1.7万である、仮に70平方メートル
の新築不動産を購入すると、不動産価格は収入の13倍であって、このことは、都
市住民にとって、少なくとも70%は新築分譲住宅を購入する能力がないというこ
とを意味する。
 北京師範大学金融研究センターの鐘偉主任は記者に対し、評価報告によれば、
中国の70%の都市住民は現在の収入状況では分譲住宅を購入するに適していない。
しかし、不動産価格の動向、ディベロッパーの利益状況にかかわらず、やはり競
争が激しくなっている状況から見て、現在、不動産業の重大な岐路に立っている
と考えている。
 鐘偉主任は、マクロコントロールはまだ終息する状況にはなく、そのため、今
年年末から、連続4年にもなる不動産価格の急速な上昇局面は、曲がり角に来る
かもしれないという。不動産価格の上昇幅も明らかに緩慢になり、住宅不動産業
が莫大な利益を得る時代は終息し、重大な岐路にあると指摘している。
 そのほか、今年、住宅不動産業で外資企業の設立が許可される見込みで、内外
のディベロッパーの競争を引き起こし、90%の中小ディベロッパーは今後数年で
相次いで淘汰されることになり、これも一つの重大な岐路にあると指摘する。
 鐘偉主任は、中国の大多数の都市住民が新築不動産を購入するのに適さないと
いう結果を受けて、政府は都市及び一部の農村住民の住宅購入の道筋をつけるべ
きであると考えている。例えば、廉価賃貸住宅、低・中所得者向けの経済適用住
宅、中古不動産取引市場、そして新築不動産市場である。
 政府が道筋をつけ、それぞれの住民がこの道筋をたどらなければ、目標が達成
できない。大部分の人の住宅ニーズが廉価賃貸住宅から始まり、少しずつ生活環
境が改善されていけば、どんな人でも平和に過ごせることになるだろう。
〔経済参考報4月3日〕

建設部 40都市データ調査 分譲住宅未販売率再設定

 3月31日、建設部が緊急に発した通知で、北京、上海、天津等40都市に分譲住
宅供給と未販売不動産状況の関連データ提供を求めた。このことは、昨今話題と
なっている分譲住宅の未販売率問題に対する回答だろう。
 「我々は、各地に一定の時間内に未販売不動産状況を建設部へ報告することを
求める。そして、専門の分析を行って、建設部は未販売不動産状況の初めての調
査研究として系統的に把握したい」建設部住宅不動産業司の侯淅〓副司長は述べ
た。
 建設部は、40都市の分譲住宅の供給構造と分譲住宅の未販売不動産状況に対し
て、調査、分析、評価を進め、それによって現下の住宅不動産市場の情勢を正確
に判断し、中央の政策立案の用に供すると語っている。
 しかし、現在、住宅不動産情報システムが既に稼働し、各地では、月ごとに関
連住宅不動産取引状況が建設部に通報されている。なぜ今回、さらに専門の研究
を行う必要があるのか。これについて、アナリストは、このことは主に国家統計
局の分譲住宅未販売不動産面積に関する数字の発表による影響であると指摘する。
 2005年12月、国家統計局は、2005年10月末までの全国分譲住宅未販売不動産面
積は1.12億平方メートルに達したと発表した。さらに、多くのメディアで分譲住
宅未販売率は26%と報じられた。このことが、未販売不動産及び未販売率につい
ての熾烈な論争を引き起こした。
 「システム建設時には、未販売不動産や未販売率という概念が全くなかった。
北京市も未販売不動産に対する専門統計研究を行ったこともなかった。国家統計
局の数字が出された後、我々はこのことに対するいかなる発表も難しくなった」
北京市建設会の責任者は述べている。
 事実上、建設システムと統計システムの未販売不動産と未販売率の概念の理解
は統一しているわけではなかったのである。
 1995年8月の国家統計局が発行した「固定資産投資統計発表制度」の定義によ
れば、未販売不動産面積は、期末において既に竣工された分譲住宅の建築面積の
うち、いまだに販売あるいは賃貸されていない部分を指す。過去の年度に竣工及
び今期に竣工され、販売及び賃貸に出されたものの、販売及び賃貸されていない
住宅面積も含まれる。
 2003年、建設部の劉志峰副司長は、建設部は国家統計局と合同で、2003年末前
に、住宅不動産業の発表する統計数字の調整を行うと示していた。そのうち、未
販売率指標においては、竣工1年以内の販売を待機している分譲住宅、1年以上3
年以内の販売が停滞している分譲住宅、3年以上の未販売不動産としていた。
 しかし、建設部住宅不動産業司の沈建忠司長は、今になっても、未販売不動産
の概念はいまだに調整がなされておらず、ただ、内部では分析を行っていたとい
う。「目下未販売不動産及び未販売率の論争について、我々は今回初めてのシス
テム調査研究を行うことを決定した」
 「未販売不動産問題は既に国務院政策研究部門も重視しており、建設主管部門
によって未販売不動産問題に対して専門の研究を行い、中央の政策立案の用に供
するものにしたい」住宅不動産問題専門家である董藩氏は述べた。
 侯淅〓副司長によると、どのような未販売率の定義が市場の特徴に合致するの
かを把握すべく、目下、幾つかの部門で研究を急いでいるという。
〔第一財経日報4月3日〕
注)〓は、おうへんに「民」

70都市に廉価賃貸住宅制度未整備 建設部年内創設を求める

 建設部は2日、現在全国で地レベル以上の70都市で依然として廉価賃貸住宅制
度が実施されていないことを発表した。
 建設部は、廉価賃貸住宅制度が未整備の市及び県は年内に創設し、かつ、省レ
ベルの人民政府は市(区)、県人民政府工作に対する目標責任制管理に組み入れ
るよう求めた。
 統計によると、2005年末現在、既に北京、上海、天津等の18の省、自治区、直
轄市では目標責任書等を締結し、廉価賃貸住宅制度建設を市(区)、県政府に対
する目標責任制管理に組み入れている。地レベル以上の291都市のうち、既に221
都市で廉価賃貸住宅制度を実施しており、それは地レベル都市の75.9%を占めて
いる。
 全国都市廉価賃貸住宅制度建設と実施には依然として4つの目立った問題が存
在している。
 現在、依然として13の省(自治区)において廉価賃貸住宅制度建設が省レベル
人民政府の市(区)、県人民政府工作に対する目標責任制管理に組み入れておら
ず、地レベル以上の70都市は廉価賃貸住宅制度がない。かつ、一部の都市の廉価
賃貸住宅制度は不完全で、122ある地レベル以上の都市には厳格な手続手順が存
在しない。〔上海証券報4月3日〕