中国の公費使用の現状認識
中国の毎年公費使用額論争 約9000億元は事実と反する
ここ1年で、国内の大きなホームページやメディアで中国の公費の消費行為へ
の使用に対する見解が多く見られるようになり、ポイント、データ、意見が入り
乱れている。
中でも、「学習時報」に2006年3月13日掲載された、国家行政学院の竹立家教
授の「政府管理改革のポイント」が最近よく引用されている。
関連状況を理解するため4月10日、国家行政学院の竹立家教授に特別取材を行
い、同時にまた、公費使用の問題について財政部予算司の責任者を取材した。
竹教授は「政府管理改革のポイント」の中で次のように言及している。
「2004年、中国には少なくとも400万台の公用車があり、公用車の費用支出は
4085億元、全国の財政収入の約13%以上を占めた。公用車の費用支出と公費の消
費行為への使用の関係については、全国1年間の公費での飲食費は2000億元以上
であり、この2者の合計は6000億元以上となり、財政収入を3兆元と計算すると、
財政収入のほぼ20%ぐらいに相当する」
「2000年「中国統計年鑑」では、1999年の国家財政支出中、幹部の公費での海
外出張費用だけで3000億元以上である。2000年以降、学習、育成訓練、視察のた
めの公費での海外出張はますますふえる一方である」
竹教授は文中で、2004年公費の消費行為への使用関連のデータは広東省政治協
商会議の「同舟共進」誌から引用していると書いている。その他のデータは各種
の正規出版物や刊行物からの引用で、1月22日の「参考消息」や2月27日の「学習
時報」などでからであるという。
しかし、2000年の「中国統計年鑑」を調べても、幹部の公費海外出張に3000億
元が使われているということは発見できなかった。このことについて竹教授は、
一部のデータは「中国統計年鑑」などの出版物の中にはないかもしれないとして
いる。この文章を書いたのは、社会に対して公費使用問題に対して注目を集める
ためだということであった。
竹教授への取材後、財政部予算司の関連責任者を取材した。
この責任者によると、「2004年度行政国家機関決算」の関連会計科目データか
ら、公用車の費用支出、海外出張などの概算費用を算出できるという。
2004年末の全国各種公用車は180万台で、年間の公用車にかかる費用は約1000
億元(交通費、交通工具購入費、運転手の人件費などを含む)で、中央が106億
元、地方が894億元である。
2004年、全国行政国家機関の公費飲食費は、接待費が40%(宿泊費、外国から
の客への接待費などを含む)、会議費が10%(家賃、文書印刷費、賃借料などを
含む)、育成費10%(賃借料、教材費、授業料、宿泊費などを含む)として推定
すると約172億元で、中央が19億元、地方が153億元である。
2004年、全国行政国家機関の外国出張費用はおよそ29億元で(海外使用外貨は
19億元)、中央が11億元、地方が18億元である。
以上3種類の公費費用合計は1201億元(中央が136億元、地方が1065億元)で、
この年の全国の財政収入の4.5%、財政支出の4.2%を占めている。
この責任者によると、上述のデータは中央と地方の決算報告書のデータ(企業
負担は含まない)で、実際にはこの数字より多少多いと考えられるという。しか
し、竹立家教授の言う9000億元のレベルにははるかに及ばないとしている。
〈2004年に公費使用データ対比表〉
項目――竹教授のデータ、財政部予算司から提供されたデータ
▽公用車数――400万、180万
▽公用車にかかる費用――4085億元、1000億元
▽公費での飲食費――2000億元、172億元
▽幹部の公費での海外出張費――3000億元(1999年)、29億元
▽3項目の支出総額――約9000億元、約1201億元
▽財政収入比――30%、4.5%
〈公費の消費行為への使用の管理強化〉
公費の消費行為への使用という概念は、国内の学者のイメージとして語られる
だけで、財政部門の予算編成では使われることはない。
国際慣習から考えると、公用車費、公費での食費、海外出張費用などは、先進
国でも政府予算に組み入れられており、政府支出とされている。
財政部予算司の関連責任者によると、ここ数年、中央財政は部門予算、国庫支
出金、政府調達、検査監督の強化などの一連の有効な措置を講じ、厳格な支出管
理、勤勉節約といった政府管理は大きな進展を果たしている。
今後ある程度の期間、重点的に以下の点について強化するという。
1) 公用車に対して現行の管理制度を実行し、決められた場所での給油、決めら
れた場所での修理、一括での保険加入などの制度を基本とする。中央部門と地
方の公用車の貨幣化改革の経験を生かし、国外の経験を参考にして、積極的か
つ確実に公用車の改革を進める。
2) 党中央、国務院は、公費で派手に飲み食いする風潮を徹底的に禁止する。出
張旅費、会議費の管理などの規則制度を改定し、公務接待に対して全面的な管
理を実行する。
3) 積極的に関連部門と協力して、海外出張経費と外貨の使用を厳重にコントロ
ールする。海外出張の人数の減少に努め、実用性のない、専門性のない海外視
察や育成訓練を減少させる。
〔人民網4月19日〕
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