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決算会計検査と予算の使われ方

2005年中央決算 財政赤字が警戒線に近づく

 財政部の金人慶部長が27日、2005年中央決算報告及び中央決算草案を発表した。
 中央財政赤字は2999.5億元で、第10期全国人民代表大会3回会議で批准された
3000億元の赤字警戒線まであと0.5億元と迫った。
 2005年中央及び地方の財政改革及び発展状況は比較的よく、全国の財政収入は
3兆円を突破し、3兆1649.29億元となった。全国財政支出は3兆3930.28億元とな
り、全国の財政収支は2280.99億元の赤字となった。
 中央財政総収入は1兆7260.49億元、中央財政総支出は2兆259.66億元で、中央
財政赤字は2999.5億元となり、第10期全国人民代表大会3回会議で批准された3000
億元の赤字規模より0.5億元少なかった。〔北京現代商報6月28日〕

会計検査署 55億元、213人処分 76人刑事追及

〈2005年度中央予算執行会計検査報告〉
 5日、国務院の委託を受け、会計検査署の李金華署長は第10期全国人民代表大
会常任委員会第22回会議において2005年度中央予算執行の会計検査報告を行った。
 今回、48の中央部門で、55.1億円の不正が判明した。そのうち、2005年に新規
に発生したものが8.65億元で全体の15.7%を占めた。予算編成が細目化しておら
ず、決裁のタイミングが悪い等予算及び財務管理が規範から外れていたのは658.58
億元で、そのうち2005年に新規に発生したものが345.39億元で全体の52.4%を占
めた。
 会計検査は違法案件の糸口となる12件(関連者25人)を調査し、既に司法機関、
規律検査、監察といった部門に送ってさらに追及を進めている。
 李金華署長は、38の中央部門を会計検査し、問題が判明した95%は既に追及を
したと示している。整理改善によって、関連部門や単位が納めた財政資金11.83
億元、取り戻したり返還された横領、私的流用資金41.64億元、支払われた滞留、
放置資金117.62億元、213人が党や政治規律で処分され、76人が逮捕、起訴、刑
罰を受けた。
〈会計検査・データ〉
▼9部門で1.76億元多く報告、受け取り
 55.1億元の不正のうち、部門レベルに属するものが12.66億元であった。また、
658.58億元の予算及び財務管理不正問題のうち、部門レベルに属するものが360.59
億元であった。
 主要な状況は以下のとおり。
 9部門が財政資金1.76億元を多く報告、受け取っていた。そのうち、単位の人
員を多く報告することで、財政資金を2431億元多く受け取っていて、主に政策以
外の補助等に使っていた。
 18の部門が財政資金とその他の特別用途資金7.02億元を横領、私的流用してい
た。
 7の部門が収支を粉飾するなどして資金を移転し、3.6億元を私物化した。
 12の部門が285.31億元を年初の予算から個別のプロジェクトや単位に配分しな
かったことで、10.37億元の予算を当年に使用できなかった。
▼24の単位で19.73億元の国有資産損失
 部門所属単位の不正問題は42.44億元明らかになり、そのうち2005年に新規発
生したものが2.47億元で5.8%を占めた。また、予算及び財務管理の不正問題が
297.99億元で、そのうち2005年に新規発生したものが36.2億元で12.1%を占めた。
 主要な状況は以下のとおり。
 6つの部門に属する10の単位で項目業務量を多く報告し、支出基準を上げるこ
とで、あるいは異なる項目の同一内容等を重複申請することで、財政特別資金
1.06億元を得た。
 20の部門に属する46の単位が財政資金とその他特定用途資金11.91億元を横領、
私的流用した。
 14部門に属する24の単位で管理不行き届きが原因で、19.73億元の国有資産損
失及び潜在的な損失となった。
 13の部門に属する20の単位で収支の粉飾などで資金を移転し、2.25億元を私物
化し、主に単位の日常経費支出等に用いていた。
 8つの部門に属する48の単位で不正な料金徴収、収支別建て管理の不徹底で
26.54億元を得た。
▼会計検査を70単位に拡大で14.76億元の不正資金判明
 会計検査署は24の中央部門2005年度決算(草案)の会計検査を70の所属単位ま
で拡大して行った。虚偽の収支、データの不正確等の決算(草案)の真実性、完
全性に影響する問題は14.76億元で、会計検査決算資金量の4.7%を占めた。
〔北京青年報6月28日〕

会計検査の問題とポイント 財政部

 財政部の予算執行には5つの問題があった。
 財政部は2005年度中央予算執行過程において比較的よく職責を果たし、中央予
算編成の質、執行の効果、予算管理レベルのさらなる向上を図った。しかし、会
計検査で幾つかの問題が判明した。
1) 財政部が2006年3月に国務院の委託を受けて第10期全国人民代表大会4回会議
で2005年度中央予算執行状況報告を行った際、政府基金の2004年度末残高が21.12
億元と過少報告したが、2005年の収入は5.06億元、支出は2.57億元で、年度末残
高は23.61億元であった。
 ――予算法実施条例の「国務院批准を経て設立した専用基金は予算管理を行わ
なければならない」という規定に合致しない。
2) 2005年、財政部の政府基金自身の収入が支出需要を満たしている状況のもと
でも、依然として15億元の予算を計画している。
 ――このような方策は、基金の使用効率向上によくない。
3) 2005年、中国信達資産管理公司が不良債権を処理する際に、財政部は、実際
に発生した費用が4552兆元あった状況で、その回収資金8.54億元の18%の委託手
続費1.54億元の受け取りに同意した。
 ――この受け取り比率は、信達公司の実際費用率5.29%の3.4倍であり、2005年
財政部が当該公司に発した査定費用率6.21%の2.89倍である。
4) 2005年、財政部は中国中信集団公司の上半期税引き後の利益分配で17.54億元
の39%、公益金6.84億元受け取りを批准した。
 ――公司法の法定公益金は税引き後利益の5%ないし10%受け取りという規定と
合致しておらず、当該公司は公益金5.09億元多く受け取っている。
5) 2005年、財政部は中国石油天然ガス集団公司からの所得税のうち100億元を還
付し、中国石油化工集団公司の石油精製プロジェクトの損失を埋めた。
 ――この種のひそかに収入を操作するのは、「収支両建管理」(収入・支出別
建て管理)の原則に違反しており、中央財政の収支規模が縮小してしまう。財政
部は財政支出でこの部分の資金を準備するべきである。
〔北京青年報6月28日〕

会計検査の問題とポイント 地方支出補助

 中央の地方支出補助には3つの問題が存在している。
 前年に比較して、2005年中央の財政移転支出及び専項移転支出は大きく増加し、
財政移転支出の増加は専項移転支出の増加を上回り、財政移転支出は地方移転支
出の半分以上を占めた。
 会計検査で判明した主な問題は以下のとおり。
1) 地方財政の中央の税収返還と補助収入に対する予算編入報告が不完全である。
 ――予算法の規定によれば、省レベル政府は、中央財政の当該地域への税収返
還及び補助収入をすべて省レベルの予算を編入しなければならない。しかし、20
省・区・市の会計検査調査によれば、2005年、これらの省の予算における中央税
収返還と補助収入の編入報告は3444.27億元であり、中央の実際補助7733.65億元
の44.5%にすぎなかった。
2) 一部の専項移転支出項目が重複しており、分配制度が万全でなく、資金投入
が分散している。
 ――現在、中央移転支出資金分配に参画している部門は37である。大まかな統
計によると、2005年の中央財政分配において、239項目の専項移転支出項目のう
ち、41項目には内容の重複が存在し、関連資金は156.37億元に達する。また、65
項目は管理方法がないか管理方法が未公開で、関連資金が705.89億元、専項移転
支出総額の20%を占めている。
3) 2005年、15の中央部門の部門予算のうち、中央が補助した地方支出は383.69
億元であった。
 ――この種の中央主管部門による一対一で地方を補助する方法は正常な予算管
理の階層レベルと資金分配のルートを乱し、中央財政レベルの予算支出と地方予
算支出の補助という裏ルートつくり出してしまう。
〔北京青年報6月28日〕

会計検査の問題とポイント 中央政府投資管理

 中央政府投資管理に7つの問題が存在している。
 会計検査によってわかった中央政府投資管理に存在する主要な問題は以下のと
おり。
1) 2005年末、国債資金234.54億元は支出予定もなく、使用されることはなかっ
たが、これは当年の国際投資の20.1%を占めた。
 ――このようなことは国債投資によって見込まれる利益を減らし、また国家の
債務コストが増加する。
2) 354.4億元の中央予算内の投資について、発展改革委員会は年初に267.37億元
の計画を発したが、その中に含まれているフィージビリティースタディーの未決
裁及び未決定項目22.98億元、細分化されていない投資1.67億元を除いた、実際
に実施された項目は242.72億元で、当年の中央予算内投資の68%であった。
 ――この結果は、「予算二次配分権を有する単位が年初に発する予算額は当年
度予算の75%以上でなければならない」という要求に達していない。
3) 淮北大堤防補強工事プロジェクト等5項目のフィージビリティースタディー報
告において、淮河主流上中流河道整備及び堤防補強プロジェクト等5項目の初期
設計の決裁がいまだにない状況において、発展改革委員会は中央予算内投資計画
10.9億元を発した。
 ――国家の基本建設プログラムの規定に合致しない。
4) 2005年10月、発展改革委員会は炭鉱安全改造項目投資計画を発した際、財政
部に対して閉鎖破産補助として38.33億元を10の資源枯渇型閉鎖破産炭鉱に支払
ったにもかかわらず、安全改造資金2741億元を用意した。
 ――政策性閉鎖破産炭鉱に対しては、安全改造資金を用意するべきではない。
5) 会計検査で122.52億元10項目の国債投資計画をサンプリング調査したところ、
合計1万3488項目のうち100万元以下の項目が1万1479項目で、総数の85.1%を占め
ていた。
 ――一部の地方投資項目補助には金額が比較的小さいものが存在しており、中
央政府投資効果の発揮に問題がある。
6) 2005年、発展改革委員会、交通部はそれぞれ「中央予算内投資」「国債投
資」といった資金263.3億元を使用し、郷村道路等6項目の専項投資を用意した。
このような専項項目はすべて農村道路建設に関係するもので、内容が似通ってい
て、資金が多方面から発せられた。
 ――これは、一部の専項投資の内容の重複の現状を反映しているもので、資金
が多方面から用意されるという現象である。
7) 昨年の中央予算執行会計審査において、発展改革委員会は2004年末までの
「優良品種食糧産業プロジェクト」「動物防疫システムプロジェクト」をまた今
年の国債投資計画に発していた。
 ――今年の会計検査状況によれば、この問題はいまだに解決していない。
〔北京青年報6月28日〕