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面子経済で踊る中国型バブル

全人大代表、政協委員が「中国式奢侈」を批判

 豪華オフィスビルプロジェクトがどんどん続き、ごちそうや贈り物もエスカレ
ート――これらの贅沢三昧の風潮は、2007年初めに「中国式奢侈」という一つの
新語となったほどだ。
 「中国式奢侈」を巻き起こす、その消費の主力は、一夜にして巨万の富を得た
人だけでない。幾つかの地方政府、商店、そして一般消費者である。「面子経
済」が見え隠れする。
 2007年の両会代表に出席する代表、委員は、これらの贅沢は大量の社会の富を
浪費しているだけでなく、社会風潮を乱し、腐敗の温床を助長していると考えて
いる。
 新しいオフィスビル6棟、巨大なドーム形の会議センター、アメリカのホワイト
ハウスを思わせる勢いで、数百ムーの緑地、庭園、小山、噴水が囲み、波がきら
めく湖面には、数匹のつがいのアヒルやアフリカのガチョウがいる……
 これらは河南省鄭州市の貧困区県の一つである恵済区政府の新しいオフィスで
ある。ここ数年、類似の「官衙工程」で公然と建設され、その贅沢さもますます
エスカレートしている。
 ある代表及び委員は、「公金を浪費しているため、自腹を切らないから、心も
痛まない」と言われていると話す。しかし、民衆には「本革のいすに机、テレビ
パソコンはつけっ放し」等ますます口々に吹聴され、これらの見えを張り、放蕩
息子のような行動に反感を持たれていることに気づいていないのではないかとも
述べた。
 全人代代表の陳恵娟氏は、「ある地方政府の指導者は、経済、科学技術といっ
た中核的な競争力をつけるあれこれの努力もせず、面子を保つための作文をし、
最終的には、地方経済が発展することもなく、民衆からも怨嗟の声が漏れてい
る」と述べた。
 「豪華な役所建設の背後には腐敗が隠れている」全人代代表の史和平氏は、メ
ディアで公表されたこの種の典型的な事例の中だけで見ても、経済の貧しい地方
であればあるほど、指導者がますます好んで豪華工事をやり、借り入れ、起債、
貧困扶助金や被災者救済金の流用をし、規定に反して高級で大規模な建物を建設
していると話す。
 行政権の乱用、地方経済発展において発生している多くの理性的ではない行為
は、代表委員たちを最も憂慮させる贅沢となっている。盲目的な投資、イメージ
プロジェクトは何度禁止してもなくならない。高エネルギー消費、高汚染は有効
な調整が不能になっている。公金での飲食、公用車の消費の旺盛……多くの地方、
部門の利益をもその中に巻き込んでいる。これは近年来、中央のマクロコントロ
ール調整政策執行において遭遇する大きな障害となっている。
 一般消費者についても、「面子経済」が生まれ、彼らは知らず知らずのうちに
その中に巻き込まれている。食事、財・サービス、贈り物に贅沢を追求する動き
は大きく広がりを見せ、どんどん浸透している。
 「遠方からわずかなものでも、礼を酌み取るべき」といった伝統的な美徳は、
国民の物質生活水準の向上や商業的なプロモートによって、次第に「中国式奢
侈」へと変わっていってしまった。重要な祝日になるたびに、多くの中国人が大
奮発をし、贈り物を贈ることに精神をすり減らしている。
 幾つかの代表や委員は、「礼には礼をもって返す」というのは中国の伝統的な
文化であるが、現在の消費者が行っている豪華な物を買って贈り物するというの
は、消費というよりも人情や面子ではないかと考えている。
 全人大代表の祝義才氏は、贅沢な消費活動は、どれだけの金銭、どれだけの資
源及び人力を浪費したかというだけではなく、調和がとれない空前のバブル騒動
であって、勤倹といったよい風潮を破壊し、刻苦勉励といった伝統的な美徳とも
背反するものであると述べた。
 また、これらを単純な行政命令で解決できるとは期待できず、各レベルの指導
者幹部が率先して拝金主義、享楽主義、贅沢三昧の風潮を排除することが必要だ
と主張している。〔新華網3月3日〕

ローン病出現 住居購入後に抱える返済ストレス

 「毎朝目が覚めると自分が楊白労(「白毛女」に出てくる多額の借金を背負う
人)のようになり、多額の借金を背負っている」と語る30歳の王飛さんは、春節
前に2カ月分の家のローンを払ったばかりだった。
 王飛さんは瀋陽のある外資系企業に勤めるサラリーマンで、昨年総額54万元の
家を購入した。頭金は24万元、月々のローンは2300元だ。マイホーム購入以前は、
仕事をすること7年、住居が定まらず点々と引っ越しを繰り返していた。彼女との
結婚を考えるとどうしてもマイホームが不可欠、そこで一家挙げて借金をし、マ
イホームを購入した。そのため家には一家全員が入居することになった。
 今回はマイホーム購入後初めて迎える春節であり、正月には自分の両親と未来
の義理の両親に奮発した年越し用品を送ろうと思っていたが、毎月多額のローン
を返済するため、手元には大したお金が残らない。結局、一般の正月用品で済ま
せ、とても気まずかったという。
 王飛さんはローンでマイホームを購入した人たちの一人にすぎない。王飛さん
と同じように、巨額な住宅ローンが、日常生活だけでなく、家族団らんの春節で
さえも大き過ぎる負担となっている人たちがいる。
 中国人の数千年にわたる衣食住の夢とは、衣食憂いがなく、安住の居を構える
ことであることは疑いもないことである。多くの人は生活レベルアップしようと
自分の住居を求めようとするが、財布の中身をよくよく考えれば、ローンで購入
するしか方法はないのだ。そして、彼らの家計がローン返済に左右されるばかり
となる。このため、彼らのことは「房奴」「負翁」と呼ばれている。
 仕事を始めて5年になる王麗さんは最近住居を購入した。王麗さん夫妻の収入は
合わせて毎月7―8000元で、毎月の支出は住宅ローンで3000元、食費が1500元、交
通費が1000元強、通信費とその他雑費が1000元強になる。
 「主人と私は基本的には月々の収入を全部使ってしまう「月光族」なんですよ。
誰も住宅ローンの肩代わりしてくれる人はいないし、今年の春節の正月用品を買
うには食費を削るしかないわ」、彼女は苦笑いを浮かべて語った。
 食事を削って費用を捻出するとはちょっと言い過ぎなのかもしれないが、住宅
ローンは負担が重く、生活レベルにまで影響してしまうことも否定できない事実
である。
 ソフト開発の事業に携わっている董良さんは大連に150平方メートルの家を購入
した。彼を待ち受けていたのは40万元の銀行ローンで、毎月4000元近くもの返済
が必要だ。銀行ローン以外に車の維持費などもかかり、残りのお金はカップラー
メンを食べるくらいしか残らない。「何か自分の未来の数十年の時間と気力と労
働力の全部を銀行に抵当に入れた気分ですよ」と彼は語った。
 中国の若者にとって、今ではマイホーム購入とはもはや一個人の行為ではなく、
一家庭、甚だしくは家族全体が住む家を買うということである。6人で1人の「六
一モデル」で、家族全部が一緒に暮らすこともある。新婚夫婦、男方の両親、女
方の両親計6人が長年の貯金をまとめて共同で出資し、都会に家を購入するのだ。
 家のローンのほか、彼らには医療、子供の教育費、老親の世話にかかる費用な
どのプレッシャーもある。それにより、子供を持たないディンクスがふえ始めて
いる。王麗さんは「母親からは早く孫が欲しいとせかされるけれども、子供はつ
くりたくないわ。ローンがきつくて、子供ができたら生きていけないわ」と、語る。
 住宅ローンのプレッシャーは一種の「ローン病」を引き起こしている。多くの
住宅ローンを抱えている人は、どうやったら一日も早くローン地獄から抜け出せ
るか一日中考え込んでいる。極度な精神的負担になり、生活のリズムが乱れるば
かりか、健康にも害を及ぼしている。
 ローン返済に四苦八苦する呉〓さんの生活はとてもきつい。彼女が最も心配し
ているのは、家で何かとんでもないことが起こるのではないかということである。
例えば、病気にかかったり、職を失ったりだ。国有企業に勤める彼女は、職がな
くなることを最も恐れている。職場ではいつもびくびくしている。現在は不眠症
で、神経症を患っている。
 生活レベルが低下するのは当然だが、それは一時的なものと考える人もいる。
理想のマイホームを有するのは長期的なもので、家は価値が上がっていくもの、
このような考えはローンを組んで住宅を購入した「負翁」の共通した考えのようだ。
 しかし、住宅が高騰するスピードは多くの人の頭を悩めているのも事実だ。銀
行から巨額な借金をせざるを得ない状況を招くからである。
 張義さんは、2000年に東北財経大学卒業後、大連のある会社に入社し営業を担
当していた。4年間の下積みを経て、2004年に地区の営業経理に昇格した。2000元
にも満たなかった月給が5000元にまで上がった。しかし、「給料は上がってはい
るものの、物価も上昇し、住宅価格も上昇し続けている」
 2003年から住宅についての観察を始めた。当初好評だった住居が一坪3000元ほ
どだったのに、そのころは貯蓄もなかったため3年間様子見したのだが、その間に
価格は4000元にまで跳ね上がってしまった。最終的には銀行と友人から借金をし、
92坪の家を購入した。「計算してみると、この数年間に稼いだ金は住宅価格の上
昇には及ばなかった」〔新華網2月22日〕
注)〓は、「金」を3つ書く

中国初の村鎮銀行「四川儀隴恵民村鎮銀行」が開業

 中国初の村鎮銀行「四川儀隴恵民村鎮銀行」(恵民村鎮銀行)が3月1日、開業
した。
 恵民村鎮銀行の資本金は200万元。四川省南充市商業銀行が筆頭株主で、出資比
率の50%を占める。その他、四川明宇集団、四川海山国際貿易有限公司などの企業
が出資している。
 行長(頭取)やカスタマー・マネージャーなどを含めても当面の全行員数は10
人で、中国最小の銀行といえる。
 恵民村鎮銀行の業務は、1)預金業務、2)短期、中期、長期の資金貸付業務、3)
国内決済業務、4)手形の引受・割引業務、5)銀行間取引、6)銀行キャッシュカー
ド業務など。
 うち貸付業務では、農家向けの小口ローン、零細企業向け貸付、専業農家向け
貸付の3タイプが中心となる。農家向け小口ローンの貸付限度額は2万元。手続は
簡便で、与信が下りれば無担保で貸付を受けることができる。その他の2つの貸付
タイプの貸付限度額は10万元で、信用貸付で担保の差し入れが必要という。
 このほか、南充市商業銀行が設立した四川儀隴恵民貸付有限責任公司が同じ3月
1日に開業している。同公司の資本金は50万元。
 中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の唐双寧・副主席は恵民村鎮銀行の開業
式に出席し、そのスピーチで、「規範に従って試行を推進し、構造転換を促進し
リスク管理を徹底させるとともに、農村向け金融サービスを充実させることで、
村鎮銀行は「三農」サービスを実現する農村銀行となるだろう」と述べた。
 さらに、「こうした機関の開業は、儀隴恵民村鎮銀行が初めてのケースだ。今
回の設立は、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が農村地域の銀行金融機関を
政策試験機関とする認定基準を調整・緩和した作業の結実を意味し、全く新しい
農村銀行金融機関が農村地域に正式に誕生したということを意味する。また、こ
れは我が国の新型農村銀行金融機関の設立を推進していく上で、よいケーススタ
ディーとなる。農村金融組織、サービス体系の整備、農村金融サービスの改善に
よるプラスの影響が深く浸透するだろう」と語った。
 「村鎮銀行、貸付会社、農村資金互助社などの新たなタイプの農村銀行金融機
関の設立が農村金融市場を活性化することによって、新たな競争がもたらされ、
新しい活力、ビジネスチャンスなどが水のように沸き上がり、沸騰するだろう。
単なるお湯より、塩、油、野菜、干しえびなどを入れたほうが美味しい料理がで
きるのと同じことだ」
 過去の農村基金会、貯金会などを教訓に挙げ、唐副主席は、次のように続けた。
「新たな農村銀行金融機関の試行機関は一丸となって防止に努めてほしい。現地
の監督管理機関による試行作業経過の監督・管理、コントロールの強化を徹底し、
リスクヘッジを終始把握することが最も重要だ。所有権の構造の改善、内部統制
やコンプライアンスの強化、資金に関する契約の強化によって、農村銀行という
新たな金融機関を、持続的発展の力を備えた農村専業銀行にする」
 「また、各地域の自治体においては、農村地域での金融業務は運営コストがか
さむことに加え、経営上のリスクが高く、収益が上がるまでのサイクルが長く、
利益率が低いという点を心にとめてほしい。試行地域の各自治体においては、関
連部門が、この新たな農村銀行業金融機関の発展に向けて積極的にご支援頂き、
また、公平な経営環境、競争環境を整備いただくようお願いいたしたい」
 四川中国銀行業監督管理局の担当者は、儀隴県の今後5年間のGDPの伸び率を年
平均約14%とし、農村の都市化によって地元住民、地場系企業の資金需要の高まり
を考慮した場合、村鎮銀行の開業3年後の資産総額、預金、貸付の伸びは15%以上
に達すると予測している。〔中国経済時報3月2日〕
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 日本人には言えない
   中┃国┃人┃の┃価┃値┃観┃  中国人とつきあう68の法則
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―――――――――――ISBN 4311603290 四六判 216頁 本体1680円 学生社
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