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有料道路をめぐる不正と腐敗

道路料金で暴利の構造 道路の公益性、産業振興を阻害

 全世界の有料道路14万キロのうち10万キロが中国にあり、全世界の70%を占める。
 交通部は40キロごとに料金所を設けるよう規定しているが、一部の地方政府は、
高級道路には20キロごとに1カ所料金所を設けるよう規定しており、もっと短い場
合さえある。
 中国が過去5年間に交通インフラの建設へ投じた資金は、建国当初からの50年間
の投資額の総計を上回る。各地方政府は財力不足の中で銀行からの借り入れや商
業資本を導入することにより、道路建設は奇跡的に飛躍的発展を遂げ、人々も交
通の四通八達からさまざまな恩恵を享受している。
 しかし、有料道路の管理の混乱の問題はますます道路をめぐる公然たる不正と
腐敗を引き起こしている。
 当然ながら、道路の通行料は借入金の返済に充てられるべきだ。だが、特殊技
能の要求度が低い料金所職員の月給は8000元に及んでいる一方で、多くの道路の
借入金の返済は予定どおりに行われていない。
 中国の有料道路が世界一となった裏側には、1) 中国の交通庁長の問題発生率世
界一、2) 中国の警察の罰金水準も世界一、という世界一もある。
 会計検査院の李金華院長は6月27日、有料道路に対する会計監査で、中国の有料
道路は建設、運営、管理などの問題が目立ち、一部の道路の通行料は投資コスト
の数倍―10倍以上に達していることが判明し、「高い」道路は社会負担を増加さ
せていると述べた。
 最近、北京の2本の有料道路が料金徴収の例に挙げられた。それによると、京石
高速道路(北京―石家荘)は6億元近くの利益を上げた後も料金の徴収を続け、機
場(飛行場)高速道路は過去14年間、12億元の投資に対し100億元余りの料金を徴
収するという「奇跡」を実現しているという。
 2本の道路はもともと政府が資金を負担した道路だったが、途中、首発公司(北
京市首都公路発展有限責任公司)に譲渡され、料金徴収期限も大幅に延長された。
有料道路は一部の機関のもとでますます独占され、暴利をむさぼる道具とされて
いる。
 全人代と京石道路の料金徴収の「駆け引き」があった15年間は、この道路の投
資と料金徴収の基本情報を一貫して入手できず、関連部門による道路補修の貸付
金についての情報についても毎年異なり、あるときには12億元、あるときには11
億元だったという。資金の返済額についての言い方が毎回異なり、残額は8億元だ
ったり6億元だったりする。関連部門に対する会計監査結果が出て、ようやくとっ
くに資金がなくなっていたことを知ることになった。
 有料道路を利用し、資金を勝手に流用するやり方は法律に抵触し、中国の経済
発展にとっても大きな障害となっている。地域経済間での物流コストを大きく押
し上げるだけでなく、地域間の経済の相互補完を損なわせ、道路の利用率、輸送
効率に深刻な影響をもたらし、旅行、輸送等と交通業界と密接に連携した事業の
発展を制約している。
 また、有料道路から、ほかにも腐敗問題が派生している。譲渡、料金徴収など
の一連の過程をブラックボックスに見立てて操作し、有料道路の多くを地方政府
や一部の利益集団に対する直接の利得源の道具とされてしまっている。
 一部の道路は違法に料金を徴収し、道路の経営権の譲渡を規範化せず、国有資
産に重大な損失を生じさせ、政府が借入金を完済すれば料金徴収を終了させると
いうボーダーラインを超え、有料道路が社会から金銭を吸収する機械となっている。
 道路の一部は、料金の多額を流用し、料金基準を引き上げ、徴収期限の引き延
ばしまでしている。
 関連部門はある省の非営利性の料金所に対する会計監査で、74カ所の料金所の
うち、返済期限が30年を超える料金所が33カ所と45%を占め、返済年数が100年を
超えるものが6カ所、最も長い返済期限にいたっては756年に及ぶと明らかにした。
 道路の公益性を確保するため、米国では一貫して政府が道路の投資主体となっ
ている。米国では全国に8万9000キロの高速道路があるが、有料道路は約8000キロ
しかなく、料金も低い。米国の中西部の大多数の道路には料金所さえない。
 だが、中国では、当初は政府が投資した一部の道路も、15年の徴収期限が到来
する前に、政府が譲渡を通じてたびたび営利性の有料道路へと変身させている。
 こうしたやり方は責任感の欠如のあらわれであるだけでなく、違法でもある。
だが、関連情報が公開されないため、故意に徴収期限を引き延ばし、道路の公益
性という特徴を抹殺するやり方で、公衆の監督の外へと離され、人々は食いもの
にされるしかなかった。
 道路料金(政府資金のプロジェクトか営利性プロジェクトであるかにかかわら
ず)は、いかなる国のいかなる時代であっても独占のすきを与えてはならず、民
衆生活に損害を与え、国民の権利を侵し、少数の利益集団に暴利をむさぼらせる
ことを許してはならない。
 そして、最たる原則とは、道路の公益性・公用性という本質を取り返し、道路
の公益性という特徴を歪曲することなく確保することで民衆に資し、中国の経済
発展に資することだ。〔中国経済週刊8月6日〕
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