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中国語の重要性、新語への意見

教育部 英語能力の向上が国語レベルの低下を招く主な原因

 教育部のある高官が、英語レベルの向上が国語レベルの低下を招く主な原因に
なっていると指摘した。当高官は、これは民族の自信の問題であり、我々の言語
の自信の問題でもあるとした。この状況を改善するためには、中国社会全体の努
力で、我々自分たちの言葉が最も美しい言語なのだという民族の自信を改めて樹
立しなければならないとしている。
 教育部は16日、「2006年国語言語生活状況報告」記者会見を開催、国家言語委
員副主任・教育言語文字応用管理司の王登峰司長が記者会見の席上で次のように
発表した。
 それによると、現在、確かに英語教育レベルは向上した。昨年「中国青年報」
でも、科学院の専門家が出した科学研究の成果は、80%以上が外国語で発表してい
ると報道した。実際には多くの場所で、ある人物の評価をする場合、その人の文
章がどの雑誌で発表されているかに重きを置いている。ある機関の責任者は「中
国語で文章を発表するな、発表しても何の役にも立たない」というほどだ。この
ような風潮は中国語のレベルを低下させている重要な原因の一つとなっている。
 王登峰司長は、外国語は非常に重要な道具であり、我々が外部の世界を知るに
は先行研究を学ぶが、それを理解するには外国語の勉強が必要で、多くの場面で
外国語を使う必要が出てくる。しかし、その外国語はツールであって、決して自
分自身のものにしてはならない、と語る。
 また、今回の小中学新課程標準課標改革の際、数学チームの教師が指摘をして
いることであるが、国語のレベルが下がり、数学もしっかり学べていないのは、
問題文の意味が理解できてないからであるという。これは語学教育の中で、国語
能力が重要視されている度合いを反映したもので、学生自身から、果ては社会全
体、保護者に至るまで意識が低い。
 この状況を改善するためには、社会全体の努力なくして実現は不可能である。
最も重要な点は、やはり我々中国人としての民族の自信を改めて樹立し、我々の
言語が最も美しいということ、しっかり学ばせ、しっかり使わせるという指導が
必要である。〔中国新聞網8月16日〕

中国の半数近い商品説明書 言語表記規定に合わず

 16日発布された「中国言語生活状況報告(2006)」によると、2006年10月末現
在、中国商品の言葉の表記で、規定に反している説明書が55%に達すると示した。
 国家質量監督検験検疫総局は、商品品質抜き取り調査を行い、商品の説明書内
に繁体字を使ったり、繁体字と簡体字が混在して使われている現象が多く見られ
ることを発見した。
 報告によると、医療文書の規定違反の現象は既に制御されている。「天書病
歴」(読めないカルテ)「天書処方」(読めない処方せん)の現象は減少した。
 2006年3月、江蘇省南京市の患者であった呉さんは、医者がいい加減に書いたカ
ルテの内容が理解できず、数度の訴えに対しても改善がないことから、その病院
を訴え、裁判所にカルテの書き直しを要求するという事態も起こっている。これ
は全国での「天書病歴」についての初の訴訟である。
 このような問題に対し、全国各界各層の医療機関は、2006年に行った医院管理
年間活動の中で、「医療文書書写規範」を医院管理評価の重要な一つに加えた。
河南省衛生部門は、カルテ書写規範とカルテ品質評価標準を編集印刷し、カルテ
の筆跡をはっきりさせ、誤字脱字のないよう要求している。
 江西省は、医者に対してカルテは楷書で書くよう求めている。
 江蘇、広西、湖南、安徽、浙江等省区は相次いで具体的な方案を発表し、パッ
ケージ、説明書、ラベル、処方箋、カルテ、身体検査報告などに規定の漢字を使
用するよう明確に指示している。
 情報によると、商品説明書の規範違反の現象に対して、中国は1987年から「企
業や商店の看板、商品パッケージ、広告などに漢字及びピンインを正確に使用す
ることに関する若干の規定」「消費品使用説明総則」「化学薬品と治療用生物製
品説明規範細則」など、一連の規定を公布している。〔新華網8月16日〕

中国語新語リストに熱い議論 有識者のコメント

 房奴(家の支払いや購入のために全精力を傾け、余裕のない生活を送る人)、
梨花体(口語詩の一形態、著名な詩人 趙麗華(1964年生まれ)の名前から同音
となる梨花をもじったもの)、熊猫焼香(ネット上のウイルスの名前)、学術超
男(メディアを通じ大衆に影響力のある学者のこと、初出2006年7月、易中天に対
する尊称として雑誌に登場)――これらの新しい言葉は、既に我々の日常語の一
部となっている。
 8月17日、教育部はウエブサイト上で「2006年中国言語生活状況報告」を発表、
新語として171語を選択した。その中には近年流行した各種の新語が集められてい
る。
 このほか17日、教育部は「2006年言語生活状況報告」についてのプレス発表を
実施し、方言、英語その他中国語に関する各方面からの質問に答えている。
 「2006年言語生活状況報告」での171の新語を転載した某ネットサイトでは、早
速熱心な論議が巻き起こった。記者が早朝版の締め切りまでに見たところでは、
少なくも500名余りのネットユーザーが意見を発表しており、ひっきりなしに出さ
れるその圧倒的多くは新語が全く理解できないとするものであった。
 専門家もこれに似た傾向で、新語に対して余り多くの関心を注ぐべきでない、
なぜなら言葉というものは本来自然淘汰の過程を経るものであるからとしている。
また、大多数の中学国語教師は、これら新語を作文で使用することは決して奨励
しないとしている。
▽ネット言語は中国語を豊富にするものであって、決して別の言語にするもので
はない
 申小龍(復旦大学中文系院生指導教官)
 教育部が171の新語を発表したことは、小中学校の国語の授業や関連する教材に
組み入れるあるいはその可能性を示唆したことになる。
 新語は次々と生み出され、あるものはとどまり、あるものは淘汰され消えてし
まう、これは一つの自然の過程である。阻止や禁止することは役立たないし、認
めたりあるいは認めないということも意味のないものである。他の言葉によって
置きかえることができず、表現が効果的であり、かつ多くの人々に受け入れられ
て、新語は定着していく。
 ただし、多くの新語は淘汰されてしまうものである。教育部が発表した171の新
語のうち、一体どのくらいの言葉が生き長らえることができるのであろうか、甚
だ疑問とするところである。言葉について言えば、一部の部門が「管理」できる
ものではあるまい、言葉の成長とは一つの自然現象にほかならないのである。
 新語が生まれることは中国語の特質を弱めることになるのか?、この質問は少
しおかしなものである。例えば、ネット言語は中国語に確実に影響を与えている
し、中国語の表現を豊かにもしている。まして中国語を別な言語にしているので
はない。
 教育部門はより良い表現のためにそれらを導くことはできても、それらの使用
を阻止したりすることは容易ではない。ただ、もし教師がそれを理解できないと
すれば、それは教師の問題である。
▽新語は我々の生き生きとした生活記録である
 黄集偉(出版人、流行語収集者)
 民間の言葉を収集して十数年、私は民間の語彙が大きく変化していることを発
見した。
 自由で弾力性に富んだ言葉を使う人やその機会は、例えば、ネット上での言葉
にあらわれているように、さらにふえている。
 また一方、表現の相互作用はさらに強まっている。新単語、新しい言葉の多く
は、非常に強い伝播性を持ち、個性を持ち、同時にまた、それらはそれら時代の
ある特別な情緒や民間心理といったものを記録している。例えば、171の新語の中
で、多くは我々の生き生きとした生活記録である。
 新しい言葉の誕生や死滅は我々が主体的に行うものではない。言語とはいかな
る恣意的な管理をも受けない。ただそれは我々の生活の道具であり、我々がその
発展を制限するすべは持たないのである。
▽作文で流行語を用いることは誤解を生む
 呉先生(高校国語高級教師)
 ネット言語や流行語を中高校生が日常使うことは非常に多く行われている。ま
た彼らの作文の中でこれら言語があらわれることも常態化している。しかし、我
々は一般的にこの種の“新機軸”を決して奨励することはない。
 今回の教育部の171の新語では、「八栄八恥」等の個別の単語を除けば、大部分
は一部の人たちの間でのみはやっているにすぎない。広範な代表性を具備してお
らず、作文で用いるとしても、我々教師がわからないだけでなく、大部分の学生
も真の意味するところを決して理解していないものと確信する。
 171の新語は単にここ数年流行した言葉の氷山の一角にすぎず、毎日多くの新し
い言葉が生まれている。しかし、それらのうち、一体どのくらいの言葉が言い伝
えられていくのであろうか、大いに疑問のあるところである。
 中国語は数千年の間に蓄積されてきた豊富な言語である。これらを学生は作文
の中で自在に使えば事足りる。流行語を用いることはかえって誤解を生じること
となる。
〔中国新聞網8月18日〕

中国語新語リストに熱い議論 9割は知らないとの声も

〈ある年配のネットユーザーの意見〉
 新語の大部分が一種の流行語であり、一部の限られた中でのみ通用し、多くの
国民全体の言語にはなっていない。しばらくすれば、たちまちなくなってしまう
だろう。
 我々の中華民族5000年の文明で今日まで伝わってきたものは、文明やその輝き
であり、高邁なものもあれば世俗的なものもあった。しかし、文明はあくまで文
明であって、それは奇抜でごみのようなものではない。このような新語を見てい
ると、それは大部分がごみであり、私たちはこのようなものを子々孫々に伝える
ことになるのだろうか。
 私は年をとったようで、基本的にはこれらの新語がどういう意味なのかがわか
らない。
 私はいつもネットを使っていて、知的水準もまずまずだと思っている、しかし、
このような言葉にはやっぱり疎いのだと思う。
 言葉というようなものは長い時間使われて、やっと定着していくべきものであ
る。このような新語は出現して1、2年、ひどいときには数カ月で使われなくなっ
ていく。
 ここ10年で、私は毎日のようにネットを使っているが、9割の言葉は見たことが
ないし、聞いたことがないものだ。
 私は、このような言葉の一部は一時的に使用されているだけであって、語彙と
して定着していくはずがないものだと思っている。
〈新生活新名詞リスト〉
▽半糖夫妻――同じ都市で別居する結婚生活。つまり、夫婦は仕事がある日はそ
 れぞれで生活をし、週末に共同生活を営む。
▽白奴――ホワイトカラーの「奴隷」を短縮した言葉で、「白奴」のあるじは、
 不動産、自動車、ぜいたく品であるかもしれないし、人間関係や理想なのかも
 しれない。
▽壟奴――独占的な業界の消費者はほかに選択の余地がなく、ただ消費項目を受
 け入れるしかない。このような消費者を「壟奴」という。
▽奔奔族――1975―1985年生まれの人で、中国社会の中でのプレッシャーが最も
 大きい人たち。
▽吊瓶族――もともと点滴する必要がないのに、点滴をしようとかたくなな患者。
▽丁寵家庭――子供は要らず、ペットを子供のようにして養う家庭。
▽灰色技能――とある企業が卒業生に要求する、飲酒、歌唱、マージャン、トラ
 ンプ等の特殊な技能。
▽凍容――20才前後の若い女性が青春を「凍結」することを望み、早々とアンチ
 エイジングを始めること。
▽独二代――祖父母4―父母2―子供1の家庭。つまり、一人っ子の両親も一人っ子
 であること。
▽二〓(*1)専家――表面的にはディベロッパーに反対意見を述べているが、裏で
 はディベロッパーと手を組んでいる専門家。
▽飛魚族――国内で優秀な成績を修めているにもかかわらず、一切をためらいも
 なく捨て、国外の有名校で勉学に励む特殊な中国人の層。
▽分手代理――自分でお金を払って、代理人に恋人との別れのプロセスを委託す
 ること。
▽海綿路――「水を飲むことができる」新しいタイプの道路。まるでスポンジの
 ように地面にある水分が素早く吸収する。
▽裸考――どんな加算行為もない、完全に実力による入試。
▽楽活族――ロハスの音訳。Life styles of Health and Sustainabilityの略。
 健康と自給自足を目指す生活のこと。
▽諾亜規則――神様がかつてノアの箱船を建造して災難を回避した。現在では、
 共同で持続可能な措置を講ずることで地球温暖化の動きを抑制することを指す。
▽〓(*2)酷――パルクールの音訳。都市全体自体が一つの練習場として、一切の
 壁、屋根をよじ登ったり、通り抜けたりする対象物とするスポーツ。
▽〓客(*3)――人々が一緒に共同で一つの事柄あるいは活動を行うことを指す。
 割り勘、ルームシェア、食事のシェア、共同での遊び、カードサービスのシェ
 ア、共同使用等々。
▽捧車族――車を買っても車を使えない、車をささげるように置いていることか
 ら、聞こえよく「捧車族」と呼ぶ。
▽7時代――人民元の対米ドルレートが8の大台を破り、7に入ったこと。
▽擒人節――バレンタインデーに恋人がいないのでとりあえずそのときにみんな
 で食事をして過ごすこと。
▽晒客――自分の生活、経歴、心情をネット上に公開し、他人に見せる人たちの
 こと。
▽三手病――ゲーム、マウス、携帯による手の痛みを「三手病」という。親指や
 腕を長期的に、繰り返し、持続的に動かすことで引き置かされる指や腕の損傷。
▽威客――Witkeyとは、Witが知恵で、keyが鍵の意味。自分の創造能力を貸して、
 ネット上で他人を支援して報酬を得る人。
▽微笑圏――オリンピックのボランティアがサービス精神を示すため身につける
 ゴム製の腕輪。
▽圧洲――西欧資本のアジアへの移転とともに、プレッシャーが移転され、今日
 のアジアはプレッシャーの大陸に変化したということ。
▽印客――またはIN客ともいい、インターネットを介して、ネットユーザーが書
 いたり、描いたり、記録した文字や図画を永久保存するパーソナルな印刷物に
 すること。(ネット出版)
〔中国新聞網8月18日〕
注)〓(*1)は、おんなへんに「乃」。〓(*2)は、あしへんに「包」。〓(*3)は、
てへんに「并」。
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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
   中┃国┃人┃の┃価┃値┃観┃  中国人とつきあう68の法則
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―――――――――――ISBN 4311603290 四六判 216頁 本体1680円 学生社
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