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戸籍改革の勝敗の考察

都市・農村世帯の差別撤廃相次ぐ 戸籍改革の勝敗の考察

 南北の著名な2都市が9月1日、偶然にも同時に戸籍改革に着手した。
 北は山東省青島市。居住世帯が青島市行政区域内である住民について農業戸籍・
非農業戸籍の区別をすべて撤廃し、域内800万人の住民を統一的に住民台帳に登録
することとした。専門業種の就業者とその直系親族に限られていた条件も大幅に
緩和された。
 一方、南は広東省深セン市の塩田区。長い間検討されてきた住民制度が正式に
試行され、証明書を持っていれば、仕事、生活、子女の教育などの点で便利なサ
ービスを享受することができる。
 今回の青島市での改革は、専門業種の就業者とその直系親族という2点において
の改革は徹底されている。だが、新しい住民の転入や住宅購入に伴う転入の問題
では相変わらずハードルが高い。例えば、住宅を購入する場合、一軒当たり100平
米以上で、かつ新築でなければならない。
 また、戸籍改革において最後の特権とされる大学受験資格の審査では、北京で
の「居住証制度」などと同様に、「平等な大学受験権利」というこの種の天井は
そのままだ。
 近年、既に半数近い省・市・自治区で農業戸籍・非農業戸籍という区別が徐々
に撤廃されてきた。都市部と地方の戸籍登録制度を統一し、住民戸籍と総称する
ようになった。だが、基本的には見かけ倒しで、都市部・地方住民の社会福祉保
障の平等は実現されるどころか、実現に向けた動きさえまだない。
 僭越ながら、戸籍改革の勝敗の考察は、以下の3つの基準によって検証されるべ
きではないだろうか。
1) 都市部・農村住民の権利の平等が実現されているか。
 農業・非農業戸籍の区別の撤廃は始まりにすぎず、ごく簡単な記載上の問題だ。
公民権の真の平等を実現するには、社会保障制度及び土地・住宅など不動産制度
などの分野の徹底的な変革にまで及ぶ。このような変革はやすやすとできるもの
ではないが、慎重に過ぎても前に進めなくなる。
2) 人口の居住地管理の原則が充実・徹底されているか。
 戸籍改革の最終的な目標は、人が日常居住している場所で戸籍を登録すること
にある。これは、域内の交通、治安、環境、医療、教育などの分野で科学的管理
の基本情報となる基盤となる。また、公民のさまざまな自由・権利を実現するた
めの基礎ともなる。
 このため、長期的に見ると、戸籍管理は人口情報を把握するための一つの基本
的なツールにすぎない。最終的に志向すべきは、今日の認可制ではなく、将来の
登録制度である。
 人口への影響は、その土地の戸籍に登記される唯一の根拠は本人の定住年限で
あるべきであるかどうか、及びこの地で定住している個人の以降があるのかどう
かであって、今日の戸籍改革のようにさまざまな外在条件が付加されるべきでは
ない。
3) 公民の教育優先権が実現されているか。
 いわゆる「教育優先権」とは、公民が教育を受ける権利は優先的に保障され保
護されなければならないことをいう。個人や家庭の将来に直接関係しており、都
市や国の将来にも直接関係する。
 「教育優先権」が実現されているかを検証するには、それを象徴するものが実
現されているかどうかによる。つまり、子供がその場所で平等にいかなる差別も
受けず義務教育を受けることができるか、また、その地域で学習し大学受験に参
加できるかということだ。
 この権利の実現は急務と言える。まだ数百万、数千万の取り残された子供たち
や放浪する子供たちが義務教育を受ける権利を剥奪されている。国や民族の将来
は極めて不利益な境遇に置かれている。
 地方の戸籍改革には、多くの懸念を抱えていることが多い。このため、戸籍改
革を思い切って進められずにいる。また、さまざまな社会保障制度は戸籍問題と
直結しており、地域間の巨大格差を生み出しているのではないだろうか。
 現実的なレベルで戸籍改革を順調に推進できるかどうか、重要かつ現実的な要
とすべきなのは以下の3点だ。
1) 各種福祉制度と戸籍を切り離すこと。
2) 緊密、かつ直接的に社会保障の個人口座とリンクさせること。
3) 別の地域での引き出し、移転サービスを速やかに推進すること。
 こうした方法で、抜本的な戸籍制度改革を推進することができるのではないだ
ろうか。
〔人民網9月3日〕

甘粛省粛北県 都市と農村の戸籍差別を完全撤廃 全国先例

 8月28日粛北県公安局によると、8月22日、粛北蒙古族自治県人民政府常務会議
は「粛北蒙古族自治県公安局 戸籍改革のさらに一層の深化に関する実施細則」
を審査批准した。
 当該公安局は直ちに戸籍改革制度を実施し、粛北県の都市と農村の二元戸籍制
度は今年末に終止し、58年もの間続いた農村と非農村戸籍の区別も存在しなくなる。
 当該県4000人余りの農民は、9000人余りの都市住民と「身分」が同等になり、
すべて「粛北住民戸籍」となる。
 粛北県の、戸籍による都市と農村の差別を撤廃する改革は、全省ひいては全国
県区でも先例に属するものである。
 粛北県公安局政工弁公室責任者によると、「粛北蒙古族自治県公安局 戸籍改
革のさらに一層の深化に関する実施細則」は、粛北蒙古族自治県人民政府常務会
議の審査批准を経て、直ちに正式な効力が発生、当該公安局も即刻この戸籍改革
制度の実施を開始、今年末改革達成に取り組み、改革後には県の1.3万人はすべて
粛北住民戸籍となる。
 今回の戸籍改革は、粛北県が各種戸籍の典型的な差別を抜本的に撤廃するもの
である。
 粛北県に既存する常住農村戸籍、地方都市町戸籍、食糧自弁戸籍(自理口糧戸
籍)、農場商品化食糧配給戸籍(農場商品糧戸籍)、非農村戸籍などは、すべて
「粛北住民戸籍」となる。
 粛北県に投資している事務所や工場、商売や工業・建設業に従事する者、大
学・専門学校以上の学歴保有者、中高級エンジニアに対しては、合法な固定住所
と安定した収入を備えるという条件のもと、皆「粛北住民戸籍」の手続を行うこ
とができる。
 農村戸籍の者は、身分が変わった後、既住の土地、牧草地帯での経営権を請け
負うのは変わらないという条件のもと、自身の希望により、牧畜業に適していれ
ば放牧、農業に適していれば耕作、工業に適していれば工務、商業に適していれ
ば商売に従事する。
 入学、軍への入隊、就職、社会最低生活保障、医療保険等の各分野において、
その土地既存の都市町戸籍の住民と同等の権利を享受し、同等の義務を実行し、
差別政策はもう行われない。
 粛北県公安局関係担当者は、農村戸籍を撤廃することにより、「戸籍蔑視」の
現状を変えられるだろうと述べる。
 「住民戸籍」を持つ者は社会保障、基礎教育、就職、医療、住居、出産計画の
面で、同等の待遇を受けるだろう。都市と農村の「同じ命、異なる価値」という
歴史と、農村の子供が都市に進学するという難題も解決するだろう。同時に、こ
の制度により、他市の人口を呼び込み、当地に投資し、発展することができる。
 8月28日午後、粛北県人民大会に関連状況を紹介してわかったことだが、当該
「細則」は、まだ粛北県人民大会で審議されていない。
<関連 新「全省都市農村戸籍改革」意見が完成、省政府審査決定へ>
 8月28日、関係部門からの情報によると、甘粛省公安庁は現在、新「全省都市農
村戸籍改革」意見を起案し終わり、省政府に報告し審査決定を求める。
 「意見」の中心内容は、現行の農村、非農村の二元戸籍を一元戸籍に改めると
いうもの。これにより、甘粛省全省都市農村戸籍の一元化及び70万人が既に恩恵
を受けている甘粛省既存の戸籍改革政策のペースは加速するものと見られる。
 現行の農村、非農村二元戸籍は中国で長年実行されてきたものである。しかし、
都市化が加速し、農村の余剰労働力が大量に都市に流入し生計を営むに至り、現
行の農村、非農村二元戸籍管理の弊害が次第に明らかになってきた。
 甘粛省公安庁の関係者によると、明らかに多くの人が既に長年都市で働き、生
活しており、早くから都市に溶け込んでいるが、所有するのが農村戸籍なので、
「都市の人」と同じ医療、保険、社会保障などの多くの社会福利を享受すること
は難しいという。
 一元戸籍管理の実施は、これらの「都市の農村人」が「都市の人」と同じ待遇
を享受できるようにし、このことによって彼らの社会における生活状態もさらに
明らかになるものと見られる。
 一元戸籍管理の利点は火を見るよりも明らかであるが、長期の二元戸籍管理の
もと、農村と都市町の医療保険、社会保険、社会援護、教育、労働等などは、皆
分けて管理されており、したがって、一元化戸籍政策を実施するには、上述した
多くの社会的関係を調整しなければならない。さもなければ、農民が都市住民と
同等の社会保障、義務教育、インフラ建設、都市管理、就職政策などの権利を行
使できず、都市化がもたらす実際の利益を享受することはできない。
 甘粛省は、2003年11月には戸籍改革に着手し始めており、当時、「合法的な固
定住所、安定した職業と収入があること」を前提として、7項目の恵民措置を打ち
出している。3年余来、甘粛省の戸籍改革の恩恵を受けている者は70万人に上る。
 2006年5月、国務院は14部委を組織し、戸籍管理総合調査研究チームをつくり、
蘭州、臨夏等までわざわざ出向いて戸籍改革調査研究を行い、甘粛の戸籍改革作
業に高い評価を与え、北京に帰京後、甘粛省経験を国務院に報告し、経験を推し
広めている。
〔中国日報網站―環球在線8月29日〕
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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
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―――――――――――ISBN 4311603290 四六判 216頁 本体1680円 学生社
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