ディーゼル燃料供給逼迫実情
上海の一部のガソリンスタンドでディーゼル燃料給油制限 燃料逼迫で
先週以来、上海の内環より外の幾つかのガソリンスタンドで燃料逼迫現象があ
らわれ、各地でディーゼル燃料が逼迫している。長距離バス運転手がガソリンス
タンドで給油したいと思っても、燃料がないか、供給制限に遭遇している。
記者がたくさんのガソリンスタンドに取材を行ったところ、内環内の多くのデ
ィーゼル燃料供給地点ではまだ燃料逼迫にはなっていないが、内環より外の大型
車両が多く給油する場所の幾つかではディーゼル燃料の供給は逼迫していた。
「この時期、全国のディーゼル燃料供給はやや逼迫しており、上海の状況も同
様のことだ」中国石油上海分公司関連担当者は28日、記者に対してこのように述
べ、「市政府はこのことを高く重視していて、既に中国石油（ペトロチャイナ）、
中国石油化工（シノペック）の2大会社を呼んで議論し、上海のディーゼル供給を
確保している。我々も積極的に措置を講じ、多方面から資源を集中させて供給を
確保している」としている。
〈給油密集箇所〉
28日夕方6時、滬太路・新村路の中国石油化工のガソリンスタンドでは既にディ
ーゼル燃料の供給がなく、従業員は大型貨物車両、大型バスがガソリンスタンド
に入ってこようとするのを見ると、すぐに走っていって、運転手に手を振ってデ
ィーゼル燃料がないことを示している。前後してガソリンスタンドに入ってきた
4、5台の大型車は、何も入れられないままガソリンスタンドを通過するだけであ
る。
従業員によると、ここ数日、上海のディーゼル燃料供給はやや逼迫していると
いう。滬太路は大型車両が密集しており、周囲にはバスターミナルがあり、ディ
ーゼル燃料の需要が供給に追いつかず、このガソリンスタンドでは午後には既に
ディーゼル燃料がなくなってしまった。また、幾つかのディーゼル燃料を供給す
るガソリンスタンドでは既に供給制限を行っているという。
〈供給制限〉
この場所からほど近い場所にある滬太路・洛川路のガソリンスタンドでは、ス
タンドの中に既に7、8台の大型バスがひしめき合っていた。
長距離運転手の李さんの大型バスは、塩城方面に向かうので、片道で600元分程
度のディーゼル燃料が必要であるが、ガス欠を避けるため、毎回少なくとも800元
分のディーゼル燃料を給油して走行している。
しかし、28日午後4時から李さんは既に5カ所のガソリンスタンドの間を2時間も
ふらふらと行ったり来たりしていて、このガソリンスタンドに入ったのはこの2時
間で2回目になるという。このほか、彼は周囲のほかのガソリンスタンド4カ所に
も行っており、800元分の燃料を給油するために、2時間で60元分の燃料を無駄に
してしまっている。
「このガソリンスタンドは比較的よくて、1回の給油は200元までだ」李さんは
言う。ほかのガソリンスタンドでは1回の給油が50元であり、800元分を給油する
にはガソリンスタンドに16回行かなければならないからだ。
〈スタンド自身ではどうにもならない〉
運転手にとっては恨めしい給油難であるが、洛川路ガソリンスタンドの従業員
はどうにもならないと示している。「江蘇、浙江では既に燃料不足になって十数
日もたっていて、運転手の中には上海に来て給油している人もいて、現在上海で
も逼迫している」。ある従業員によると、給油圧力を緩和するため、このガソリ
ンスタンドでは現在、1台につき1回のディーゼル燃料の給油を200元分に限定して
いる。
「我々はさらに郵便局等取引先向けのディーゼル燃料供給に備えなければなら
ず、日々の在庫は満足ではない」従業員は、タンクローリーがこの日は2万リット
ルのディーゼル燃料を運んだだけだが、午後6時になっても在庫減は7000リットル
に達していないので、夜中までは在庫が持つのではないかとしている。
この取材後、上海内環内部でのディーゼル供給はまだ燃料逼迫があらわれてい
ないことがわかった。延安西路・江蘇路のガソリンスタンドの従業員によれば、
現在、供給制限の通知を受け取っておらず、必要なだけ給油できるという。それ
は恐らく、市街区域内では大型車両の走行が禁止されていて、給油する多くは観
光用の大型バスであり、需要が相対的に小さいからではないかとしている。
〔東方早報10月29日〕
全国でディーゼル燃料不足発生 河南の実情
〈全国の多くの省でディーゼル燃料不足が出現〉
9月以降、ディーゼル燃料の給油がどんどん難しくなっており、ディーゼル車は
走れなくなっている。全国の多くの省では多かれ少なかれディーゼル燃料不足が
あらわれており、河南省の中原でも楽観を許さない状況になっている。
ディーゼル燃料の逼迫に対して、中国石油化工河南石油分公司は昨日29日、緊
急に対応措置を打ち出し、供給を保証する一方で規範的な経営を行うとした。
業界関係者は、来月末には、ディーゼル燃料の供給の逼迫局面は緩和するもの
と予測している。
〈現状 河南省内のディーゼル燃料給油はますます困難に〉
最近、多くの読者が、ディーゼル給油がますます難しくなってきていると相次
いで電話をかけてくる。
昨日の29日も、鄭州から新郷までの長距離バスを走らす任さんからは「ガソリ
ンスタンドの多くでディーゼル燃料が給油できないところもある。鄭州から新郷
まででは、何軒かの中国石油のガソリンスタンドにはディーゼル燃料があったが、
その価格は1リットル当たり5.8元に上昇していた」（国家で規定されているディ
ーゼル燃料価格は1リットル当たり4.7元）という話があった。
記者が29日、省都の花園路以東で無作為に選択した6ガソリンスタンドにおいて
サンプリング調査を行った。
これらのうち、花園路・農業路、農業路・経三路、中州大道・民航路の中国石
油化工のガソリンスタンド、経三路・紅旗路のガソリンスタンド等4カ所のガソリ
ンスタンドにはディーゼル燃料はなかった。
しかし、東明路・紅専路の中国石油化工のガソリンスタンドの従業員は、ディ
ーゼル燃料の在庫はあるが、ディーゼル燃料の給油機が壊れてしばらく給油でき
ないと話す。紫荊山路・城北路の中国石油化工では、ディーゼル燃料が売られて
いるが販売量は限定されていて、ガソリンスタンドの従業員は「ジープで給油で
きるのは100元分まで」と話す。
この2カ所はディーゼル燃料があると言われているガソリンスタンドで、ディー
ゼル燃料価格は1リットル当たり4.7元で、値上げをしているわけではなかった。
〈燃料逼迫は全国の多くの省に広がる〉
2005年下半期に一度猛威を振るった「燃料逼迫」現象が再度再びあらわれ、そ
の影響は再び各地に広がっている。
中国石油化工河南石油分公司によると、ディーゼル燃料の資源逼迫は全国的な
現象であり、10月に入ってから、国際原油価格は史上最高を更新し、1バレル90米
ドルを突破したが、発展改革委員会によって調整される国内精製油小売標準価格
は一貫して動かない。
このことから、中国国内の石油精製企業は高コスト、高リスクの圧力に直面し、
石油精製工場の生産に深刻な影響を与え、多くの地方の石油精製工場では基本的
には生産停止か生産半停止状態になっている。10月に入ってからは、地方の石油
精製工場の産出量が正常の生産能力のわずか30%にすぎず、市場への供給もバラン
スをとって引き締める状況があらわれている。
全国工商聯石油業商会による10月29日の市場報告によれば、実際に、鄭州だけ
でなく、北京、石家庄、太原、日照、南京、杭州、南昌、長沙、雲南、西安等の
ディーゼル市場でも持続的に逼迫状態にあり、中国石油化工、中国石油では卸売
をとめ、自社の小売を維持している。
〈原因 中国石油化工系統以外が供給するディーゼル燃料の減少〉
中国石油化工河南石油分公司の関連責任者によると、10%のGDP成長率で大体精
製油の需要は3%―7%増加すると推算できるとしている。2006年の河南省のGDPは
14.4%成長し、最も高い比率で推測すれば、精製油の需要は10%増加することになる。
中国石油化工河南石油分公司が22%のディーゼル供給量を増加させたとしても、
河南のディーゼル燃料は依然として逼迫している。
中国石油化工河南石油分公司の担当者はこのように述べた。
「私は、主要な以下の幾つかの原因があると考えている。一つは、中国石油化
工系統以外の部門からの資源投入の減少である。
河南省の精製油市場シェアのうち、中国石油化工河南石油分公司のガソリンの
供給シェアは約95%、ディーゼルは70%を占めている。残りの30%のディーゼルは中
国石油化工系統以外の部門から供給されているものである。
したがって、現在、我々が市場への投入量を増加したとしても、その他30%のシ
ェアの中国石油化工系統外の市場主体では、卸売価格が小売価格より高く、仕入
価格が小売価格よりも高いため、資源投入を減少甚だしくは停止している。この
ことから、我々の増加させた投入量で残りの30%の市場シェアを埋めても、それで
足りないことははっきりしている」
周辺省のディーゼル燃料価格は、それぞれ国家規定価格にある程度価格が上乗
せされているが、河南省では一貫して厳しく河南省の発展改革委員会が確定した
価格を執行しており、外部の省よりもトン当たり400元近く低い。そのこともあっ
てか、多くの外部の省の車が意識的に河南省で給油しているが、これも一定程度
河南省の供給と需要の逼迫を激化させるものである。
〈措置 重要取引先には無制限を保証〉
「個別のガソリンスタンドでは中国石油化工のマークをつけていたとしても、
無断で供給を停止するし、値上げもする。しかし、我々の支店の中国石油化工の
旗のもとではできないはずだ。我々は既に不正に対する工商部門に点検を申請し
ている。現在、河南省の我々は既に5つ以上の検査チームを派遣し、それぞれのエ
リアで検査をし、一方で供給、一方で規範的な経営を保証している」中国石油化
工河南石油分公司の関連担当者のこのように示している。
「我々は、基本的に中国石油化工給油カードを持つ顧客には給油制限をしない、
高速、市街地、重点部門重要ユーザーには給油を保証する、工作機械、タクシー、
農機具、マイカー等顧客の車には給油制限をしない、特定のガソリンスタンドで
給油する契約に調印している顧客の車の給油制限をしない、ガソリン販売契約を
結んでいる顧客には供給を保証する」この担当者はこのように述べた。
「中国石油化工グループは既存の計画数量を破り、10月分の予定原油加工量を
前年比51万トン増、1日加工量を既に歴史史上最高水準としている。さらにまた、
輸出を減らし、国内精製油の供給を増加させている。10月の石油化学精製油工場
の国内資源投入は前年同期よりも60万トン増加している」中国石油化工河南石油
分公司の担当者のこのように述べた。
〈予測 来月末ディーゼル燃料逼迫は緩和に〉
「この種の緊迫した局面は9月から始まり、秋の農作業が終わるに従って、緩和
する」中国石油化工河南石油分公司の関連担当者はこのように述べている。
現在、国際原油価格が既にある程度上がってきており、業界関係者の中には引
き続き高どまりして推移していくと予測する人もいる。「しかし、市場の需要量
が減少し、同様の供給量、需要が減少すれば、自然と逼迫局面は緩和される。11
月末には状況は好転すると予想され、かつまた、現在、我々は既に寒冷仕様のデ
ィーゼル燃料を準備しており、河南省における季節のかわり目の需要を保証する」
「さらに、我々は引き続き中国石油化工集団や関連精製工場との連携を強め、
できるだけ多くの燃料の配置計画を申請し、確実に100%調達したい」
「長い目で見れば、中国石油化工洛陽精製工場の1000万トンの各拡張改造プロ
ジェクトが正式に始まり、鄭州―安陽―濮陽の精製油パイプラインが10月16日に
正式に建設が始まり、鄭州―商丘、駐馬店―信陽の精製油パイプラインも間もな
く工事が始まる。上記プロジェクトが正式に完成した後、さらに一歩河南省の精
製油の需要と供給の矛盾が緩和される助けになる」中国石油化工河南石油分公司
の担当者のこのように述べた。
29日、記者は読者の反響について、鄭州市物価局の工業製品価格処及び価格告
発センターに伝えた。
工業製品価格処の職員は、物価局はまさに市民の反響の状況についてチェック
をするとしている。また、鄭州市物価局は、さらに石油会社とともに市場の販売
と価格執行状況を検査するという。
〔国際オンライン10月30日〕
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