CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

中国の資本主義経済の加速

中国海外進出戦略 約4割の対外投資が買収、合併

 14日、北京で発表された「中国企業国際化戦略報告――2007年白書」で、ここ5
年来、中国企業の対外投資形態が絶えず変革し、約4割の対外投資が買収、合併で
あることが明らかになった。
 この白書では、企業国際化発展ファンド及び海外投資リスクファンドを設立し、
企業が海外投資融資ルートを広げ、企業国際化経営リスクを下げることを提案して
いる。
 この白書は、国務院発展研究センター、国家発展改革委員会マクロ院、商務部政
策研究室、中国社会科学院世界経済政治研究所、南方報業集団等プロジェクト専門
チームが共同で作成したものである。これも、2000年より「中国海外進出」戦略が
実施されて以降、多くの政府部門及び研究機構が共同で行った、この戦略について
の初めての調査研究である。
 白書では、海外買収、資本参加、再編投資が対外投資の新しい傾向となっている
ことが明らかになった。
 目下、買収、合併で実現した直接投資は既に当年対外投資流量の40%前後を占め
ている。対外直接投資に関連する分野のうち、商務サービス業、金融業、卸売小売
業投資に占める割合は7割に達している。
 データによると、2002―2006年の間、中国対外直接投資の年平均成長率は60%で
ある。2007年上半期、非金融部門の対外直接投資は78億米ドルで前年比21.1%増と
なっている。
 投資地域は、香港・マカオ、北米から、アジア太平洋、アフリカ、ラテンアメリ
カ、東欧等発展途上国に移ってきており、多元化構造がつくられている。
 白書では、欧米の経験をもとに、企業国際化発展ファンド及び海外リスクファン
ドを適切な時期に設立し、融資ルートを広げ、企業リスクを下げることを提案して
いる。
 目下、中国の輸出信用保険公司は既に対外投資にリスク保証業務を始めているが、
専門資金の支援がないことによってこの業務の役割には限りがあることから、「海
外リスクファンド」を設立、諸外国の経験を参照し、国家経済発展戦略に合致する
もののリスクの高い海外投資の支援を提案している。
 白書では、中国自身が権威ある信用格付機関をできるだけ早くつくり、法律、会
計等の仲介サービスを強化すること、同時に、税収優遇政策を実行し、二重納税を
避けられるようにすること、さらに、外国為替体制改革を進め、国内金融機関の海
外のM&Aを奨励し、企業「海外進出」に金融支援を提供することや、このほか、香
港が中国大陸企業の国際化経営のプラットホームとしての役割を十分発揮するよう、
中国大陸企業の海外進出を支援し、同時に香港の利用したシステム整備で企業支援
をして国際展開を図ることを提案している。〔中国証券報11月15日〕

初の「中国企業国際化白書」発表

 中国がWTOに加盟して6年、改革開放より30年を迎えるこのとき、初めて中国の開
放の進捗度を点検し、中国企業のグローバル経済との一体化の良好な推進を趣旨と
する白書――「中国企業国際化戦略報告――2007年白書」が先日、正式に発表された。
 この白書では、2006年末、中国対外直接投資ストックは906.3億米ドルで、世界
172の国及び地域に分布していると指摘している。
 目下、中国資本域外企業の経営分野は、貿易、水上運輸、レストラン等から、生
産加工、資源開発、農業協力、研究開発、コンサルタントサービス等多くの分野に
徐々に広がっている。
 対外投資方式も、早い時期に建設された拠点「窓口」運営から、投資して工場を
つくることで、多国籍M&A、株式購入、域外上場、R&Dセンターの設立、工業パーク、
サイエンスパークの創設等多様な形式を促され、発展している。
 2007年上半期、中国対外経済協力の各業務は引き続きやや速い成長状態を維持し
ている。中国の非金融部門の対外直接投資は78億米ドルで前年比21.1%増となって
いる。
 成果を得ると同時に、中国企業の国際化には大きな格差が存在している。
 2006年末現在、中国の設立批准された非金融部門の域外企業は累計で1万675社で、
対外直接投資は累計で733億米ドルで、それは1年分の外資吸収量よりわずかに多い
だけだった。2006年、中国の対外直接投資は176.3億米ドルで、世界の1%を占め、
第18位だったが、外資の流入とのギャップは激しく、同期の外資流入は694.7億米
ドルで世界の5%を占めた。対外貿易ランキングは世界第3位で世界の7.2%を占めた
のに比べ、そのギャップは激しい。
 対外投資額と外資吸収額の比率は0.23で、発展途上国の0.46の平均水準を大きく
下回り、先進国の1.19の平均水準よりも低かった。
 白書では、新しい情勢のもとで、中国が推進する企業国際化戦略の基本は、企業
を主体に、効率的な公共と仲介サービスで支え、生産要素の国境を越えた移動を全
面的に向上させ、海外でのエネルギー資源の協力開発を強化することと指摘している。
 このような政策では、さらに一歩政府の役割を転換し、域外投資の管理体制改革
を推進し、企業の市場主体としての地位を際立たせ、域外投資の法制整備を加速し、
各種所有タイプの企業に対し平等に扱い、許認可の簡略化、順序の規範化、サービ
ス強化を図り、部門間の協調と連携を強化し、力を合わせて十分効果を発揮する業
務メカニズムを整えることが必要である。〔中国新聞網11月15日〕

上海、深セン株式市場 2年で時価総額10倍

 2007年、上海と深センの株式市場の株価指数は最高値を更新し、時価総額も急増
している。2年前には上海証券取引所の上証指数が1000ポイントをさまよっている
ときは、この2つの株式市場の時価総額は3兆元を超えなかったが、わずか2年の間
に時価総額は10倍増となり、2007年だけで上海と深センの株式市場の時価総額は4
倍増となった。
 工商銀行、中国石油等の株式数の多い時価総額の大きい企業が本土回帰をするに
つれて、中国の資本市場ではまさに天地をひっくり返すような変化が起きている。
〈目下の時価総額は31.8兆元〉
 2007年上半期、これらの大型企業の本土回帰に伴い、上海と深センの株式市場の
時価総額は急激に増加し、工商銀行と中国石油といった大型企業だけをとっても、
市場に対し26.57%の時価総額の増加となった。中国石油の時価総額は6.1兆元で、
世界で時価総額が最大の会社となった。
 統計によると、2006年12月末の上海、深セン市場の株式の時価総額は8兆元で、
2007年1月期の時価総額は10.57兆元、2月が11.28兆元、3月が12.8兆元、4月が16.1
兆元、5月が17.78兆元、6月が16.62兆元、7月が19.92兆元、8月が23.3兆元、9月が
25.32兆元、10月が28.02兆元で、目下の時価総額は31.8兆元である。
 資料によると、上場企業の非流通株問題の改革が開始されて以降、上海と深セン
の株式市場の時価総額は驚くほどの早さで成長している。
 上海と深センの株式市場の時価総額は2005年7月28日の3兆元を起点として、今年
11月15日までで、ものの2年という期間の中で約10倍増となった。特に、株式改革
がさらに進み、上海と深センの時価総額は飛躍的に増加した。
 昨年12月20日、上海と深センの株式市場の時価総額は初めて8兆元の大台を突破
した。今年1月期には連続して9、10、11兆元の大台を突破した。4月期には連続し
て13、14、15、16兆元の大台を突破した。5月期には連続して17、18兆元の大台を
突破した。
 「5月30日」の暴落以降では、7月期には19兆元を超えた。8月期には連続して20、
21兆元の大台を突破し、10月期中旬には28兆元、11月期には一気に30兆元の大台を
突破した。
 中国の資本市場の発展初期とも言われる十数年の時間の中で、たとえ上げ相場に
なったことがあったとしても、株式時価総額は終始3兆元ないしは5兆元の間でさま
よっていた。しかし、3兆元から20兆元と、わずか2年間で中国の資本市場の時価総
額は飛躍した。今年1月期以降、上海と深センの株式市場の時価総額は、ものの10
カ月強という時間の中で、連続して10兆元、15兆元、20兆元、30兆元という切りの
いい数字を突破している。
〈新株が半分を占める〉
 統計によると、今年以降、上海と深センの株式市場では94の新株が上場した。
 11月15日の終値から計算すると、この94の新株の時価総額は約14.66兆元で、昨
年末の上海、深センの株式市場の9.18兆元という時価総額を大きく上回る。
 それから、11月15日の上海と深センの株式市場の31兆元という時価総額から計算
すると、94の新株の時価総額は全体の半分を占め、上場新株の上海と深センの株式
市場の時価総額に対する貢献は巨大なものとなっている。
 今年の月ごとの上場新株の発行数から見ると、1月期の上場新株は6社で、発行数
は4.07億株、資金調達額は24.89億元。2月期は8社で、発行数13.82億株、資金調達
額190.95億元。3月期の上場新株は8社で、発行数は9.84億株、資金調達額は412.24
億元。4月期の上場新株は13社で、発行数は24.61億株、資金調達額は182.66億元。
5月期の上場新株は4社で、発行数は23.53億株、資金調達額は262.59億元。6月期の
上場新株は4社で、発行数は13.24億株、資金調達額は159.87億元。7月期の上場新
株は6社で、発行数は16.04億株、資金調達額は180.54億元。8月期の上場新株は21
社で、発行数は6.95億株、資金調達額は76.82億元。9月期の上場新株は13社で、発
行数は77.26億株、資金調達額は823.27億元。10月期の上場新株は3社で、発行数は
12.85億株、資金調達額は669.43億元。11月期の上場新株は7社で、発行数は31.30
億株、資金調達額は691.89億元だった。
 また、今年の月ごとの上場新株の時価総額は、1月期は237.28億元、2月期は
3210.88億元、3月期は6240.96億元、4月期は7329.52億元、5月期は4059.49億元、
6月期は3079.48億元、7月期は1862.32億元、8月期は912億元、9月期は3569.83億元、
10月期は1兆1147.68億元、11月期は6兆1599.51億元だった。
 データによると、今年以降に上場した94社の新株の11月15日までの時価総額は既
に14.66兆元に達している。そのうち、中国石油の時価総額は6.14兆元、中国神華
の時価総額は1.11兆元に達している。
 新株発行の集中で、今年の新株投機の収益率が急激に下落している。統計データ
では、94の新株の平均の新株投機の収益率は0.46%、平均年間収益率は28.75%、昨
年の年間収益率の40%の水準を大きく下回っている。
 単独の株式の新株購入の収益率では、中国石油の購入申請によるものの収益率が
最も高く3.17%、最も低いのが上場したばかりの雲南金属で0.0463%である。
〈金融業への貢献が最も大きい〉
 統計によると、1月期から現在までの上海A株市場の上証指数への貢献度の最も高
い上位20社の貢献度は合わせて30%である。そのうち、中国石化が最も高く5.05%、
中国人寿が1.79%、5銀行(工商銀行、交通銀行、中国銀行、招商銀行、興業銀行)
が計45%に達した。
 深セン株式市場の深成指数への貢献度の最も高い上位20社の貢献度は合わせて37%
である。そのうち、万科Aが最も高く5.63%、続いて鞍山鋼鉄が3.37%、五糧液が2.7
6%、雲南銅業が2.31%、深セン発展銀行が1.92%だった。逆に貢献度の低い上位10社
のうち、中国神華が-1.15%だった。
 株式指標から見ると、市場への貢献の大きい上位50社の株式のうち、東北証券、
*ST東方A、国元証券、本鋼板材、中国遠洋等の5株式は滬深300指数に入っておらず、
それぞれの株式指標への貢献度は東北証券1.01%、*ST東方A0.63%、国元証券1.72%、
本鋼板材0.63%、中国遠洋0.90であるが、残りの97の株式は滬深300指数の株式である。
 人民元高、原油高にあり、中国石油上場及び精製油の価格上昇という状況のもと、
中国石化はエネルギー銘柄では引き続き強い上昇パワーとなっており、今年以降、
中国石化の上昇幅は164.77%となっている。
 滬深300指数の貢献度から見ると、金融業界の貢献度が45%で滬深300指数に主導
的な影響を与え、エネルギー産業の貢献も28%に達している。
 貢献度上位50株の市場動向を見ると、今年以降上昇幅が500%を超えた株式は、海
通証券(905.11%)、錫業股ブン(687.85%)、中国船舶(577.62%)、中国アルミ
ニウム(506.92%)である。さらに41の株式が総合株価指数を上回っている。
 全体から見ると、中国の株式の時価総額は上昇し続けるにつれ、長期に市場が重
視していなかった上場企業の時価総額が成熟した市場のもとで地位を与えられ始め、
上場企業の実力の大小、業績のよしあし、買収あるいは反買収能力の強弱、融資コ
ストの高低といった評価が全く新しい基準となっている。
 ここ1年間で時価総額は4倍になり、中国の国民総生産に占める株式時価総額の割
合は100%に近づいており、中国の資本市場の発展は新しい段階に入ろうとしている。
〔証券日報11月17日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。
―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
   中┃国┃人┃の┃価┃値┃観┃  中国人とつきあう68の法則
   ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛
―――――――――――ISBN 4311603290 四六判 216頁 本体1680円 学生社
○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━