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所得格差と政策調整努力

2007年都市・農村エンゲル係数が珍しい上昇 所得格差引き続き拡大

 2007年、所得、生活水準はどのようになったのか?
 2月28日、国家統計局が発表した公報によると、2007年、農産品価格の上昇が激
しかったものの、都市住民の所得の増加は農民よりも依然として高い。つまり、農
民が農産品価格上昇から得た利益ははっきりしたものにならず、都市と農村の所得
格差は引き続き拡大し、3.32:1に達した。
 公報のデータによると、2007年の都市家庭の食品消費支出の家庭消費総支出に占
める割合、つまりエンゲル係数は、2006年以降で珍しく上昇している。2007年の農
村住民の家庭のエンゲル係数は43.1%で、2006年に比べて0.1ポイント上昇している。
都市住民家庭のエンゲル係数は36.3%で、2006年に比べて0.5ポイント上昇している。
 エンゲル係数はドイツ統計学者エルンスト・エンゲルがつくったもので、ある国
家及び地域の住民の生活水準と発展段階を示すことを目的にしている。一般的には、
家庭及び個人所得が増加するに伴って、所得に占める食品関係の支出割合が徐々に
減少する。
 国連食糧農業機関(FAO)の基準によると、エンゲル係数が59%以上は貧困、50%
―59%は温飽、40%―50%は小康、30%―40%は富裕、30%以下は最富裕である。
 したがって、中国は現在、小康から富裕に向かう段階に来ているが、エンゲル係
数が上昇しているということは、生活レベルが下がっていることを意味する。
 国家統計局農村司農産品価格処の李永強処長によると、長期的に見れば、エンゲ
ル係数は下落傾向を見せるが、農産品価格の上昇が急速で、住民の支出が増加する
ことになれば、個別の年においてエンゲル係数がまれに上昇するという反動が起こ
ることになるという。
 また、住民の所得の増加が幾つかの農産品価格上昇を下回れば、農産品価格上昇
後に住民の消費量が安定しても費用は増加するはずで、このような状況では比較的
上昇がはっきりとあらわれる。
 統計データでは、2007年の住民消費価格は前年比4.8%増で、食品価格は12.3%増
となっている。そのうち、食糧価格は6.3%増、肉類及び加工品価格は31.7%増、食
用油価格は26.7%増、鶏卵価格は22.9%増となっている。肉類及び加工品、食用油、
鶏卵価格の上昇は都市・農村住民の所得の増加を上回っている。
 公報では、2007年年間農村住民一人当たり純収入は4140元で、物価上昇要素を差
し引くと前年比実質ベースで9.5%増、また都市住民の一人当たり可処分所得は1万
3786元で、実質ベースで12.2%増となっている。
 なお、これより前の2004年にもエンゲル係数が上昇する珍しい状況があらわれた。
 当時、このような事態になった重要な要因は、農産品価格上昇が激しく、食糧価
格が36.4%増、農産品価格が13.1%増となったことである。
 2004年、食糧価格の上昇が激しく、農民所得の増加速度と都市住民所得の増加の
格差が減少し、年間の都市・農村の所得格差は3.2:1に達し、初めて下降状態があ
らわれた。
 しかし、2007年、農産品価格の上昇が激しかったものの、都市住民の所得の増加
は農民よりも依然として高く、つまり、農民が農産品価格の上昇から得た利益はは
っきりあらわれず、都市と農村の所得格差は引き続き拡大する結果となった。
 ある専門家は、エンゲル係数の上昇とは、住民が経済成長の利益を何も受けてい
ないことを意味する。したがって、所得を増加させる必要があると指摘している。
 労働部門はまさに賃金の増加と支払いが正常に行われるようなメカニズムを構築
しようとしており、「賃金条例」を起草中である。
 2004年以降、労働社会保障部が改訂した「最低賃金規定」によって、最低賃金基
準は少なくとも2年に1回の調整が行われている。実情では、各地で目下最低賃金上
昇は激しく、2008年にも、北京、上海、広州の最低賃金は再び大幅上昇する。
 しかし、物価が一貫して上昇に向かうに従って、消費者物価指数(CPI)と連動
する賃金が増加するメカニズムの創設が提案され、各方面で取り上げられ、広範に
議論されている。
 しかし、あるアナリストは、違う意見を持っている。
 北京大学中国研究センターの周其仁氏は、2月24日のある経済観察報告会の席上、
創業を奨励し、企業をふやし、就業機会をふやすことで住民所得を増加させること
が、最低賃金を上昇させるよりもはるかにいいと指摘している。
〔21世紀経済報道2月29日〕

2007年 四川都市住民のエンゲル係数は41.2%

 3日、四川省統計局、四川調査総隊は「2007年国民経済社会発展統計公報」を発
表した。
 この統計公報によると、2007年、四川都市住民のエンゲル係数は41.2%、小康レ
ベルで、農村住民のエンゲル係数は52.3%であった。
 四川省全体の年間都市住民の一人当たり可処分所得は1万1098元で18.7%増だった。
しかし、2007年、住民の食品、衣服、医療・保健、家庭設備用品、サービスにおけ
る費用はやや増加した。〔四川オンライン3月4日〕

昨年の個人所得税収3186億元で3割増 急増に3要因

 中国財政部が5日発表した2007年財政収入増構造分析によると、2007年の中国個
人所得税収は3186億元で、前年比29.8%増となった。
 個人所得税は、個人収入所得に対して課税される。個人所得の課税分類は、賃金
給与所得、個体工商戸生産経営所得、請負経営・リース経営所得、労務報酬所得、
原稿料所得、特許権使用費所得、利子配当所得、財産賃貸所得、財産譲渡所得、一
時所得、その他の所得という11項目で、かつまたそれぞれの項目に応じた税率、費
用控除基準及び算定方法が規定されている。
 個人所得税の基本は個人(主に都市住民)所得であり、そのうち賃金収入の納税
は比較的規範的であり、個人所得税の主な税収源である。
 賃金収入は2種類に分けられており、一つが国家機関、事業単位から得る賃金収
入、これは税収から来るものであり、国家の賃金制度と直接関連性がある。もう一
つは企業から得る賃金収入で、その多寡は労働市場の需給状況、企業経営状況、国
家の最低賃金基準が決めるものである。
 2007年の財政収入増構造分析によると、2007年の中国個人所得税収は3186億元で、
前年比29.8%増、税収全体の7%を占めた。
 そのうち、賃金給与個人所得税は1749億元で38.4%増、個人所得税総収入に占め
る割合は55%だった。預金利息所得税は519億元で13%増、個人所得税総収入に占め
る割合は16%だった。個体工商高生産経営所得税は389億元で16.5%増、個人所得税
総収入に占める割合は12%だった。
 特に目を引くのが財産譲渡所得税で、個人所得税総収入に占める割合は少ないが、
増加速度は激しく、前年比119.4%増だった。そのうち、不動産譲渡所得税に関して
は、前年同期の2倍増となった。
 2007年財政収入増構造分析によると、個人所得税収の急増要因として3つ挙げら
れている。
1) 住民収入が引き続き増加
 2007年の都市住民の一人当たり可処分所得は1万3786元で、前年比17.2%前後増加
している。
2) 個人所得税に採用された累進課税制度
 住民(主に都市住民)の収入増に伴って、税率が上がり、課税額も段階的に増加
し、高収入者の納税額が多くなっている。
3) 税務機関が個人所得税の徴税管理を強化
 2007年、各地の税務機関は所得12万元以上には個人所得税を申告するよう業務を
展開しており、全員の全額の源泉徴収申告管理を整え、同時に、中古不動産等財産
譲渡所得税の徴税管理を強化した。これらの措置が税収の漏れを有効にふさぎ、申
告漏れや脱税を抑制し、個人所得税収の向上を促進している。
〔中国新聞網3月5日〕

発展改革委員会 財政収入の多くは地方に振り向けられる

 中国国家発展改革委員会のホームページの情報によると、2007年の中国の財政支
出のうち、中央レベルの支出は23.1%、地方レベルの支出は76.9%を占め、財政収入
のうちのますます多くを地方に振り向けている。
 2007年、全国財政収入は再び新しい段階に入った。一挙に5.1万億元という大台
に乗ったのだ。これほど大きなパイをどうやって地方に配分するのだろうか?
 2007年の財政支出のうち、中央レベルの支出は23.1%、地方レベルの支出は76.9%
を占めた。財政支出のうち中央財政の占める割合は地方財政のそれに遠く及ばない。
中央財政は分税制改革で増加した収入をますます地方に補助しており、その補助額
も年々増大している。
 2007年、中央の地方に対する移転支出は1兆3991.2億元で、地方財政支出のおよ
そ36.7%を占めた。そのうち、財力性移転支出は7092.9億元(50.7%)、専項移転支
出は6898.3億元(49.3%)だった。
 全国財政収入の中で中央財政収入の占める割合が徐々に上昇すると同時に、中央
財政は主に税収返還及び移転支出の2方式で地方に資金補助を進めている。
 統計によると、1994―2007年、中央の地方に対する税収返還及び移転支出は2389
億元から1兆8112.5億元へと6.6倍増、年平均16.9%増となった。
 2007年、地方レベルの支出のうち約48%の資金は、中央財政の税収返還と移転支
出から来ている。〔中国新聞網3月3日〕
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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
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