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国のお金の使途と行方

役所の公用経費が5%ダウン 公用車両市場が「寒流」に遭遇

 最近、国務院の温家宝総理が国務院常務会議を招集して、震災救援活動と経済運
営が検討された。
 同会議で、中央国家機関の今年の公用経費支出を一律予算額から5%減らし、震災
救援活動に用いると表明した。また、同会議では、公用車の購買を厳格に規制し、
党政機関のオフィスビルプロジェクトの審査を一時停止する措置も提起された。
 ある業界関係者は、「給料などの必須支出は不可欠なので、切り捨てられるのは
公用車及びオフィスビルなどの非必須支出しかない。公用車の購入費用の削減幅は
5%を上回ることは必至で、ひいては全部取り消されることさえもあり得る」と述べ、
このことで、主に公用車消費狙いの一部のB級車が厳しい状況に直面している。
 「政府採購週刊」の報道によると、2006年、政府が公用車購買に用いた財政支出
は700億元に上った。
 他の統計によれば、公用車が乗用車市場で占めるシェアは10%―15%まで達している。
 1台のB級車を20万元と計算すれば、700億元とは、B級車35万台に相当する。そし
て昨年、中国のB級車の販売台数は100万台程度だった。
 「この政策は公用車狙いのB級車に与える影響は小さくないと思う」乗用車業界
のベテランアナリストである向寒松氏はこう述べた。「ある省では1億元を投じて
間もなく発売される新車を購入する予定で、それは500台に相当する。仮に各省が
数百台ずつ購入するとなると、とても大きな数字になる」。
 調べによれば、カムリ、アコード、ラクロス、パーサトの政府及び大口取引先の
購買割合はどれも30%程度であり、そのうち、政府と関連事業部門の購買割合は15%
を下回らない。ティアナ、モンデオCHIAなど他の車種については、大口取引先の購
買割合はどれも20%以下である。
 しかし、公用車市場が「なくなる」と思う人がすべてではなく、国内乗用車アナ
リストの賈新光氏は「多くなる」と思った一人である。
 賈新光氏は本紙のインタビューを受けた際、こう述べた。「公用車の購買減は短
期的な影響であり、カットされるのは単なる予算内の公務支出にすぎない。予算外
の費用を持つ政府部門は少なくないし、買うべきと思えば最後にはやっぱり買うだ
ろう」
 広州本田アコードは国内政府が購買する主力車種だが、広州本田の関連責任者は、
法人顧客の購買は企業、事業単位からのものもあり、政府部門の割合はそんなに大
きくない。さらに政府購買を拡大しようと希望しているが、会社はその影響は大き
くないと判断している。
 最新の統計データでも、アコードは今のところまだ影響を受けていないようだ。
5月、第8代アコードの販売台数が1万5923台に上り、3月に続いて再度中高級車販売
台数のトップとなった。しかも、この数字は4月より50%上回るものである。
 東風日産のティアナも政府の購買対象の一つである。東風日産の関係者によると、
ティアナの主力車種2.3Lと旗艦3.5Lは、ともに自家用車市場を主要ターゲットとし
ていたが、その後公用車市場を開拓するために専ら2.0Lを開発した。しかし、2.0L
の販売台数が占める割合は小さいため、政府購買支出の削減による影響は大きくな
いとしている。
 また、関連規定に照らして、政府購買車種の排気量は主に2.0L以下に集中してい
るが、現在の1.8T車の性能は2.4Lに劣らないので、今回政府側の購買に関する影響
は2.0L以下の車種に限定するとはいえず、その影響力は今年後半にあらわれ始める
かもしれないとしている。〔大洋網―広州日報6月10日〕

腐敗は毎年どのくらいの富を飲み込んでいるのか

 ロシアのあるシニア検察官は6日、ロシアの腐敗役人の汚職による所得は国家の
年度財政予算の3分の1に当たり、約1200億ドルに達すると説明した。
 調べないとわからないものだが、調べると驚愕する。役人の腐敗が毎年1200億ド
ルを飲み込んでいて、一国家の財政収入の3分の1を占めているなんて!。
 当然、私はロシアの腐敗階級に驚かされたのではない。今さらロシアを心配して
も間に合わないが、ロシアから連想して思いついたのである。中国の腐敗役人は毎
年どれくらいの富を飲み込んでいるのだろうか?。もし、統計を出しているなら、
私たちをどのくらい驚かせるのだろうか?。
 私の知るところでは、中国にはこれまでのところ、まだ権威ある統計や推計はない。
 役人の腐敗が飲み込む金銭と国家に及ぼす損失数字は大体どのくらいの範囲なの
だろうか。ひょっとしたら、これは手のつけようがない統計、または推計の数字な
のだろうか。
 現在、被告席に立つ腐敗階級は、ともすれば汚職収賄が数十万、百万、千万に上
り、特に最近数年来、千万の損得をはかりにかけて事件に関与する腐敗階級が増加
している。
 まず、大きくも小さくもない腐敗階級、祝均一氏について話そう。
 もともと上海労働・社会保障局局長で、158.56億元に達する小都市保険基金を使
い込み、判決時にまだ124億が未回収である。
 私はここで124億が着服されたのかされていないのかを議論しているのではなく、
国家に及ぼす損失について言っているにすぎない。
 2007年、国家財政の教育支出は1076.35億、医療衛生支出は664.31億であった。
そして、祝均一氏という腐敗階級は、国家財政の通年の教育支出の10分の1、医療
衛生支出の5分の1を超える損失を国家に及ぼしたのだ。
 言うなれば祝均一氏の腐敗案件は一つの例であって、曽錦春氏に類似した地級幹
部の腐敗案件は件数が多くきりがない。
 曽錦春氏は収賄3000万余りを訴えられ、そのほか千万近い財産の出所が不明であ
る。もし10人の「曽錦春」がいたら、彼らが飲み込んだ金銭財産は45億になり、100
人いたら450億のレベルになるだろう。
 以上、腐敗階級が自分の懐に入れたり、使い込んだりした部分だけを先に挙げた
が、贈収賄における「互いに恵む文化」が国家に及ぼした損失はまだ計算されてい
ない。
 例えば、貴州省鎮遠県の元委員会書記、黄保勤氏はわずか46万元の収賄だが、億
元近い経済損害を国家に及ぼした。
 では、全国にどのくらいの「黄保勤」がいるだろうか?。これらの腐敗階級が自
分の懐に入れる以外に国家に及ぼす損害はどれくらいになるだろうか?。正確な数
字はわからないが、天文学的数字であることは間違いない。
 私が挙げた例には、まだ明るみにならない腐敗階級は含まれていない。攻撃を避
けあるいは目下腐敗中のそれらの腐敗階級が飲み込んでいる金銭財産は、国家に損
失を及ぼし、さらに人を驚かせるだろう。
 腐敗がどのくらいの富を飲み込んでいるか、ロシアで政府データが発表され、国
家がどのくらいの金を盗まれているのか、私たちも大体の勘定をしておくべきだと
思う。数字を念頭に置くことで 私たちは泥棒に一層警戒するし、泥棒を撃退する
のに有効である。
 私たちの現在の主要任務は、経済発展に間違いがないようにすることだ。しかし、
ある日、経済改革の成果が腐敗によって毎年相当の割合が飲み込まれていることに
気づいたとすれば、それは一体どのようなブラックユーモアなのだろうか。
〔上海証券報6月11日〕
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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
   中┃国┃人┃の┃価┃値┃観┃  中国人とつきあう68の法則
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―――――――――――ISBN 4311603290 四六判 216頁 本体1680円 学生社
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