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輸出企業の苦境と転換

工信部 1―8月における一定規模以上の工業企業は18.3%の損失

 11月5日、国家工業・情報化部が開催した2008年第3四半期経済運営記者会見で明
らかになったデータによると、1―8月における一定規模以上の工業企業は18.3%の
損失を出し、前年比2ポイント拡大した。中でも電力等業界の損失状況は深刻である。
 データによると、第3四半期の中国の一部の産業、中小企業の生産経営は困難に
陥っている。1―8月、一定規模以上の工業企業は18.3%の損失を出し、前年比2ポイ
ント拡大した。そのうち、電力、紡績、有色金属業界の損失状況が深刻である。
 珠江デルタ、長江デルタ、西部地域の一部の中小企業では、生産停止、生産半減
があらわれている。〔中国新聞網2008年11月5日〕

中小企業総数は4200万社以上 全国企業総数の99.8%

 目下中国の中小企業総数は4200万戸以上に達しており、全国の企業総数の99.8%
を占めている。中小企業がつくり出した最終製品及びサービスの価値は国内総生産
の50%以上を占めている。
 4日に開催された全国企事業知的財産権工作会議の席上明らかにされたところに
よると、目下、中国の経工商部門に登記された中小企業は既に430万戸以上に達し、
個体経営戸は3800万戸以上である。中小企業が生産した商品の販売額に占める割合、
納税額の税収総額に占める割合は50%を超え、輸出額は既にすべての商品輸出額の
68%を占めている。
 工業情報化部中小企業司の鄭〓司長によると、中国においては、労働者数が2000
人以下、販売額が3億元以下、あるいは資産総額が4億元以下の企業を中小企業と呼
んでいるという。中小企業は経済構造の調整、改革開放の推進、市場体制の形成、
和諧社会の建設等の方面においてますます重要な役割を果たし、既に雇用機会の主
要なルート及び技術革新の主力となっている。〔新華網2008年11月4日〕
注)〓は、ひへんにさんづくり

7000社近い広東企業で1―3四半期輸出ゼロ 私企業が5割以上

 広州税関から得た情報によると、広東の各タイプの輸出企業のうち、今年の1―3
四半期に輸出の記録はないが前年同期には輸出の記録がある企業は6823社あった。
 この市場退出した6823社のうち、3499社が私営企業で、同時期に広東で市場退出
した輸出企業総数の51.3%を占めた。
 仮に、1万7812社の輸出私営企業があるとして、31.9%の輸出が減少しているとす
ると、その会社数は5676社に達する。
〈43の輸出市場規模が縮小〉
 税関統計によると、2008年上半期の広東私営企業の輸出は306.3億米ドル(前年
同期比3.8%増)、1―3四半期の広東私営企業の輸出は502.5億米ドル(前年同期比
6.1%増)で、これは同時期の広東の対外貿易輸出全体(*)の増加幅である7.3ポイ
ントを下回っている。
 金融危機が実体経済、消費者心理をむしばんでいくにつれ、海外市場での消化能
力も徐々に萎縮しており、このことが私営経済の主要市場への輸出状況を楽観させ
ないものにしている。
 今年1―3四半期、広東私営企業の輸出市場222市場のうち43市場では前年比で縮
減している。中でも純減額1億米ドルを超える輸出市場が計10市場あり、輸出額50
億米ドルが減少した。
 広東外語外貿大学国際経済貿易経済センターの陳万霊主任の分析によると、3499
社もの私営企業が輸出分野から市場退出していく理由は、一つは、対外貿易市場ル
ート停滞による加工貿易への転換、もう一つは輸出向けから国内販売への切りかえ、
さらに、倒産・閉鎖あるいは海外への工場建設である。
 「加工貿易に転換したか、国内販売に切りかえたところが大多数だと思う」陳万
霊主任はこのように述べている。
〈中小企業は加工貿易に転換〉
 目下、広東の私営企業はなお成長段階にあり、依然として中小の輸出企業がその
主体となっている。
 今年1―3四半期、広東私営企業の平均輸出規模は1社当たり282.1万米ドルであっ
た。そのうち、輸出規模が100万米ドル以下の企業は9844社で同時期の輸出企業総
数の55.3%を占めた。輸出規模が10万米ドル以下の企業は3178社で、輸出企業総数
の17.8%を占めた。
 このタイプの企業はコスト上昇圧力を吸収する能力が割合低く、国際貿易リスク
を防止する能力は弱く、利益部分はさらに外的圧力を受けやすい。
 最近、マクロ政策及び経済環境の動向の効果を受け、一般貿易輸出の急速な発展
という意外性があらわれている。
 1―9月、私営企業の一般貿易輸出は369.5億米ドル(前年比1.2%減)で、広東私
営企業輸出総額の73.5%を占めた。前年同期の一般貿易輸出の増加幅は46.9%だった。
 1―9月 加工貿易輸出は持続的に急成長し109.1億米ドル(前年比8.3%増)に達
し、広東私営企業輸出総額の29.5%を占め、前年同期より6.8ポイント高かった。
 陳万霊主任はこのように述べている。「広東の私営企業は中小企業が主体で、人
材不足、情報不足が、結果として販売市場やルートも単一ということを導いている。
そして、市場の変化に直面し、反応は鈍く、一般貿易は難しくなっている。相対的
に言えば、加工貿易は比較的容易で、営業販売をする必要もないし、市場を探す必
要もないし、注文が来ればつくるだけで、ハードルは低い」
〔信息時報2008年11月5日〕
注)原文は「広東外外貿出口整体」

珠江デルタのアパレル産業、販売不振 広州の街頭で1元の服

 「在庫処分の大安売りで、輸出用の服が1着1元からだよ!」広州の上下九路では、
在庫処分の安売りの店がこんなかけ声を張り上げる。
 こうした店の服は安く、1元から9元とまちまちだ。業界関係者によると、今年の
アパレル市場は不景気で、アパレル業者は多くの在庫を抱えている。これまでは輸
出での在庫整理が可能だったが、2008年からは輸出も不振となり、中国国内で在庫
を処分せざるを得なくなった。
〈経営陣は在庫処分のコスト度外視〉
 「在庫処分の衣服は売りやすい。毎日何百着、多いときには数千着を売る。すべ
て新品で、倉庫から仕入れている。品質に問題はない」本紙が服の品質について尋
ねると、ある安売り店の販売員はこう答えた。
 「今は輸出ビジネスも困難だ。倒産に追い込まれた珠江デルタ地域のアパレル工
場は少なくない。ある友人の在庫処分のための販売を手伝ったが、コスト度外視だ
った」別の安売り店の経営者・譚さんはこう話す。
 「まだ倉庫に大小とりそろえて何十箱と在庫が残っている。数千着あるが、すべ
て新品だ。2日ほど前に2千着卸したばかり。売りたいものは幾らでもある」
 こうした服の在庫処分では、販売しても数元の赤字になるという。不景気で市民
の「在庫処分」の利用も以前に比べ目に見えてふえている。この2か月で2割近く売
り上げがふえたという。
〈在庫処分、輸出から国内へ〉
 3元や9元の服で一体幾らもうかるのだろうか。広州のある有名なアパレル卸売市
場で働く呉経理によると、安売り店は利益が出るが、メーカーが損失をかぶってい
るという。
 「一般的に、上下九路の安売り店で売られている服は、中国本土のメーカーが抱
える在庫品」と呉経理は話す。
 メーカーの在庫処分ルートは2つある。1つは東南アジアやアフリカ諸国への輸出、
もう1つは流通量が多い上下九など地方の店舗への売却だ。
 2008年は輸出が芳しくなく、メーカーが抱える在庫の輸出ルートでの処分もまま
ならない。このため続々と国内に在庫品が流れ込む。
 「従業員500―600人規模の中規模アパレルメーカー1社が抱える在庫は、現在5万
着以上ある」呉経理によると、こうした在庫の大部分は国内の販売ルートでしか処
分できないという。
 それでも、安売り店は10―30%の利益を維持している。1着9元のセーターの場合、
仕入れ値は7元で20%余り利益が出る。だが、メーカーからすれば、こうしたセータ
ーには30元はコストがかかる。
 「どうしようもないのでは。在庫のまま放置していれば損失がかさむだけだ」呉
経理は、多くのメーカーは経営難に陥っていると指摘する。「倒産したメーカーも
あれば、耐え忍びつつ在庫処分に急ぐメーカーもある」
〔新京報2008年11月3日〕
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