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V字型回復への道筋・目下の景況感

研究報告 北京、上海、深セン等一線都市の住宅価格は20%下降の可能性

 6月9日、中信銀行とスペイン対外銀行 (BBVA)は共同の研究報告で、北京、上海、
深セン等一線都市の住宅価格が過大評価されており、住宅価格は約20%下降するだ
ろうと指摘した。一方、報告では中国の住宅不動産市場は依然、巨大な長期的投資
潜在力を持つとも指摘されている。
 「所得の急速な伸び、都市化の加速、現存するビルの減価償却率の高さ等、総合
的要素が下支えし影響する中で、中国の住宅不動産市場は巨大な長期的投資潜在力
を持っている」この報告の執筆者の一人であるBBVA中国区シニアエコノミストの劉
利剛氏は言う。
 この報告書にある、中国の主要都市の需給状況評価をもとにした分譲住宅価格に
よると、北京、上海、深センの住宅価格は現在、均衡価格に比べそれぞれ16%、18%、
20%過大評価されているという。
 一方、「私たちの均衡価格見積もりに比べて、現在の広州の住宅価格は比較的合
理的である」劉利剛氏はこのように述べている。
 BBVA経済研究部はさらに、幾つかの二級都市(例えば重慶と天津)でも、住宅価
格が20%から25%過大評価されている状況にあると注目している。
 この研究報告は、現在経済が急激に下降し、高級住宅不動産が供給過多であるた
め、短期的な調整は避けられないと指摘している。また、中国の住宅価格はさらに
下降し、それぞれの都市の状況によって格差が開き、短期的には一線都市の住宅価
格は約20%下降するだろうと分析している。
 しかし一方では、中国の不動産市場が大幅に下降する可能性は小さいとしている。
〔上海証券報2009年6月10日〕

東莞市の5大商業施設20日間で倒産、小売業は激しい痛みに遭う

 「東莞市の小売業は今まさに金融危機の痛みにあえいでいる。すべての東莞市の
小売市場は再び混沌状態になる」第一商業網の黄華軍CEOは8日、毎日経済新聞の取
材を受けた際、このように語った。
 東莞大和百貨清渓店は7日、すべてのテナントに対して、近日中に売り場から撤
去するようにとの通知を出した。半月前、大和百貨大嶺山店でも営業停止を宣告し
ている。これは、先月17日以降の20日間において東莞市で廃業する5番目の商業施
設となる。
 実際、その他の大きな商業施設も最近、相次いで廃業している。毎日経済新聞記
者が調査したところによると、5月17日以降現在までで、東莞橋頭の金港湾百貨、
厚街の新一佳スーパー、大和百貨大嶺山店、東坑の家家楽スーパー等5カ所のスー
パーが相次いで閉店している。
 「金融危機はぜいたく品や高級百貨から次第に大衆消費製品向け売り場へと倒産
の波を引き起こしている。東莞市の小売業は今まさに金融危機の痛みにあえいでいる」
 黄華軍CEOによると、金融危機を契機とする東莞市での大量の労働人口の流出、
現地の人々の基礎的需要の減退は、頻発する小売業者倒産の原因となっているとと
もに、東莞独特の鎮を単位区域とする特性が各商業施設の市場範囲を限定的にして
いるということもその原因の一つとなっているという。
 「最も重要な原因は、各小売業企業の経営管理の問題が出てきていることである」
 黄華軍CEOによると、好況のときはリスク対応力の強くない企業でも何とか経営
を維持できるが、一たん外部環境に変化が起きると、これらの企業は耐え切れなく
なるという。「すべての小売業界は混沌たる状況で、各小売企業は状況に合わせ、
適応する投資を選択すべきだと申し上げたい」
 ある業界に古くからかかわっている人が紹介したところでは、目下、東莞市の小
売チェーン薬局、ブランド品チェーン、ウォルマート等大型外資スーパーの3種の
業態では経営状況が悪くない一方、百貨あるいはショッピングセンターの2つの業
態は比較的悪いという。
 東方証券チェーン業上級アナリストの郭洋氏は以前、マクロ経済悪化は4年ごと
に発生している小売業倒産の波を2010年から2009年に前倒しさせる、一群の一定規
模のスーパーで資金ショートによって破産に至る可能性があると予想していた。
 中国チェーン経営協会が最近発表した「2008年及び最近のチェーン小売業発展状
況報告」でも指摘されているが、今年第1四半期は、チェーン小売業がこの十数年
発展する中にあって最も厳しい時期であった。
 「第1四半期は恐らく春節等の休日の影響で、小売業の厳しい状況は緩和されて
いるのではないか。しかし、第2四半期ではこのような困難な状況が表にあらわれ
てくるだろう」黄華軍CEOは語った。〔毎日経済新聞2009年6月9日〕

5月期経済データは予想外 中国経済復調速度は予想を上回る

 12日発表された5月期経済データに経済学者が予想外に喜びの声を上げた。中国
経済復調速度は予想を上回っている。
 中国の一定規模以上の工業企業の工業生産額は前年比8.9%増で、昨年10月以降最
高値となった。全国社会消費品小売総額は前年比15.2%増となった。
 中央銀行の調査によると、第2四半期の銀行及び企業家のマクロ経済信頼感指数
は、数四半期連続下落が終わり、大幅に上昇に転じたことがはっきりしている。
 エコノミストはこのことについて、中国経済は既に底打ちし、今後は回復が加速
するか全面復調し、年間の経済成長は8%の予想目標実現が見込まれると考えている。
 中国国際金融有限公司の哈継銘シニアエコノミストは本紙に対し、5月期主要業
界及び大部分の製品の生産についてはひとしく成長加速あるいは下落緩和があらわ
れており、このことは、工業経済が全面的に温かさを取り戻しているところだと示
した。
〈マクロ予測 6四半期下落終えん〉
 5月期社会消費品総額が15.2%増と予想を若干上回ったことについて、哈継銘氏は、
デフレ要因に加え、メーデー、端午節休暇によって、5月の実際の消費増が17.2%と
なり、多くのタイプの商品の販売量も4月と比べて上昇したと指摘する。
 「多額の投資が引き上げた工業の急激な成長と内需強化によって、一部の外需低
迷が相殺され、経済に暖かさをもたらしている」
 中央銀行が発表したデータによると、第2四半期、銀行家マクロ経済信頼感指数
は前四半期を大幅に上回り14.4ポイントとなり、40.0%上昇となった。マクロ経済
期待指数は前四半期より5.0ポイント上昇し、6四半期連続の減少傾向は終わり、
39.1%上昇した。マクロ経済加熱度指数も前四半期より7.8ポイント上昇し、これは
5四半期連続減少後に初めて上昇に転じた。
〈成長率8%維持 輸出減少から調整可能局面に〉
 哈継銘氏は、目下の内需復調の勢いは予想を上回っているとしている。5月期、
製造業購買担当者景気指数(PMI)は安定しており、自動車生産販売は5カ月連続で
世界トップに座り、内外貿易の港湾貨物コンテナ取扱量は前年比ともに増加し、都
市(城鎭)固定資産投資は最高値を更新が示しているように、一連の政策措置に刺
激され、幾つかの業界及び企業の生産はまさに少しずつ回復しており、市場の信頼
感を高め、経済活動も向上し、国内需要は持続的に上昇している。
 中国銀行の朱民副総裁は12日に出席した国際金融協会春季会員大会の席上で、中
国は既にマクロ経済の安定した回復を果たしており、V字回復を経て、今年の国内
GDPは8%ないしさらに高い成長率が見込まれるとした。
 世界銀行のLouis G Kuijsシニアエコノミストも、中国の輸出は既に減少局面か
ら正常にコントロールできる水準へ至っており、今年の経済成長率は7%―8%になる
だろうとしている。
 国際金融協会が発表した報告及び予想では、政府の巨額な経済刺激策のもとで、
中国経済の上半期の経済成長は8%を上回り、年間では7.5%となるという。
〈主要業界及び製品 5月期増加一覧〉
▽交通運輸設備製造業 12.8%増
▽紡績業 8.3%増
▽通信、コンピューター及び電子部品業 4.3%増
▽自動車生産台数 29%増
▽セメント生産量 13.5%増
▽石炭生産量 9.6%増
〈経済データに全面的に暖かさが戻る〉
▽5月期工業生産 8.9%増
▽5月期社会消費総額 15.2%増
▽国内注文指数 5.2ポイント増
▽輸出注文指数 7.5ポイント増
▽企業利潤・エネルギー指数 10.4ポイント増
▽銀行家信頼感指数 14.4ポイント増
▽マクロ経済期待指数 5.0ポイント増
▽マクロ経済加熱度指数 7.8ポイント増
〔文匯報2009年6月13日〕
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