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中国人中産階級という感覚

中国の中産階層が全人口の23%を占める

 中国社会科学院社会学所「現代中国社会構造変遷の研究」プロジェクトチームが
先日発表した研究成果によると、中国中産階層規模は全人口の23%を占めている。
 中国の社会階層構造は、中産階層の急速な成長とともに、まさに一般人が考える
現代化の紡錘型(オリーブ形)階層構造へと変動している。
 プロジェクトチームの推測によると、中国中産階層はまさに毎年1%の速度で規模
を拡大しており、大都市におけるこの比率はさらに高かった。
 プロジェクトチーム座長で、著名な社会学者である陸学芸氏によると、2000年以
前、中国社会の階層構造に中産階層台頭の傾向があらわれ、2001年の全国調査によ
れば、中産階層の規模は既に15%前後に到達していた。現在、中産階層規模の比率
は23%前後となっており、このたった数年の間に8%も高くなっている。
 しかし、中国中産階層水準は常に議論がある問題だ。
 学者とネットユーザーは中国とアメリカの中産階層を関連づけ、実際には中国は
真の意味での中産階層ではないと考えた。また、学者は、国民収入と消費状況に基
づき、年収が6万元以上のグループを中産階層とした。
 2005年、国家統計局は年収6万元から50万元の間にいる人々のグループを中等収
入グループと位置づけている。
 陸学芸氏は、いわゆる中産とは、第一に職業概念であって、それを収入によって
単純に分類するのは間違っているとする。中産階層は、主に人の職業や名望、文化、
この三者の総合状況があるレベルに達しているか否かを指すのであって、中産階層
も一つの階層ではなく、一つの階層群である。
 現在は、毎年大体6、700万の中産階層、6、70万の社長、2、30万前後の個体工商
戸がふえ、中国中産階層の黄金期である。
 プロジェクトチームは、中産階層が急速に台頭した原因を以下のように分析する。
 職業構造が第二次産業、第三次産業へとシフトする傾向にあり、そのうち農林水
産業労働者の比重の減少が加速していく傾向にある一方で、専門技術者、事務員、
サービス業務者、生産・運輸設備オペレーターがおのおの増加している。
 経済が急速な発展を続けることで、社会的財産の蓄積も加速し、迅速に拡大する
高収入グループの出現を導いた。
 近年における中国国内資本市場の急速な発展が、投資資本市場を通じて、住民に
経済発展の果実をシェアさせた。
 不動産市場の急速な発展と分譲住宅価格のとどまることを知らない高騰が、それ
らに投資した不動産や不動産主の財産価値を急速に増加させた。
 しかし、陸学芸氏も警告を発する。中産階層が急速に強力になると同時に、中国
の社会底辺も拡大している。さらに、両者間における利益格差や衝突の双方向性も
強まり続けている。
 陸学芸氏は、彼の新書「当代中国社会構造研究」で次のように指摘している。
 中国は1960年代以来、都市と農村を隔離する戸籍制度を厳格に実行してきており、
農民を都市外に閉じ込めた。1950年来、政府は亦工亦農、社隊企業、進場不進城、
郷鎮企業、小城鎮、離土又離郷、農民工等々、農民に農村を産業化させる手段をす
べて行った。が、すべて効果的ではなかった。
 1990年代中期以降、中国を悩ませた重要問題は、内需が常に拡大し切れない、都
市と農村の格差拡大の勢いを抑制し切れない、刑事犯罪や社会治安にかかわる事件
を減らし切れないという3つである。
 これら3大問題をもたらした問題点とは、中国が新しい展望の求めに応じて社会
構造に必要な調整をしてこなかったことにある。〔聯合早報2010年2月3日〕

中国は西洋化したか? 外国人が誤解しがちな8つのこと

 シンガポール人である我々は中国をよく理解していると思ってはいないだろう
か? しかし、外国人は実のところ、以下の8つの面において中国を誤解しがちであ
る。
1) 現在の中国は、1950年代のアメリカ(あるいは1980年代の日本や1990年代のメ
キシコ等)と類似している
 だれもが皆歴史と比較することを好むが、中国は広大で非常に複雑であり、世界
と深く融合している。中国消費文化の発展は他とは異なる。
2) 中国政府当局のデータは当てにならない
 ここ数年、中国の公表するデータの質は大きく向上しており、人口統計に関して
は特にその向上が見られる。中央及び地方政府の発展計画に注目してみよう。彼ら
は発展計画をよく理解しており、大きな理想に燃えている。
 もし上海の人口密度、ショッピングセンター、交通インフラについて知りたけれ
ば、上海都市計画展示館をのぞいてみてはどうだろう。
3) 中国のインターネットは他国と同じである
 グーグル事件に見られるように、中国のインターネットは独自の体系を持ってい
る。世界のネットワーク大手イーベイ、アマゾン、当然グーグルもそうであるが、
中国での地位は脇役ではなく存在が見えない。
 中国でソーシャルネットワーキングサービスを使用したいなら、1日かけてQQを
学んで、西洋では耳にしたこともないその機能をマスターすればよい。
 私は「豆瓣网」を使うのが好きだ。「豆瓣网」は全世界の音楽と映画のオンライ
ン図書館であるが、その内容はすべて中国のネットユーザー自身が編集したものだ。
4) 中国の消費者を都市と農村の2種類に分ける
 便宜上、このように言う。しかし、実のところ、世界の多くのブランドはただ中
国の一部の地域、主に大都市に入ってくるにすぎない。中国の消費市場は主に都市
に集中しており、その多くが人口100万あるいはそれ以上の大都市である。
 ただし、人口は決定的なファクターではない。最も重要なのは、外部文化との接
触である。例えば、広州から車で2時間の距離にある中規模の都市に住む人と、人
口は多いが閉鎖的な省都鄭州に住む人とでは、前者の方がより世界のブランドを熟
知している。
5) 中国の地域差はヨーロッパと同様に大きい
 見聞の広い人がこう口にするのを少なからず耳にするが、これは中国が複雑で多
様であるという意味である。しかし、第一印象としては結構だが、これは大げさで
ある。
 中国の地域差は間違いなく存在するが、適度なものである。中国全土で学ぶのは
同じ歴史であり、同じ試験に参加し、同じ言語を話し(少なくとも学校では)、見る
のは同じニュース番組である。
 気候は確かに大きく異なっており、これが飲食や建築、ひいては衣服に影響して
いる。
6) 中国には大きなジェネレーションギャップが存在する
 さまざまな世代の間には確かに大きなジェネレーションギャップが存在するが、
これは経済の急速な発展がもたらした自然な結果である。文化及び技術の変化は明
らかにさまざまな生育環境を生み出している。
 現在25歳の成人はアイドルの出演するドラマや映画を見て育ったが、それよりた
った5歳若い世代が見るのは李宇春のような中性的なアイドルである。これには彼
らの先輩世代が困惑するのも無理はない。
7) 中国は急速に西洋化している
 中国は間違いなく現代化している。あちこちケンタッキーだらけだ。しかし、も
しケンタッキーで売っているのが粥ならば、それでもやはり西洋化していると言え
るだろうか?
 西洋のブランドと生活様式は日々一般的になりつつあるが、しかし、中国の歴史、
文化の影響力もまた拡大している。中国人はプーアル茶のコレクション、書道を学
ぶこと、宮廷料理を食べることに興味を持ち始めた。実際には、中国はより中国ら
しくなっている。
 また一方で、しばしば軽視されがちな影響―――世界第二の経済大国日本の、中
国に対する文化影響力も西洋に引けをとらない。中国都市部において18歳の若者が
履くのはアメリカのナイキであるが、15歳の子供は日本の漫画を好み、韓国の流行
曲を好む。
8) 中国の若者はさまざまなグループに分かれる
 こういう考えには一定の理解ができ、若者は似た者同士が意気投合しているから
だ。しかし、中国の若者は西洋の同年齢の若者とは異なる。
 西洋では、雑誌、音楽、あるいは企業ブランドをもって若者のグループを語るこ
とができる。しかし、中国ではこのやり方は余り適していない。というのも、中国
の印刷メディアの規模は小さく、音楽も海賊版によって混乱しているためだ。
 ブランド志向は大都市において比較的はっきりしているが、その他の地域ではそ
うではない。それで残るものは何か? 著名人崇拝か、趣味か。しかし、これらも
また固定的で不変なものではない。
〔中青在線―青年参考2010年2月10日〕
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