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西南地域の干ばつと一次産品被害

国家統計局雲南調査チーム 干ばつはインフレを招かない

 雲南省が歴史上まれに見る超大型の干ばつに見舞われ、一部の穀物、野菜等品目
の価格に上昇があらわれている。
 しかし、国家統計局雲南調査チームは記者の取材に対し、干ばつは確実に雲南の
物価に対し一定の上昇圧力となっているが、全体的に見ると、インフレがあらわれ
る可能性は大きくないと示した。
 また、国土部、鉄道部等の部門は、各方面を通じて西南地域の干ばつ被害の緩和
に努めている。
〈雲南の穀物の充足を3方面から保証〉
 国家統計局雲南調査チームによると、インフレかどうかの判断は、消費者物価指
数(CPI)の上昇幅を見た上で、その持続期間も見る。
 2月の雲南の月間消費者物価指数は前年比3.2%増で、これは深刻な干ばつが持続
している条件であらわれた構造的な上昇であるが、単月で3%上昇に達したにすぎず、
持続可能性は小さいため、インフレ発生と見ることができない。また、干ばつ被害
が緩和するに従って、消費者物価指数が急激に下落する可能性も大きい。
 需給状況から見ると、目下干ばつの主要な影響は雲南の春作物の生産量であるが、
3つの点から、雲南の穀物の十分な供給が保障でき、大幅な価格上昇局面はあらわ
れない。
1) 雲南省は連続7年間穀物が豊作で、備蓄も十分である。主要農作物の供給にも余
裕があり、消費市場における需給バランスあるいは供給が需要を上回る局面は変わ
らない。
2) 雲南の春穀物の生産が年間生産に占める割合は高くなく、たとえ減産となった
としても、全体の穀物供給に対する影響は限られている。
3) 雲南ないし西南地域全体は中国の穀物生産地域ではなく、したがって、西南地
域の干ばつが全国の穀物需給に与える影響は基本的にない。
 そのほか、雲南省委員会政府は物価問題を重視しており、仮に物価が高騰すれば、
政府関連部門は相当の調整措置を講ずるはずであり、物価は穏やかな調整可能な範
囲を保持するため、消費者は物価の大幅上昇を心配する必要はなく、大規模な穀物
の買いだめをする必要もない。
〈国土部が井戸掘り運動へ〉
 国土資源部は25日、雲南省昆明で南方干ばつ対応緊急行動意見交換会を開催し、
国土資源組織が南方干ばつ地域の地下水干ばつ対策井戸掘り行動をさらに進めて行う。
 3月初めに国土資源組織が干ばつ対策モデル井戸掘り行動を展開して以降、既に4
省区市に20余の専門知識チーム、組織技術者1000人以上を派遣し、掘削機400基余
を400余の干ばつ対策井戸掘り突貫チームに分けた。
 3月24日現在、既に井戸は100近くつくられ、出水量は1日当たり1万立方メートル
を上回り、11万人以上及び1万等近い家畜の飲料水問題を緩和した。雲南省には294
台の掘削機が702カ所に配置され、既に井戸は56カ所つくられ、出水量は1日当たり
4188立方メートルに達し、8万人以上の飲料水問題を直接的に解決した。
〈鉄道部門は干ばつ対策重点物資を急ピッチで運ぶ〉
 25日、鉄道部は、各関連鉄道局に地方政府と重点企業との連携協調を強化し、石
油製品、穀物及び化学肥料等運輸業務を統一的に行い、成都、昆明鉄道局等に到着
する逼迫している方面の重点物質に対し、組織強化、需要充足を確保するよう求め
ている。
 石油精製品の輸送では、関連鉄道局は四川、貴州、雲南等省の石油精製品の備蓄
状況に対する調整を強化し、随時情報交換を図り、備蓄庫への集中による過剰及び
備蓄不足がもたらす市場供給逼迫を防ぐ。
 干ばつ被害が進めば、雲南省の干ばつ対策救援物資は引き続き増加し、救援物資
の積みおろし作業は厳しい挑戦に直面する。
 昆明局は随時適切な措置を講じ、鉄道、地方、企業の三者会議の役割を十分用い
て、救援物資が集中的に到着しあふれてしまうという問題を有効的に解決し、救援
物資が被災地域に入ったら、受け渡し地点で積みおろしし、積みおろし後にはすぐ
輸送できる輸送秩序を形成する。
 3月22日現在、昆明局では干ばつ対策救援穀物を累計で40.2万トン積みおろした。
 そのうち、3月1日から22日までの昆明局全体の穀物積みおろしは計3161車両19万
トン、石油精製品は90.6万トン、前年比24.3トン増、36.7%増となり、雲南の穀物、
石油精製品市場の供給は安定している。
〔上海証券報2010年3月26日〕

貴州 マオタイ 干ばつ被害はマオタイ酒生産における取水に影響なし

 25日、貴州マオタイ酒股フェン有限公司によると、生産経営は正常で、現在、マ
オタイ酒生産は干ばつの影響を全く受けていない。
 あるメディアによると、西南地区の干ばつの影響を受け、仁懷市マオタイ鎮にあ
る幾つかの小酒工場は深刻な水不足が影響して生産をとめているとのことだ。
 25日、貴州マオタイの関係責任者が述べたところでは、マオタイ酒の生産水源と
なる赤水河は今年、干ばつによって流れが絶たれるということは全くなく、マオタ
イ酒生産における取水にも影響を与えていないという。
 貴州マオタイ公司は、相次いで数億元を投資し企業取水設備をつくり、企業の水
源や水質を特に重点保護すると同時に、関係設備等の技術改良やバージョンアップ
を行い、生産用水の水量と水質を担保している。
 マオタイ酒の生産は既にシステム化と大量生産化を実現済みで、万全の自然災害
緊急枠組みを備え、マオタイ酒醸造に当たって必要となる水源の赤水河は、中央か
ら地方までの各レベルの政府とマオタイ公司よりかなり重視され、各種の措置を講
じて重点的に保護されている。
 貴州省と現地気象部門からの情報によると、ここ1週間、貴州北部、東部地区で
降雨が見られ、上述地区でも干ばつ被害が徐々に緩和されつつある。この降雨は、
貴州マオタイのある貴州北部地区で多く見られている。
 マオタイ酒の生産は特殊な工程フローを持っている。原料は1年前に仕入れ、2年
目に生産開始、完全なる生産周期は5年に及ぶ。現在市場で販売されるマオタイ酒
のおおもとは少なくとも5年前に生産されたものである。
 現在まで、干ばつはマオタイ酒の生産用水、物流、配送に全く影響を及ぼしてお
 らず、マオタイ酒の価格も干ばつによって変化はしていない。
〔新華網2010年3月26日〕

雲南 プーアル茶畑 64万ムーが被害 1.04億の損失

 中国の声「央広新聞」11時11分の報道によると、西南で続く干ばつは雲南の米価
格を上昇させたほか、雲南の茶葉の価格にも大きな影響を及ぼした。
 プーアル市の茶園広場、プーアル市最大の茶葉卸売市場のある店主によると、毛
尖(緑茶の一種)の卸値は1キロ当たり35元。昨年の卸値は1キロ当たり25元であっ
た。また、碧螺春(ピールオチュン)は、昨年の卸値が1キロ当たり70―80元であ
るのに対し、今年の卸値は1キロ当たり140元となっている。
 プーアル市茶産業弁公室情報統計科の張雁科長は、今年の春茶は20―30%生産が
減ると予測されていると述べた。生産量の減少が茶葉の価格を押し上げることで、
茶葉市場における一級茶の価格は1キロ当たり50から65元、前年比8―10元の増加と
なる。そのほかのランクの茶葉も皆1キロ当たり5元前後の上げ幅である。
 価格面で影響を受けたほか、干ばつにより黄色い春茶が比較的多くあらわれ、見
た目がよくない一方、茶葉の香りと渋みはさらに増したという。
 100年に1度の特大干ばつは春茶生産に大きな影響を与えた。
 プーアル市の茶葉発展事務所によると、今年3月16日までに、プーアル市の6つの
県や郷の11の古茶山に対し行われた調査では、春茶が産出された古茶山はわずか3
つで、そのほかの8つの山の古茶樹は干ばつの影響を受け、芽が出ていない。
 10区県の茶畑総面積は135万ムーに達するが、そのうち64万ムーが干ばつ被害を
受け、1.04億元の経済損失をこうむっている。〔中国広播網2010年3月24日〕
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