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中国とベトナムの結びつき、光と影

ベトナムへの旅行者毎年40万人超 ベトナム最大顧客源に

 28日に行われたベトナム観光振興会にて得た概算統計によると、2009年、中国で
は40万人を超える旅行者がベトナムを訪れており、全世界のベトナム旅行者の10%
を占めることがわかった。これにより、中国は10年連続してベトナム旅行市場にお
ける最大の顧客源となった。
 ベトナム国旅股フェン公司マーケティング部の陶仲松副経理によれば、浙江省は
中国経済の最も発達した一地域として、ここから毎年大量の旅行客、ビジネスマン
がベトナムを訪れているとし、「保守的に見積もっても、浙江省から毎年5万人を
超える人々が旅行やビジネスでベトナムを訪れている」と語る。
 浙江省は比較的早い時期にベトナム旅行に注目した省であり、早くも90年代中期、
団体をベトナムに派遣し視察を行っていた。浙江省観光局の許澎副局長は「このた
びの振興会で、ベトナムは改めてその美しい風景や伝統的特色を浙江省に紹介し、
双方の旅行業の交流と協力はさらに深まる見込みだ」と語る。
 今回の振興会おいて、浙江省とベトナムは旅行協力の合意書に署名し、この中に
は幾つかの観光に関する新しい政策、特に中国旅行客に対する優遇政策が盛り込ま
れているという。
 一例を挙げれば、中国の旅行客はベトナムの現地旅行社と連絡をとって到着ビザ
の手続を行うことができ、また広西チワン族自治区でベトナム旅行の通行許可証の
手続、申請を行うことができ、この通行許可証によって中国旅行客はベトナム63の
省市を自由に観光することができる。
 ベトナム、中国双方は、今年の3月28日に上海―ハノイ間、30日に上海―ホーチ
ミン間の直通便を開通させた。
 「直通便の開通によって杭州旅行客のベトナム旅行が大変便利になった。これに
よって相互理解と友情を深め、ともにベトナムと浙江省の旅行市場を開拓し、より
多くの浙江旅行客をベトナム旅行に引き寄せると同時に、より多くのベトナム観光
客を浙江省に送り出す」ベトナム国家観光局旅行社管理司の武世平司長はこのよう
に語る。〔中国新聞網2010年4月29日〕

中国対外投資 米国が最大、ベトナムはダークホースに

 4月27日、中国貿易促進会は「2010年中国企業対外投資の現状と意向調査報告」
(以下「報告」)を発表した。報告では、ベトナムは2年連続で中国企業海外投資
先10傑に入った。同時に、国家税務総局責任者は、輸出還付税等の政策をさらに改
善していくことを示した。
〈中国企業の対外投資で最も多いのは製造業〉
 調査にした企業1377社中、344社が海外投資を行っており、全体の25%を占めた。
そのうち、49%の企業がアジアで投資を行い、33%の企業がヨーロッパに、13.6%が
アフリカで投資していた。
 国別で見ると、米国が投資先の首位で、調査会社の28%が米国を投資対象国とし
ていた。ヨーロッパでは、主にフランス、ドイツ、イギリス、イタリアがこれに続
く。このほか、ベトナムが2年連続で中国企業海外投資先10傑に入ったことが明ら
かにされた。
 27日、訪中したイギリス投資促進プロジェクトを進めるイギリス商工会議所会頭
の中国顧問、呉克剛氏は毎日経済ニュースに対し、軍需を除けばイギリスでの投資
に制限はなく、完全に自由競争である。イギリスの労働者は相対的にヨーロッパの
中では安定しているとした。
 イギリス企業の対中投資に関し、呉克剛氏は、イギリスの成熟したサービス業が
中国を補えるし、中国が徐々にイギリス企業を誘致し、サービス業、特に観光業や
金融業を整備できるとしている。
 報告によれば、中国企業の対外投資は比較的規模が小さい。対外投資を実施して
いる企業中、投資額が100万米ドル以下の企業は61%、一方、1億米ドル以上の企業
は10社に及ぶが、対外投資実施企業中1%前後にすぎない。
 また、中国企業の対外投資業種としては製造業が最多で、非資源、エネルギー投
資が続く。製造業中、投資が最も多い業界は機械業界で、紡績業が続く。しかし、
今後2―5年においては、紡績、化学工業及び卸売小売業の半数近くは対外投資額を
減らすか、対外投資しないことを明確にしている。
〈「中国企業海外進出法」をさらに支援強化〉
 中国貿易促進会経済情報部の趙暁笛部長は27日、「第4回中国多国籍企業投資セ
ミナー」において、中国企業が対外投資を行う際の最大の困難は融資であるとした。
上海浦東発展銀行のデータによれば、目下中国企業の対外投資の90%の資金を中国
国内金融機関が提供しており、中国国外金融のチャネルは限られている。
 国家税務総局、商務部、外国為替管理局の官僚がたびたび語るように、「中国企
業海外進出法」は政策上の支援強化をしている。
 企業の海外進出において最も望まれるのは財政・税制及び金融支援であるとする
企業関係者は少なくない。これについて、国家税務総局の王力副局長は、国家税務
総局は支援策を強化し、企業所得税の免除制度をさらに進め、企業海外投資の輸出
還付金政策を完全にしていきたいとした。あわせて、租税協定における対象地域の
拡大、企業の投資利益の保護等の交渉・締結を進めるという。
 商務部対外投資・経済協力課の李志群課長は、中国企業が中国国外のハイテク技
術、新エネルギー等に投資することを大いに奨励し、企業が国際的に知られている
ブランドに投資することを支援し、あわせて企業が現地でエネルギー・資源に付加
価値をつけることを奨励するとした。
 幾つかの企業が提起する「外貨投資管理が厳格な中国にあって、いかに資金や利
益を中国に回帰させるのか」という課題に対しては、国家外国為替管理局資本管理
課の孫魯軍副課長は率直に、中国外国為替管理部門は企業の対外投資に対していさ
さか及ばない点があると語った。
 しかし、記者の当該会議での理解では、二国間金融、外国為替、銀行管理の協力
の推進は、既に中国政府が企業の海外進出を支援する重点業務となっている。
 孫魯軍副課長は27日、中国は健全な国際的な資金の流れの監視、警戒を構築し、
異常な国際的な資金の流れに対する取り締まり能力を高めると語った。4月20日に
「違法資金流入ルート及び運営措置」の段階的検査成果を入手しており、状況は近
く発表するという。
〔毎日経済ニュース2010年4月28日〕

ベトナム不法労働者大量流入 「チャイニーズドリーム」を探して 上

 昨年来、中国の警察が広州、東莞等の工場で相次いで大量の外国人不法労働者を
捕まえている。
 中国とベトナムとの国境にある広西チワン族自治区東興、憑祥はベトナム不法労
働者の中国入国の主要なルートとなっている。不法労働者は中国へ大量に流入し、
珠江デルタ等先進地域の工場へ流れ込み、「チャイニーズドリーム」を探し求めて
いる。
〈労働者は密入国し中国の工場へ流れ込む〉
 今年3月24日、広西チワン族自治区防城港市公安国境警備支隊の人民警察は南北
高速道路(南寧―北海)大塘サービスエリアで1台の大型バスを見つけ、その中に
いた密入国ベトナム労働者56人を捕まえた。このようなベトナム労働者の目的地は、
広東省茂名の工場であった。
 1020キロメートルの長さのある広西チワン族自治区とベトナムとの間の陸上の国
境線上で、ほぼ毎日のようにベトナム人が国境にある小さい道から中国に入ってく
る。彼らは大型バス、列車を介して絶えず広東、福建等にある工場にどっと流れ込
んでいる。
 「中国の沿海地域には「用工荒」労働力不足があらわれている。ベトナム人の多
くは中国とベトナムの国境から密入国し、福建、広東、南寧等の土地で出稼ぎをし
ようと試みている」
 広西チワン族自治区崇左市公安国境警備支隊の李佐征参謀長によると、今年来、
崇左市国境警備支隊人民警察は南寧から友誼関までの高速道路の大型バスで多くの
密入国ベトナム人を捕まえたという。「16人は福建の靴工場での出稼ぎ、そのほか
にも100人以上が東莞の工場で出稼ぎ、また40人以上が南寧の建設現場で出稼ぎを
したいと言っていた」
 今年4月1日夜、広西チワン族自治区警察は相次いで2件の密入国案件を取り締ま
った。
 南寧駅派出所人民警察は、広東行きの列車において、その途中の南寧で広東省茂
名等で出稼ぎをしようとしていたベトナム人19人を捕まえた。
 この19人のベトナム人には合法的に入国した証明がなく、彼らが警察に語ったと
ころでは、広西チワン族自治区の大新の中国とベトナムとの国境から中国に入り、
その後大型バスで南寧に到着し、列車で広東に向かおうとしていたときに警察に捕
まったとしている。
 広西チワン族自治区公安国境警備総隊の統計によると、2009年以降、広西チワン
族自治区公安国境警備総隊が捕まえた密入国者は225件1820人で、上陸阻止4839人、
送還2218人だった。
〈低賃金労働者は「歓迎」を受ける〉
 「ベトナム労働者は苦労に耐えるし、賃金待遇は中国人労働者の半分程度で済
む」崇左市人的資源・社会保障局の莫紹仁副局長は、ベトナム労働者は中国の幾つ
かの地方では大変「歓迎」されていると話す。
 「昨年の年末以降、ベトナム北部の山岳地帯では持続的に干ばつに遭っていて、
もともとベトナムで農業をしている農民が大量に中国に密入国し、出稼ぎのチャン
スを探している」防城港市公安国境警備支隊の樊啓支隊長は話す。
 2007年には、崇左市人的資源・社会保障局では密入国したベトナム労働者の追跡
調査を始めていた。
 崇左市人的資源・社会保障局の莫紹仁副局長によると、労働部門の調査によれば、
毎年崇左各地にやってくる不法労働者のベトナム人は保守的に見積もっても1万人
おり、かつ中国経済の回復に伴って年々増加しているという。
 崇左で出稼ぎをするベトナム人は主に崇左市江州区、寧明、竜州、大新、扶綏等
の県及び憑祥市におり、サトウキビ収穫・輸送、その他には建築業、ホテル業等に
分散して従事している。
 広西チワン族自治区崇左は中国の主要なサトウキビ生産地域で、サトウキビ栽培
面積は300万ムー近くある。現地の若い労働力の多くは広東で出稼ぎをしており、
家で留守をしているお年寄りや女性では重労働はできない。毎年サトウキビの搾汁
の季節になると、何万人ものベトナム人が100本以上の国境の小道から崇左に入り、
サトウキビ農家のためにサトウキビの収穫・輸送をする。
 「サトウキビの搾汁の季節が来ると、崇左のバスターミナルには大量のベトナム
人があらわれ、雇われるのを待っている」
 崇左市労働部門の調査によると、崇左市の日常の農村労働力不足は3万人前後で
あるが、毎年のサトウキビの搾汁の季節になると、労働力不足は5万人に達し、こ
れらの労働力不足の多くはうわさを聞いてやってきたベトナム人で埋めていると莫
紹仁副局長は話す。
〈国境の小さい道が密入国ルート〉
 憑祥市蒲寨通関地(口岸)で、記者は数人のグループとなってベトナム人が通関
地近くの30メートル前後の山の中の小道から中国とベトナムの国境を出入りするの
を見た。記者が見ていた10分間の間で、相次いで、3グループ14人が小道から入国
し、2グループ6人が荷物を背負って出国した。
 そして、このような国境の小道は崇左の中国とベトナムの国境線上には123本あ
り、毎日1000人以上が出入りしている。
 広西チワン族自治区憑祥市の弄懐、蒲寨等の多くの広西チワン族自治区の中国と
ベトナムの国境貿易区においては、至るところでこのような「クーリー」と呼ばれ
るベトナム人がいて、その中には女性が多いが、彼女たちは苦労に耐えて中国雇用
主の労働許可をかち得ている。
 記者が蒲寨、弄懐の国境貿易地点で取材をしていたところ、多くのベトナム人は
有効な証明書を持って正式に入国しておらず、国境警備員がいない山間の小道を選
んで中国に入国している。
 憑祥市蒲寨の国境貿易地点では多くの貨物自動車がベトナムのスイカ等果物を中
継輸送地点に持ち込んでいるのを目にしたが、その車に乗っている運搬夫の多くは
ベトナム人だった。
 そして、国境貿易地点の路地では、至るところでベトナム人が座り込んだりトラ
ンプをしたりして、中国人に雇われるのを待っているのが見られた。
 北侖川は中国とベトナムの国境沿いにある川で、ここでは毎日1000隻に上る船の
往来がある。乾季に入ると、人々は北侖川上流から靴を脱ぐ必要もなく、対岸に渡
ることができる。
 広西チワン族自治区の中国とベトナムの国境線のベトナム人の大量の出入り状況
について、広西チワン族自治区防城港市公安国境警備支隊の樊啓支隊長は「山や川
が連なる地理条件が、1000キロメートル以上の中国とベトナムの国境線は完全に開
放的な国境線にさせており、人々は小道や川を通って数分で互いの国境内に到達す
ることができ、このことは我々国境警備コントロールに極めて重大な挑戦となって
いる」と話す。
〔経済参考報2010年4月30日〕
(次号に続く)
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