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職業選択と迫り来る現実的苦悩

調査結果 今年の新卒平均初任給は2694元

 人材サービス業の智聯招聘は、2010年半ばの報酬報告を発表した。
 5866社に対する調査の結果、今年企業が新卒に支給した平均初任給は2009年に比
べ10%近く増加し2694元に達し、2008年と基本的に同様の水準であった。しかし、
新卒が希望していた給料は2935元であり、企業の実際の支給額より9%程度高かった。
 学歴別に見てみると、2010年新卒の大学専科(修業年限2、3年、学位なし)の平
均初任給は1607元、大学本科(修業年限4、5年、学位あり)が2321元、修士が3254
元、博士が4681元で、2009年に比べそれぞれ9.47%増、14%増、10.45%増、8.23%増
で、今年は大学本科生の増加幅が最も大きかった。
 企業別に見てみると、最も高いのが独資企業(欧米)で初任給が3678元、その後
が合資企業(欧米)、独資企業(欧米以外)、合資企業(欧米以外)、国有企業、
民営企業であった。国有企業と民営企業の新卒の初任給は10%増となった。
 業種別に見てみると、金融保険業、IT・電子・インターネット業、建築業が初任
給の高い上位3業種で、それぞれ3027元、2901元、2771元であった。
〔新華網2010年7月2日〕

珠江デルタの「蟻族」 家賃暴騰で望郷の念

 また2010年の大学卒業生が次々と学園を去る季節が到来した。就活後、彼らは総
じて第一の難問である住居の問題に直面する。
 最近の暴騰する家賃に対し、「蟻族」(蟻族とは草の根階層の意)は、さまよう
苦労と家賃高騰との板挟みで望郷の念を募らせることとになる。
 王敏清さんは広州の国家重点大学の薬学系を卒業した。彼女は再三私に学校名を
公表しないように念を押したのは、望郷の念とは学校がつくり出したのものではな
く、現実の状況がそうさせるからだという。
 王敏清さんは今年4月、ある生物製薬会社に入社したが、わずか2か月で望郷の念
がわいてきた。
 「私は広州市越秀で働いているが、生活コストは高いし、家賃は高い。これまで
は学校に住んでいたこともあって、交通機関を使って出社することになれない。現
在は学校を離れ、現実の生活の大変さに直面している」
 「2年で私の給与が大幅にふえることはないでしょう。このことは、この2年、私
はいつもストレスを抱えたまま仕事をしなければならないということです。故郷に
戻ってキャリアアップを目指すためにここを離れるべきかどうかを考えています」
 王敏清さんは若いうちは広州で数年間頑張ろうとは考えていたものの、現在の月
3500元の給与では生活は苦しく、ちっとも幸福感も優越感もわかないという。
 10平方メートルたらずのワンルームに、ベット、衣装ケース、パソコン、いすを
置くとすき間はない。これが普通の蟻族の部屋であり、趙明さんが体を休める部屋
である。
 趙明さんは広州の重点大学卒業生で、6月に学校を離れ、「蟻族」の生活を始めた。
 「卒業前には、働けば住むところもよく生活もよくなると期待していたが、しか
し今、高額の家賃という現実に直面し、3000元の月給ではこんなワンルームが借り
られるだけだった」
 「すごく故郷に帰りたい。大学4年生の1年間、積極的に職探しをした。私の給与
3000元の水準では、広州では収入を使い切ってしまう「月光族」でしかなく、生活
は厳しい。安い家賃の部屋に住むことは難しく、いかなる幸福観も感じない、家が
恋しい」
 趙明さんは暴騰する家賃にあきらめ顔だ。
 取材でわかったことは、珠江デルタ地域では多くの「蟻族」が仕事を始めたばか
りであるが、彼らはたちまち住む家の難題に直面しているということだ。
 家を思う気持ちは強く、望郷の念はなお強い。彼らの多くが自分も家族も故郷で
の仕事の求人を気にしていて、機会さえあれば、故郷に戻る準備はあるとしている。
〔中国新聞網2010年7月5日〕

農業学生は農業が嫌い? 野菜栽培会社は年俸10万元でも問い合わせなし

 目下、今年の大学卒業生が最も忙しいときだ。就職競争が日増しに激しくなって
いき、仕事を見つけた大学生は会社に入る前の最後の準備を行い、仕事が見つから
ない学生は全力を振り絞って各種の就職説明会に参加している。
 しかし、中央テレビ「経済信息連播」の記者は取材を通し、このような熾烈な就
職競争と相反し、貴州では、農学院大学の大学生たちは10万元もの年俸を目の前に
したとしても、農業の栽培拠点には就職したがらないことがわかった。
 これはどういう状況だろうか? 一緒に記者の報道を見てみよう。
〈野菜栽培会社は年俸10万元でも問い合わせなし〉
 劉興林さんは貴州省貴陽市修文県の大規模野菜栽培会社の責任者である。その1300
ムー余りの栽培拠点でネギ、白菜などの野菜品種を栽培し、昨年の販売収入は四百
数万元に達する。
 2006年に、200万元を投資して1000ムーのピーマンを栽培し、間もなく豊作が望
めるというところで、ピーマンは土壌のカルシウム不足が原因となり、広面積で果
実に病気が発生し始めてしまった。
▽記者:発見したとき、それがどんな病気かわからなかったのですか?
▽劉興林さん(貴陽市修文県の野菜栽培地主):病気になったことはわかりました
が、どんな病気かはわかりませんでした。
▽記者:あなたはどんな措置をとりましたか?
▽劉興林さん:私はすぐに農薬を買ってまきましたし、炭疽病、灰色かび病じゃな
いかと思いつき農薬を買ってまきました。しかし、全然違っていて、カルシウム不
足が引き起こした細菌の病原菌でした。
 専門知識を持つ技術者がいないため、劉興林さんは従来の経験に従って農薬をま
いてしまい、その結果、ピーマンの病状はますます重くなり、最終的に収穫できず、
その経済損失は100万元にも達した。
 この事件後、劉興林さんは技術者の重要性を認識し、貴州省内の大学、農業科学
研究機関に広く求人広告を配付し、高学歴の農業技術員を募集した。
 しかし、劉興林さんが思いもよらなかったことは、2006年から今までに提示した
年俸は既に5万元から10万元まで膨れ上がっているが、依然として適切な農業技術
人員を招くに至っていないことだ。
〈農業学生は「農業への入門」を最後の選択と見ている〉
 修文県のこの野菜栽培会社のように、現在、貴州省内では高学歴の農業技術者を
高い年俸で募集している企業は少なくないが、皆技術者を雇えないという状況に直
面している。農業を学ぶ多くの大学生が、農業に入門するのは最後の選択だと表明
していることがその原因である。
 引き続き、記者の報道を見てみよう。
▽記者:私の後ろのこの大きなハウスで栽培されているのは香港向けパプリカで、
その栽培面積は野菜拠点全体の10%を占めるだけですが、品質がよく、収量が高く、
それがもたらす収入は拠点全体の50%を占めます。
 この野菜栽培拠点の技術責任者によると、このように香港向けパプリカにはすべ
て統一の標準があって、大きさは180―350グラムの間が求められ、形は灯籠、外観
に斑点があってはならず、しかも残留農薬が香港の検査標準に合っていなければな
らないそうです。
 この200ムー余りのパプリカが1年で約300万元の収入を会社にもたらすことがで
きるので、会社は多くの農業技術者を導入して、高品質の野菜の質と生産高を保障
することを希望しています。
▽殷昌高さん(貴州独山県基長鎮の野菜栽培拠点技術責任者):私たちの現在の計
画では、さらに5―6名の技術者を募集しなければなりません。しかし、拠点全体で
もこの数ははるかに足りません。私たちの理想的な状態としては、約50ムーごとに
1名の専門技術者を配分することです。
 殷昌高さんは、年俸3万元に加え食住を含んだ募集条件を出しているが、現在ま
で新しい技術者を雇えていないと話す。
 貴州省の主要な農業地区である黔南布依族苗族自治州でも、基長鎮のように多く
の農業技術員を必要とする状況は少なくない。貴州省黔南州農業委員会によれば、
毎年、高学歴の農業技術人員に対する需要が約500人あるが、実際に雇うことがで
きるのは総需要数の10%に満たないという。
〈人材不足が農業の低レベル循環を招く〉
 中国の高学歴の農業技術人員は不足している。目下農業の技術サービスの大部分
に従事するのは「たたき上げの専門家」であって、学歴は高くなく、知識レベルも
限られ、長年の栽培経験に依存する農民である。
 しかし、農業の産業化が絶えず推進され続け、このようなたたき上げの専門家で
は農業の科学技術の発展についていけず、農業技術人材の不足は農業生産レベルを
停滞させかねなくなっている。
 貴州省の五一労働褒章受章者の石明慧さんは中学校卒業レベルである。2002年か
らトマト栽培を始めたが、2004年、栽培したトマトが深刻な青枯病に遭い、その損
失はとても大きくなった。
 それ以降、石明慧さんは自分で接ぎ木の技術を模索して、トマトの病気予防を高
めただけでなく、トマトを収穫した後で引き続き、キュウリ、アブラナ等の野菜を
栽培し、もともとの輪作方式を連作方式に変えた。目下、現地でこの技術を利用し
た1000ムー以上の畑で1ムー当たりの収入が8000―1万元ある。
 しかし、新技術を模索するときには、自分では解決しようがない難題にも遭遇する。
▽石明慧三さん(野菜栽培農家):いつも難題に遭遇すると、農業技術のサービス
センターの人に聞いて、彼らと研究し合って、知識を得て、ゆっくり取り組むこと
ができました。
 農業が高学歴の専門技術人員を急ぎ必要としている一方、農学の大学生は農村に
入りたがらない。
 記者が貴州で調査したところ、農業を学ぶ大学生の70%は、卒業後に農業に関係
する仕事に従事したがらず、「農業を学ぶが農業は好きじゃない」「農業を学ぶが
農業に従事しない」というのが普通である。
 原因を探ってみると、既存の家庭と個人の考え方が、学校の訓練養成や社会の奨
励メカニズムに影響を与えているのだ。
 貴州大学農学院の取材でわかったことは、大部分の農業を学ぶ学生は、専攻を調
整されて農学専攻に来たのであって、本来は農業は決して好きではないため、卒業
後は自分の興味によって就職先を選択し、専攻のことに従事することはないという
ことである。
 取材した10名の農学の今期卒業生のうち8名の学生は、将来の成長の見込みが高
いことが仕事を選択する第一条件だとしている。しかり、幾つかの大学生が行きた
がる傾向にある都市の農業に関係する事業単位法人は、募集定員に限りがある。
▽張波処長(貴州大学の招生就業処):特に我々は農業に関係する部署との関係を
持ち、農業科学を専攻として学ぶこの方面の人材をとても求められていますが、多
くの農業に関係する部門は人員編成計画の影響を受けているので、人材が不足して
いるとはいいながら入っていけないのです。
〔中央テレビ2010年6月17日〕

重慶 4年間で三峡移民21万人を訓練養成

 5日に開かれた「重慶市三峡ダム地域職業教育及び技能訓練年特別会」によれば、
2006年以来、重慶ではダム地域移民の訓練・就業の新しいモデルを絶えず模索し、
4年間で移民21万人余りを訓練養成し、24万人余りの移民の就業を実現し、ダム地
域都市調査の失業率は2005年末の11.6%から、2009年末8.08%まで下落した。
 重慶市の譚栖偉副市長は「17年の努力を経て、重慶三峡ダム地域の113.8万の移
民を「運び出す」任務はほぼ達成したが、移民が「安住し、徐々に財産を築く」と
いう未来図への道のりは依然として遠い」と語る。
 2006年の移民就業の二つの「ゼロ目標」年(就業者がいない都市移民家庭をゼロ
に、また転職者のいない農村移民家庭をゼロにするという目標)、2007年の移民就
業「双千」プロジェクト年(移民が富を生み出すためのリーダーと労働をあっせん
する人材をそれぞれ1000人育成するというプロジェクト)、2008年の移民訓練・就
業基地建設年、2009年の移民訓練・就業一体化年、そして2010年の移民職業教育及
び技能訓練年というように段階を分け、ダム地域移民の就業難の矛盾を解決するた
め、重慶は毎年その年テーマに基づく活動を行い、各区県が実際に移民の置かれて
いる状況を実践に取り入れ、絶えず「巫山県の経験」や「重慶市万州区の万州モデ
ル」といった移民就業訓練の新しい形式を模索し、移民の就業を大いに促し、移民
が「安住し財をなし」、ひいては1万元の増収を実現することははっきりと実際の
効果が出ている。
 統計によると、2010年6月末までに、重慶市移民訓練就業基地は累計して13.3万
平方メートルの訓練施設を新設し、実地訓練標準化施設25.9万平方メートルを建設
し、9億元人民元を投資した。
 2009年、重慶市で新たに5万8272人の移民が就業し、ダム地域15区県の移民訓練
就業基地完成の建設目標、職業教育及び技能訓練を受けた後の移民の就業率の明ら
かな向上、技能訓練を受け就業を実現した後の移民の家庭収入の明らかな向上とい
う三大目標をほぼ達成した。
 計画によると、2010年の重慶市移民訓練・就業作業目標の課題は「7415」、すな
わち、移民7.5万人の技能訓練を遂行し、都市移民4万人を新たに就業させ、「1+15」
移民訓練・就業基地建設(主要市街区域に市クラスの基地を1、ダム地域15区県に
各1)に対し10億元投資し、ダム地域都市調査の失業率を0.5ポイント下げる。
 また、職業教育を受けた移民の就業率を96%、技能訓練を受けた移民の就業率を8
5%以上にし、技術訓練を受けた後の農村移民家庭の収入を10%以上ふやす。
 このほか、重慶三峡移民「農業実用技術叢書」贈呈式がこのほど万州にて開催さ
れ、その際、譚栖偉副市長はダム地域移民の代表に叢書を贈り、農家の収入を1万
元ふやすプロジェクトの必要条件は「学んだことを実際に生かし、増産増収を図る
こと」というメッセージを残した。
 今回贈られた本は7万セット、計140万冊余り、総額は1400万元。本は重慶全市23
区県の6万余りの農村移民、1400余りの移民配置村を対象に、今年7月末までにすべ
ての移民及び移民村に贈られる予定である。〔中国新聞網2010年7月5日〕
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