CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

2011年下半期以降の経済展望

2011年下半期経済トレンドを予想

 6月22日、スタンダード・チャータード銀行年央投資トレンド分析会が上海で
開催され、スタンダード・チャータード中国財富管理部の梁大偉副経理は、2011
年上半期の国内外の経済情勢を振り返り、下半期の展望を占った。
 2011年上半期の世界株式市場を振り返ると、先進国は発展途上国よりもいい状
態にあったとして、梁大偉副経理は、要因を3つ挙げた。
1) 先進国のインフレ圧力は小さかった。一方、発展途上国のインフレ率はどこ
 も5%以上であり、インドとロシアでは10%である。
2) 先進国の貨幣政策と流動性がやや緩和した。
3) 先進国の資本市場の時価評価がさらに下がった。
 2011年下半期経済情勢の展望について、梁大偉副経理は楽観視しており、「上
半期の経済指数はとても低かったことにより、予想を上回って、今後底を打って
反動が来る機会があり、新興経済国の経済情勢のソフトランディングの可能性も
最大になる」と指摘した。
 また、梁大偉副経理は以下のように予測した。
 中国の下半期のインフレは下落し緩やかな水準に至り、緊縮政策は緩和する。
下半期のCPIは前年同期比4%―4.5%増、年間CPIは前年同期比5.1%増、GDPは前年
比9.3%増となる。中央銀行は今後半年以内にさらに1、2回の利息を引き上げる可
能性がある。米国の実質利率は早くても2014年になってから正常値に回復する。
 為替レートにおいては、「世界的な景気低迷と米連邦準備理事会の量的金融緩
和第2弾(QE2)の終了で、米ドルレートは第2四半期末、第3四半期初めに短期的
な反動があるかもしれないが、中長期的には依然として軟調に推移する」
 そして、人民元レートの変動幅は広がり、2011年末までに、人民元の米ドルレ
ートに対する仲値は6.28前後となると予測される。
 このほか、今年第4四半期の原油価格は1バレル103米ドル、金価格は1オンス
1550米ドル、銀価格は1オンス38米ドル、プラチナ価格は1オンス2000米ドルとな
ると予測した。〔和訊網2011年6月22日〕

中国の信用供与の対GDP比率 警戒レベル1割を超える

 6月24日、重慶で開催されたクレディ・スイス中国投資年次総会において、ク
レディ・スイスの中国担当責任者である陳昌華氏は、中国経済は「緩着陸」、つ
まり、長期間経済成長が減速し、その幅も市場予測を上回るだろうとの見通しを
語った。
 クレディ・スイスは、高どまりするインフレ、とまらない労働コストの上昇、
大量の地方債務が、低迷する中国経済の成長に一層の脅威を与えるだろうと見て
いる。
 特に注目すべきは、大規模な簿外融資の影響で、中国の信用供与の対GDP比率
が警戒レベルを超えた点である。
〈中国経済「緩着陸」の可能性大〉
 「目下のところ、市場関係者は、中国経済は「軟着陸」(ソフトランディン
グ)し、経済成長は第2―3四半期に減速した後、再び上昇に転じるとの見通しを
依然としてしている。私は、中国の経済成長率は長期にわたって8―8.5%の比較
的低水準を維持すると見ている」陳昌華氏は語る。
 陳昌華氏は「第一財経日報」のインタビューを受けた際、「「軟着陸」とは、
経済成長が減速した後、急速に上昇に転ずることを意味するが、「緩着陸」の状
況下では、経済成長は比較的長期間緩やかになる。中国の状況はまさに「緩着
陸」である」と語った。
 このような状況下において、クレディ・スイスは以下のように予想している。
 一部の地方不良債権問題だけは困難な交渉を経て解決できる。不動産市場では
15―20%の価格調整が行われ、長期の販売不振に陥る。GDP成長率は名目8―8.5%
の間を推移し、CPIインフレ率も4%前後を維持する。また、金融部門の融資も鈍
化し、より保守的傾向となり、信用供与の対GDP比率は長期トレンドまで次第に
下落する。企業利益水準は10%前後を維持できる。
 注目すべきは、クレディ・スイスのエコノミストが中国経済に対する予測を修
正し、2012年中国のGDP成長率を8.9%から8.5%に下方修正するとともに、2011年
下半期から2012年にかけて、インフレの継続、緩やかな成長、継続的な引き締め
政策が実施されるとした点である。
〈信用供与の対GDP比率 既に10%の警戒レベルを超える〉
 クレディ・スイスの分析によれば、過去2年間で、大量の簿外融資によって中
国の信用供与の対GDP比率は警戒レベルに達したが、この点は市場からは軽視さ
れがちであるという。
 中国銀行が2011年第1四半期に公開したデータによると、2009―2010年、金融
部門全体の信用供与総額は、2008年末から71%増の26.7兆元となった。
 クレディ・スイスのアナリストはバーセル銀行監督委員会の手法を用い、目下
の信用貸付のGDP比と上述長期トレンドからの乖離から銀行業の信用供与リスク
を見積もったところ、目下当該比率は警戒レベルの10%をはるかに超えていると
結論づけた。
 クレディ・スイスは、当該データは将来の銀行業の資産の質に対する警鐘であ
ると見ている。また、上述のアナリストは、2011年第1四半期、非金融系企業1000
社のインタレストカバレッジレシオは既に2008年の金融危機の水準に近づいてい
ると語った。
〔第一財経日報2011年6月23日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━