日増しに上昇するコストと構造変化
上海 都市住民世帯サービス消費調査報告
中国国家統計局、上海調査総隊は先日、都市住民世帯のサービス消費調査報告
を発表した。
〈昨年1人当たり交通費749元発表に疑問の声〉
交通では、2010年上海住民世帯における1人当たり交通費支出は749元(2005年
の1.4倍)。また、家庭用乗用車の普及に伴い、1人当たりの交通手段サービスに
関する支出は494元(2005年の3.8倍)に達した。
掲示板では、少なくないネットユーザーより「1人当たりの交通費749元」との
データに疑問の声が出されている。「1年当たりが700元強で、1カ月当たりがた
った60元強? 私は、1カ月当たり300元の出費だから、1年なら3000元強だ!」
ネットユーザーより出された疑問に対し、14日、国家統計局上海調査総隊の関
係者はこのように説明した。
「今回のサンプル調査は都市住民の中から1000世帯を抽出したもので、関係者
は約3000人に及んでいる。すべての人が毎日帳面をつけ、さらに調査員が毎月の
記帳本を収集して集計を行った。記帳本には、支出した費用だけでなく、具体的
な出費状況も含まれている。野菜の購入を例にとると、購入する具体的な野菜や
重さ、価格を詳細に記録する。交通費の欄においても、軌道系交通機関であるか
公共交通機関であるかをはっきりと記録するはずだ」
「交通費項目に関しては、実際に取材を受けた住民のうち、通勤者が五十数%
を占め、さらに、通勤者の中で自転車や助動車と呼ばれるペダルつきバイクの割
合が非常に多い。そのため、平均すると毎月の交通費は749元となる」
この関係者はさらに、「749元」の交通費は公共交通費のみを指しており、交
通手段の購入費や修理費、ガソリン代、駐車代等の交通関係のその他の支払いを
計算に入れる場合、昨年の1人当たりの出費は2891元となるとした。
〈外食と文化娯楽消費が大幅増〉
生活レベルの上昇と生活リズムの加速に伴い、多くの上海住民世帯はますます
外食を選択するようになり、今年上半期における1人当たりの外食費用は前年同
時期の2倍以上の1158元に達した。
文化娯楽の消費にも同様の大幅な増加が見られた。
上海都市住民の生活レベル上昇に伴い、住民の消費の中で、精神文化やレジャ
ー娯楽等の方面の享受型消費支出が迅速に増大し、消費支出の割合が不断に上昇
している。
調査によれば、2010年上海住民世帯における1人当たりの文化娯楽サービス費
は1139元(2005年の2.3倍)となった。これは全サービス出費のうちの最大の割
合である。そのうち、見学や見物、団体旅行の出費は2005年の2.7倍、フィット
ネスにおける出費は2005年の2.3倍となった。
2011年上半期では、都市住民世帯の1人当たりの文化娯楽サービスにおける出
費は649元で、全サービス消費の17.7%を占めた。
〔東方網2011年9月15日〕
中国はやはり世界の工場なのか?
黛麗斯国際有限公司(トップ・フォーム・インターナショナル)は一貫して華
南地方にある工場からウォルマートに商品を供給していたが、労働者の賃金への
要求がどんどん高くなるにつれて、中国の新しい現実に直面し始めている。
黛麗斯のマイケル・オースティンCFOが広東省と境界を接する香港のオフィス
で、賃金が毎年20%上昇していると語った。「中国の政策は5年以内に賃金倍増と
していて、我々が想定していた速度に比べて早い」
香港の隣にある経済特区深センは今年4月に最低賃金を1100元から1320元に引
き上げた。その後、この会社は人員削減計画を加速し、数年前の1000人から400
人に圧縮した。
電子機器EMS大手の富士康で相次ぐ自殺事件が起きた後、中国政府も全国的に
製造業の賃金を引き上げている。
しかし、黛麗斯が直面するさらに大きな挑戦は、中国の人口構造の変化である。
毎年労働力として加わる若年労働者はますます少なくなっている。
一人っ子政策や、男の子を歓迎し女の子を堕胎する産み分けによりもたらされ
た異常な現象として、工場の女子工員がますます少なくなってきている。華南地
域の企業主は現在、工場の労働者の男女比は60:40であるが、かつては女性が主
力だったいう。
前週、UBSエコノミストのジョナサン・アンダーソンは2011年上半期アメリカ
及びEUの輸入データを分析計算した後、レポートを発表した。それによると、中
国の軽工業のシェアは下がり始め、かつての50%強から48%に減少した。その受け
皿には、バングラデシュ(対米輸出19%増)、ベトナム(16%)が含まれる。
中国が世界一流水準のインフラに日増しに接近し、さらに高い生産率、巨大な
人口規模を有することは、ジーンズ、アパレル、玩具製造業で引き続きはるかに
大きなシェアを占めることを意味する。
利豊が先月の公告で掲示したところによると、今年上半期、在中サプライヤー
の生産規模は30%増であると同時に、さらに多くのサプライヤーがコストのさら
に低い内陸の省へ移転するとした。
したがって、世界製造業の「次なる目的地」はどこかと聞かれれば、それはや
はり中国なのである。〔英ファイナンシャル・タイムズ2011年9月8日〕
香港中小企業の輸出貿易で中国から貸し倒れ 5割近く
香港大学民意研究計画が15日発表したある調査によると、香港の中小企業が輸
出貿易において支払い遅延や貸し倒れに直面している問題が深刻であり、そのう
ち5割近い回答企業の主な貸し倒れ相手は中国大陸で、次がEU、米国であった。
香港大学民意研究計画の鐘庭耀ディレクターは、調査結果は中国と香港の貿易
の往来が日を追うごとに緊密になっていることと関係しているとした。
近年、香港と中国及びその他国家が多くの互恵的貿易措置を締結、実行してお
り、香港は主要な国際ビジネス、貿易ハブとなるべく促進しているが、一方、香
港の中小企業の貸し倒れ問題は深刻さを増している。
回答輸出企業の6割近くは、その取引先との契約上あらかじめ決められた売掛
金支払い猶予期間(貿易業界では一般的に30―60日)が終了した後も売掛金を回
収できず、平均の売掛金支払い猶予期間終了後72日後になると貸し倒れとして処
理している。
このほか、2010年会計年度で計算すると、回答企業のうち貸し倒れゼロはわず
か24%だった。
また、回答企業は半年以上経過してから売掛金を貸し倒れ処理していた。香港
輸出企業が出荷した後における顧客の支払い遅延状況は深刻で、貸し倒れに直面
しても何から手をつければいいかわからず、一たん外地の経済が急激に悪化する
と、彼らの事業運営にも影響していた。
回答者の7割は、貸し倒れは企業雇用主か関係職員が支払っているが、この方
法が最も有効な売掛金回収方法と見るのは5割に満たなかった。
「自己あるいは関係職員が責任を取った」とした回答者のうち7割は、この方
法による問題として、関係支払い遅延取引先との連絡困難、交渉手法の不十分さ、
現地の法律・法規の未熟さ、さらに支払い遅延を追及することで取引先との関係
を決裂させる等を挙げている。香港輸出企業には支払い遅延に対する有効な徴収
方法が欠如している。
サービサーを専門にするEOS香港の曾智仁総経理は、欧米経済の持続的に悪化
する機会は極めて高く、香港企業の貸し倒れ問題は今後悪化すると予想している。
さらに、香港企業は欧米国家の企業に比べて取り立てが遅く、形勢上さらに不
利であるため、香港企業は専門取り立て企業を利用した未収金回収の検討を提案
している。
香港大学民意研究所は8月16日―25日のサンプリング調査を行った。電話方式
で香港輸出企業の雇用主あるいは意思決定を行う管理者層517件にインタビュー
を行った。〔中国新聞網2011年9月16日〕
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