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発展プロセスに内在する問題点

各地都市化率データに疑いの目 人の都市化をするために

 都市化とは、経済社会発展を促進する重要なエンジンである。今年3月、中国
政府が発表した「第12次五カ年計画綱要」では、当該期間内に中国の都市化率を
目下の47.5%から51.5%まで引き上げるとはっきり提示している。
 同時に、都市化の配置と形態を整備することは、都市化の質と水準を絶えず向
上させることである。都市化の質の向上は、中国の今後5年の重要な歴史的な使
命となっている。
 「しかし、目下の一部の地方では、都市化推進の重点と初期の目的とのずれが
発生していて、都市化の重点は農村人口を移転させることではなく、都市、特に
大中都市の建設を加速することになっている」山東社会科学院の省情研究センタ
ーの秦慶武主任は率直に述べた。
 それによると、一部の地方では、都市化を単に都市建設を拡張することととる
傾向が存在しており、そのため、都市化を正確に認知し、都市化推進の長期メカ
ニズムのシステムを構築し、真に農民を市民にさせ、真の意味での都市化を実現
すべきだとしている。
〈農民が市民になれない 都市化に新しい課題〉
 中国は、世界で都市化率が持続的に成長する時間が最も長い国家の一つである。
統計によると、過去10年間、中国の都市化率は11.3ポイントアップし、1.7億人
の農民が市民となった。
 しかし、各地で急速に成長する都市化率に対して、多くの専門家が疑義を呈し
ている。
 「各地の都市化率の数字はどこも過大になっている。」取材に対し、秦慶武主
任は次のように示した。
 ここ数年来、中国の都市制度構築における拡張の速度はとても速い、例えば県
を市にしたり、郷を鎮にすることである。このような拡張は都市化の統計枠組み
の変化をもたらし、一定程度都市化の速度を膨張させた。
 同時に、現行の標準によると、人口の都市化率は都市戸籍人口と都市居住半年
以上の常住人口から成る。しかし、一部分の人口は流動的であり、不確実性がな
い。これでは、都市人口の量的変化の関係を真に反映したとは言えない。
 「農民が都市にとどまらないのなら、市民になれないし、都市化水準の向上は
新しい課題に遭遇する」
 目下の都市化プロセスに存在する問題を分析し、秦慶武主任は、農民が市民に
なれない原因に以下の3つを挙げている。
1) 都市に住むコストが過大――上昇し続ける不動産価格や物価が、収入が低い
 農民が都市に住居を構える願望を実現できなくさせている。
2) 都市財政支出と公共製品の提供は現在の都市戸籍の人口に依拠しており、農
 民工は都市人口の待遇や各種サービスを享受することができない。
3) 都市、農村の統一した労働力市場をつくることが非常に難しい。一部の地方
 政府では、自身の利益や政治業績の指標から、就業先の提供や生活保護があっ
 たとしても、農民工を真っ先に考慮してはいない。
〈枠組み合理化で土地の都市化を人の都市化に変える〉
 「農村人口が移動し、農民所得が増加し、国内需要が拡大することが、都市化
推進の初期の目標である」
 秦慶武主任は、都市化推進の主要目的は、農村問題の解決であり、都市自身の
問題ではない。したがって、都市化推進の重点とは、人の都市化であって、土地
の都市化ではないと見ている。
 しかし、現在、都市化を各地が大いに重視しているが、一体だれの責任で都市
化戦略を推進するのかが不明確である。
 目下の実情としては、計画部門の責任で戦略計画を制定し、具体的に管理する
のは建設部門だけであり、農業、労働、民政といったその他の部門は参画するの
が難しい。建設部門が都市建設を主に管理すると、その力点と主な業務は自然に
都市計画と建設となり、農村人口の移転に対する十分な重視が盛り込まれること
はあり得ない。
 このため、秦慶武主任は、枠組みを合理化し、主要指導者と農業を所管する指
導者を先頭に、公安、財政、民政、農業、土地、労働、建設、工商等の部門が参
加する指導者チームを省市地方政府がつくり、都市化戦略を統一、協調して実施
することを提案している。
 同時に、農村人口の移転のバリアとなる、戸籍、土地、就業、社会保障、教育、
衛生、公共サービス等の政策を集中的に整理すること、特に土地政策は農民の利
益を保護すべきであることも提案している。
 さらなるかぎとなるのは、農民の都市にとどまらせ、市民にすることができる
かどうかである。これは、農民の職業訓練制度構築が必要で、農民が都市で働け
るよう、農民に対し技能訓練を行うことである。
 また、低価格の住居制度の設立も必要で、低目の価格にすることで、農民の都
市における住居問題を解決することである。
 「制度面から農民工の都市進出と定住問題を解決することは、農民を市民にす
る問題によるものである」
 秦慶武主任は、国際的な経験則では、年平均GDPが3000米ドル以上の発展段階
においては、世界各国の平均都市化率は55%前後であるが、中国の都市化率は国
際平均水準を大きく下回っており、発展の潜在力は大きいと強調している。
〔経済導報2011年10月21日〕

婦連・統計局 中国女性社会地位調査報告を共同で発表

 中国国務院新聞弁公室は21日、記者会見を開き、第三回中国女性社会地位調査
における主なデータを公表した。
 中華全国婦女連合会(以下婦連)副主席、書記処一等書記、第三回中国女性社
会地位調査指導グループリーダーの宋秀岩氏は、婦連及び国家統計局を代表し、
当該調査の基本状況と主なデータを公表、婦連副主席で書記処書記の甄硯氏、国
家統計局の李強副局長も記者会見に出席、国内外の記者の質問に答えた。
 宋秀岩氏は手短に、当該調査が、9つの分野(女性の「健康」「教育」「経
済」「社会保障」「政治」「結婚及び家庭」「ライフスタイル」「法的権利及び
その認知」「性別観念及び態度」)における主要データ及び夫の出稼ぎにより農
村に取り残された「留守女性」の現状に関するものであることを述べた。
 以下はその内容である。
1) 女性の健康状況は心身ともに良好であるが、中西部農村地区には改善の余地
 がある。
2) 女性の就学状況は明らかに改善され、3分の1以上が高校以上の教育を受けて
 おり、平均就学年数も明らかに増加している。
3) 女性の都市・農村部における経済活動は活発であり、7割以上の女性が就業し
 ているが、男女の労働収入格差は依然として大きい。
4) 都市・農村部における女性の社会保障状況は明らかに改善され、性別格差は
 明らかに縮小している。
5) 女性の参政意識は強いが、管理・政策決定に参画する割合は依然として低い。
6) 女性の家庭における地位に対する満足度は高く、妻が家庭のあり方や不動産
 の購入・建築、投資、ローンに関する決定に参与する割合は7割を超える。夫
 に比べ、妻の家事労働における負担は大きく、仕事と家庭の両立が困難である。
7) 女性のライフスタイルが多様化し、半数以上の女性が意識的にスポーツに取
 り組んでおり、ほぼ3割の女性にインターネットを利用した経験がある。
8) 8割以上の女性が、女性の権益を守るための法律があることを知っており、7
 割以上が女性差別に対し明確な認識を持っている。就業中の性別差別、DV等の
 現象を無視できない。
9) 8割以上の調査対象者が、「女性の能力は男性とは比較にならないほど低い」
 「男性も自主的に家事労働を行うべき」「男女不平等は自然には実現しない。
 実現のためには積極的に推進する必要がある」等の男女平等意識に賛同してい
 るが、「男性は仕事、女性は家庭」という伝統的性別分業の意識に賛同する割
 合も若干増加している。
10) ぼぼ9割の出稼ぎ女性が収入のある仕事に従事しており、彼女らの懸念する
 主な問題は「蔑視」及び「給料の遅配、ピンはね」である。農村の「留守女
 性」にとっては、「夫の出稼ぎ先での安全」のみならず、「家の中に相談相手
 がいない」「年をとった父母が病気の際に手助けする者がいない」「農繁期の
 手助けがない」ということも問題である。
 宋秀岩氏は「調査によって豊富なデータリソースが得られた。今回公表した内
容は初期の集計結果にすぎない。専門性を高め、より高度な研究と開発を行うと
ともに、研究成果の社会還元を促進するよう努める」としている。
〔中国網2011年10月21日〕

統計局データで、中国の都市と農村の所得格差縮小が判明

 国家統計局が10月18日に発表したデータによると、1―3四半期で、中国都市住
民の1人当たり可処分所得は1万6301元で、前年比(名目)13.7%増となり、農村
住民の1人当たり現金収入が5875元で、前年比(名目)20.7%増となった。
 都市と農村の絶対差は1万426元、都市と農村の所得比率は2.77:1、所得は明
らかにふえた。データによると、中国の都市・農村所得格差は縮小しつつある。
 都市・農村所得比率は、都市・農村所得格差をはかる一つの重要な指標である。
 2002年以降、中国の都市・農村所得比率は一貫して3以上であり、2007年―200
9
年には3.33まで拡大し、都市・農村所得格差の高どまりは中国経済発展の重要な
問題の一つである。
 ここ数年来、中国農民所得成長が速く、それに伴って都市・農村所得比率も下
がりつつあり、都市農村格差は徐々に縮小へと向かいつつある。
 ILOがまとめたデータでは、2005年には、圧倒的多数の国家の都市・農村の1人
当たり所得比率は1.6よりも小さく、わずか3カ国が2を超えていたのだが、中国
はその中に入っていた。米英等の欧米諸国の都市・農村所得格差は、一般的に1.5
前後である。
 中国社会科学院都市発展・環境研究所が発表した「中国都市発展報告NO.4国民
生活特集」では、2010年までの中国の都市・農村所得格差は3.23:1で、世界で
都市・農村所得格差が最も大きい国家の一つであることが明らかになった。
〔中国経営網2011年10月20日〕
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