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新世代登場、個性的な声にどう応えるか

全国初の企業ミニブログ白書 地域に偏在

 21日、新浪微博(新浪が提供するミニブログサービス)は中国初の企業ミニブ
ログ白書を発布した。現在、既に13万社を超す企業が新浪微博を持ち、既に3割
近くの世界500強企業が新浪微博を持っている。
 新浪微博の企業ユーザーは現在、既に22業界を網羅する。2月末までに、合わ
せて13万565社が新浪微博のアカウントを保有している。飲食グルメ系の企業は5
万近くの企業アカウントをもって第1位である。
 注目に値するのは、現在既に143の世界500強企業が新浪微博を持っていること
だ。また、中国の500強企業のうち、207社に上る企業が新浪微博を持っている。
また、新浪微博アカウント保有の1060社の外国企業のうちアメリカ企業が最も多
く、すぐ後に日本が続く。
 地域分布としては、北京、上海、広東が企業ミニブログの三大地域を占めてい
る。浙江や江蘇を含むこれら5区域で、企業ミニブログ総数の50%以上を占める。
江蘇企業のミニブログ数は第4位に位置する。
 調査では、50%近いユーザーが、個性的で他社との違いをアピールする企業あ
るいはブランドのミニブログアカウントに関心を持っている。企業のミニブログ
は、新製品の情報や割引情報、ユーザー体験が最も人気を集めている。
 それに対し、中学生や教育レベルの比較的低い女性ユーザーは、ブランドのイ
メージキャラクターの情報により関心を持つ。6割の新浪微博ユーザーは、記事
情報から実際の購買行動に移したという。〔揚子晩報2012年3月22日〕

90後新入社員をどう扱うか? 上

 春樹、韓寒、かつてのハッカー満舟、パンクロッカーの李揚、彼らは中途退学
し、反逆的な性格の若者として、米タイム誌では中国の80後(1980年代生まれ)
の代表とされ、そして、米国で有名なビート・ジェネレーションやヒッピー文化
と同列に論じられるのだから、今なお80後の一人っ子がもたらした衝撃を完全に
消化されてはいないのだ。
 しかし、好むと好まざるとを問わず、2012年になり、静かに成長した90後
(1990年代生まれ)も、第一陣の90後大学生が卒業を迎え、社会に進出する。
 2012年は90後の社会進出元年である。このことは、90後が間もなく企業の一員
になることを意味しているし、企業の重要なユーザー、顧客の立場にもなるとい
うことだ。したがって、いずれの企業も90後を避けては通れない。
 70後、80後とは異なり、90後はそれ自身の特質を持っている。90後はネットを
駆使し、何か新しいものをつくり出せる意欲がある。しかし、同時にまた行動が
未熟で要求が多く、安定性に欠けている。
 それでも、労働者不足に陥っている珠江デルタ企業はやはり彼らに期待の目を
向けている。いかにして90後を採用し、管理するかということも、多くの企業で
解決がまたれる話題である。
〈90後の行動様式をあなたは読み取れるか〉
 「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」、企業と従業員は戦争相手ではな
く、利益共同体の両端にある存在だから、企業が90後をうまく管理するのには、
まず「彼の世代」をよくよくわかっておくべきだろう。
 では、90後にはどんな特徴があるのだろうか。
 ある研究コンサルティング組織が直近で行った90後文化調査報告では、90後に
は以下のような特徴がある。
1) 大人びている
 簡単に言えば、お子様のような大人だが、かわいい表情と言葉遣いとは裏腹に、
一事で万事を見通し、社会のルールと自身にとっての利益を理解してチャンスを
狙っている。見た目にはぼうっとしているお子様だが、実はそれはあなたが間違
っているのだ。
2) 緩やかなグル―プ主義(松圏主義)
 90後には70後のような団体意識や80後のような唯我独尊はなく、好むのはグル
ープの中で仲間がいるという帰属感だ。
 90後は共通のコミュニケーション基盤を持つ集まりではあるが、これは90後が
組織生活を好むという意味ではない。90後はグループ内の発言権を握りたいので
あって、喜んで組織の言うことに耳を傾けるということはしない。
 90後は多元的やりとり可能な社会的なネットワークを望むが、それとともに、
グループ内での他者との差別化や選択の自由の維持をも望む。90後は自己がグル
ープ内でスポットライトが当たることを望むが、みんなの中で変わった存在であ
ることは望まない。
3) バンジージャンプのように飛び込んで自己を探す
 90後は、極端で、新しくて、奇抜な体験の中で、自身で価値判断を決めたいと
願っていて、90後はこのような体験は自分にしかないことだと見ている。
〈90後登場で企業には試練も〉
 90後の従業員について、記者は幾つかの企業を取材した。
 「とても積極的で自発的、喜んで新しい仕事をし、これまでの人々と違い、自
分の考えを提供する意欲がある」という企業もあったし、あるIT企業では、「90
後は各種の新規のオフィシャルではない組織を素早く立ち上げる。活発なサロニ
ズム、自発性を持っている」という意見もあった。
 一方、不満を持つ企業の管理者もいた。「90後は、自分はもう大人だとして、
年長者として指導しようとする管理者に特に反感を持つ。90後は誰も自分に注意
する資格はないと思っている」。
 このはっきりとした個性と新進気鋭の価値観を持つ「お子様」に対し、90後は
もしかしたら企業に元気を与え、希望にあふれた従業員かもしれないが、従来の
考え方を覆し、既存の管理方式にショックを与え、多くの企業にとり困惑、怒り、
試練を感じさせる存在かもしれない。
 その90後第1陣の社会進出は、企業の人事においていまだかつてない新しい段
階を迎えることになる。人材会社の社長から企業の高級管理職まで、すべてがこ
のような、企業の一員となり、革新能力が強い、そして価値観と世界観が多様化
している、自己中心の90後に直面するのだ。
 このため、企業は研修制度から企業文化づくりまで、できるだけ早く準備をす
べきである。
 専門家は、企業は90後の募集と管理で直面する5つの試練を指摘する。
1) 自己中心的性格と多様な価値観
 90後は、自己の存在意義をより全面に出し、自分の個性を出すことを一番に求
めてくる。しかも、70後、80後に比べて、90後の価値観はさらに多様化している。
彼らの性格と価値観を見分けて、募集、採用することは、企業が直面する大きな
課題である。
2) ストレスのある仕事を避ける
 90後が望む最初の仕事は、安心感があり、一つの光明のようなキャリアアップ
の道があるものである。90後はどんなストレスも望まないし、どんな仕事でもや
りやすいもの、リスクはないものを望む。ストレスに耐える能力や臨機応変能力
は明らかに足りない。
3) 仕事の達成感
 90後はメンツを重んじて、人よりおくれることを望まず、ほかの人に負けたく
ない。仕事では人に認められたい、尊重されたいと考える。
4) 安定しない仕事への心構え
 70後、80後が朝9時から夕5時まで、段取りを踏んで仕事を行うという作業のリ
ズムに比べ、90後は仕事の弾力性やその場その場でのフレキシブルなやり方を追
求する。
 このような安定しない仕事への態度は、現在の勤労状態のような細部のことだ
けでなく、長期的なキャリアプランに欠け、いつでも仕事を変えたいという態度
にもあらわれる。ある専門家は企業に対し、90後が頻繁に転職することは、企業
が直面する大きな課題だと注意喚起している。
5) 自己中心
 90後は、やや自己中心的で、多くの物事は自己の利益から発し、自分が中心で
ある。今日の企業の中では、団体の中での協力関係が強調され、全体利益と個人
利益とを適度にバランスさせることが強調されるが、いかにして90後を職場の現
実に順応させるかは、企業にとっての一つの試練である。
 人事の専門家の張さんは、ブームを支配され追いかける70後、ブームを選ぶ80
後に比べ、90後はブームをつくり出す傾向があると指摘する。例えば、ミニブロ
グのようなメディアの飛躍が、90後に自己を表現させ、注目を集め、流れをつく
り出すチャンスを提供している。
 しかし、ネットワークでの自己表現、注目を集める話題をつくり出すことを好
む90後に対し、企業がこうむるさまざまな情報流出、イメージダウンをいかにし
て回避するかは、それぞれの会社の人事、マーケティング等多くの部門が早期に
対応しなければならない問題である。
(一部敬称略)(次号に続く)
〔中華工商時報2012年3月23日〕
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