CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

格差の顕在化と目立つ富裕層

多数の億万富豪 不動産投資依存が鍵

 5月29日無錫で開催された「2012胡潤長江デルタ地域財産フォーラム」におい
て、胡潤研究所は「2012胡潤長江デルタ地区財産報告」を初めて発表した。
 長江デルタ地域の個人資産1000万元クラス及び1億元クラスの富豪数は中国全
体3分の1を占め、長江デルタ地域は中国で最も富裕消費者が多い。企業経営、不
動産投資、株式投資が彼らの成功の主な要因である。
 現在、長江デルタ地域の個人資産1000万元の富豪は前年比6.1%増の34.6万人に、
また個人資産1億元の富豪は前年比4.8%増の2.08万人に達し、それぞれが中国全
体の3分の1を占めている。
 長江デルタ地域の個人資産20億元以上の富豪は中国国内最多の1000人。このう
ち326名は「2011胡潤富豪ランキング」にランクインしており、その資産総額は1
兆8614億元、平均資産57億元、平均年齢は53歳である。
 長江デルタ地域において富豪を多く擁する地域は、上海に次いで杭州、蘇州、
寧波、紹興、温州、無錫。大陸出身の大富豪の87.5%、加えて多くの台湾の富豪
が長江デルタ地域を拠点としている。
 長江デルタ地域に住む10大外来富豪のうち3名が台湾の富豪であり、総資産額
のトップは旺旺グループ総裁の蔡衍明氏である。
 個人資産1000万元クラスの富豪を主に、企業経営者、不動産投資家、職業投資
家、エリートサラリーマンの4タイプに分類している。そのうち、不動産投資家
に分類される富豪を「早くからみずからの資金をもって不動産市場に投資を行い、
不動産市場の絶え間ない発展に伴い利益を得、基本的に数棟の不動産を所有して
いる者」と定義している。
 またこれと同様に、個人資産1億元の富豪を、企業経営者、不動産投資家の3タ
イプに分類し、不動産投資家を「全体に占める人数の割合は15%。不動産に対す
る投資額が総資産の65%前後であり、持家不動産が20%前後、現金及びその他の資
産が15%。200万元以上の自動車を所有している者」と解説している。
〔不動産時報2012年6月2日〕

富裕消費者 海外旅行年に2.4回

 6月4日、胡潤百富及びラグジュアリートラベルの商談会「ILTM Asia」が共同
で発表した「中国ラグジュアリートラベル市場白書」によれば、中国の富裕消費
者の海外旅行は年平均2.4回で、最も人気のある観光地はフランスである。
 富裕消費者の過去1年間の国内旅行は、中国国内の総資産額が1000万元を超え
る消費者で平均3.6回、総資産額1億元以上の消費者の平均は4.2回であり、国内
旅行の人気スポットベスト3は三亜、香港、雲南であることが明らかとなった。
 また、約64%がバカンスを過ごすための別荘を所有しており、このうち27%が三
亜、11%が香港に別荘を持っている。
 富裕消費者の海外旅行は過去1年間で平均2.4回、総資産額1億元以上の消費者
の海外旅行は平均3.4回であり、フランスが依然として最も人気が高く、僅差で
アメリカとオーストラリアが続いている。
 また、オーストラリアに別荘を構える富裕消費者が12%に達し、香港に別荘を
持つ割合を超えた。
 このほか、付加価値税(VAT)還付手続サービス(免税手続サービス)世界最
大手グローバルブルーのデータによれば、中国人観光客による消費額が2011年に
再度世界1位となった。
 中国人観光客は過去1年間、1回のショッピング当たり平均して、2010年比で82
ユーロ増、2008年比で248ユーロ増の、813ユーロを費やした。
〔京華時報2012年6月5日〕

全国初 中国家庭金融調査報告

 5月13日、中国家庭金融調査・研究センターが全国初の「中国家庭金融調査報
告」を発表した。
 この報告は、全国25省、80県、320コミュニティーの計8438家庭のサンプリン
グ調査データをもとに集計分析したもので、家庭収入、資産、負債等各方面に及
び、初めて現在の中国の家庭金融の基本状況について客観的に反映、分析したも
のである。
 中国家庭の高貯蓄率は、主に高所得家庭によりつくり出され、大量の低所得家
庭では、調査年の支出は収入と等しいか収入を上回っており、ほとんど貯金がな
い、あるいはない。
 住宅においては、中国家庭の住宅保有率は89.68%で、世界平均の60%をはるか
に上回る。
 そのほか、中国家庭の金融資産のうち、銀行の貯金、現金等の無リスク資産が
占める比率が75.68%を占め、このことは、一般家庭にとって、中国の目下の金融
製品は依然として問題点があり、投資ルートが欠乏していることを説明している。
 中国家庭金融調査・研究センターは、西南財経大学と中国人民銀行金融研究所
が共同で設立した公的な学術研究機関である。主な業務は、全国範囲で中国家庭
金融調査(CHFS)を展開し、家庭金融に関するミクロレベルの関連情報の収集を
行うことである。
 センターは、米カリフォルニア大学バークレー校経済学博士、長江学者奨励計
画の任命教授の甘犁氏がセンター主任となり、実力十分な科学研究調査団体である。
〈収入と貯蓄〉
 家庭収入平均は年5万2087元で、そのうち、都市家庭は年7万1546元、農村家庭
は2万7606元だった。
 中国家庭収入のアンバランスは非常に深刻である。収入分布90%以上に位置す
る家庭の可処分所得は、全家庭の可処分所得の56.96%を占めた。
 これらの高収入家庭の各収入の全家庭に占める割合のうち、経営収入の76.85%
は、収入分布90%以上に位置する家庭が全部を占め、アンバランスが最も深刻で
ある。
 中国家庭の総貯蓄の総収入に占める割合は19.25%で、マクロデータ計算をもと
に算出した貯蓄率より低いが、依然として高い水準にある。
 貯蓄分布で見ると、家庭貯蓄分布は極めてアンバランスである。55%の家庭に
は、ほとんど貯金がない、あるいはないが、一方、収入分布90%以上に位置する
家庭の貯蓄率は60.6%で、その貯蓄金額は年間総貯蓄の74.9%を占めている。
 したがって、中国の高貯蓄の根本原因は、広大な民衆に十分な消費の動機づけ
がないのではなく、広大な民衆に十分な収入がないからである。
 消費をふやし、貯蓄を減らす最も有効な政策は、広大な民衆の収入水準を向上
させ、収入のアンバランスを減らすことである。
〈非金融資産〉
 調査サンプルのうち、住宅保有率は89.68%だった。都市家庭では85.39%、農村
家庭では92.60%だった。世界平均が63%、米国65%、日本60%であり、中国の住宅
保有率は世界でも高い。
 都市世帯と農村世帯当たりの住宅保有数は1を超え、都市世帯は1.22、農村は
1.15だった。
 都市家庭自動車保有率は22.89%、農村家庭は11.92%だった。全体的に見て、中
国家庭の自動車保有率は16.37%だった。
 家庭保有の自動車市場シェア上位4位は国外ブランドで、フォルクスワーゲン
(7.35%)、トヨタ(5.69%)、ビュイック(4.25%)、現代(3.90%)で、その後、
長安、ホンダ、東風、五菱、奇瑞、フォードが続く。トップ10位のうち、国外ブ
ランドは6ブランドがランクインしていた。
〈金融資産〉
 中国家庭の金融資産の平均は6.38万元で、中位数は6000元である。
 都市と農村を分けて見てみると、都市家庭の金融資産の平均は11.20万元で、
中位数は1.65万元である。農村家庭では3.10万元で、中位数は3000元である。
 家庭金融資産の都市と農村の間の差異は顕著で、中位数は3.5倍に達した。平
均と中位数との間の差異からわかることは、金融資産は家庭の間の分布がアンバ
ランスであることだ。
 家庭金融資産のうち、銀行預金比率は最も高く57.75%で、現金がその次で17.93%、
株式が3番目で15.45%、ファンドが4.09%、銀行金融商品が2.43%だった。銀行の
預金、現金等の無リスク資産の占める割合が高かった。
 また、有効サンプルのうち、利益を得ている家庭は22.27%で、損益均衡の家庭
が21.82%、損失を出している家庭が56.01%だった。このように見ると、77%以上
に達する株式運用家庭では株式で利益を上げていない。これは、人々がよく言う
ところの「二八」の法則に近づいている。
 世帯主の年齢に基づき、青年、中年、高齢者に分けると、年齢と株式運用の利
益獲得には正比例の関係がある。年齢の増加に伴い、株式運用で利益を上げる割
合が増加する。
 中国家庭の各金融商品の購入率ははっきり違いがある。デリバティブと債券は
特に低く、このことと、中国デリバティブ市場と債券市場の発展のおくれとは、
現実に基本的に合致している。
 株式売買とリスク感覚は正比例の関係となっている。
〈家庭負債〉
 中国家庭金融調査のうち、負債とは、農業及び工商業、不動産、自動車、金融
投資、クレジットカード、その他の借金である。調査サンプルのうち、負債を持
つ家庭は38.22%だった。そのうち、都市家庭の負債比率は35.16%、農村家庭は
40.31%だった。
 中国家庭全体の資産負債率は4.76%で、そのうち、都市家庭が4.08%、農村家庭
が9.81%で、農村家庭の資産負債率は都市家庭の約2.5倍だった。
 農村家庭の負債の平均は都市家庭より低いが、農村家庭の負債の割合及び負債
が資産に占める割合は都市家庭より明らかに高い。したがって、農村家庭の負債
は注視する必要がある問題である。
〔新財経2012年6月7日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━