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中国のオリンピックビジネスと投資

6割を超えるオリンピック記念品が中国製 義烏に大量受注

 2012年7月12日、アメリカの共和党・民主党議員が「アメリカのアパレル業が
不況にあえぎ、多くの労働者が職を失うという絶望的な状況下において、突如と
して中国製のベレー帽、ジャケット、パンツを採用したのは間違っている」とし
て、アメリカ・オリンピック委員会に対し猛抗議した。
〈デザインと加工を分ける〉
 米国議員のこれらの行動に対し、街頭ではすぐれた政治判断であるとの認識が
されている。
 2012年ロンドン・オリンピック当局のウエブサイトの統計によると、ほぼ900
種類あるオリンピック記念品の販売・生産状況に対する調査の結果、65%に当た
る627種類の製品が中国製である。
 これにはロンドン・オリンピック公式マスコットの「ウェンロック」、ロンド
ン・パラリンピックの公式マスコット「マンデビル」、ロンドン・オリンピック
のイギリス代表マスコット「プライド・ザ・ライオン」、ロンドンの二階建てバ
ス等一連の記念品も含まれる。
 開催国イギリス製の商品はわずか9%にとどまり、残りは諸外国で生産されたも
のであった。
 各国のオリンピック選手団の発表からもわかるとおり、ユニフォームデザイン
を手がけるのは、多くの場合、それぞれの国出身の有名デザイナーである。
 例を挙げると、イギリス・オリンピック委員会はイギリスの有名デザイナーで
あるステラ・マッカートニーを、アメリカは老舗ブランドのラルフローレンをそ
れぞれ起用し、イタリアの起用したアルマーニ、プラダはいずれも生え抜きのイ
タリア・ブランドであり、ジャマイカも新鋭デザイナーのセデラ・マーニーがデ
ザインを担当している。
 しかし、オリンピックユニフォームの生産を請け負うアパレルメーカーの多く
は中国、ロシア企業である。
 ユーロ危機の影響は深刻であり、スペイン・オリンピック委員会はロシアのボ
スコスポーツ社よりユニフォーム1000着の提供を受けた。これに対し、スペイン
の世論はおおむね不満を持っているが、何も言うことはできない。
 今回、アメリカ選手団にユニフォームを提供したのは大連市の大揚集団である。
2008年のオリンピックにおいても、アメリカ選手団のユニフォームを生産していた。
 李桂蓮董事長は7月18日メディアのインタビューを受け「大揚集団の80%の製品
は国外有名ブランドの受注生産によるものであり、年間輸出量は500万着、従業
員は1万人を超え、中国アパレル業における最大輸出企業となっている」と語った。
 また、開催国イギリス選手団の選手入場用ユニフォーム及びオリンピック委員
会職員や審判員のユニフォーム計1.1万着は山東省煙台市のアパレルメーカーの
生産したものであり、チェコ、スロバキア両国の選手のユニフォームは浙江省寧
波市の企業が手がけた。
〈メードインチャイナが席巻〉
 今回のオリンピックにおいて、中国のスポーツ用品企業は多くの国々に製品を
提供した。
 匹克(PEAK)は、シンガポール、スロベニア、アルジェリア、レバノン、イラク、
ヨルダン、キプロスの計7カ国の選手団の全ての職員及び選手に対し、選手入場
用のユニフォーム、授賞式用衣装等を提供した。
 鴻星爾克(ERKE)は、イランのオリンピック委員会と協力協定を締結し、喬丹体
育はカザフスタン、トルクメニスタン、モンゴルの選手団のロンドン・オリンピ
ック受賞ユニフォームをデザインした。
 雑貨で世界に知られる浙江省義烏は、ロンドン・オリンピックの公式タオル、
リネン、装飾品、キーホルダー、衣服等多くの商品の生産を請け負った。手旗、
ハンドエアホーン、キャップ、アートグラスもまたロンドン・オリンピックの
「ゲスト」である。このほど、空気を入れて使う大型の手の形をした応援玩具12
万個がイギリスに輸出されたが、当該玩具はイギリス・オリンピック委員会によ
ってロンドン・オリンピックのライセンス商品と認定された。
 今回のオリンピックにおいて、メードインチャイナの見られないところはない
ほどである。
〈中国が製造を請け負ったロンドン・オリンピック商品〉
 商品 種類数 そのうち中国製
 タオル、リネン 7種 5種
 カップ 19種 全部(19種)
 ミニカー 11種 全部(11種)
 ピンバッチ 190種 全部(190種)
 アパレル 128種 23種
 ぬいぐるみ、マスコット 4種 全部(4種)
 バッチ、リストバンド 18種 全部(18種)
〔中国経済週刊2012年7月30日〕

中央電視台 オリンピック視聴7倍

 現在ロンドンで開催中のオリンピックは多くのテレビ視聴者を引きつけている。
 中央電視台は、チャンネル1、5、7、ニュースチャンネルにおいて、オリンピ
ックの各試合から、ニュースインタビューまでを全面的に放映し、全体的に視聴
率が上昇している。
 視聴率調査では、7月28日、29日、30日の3日間で、中央電視台は13番組の視聴
率が激増する勢いを見せ、そのうちゴールデンタイムには通常より57%上昇、昼
間の視聴率は通常より68%上昇した。
 最も急上昇したのは中央電視台のチャンネル5のオリンピック番組で、ゴール
デンタイムの視聴率は689%上昇した。
 一方、各地方局のバラエティーはどれもオリンピックによる打撃を受けている。
〔大洋網―広州日報2012年8月2日〕

オリンピックメダル数と経済力のバランス 中国は1枚当たりのコストは6億元

 ロンドン・オリンピックの競技日程が進むに従い、メダル競争も人々の注目の
的になってくる。
 一般的には、各国のオリンピックでのありようと、その経済力、人口、1人当
たり所得状況、スポーツ投資、人口数等とは、とても大きな関係があると言われ
ている。各国がしのぎを削るメダルのコストも人々の注目を浴びている。
 ある専門家は、中国のオリンピック金メダル1枚当たりのコストは6億元を超え
ると指摘する。
〈金メダル数は国家の経済力を体現している〉
▽2004年 オリンピックメダル数上位10カ国
1) アメリカ 103     6) 日本 37
2) ロシア 92      7) フランス 33
3) 中国 63       8) イタリア 32
4) オーストラリア 49  9) 韓国 30
5) ドイツ 48      10) イギリス 30
 上記のオリンピックメダル数ランキングから見ると、一国のメダル数は大体、
国家の経済力に相当する。
 指摘しておきたいポイントは、中国のGDPを為替レートで換算し、購買力平価
に基づいて計算すると、中国のGDPは世界第2位で、中国が獲得した金メダル数ラ
ンキングと一致し、メダル総数ランキングともわずか1位足りないだけだったと
いうことだ。
 中国が獲得したオリンピックの金メダル、メダル数と、中国の経済力は基本的
に一致していると言える。
〈中国金メダル1枚当たりの平均コストは6兆元以上〉
 中国は主に少年体育学校でスポーツ選手を養成するが、1人のスポーツ選手を
養成するのに約7―8年かかり、費用は国家が負担している。もし、これらの費用
を含めれば、金メダル1枚当たりの費用は相当高くて、オリンピックの準備に年
間約50億元費やしていることになる。
 1988年ソウル・オリンピック当時の体育総局の経費は約10億元で、2000年シド
ニー・オリンピック当時には50億元に膨れ上がった。アテネ・オリンピックの準
備では4年で約200億元費やし、中国は金メダル32個を獲得したので、金メダル1
枚当たりのコストは6億元を超えている。
〈古今東西のオリンピック報賞金〉
▽各国金メダル報賞金ランキング
順位 国 金メダル報賞金
1) グルジア 120万米ドル
2) アルメニア 70万ユーロ
3) アゼルバイジャン 64万ユーロ
4) シンガポール 57.5万ユーロ
5) 台湾 32.8万ユーロ
6) マレーシア 31.4万ユーロ
7) イタリア 14万ユーロ
8) ベラルーシ 12.3万ユーロ
9) 日本 10.5万ユーロ
10) ロシア 10万ユーロ
11) 中国 4.1万ユーロ(約32万人民元)
12) アメリカ 2.05万米ドル
13) ドイツ 1.5万ユーロ
14) 韓国 240ユーロ
15) イギリス 0
 オリンピック金メダルは軽くなく、各国は金メダルを獲得した選手にとても気
前がいい。
 以前、北京オリンピック金メダリストへの報賞が相次いで発表されたが、金メ
ダリストは金銭以外でも、多種多様で意外でうれしいものを獲得している。
 マレーシアでは金メダルを金の延べ棒に交換、ベラルーシでは一生分のウイン
ナー配給、ドイツではビール飲み放題などだ。
〈オリンピック開催都市の支出と収入〉
 北京オリンピック組織委員会の蒋効愚執行副主席は、調整を経て、北京オリン
ピック組織委員会の決算は、総収入は195.4億元、総支出は194.1億元、利益が
1.3億元だったと披露した。
 1984年のロサンゼルスオリンピックから2008年の北京オリンピックまでで、オ
リンピック開催都市の不動産価格はあまねく影響を受けている。
 1988年のソウルオリンピックの後、ソウルの不動産市場は高騰し、1995年まで
継続した。1996年のアトランタでは、不動産に商業不動産と近郊住宅という2つ
の新しい概念をもたらした。オリンピック公園周辺の不動産高騰はどこも30%を
超えた。2000年のシドニーオリンピックでシドニーの不動産価格は倍になった。
〔和訊網2012年8月1日〕
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