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電子マガジン・中国最新情報
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日中経済往来の展望と発想の転換

日本制裁はもろ刃のやいばか共倒れ

 「政府は安易に経済制裁を発動せず、市場の作用によって貿易と投資に対する
効果を引き出すことだ」日本と中国の経済関係に動向について、中国商務部国際
貿易経済合作研究院外資研究部の馬宇主任はこのように言及した。
 9月から、日本の尖閣列島国有化に端を発した事件が激化し、日中経済関係は
大きな波にさらされている。
 日本経済新聞の報道によると、日本の対中投資や生産活動は既に鈍化している。
2012年7―9月、日本経済の中国企業に対する買収件数は4―6月比75%減で、買収
額も約70%減となった。中国自動車工業協会が10日に発表したデータによると、9
月、日系ブランドの乗用車の中国販売台数は前年同期比40.8%減となった。
 目下の日中経済の波は先行きを複雑、不透明にさせ、今後の両国がとるべき行
動が世界の関心の的となっている。
 「市場の作用で効果を引き出すべきで、日系資本の基本政策についてはこれま
でと同じにすべきだ」馬宇主任は強調する。
 馬宇主任は、中国は2つの基本原則を堅持し、日中経済、貿易関係に対処すべ
きだとしている。
 一つは、政府は既存の規則、すなわち、国際規則、条約義務、中国の法律、政
策の範囲内で日中経済のやりとりを処理するべきである。このことは、日中両国
に関連するだけではなく、中国の対外的な経済、政治のやりとりの国際環境全体
に影響があり、事は重大だと指摘する。
 「二つ目に、中国が市場の作用を引き出せば日本政府は「仕事」をすることに
なる」馬宇主任はこのことについて解説を加えた。もし日中関係が緊張し続け、
日本の多国籍企業の対中投資コストが上昇すれば、競争力低下が経営に及ぶこと
になって、日系企業は自発的に日本政府に訴えるはずである。
 現地化は対外投資の成否にとって重要である。現地化とは、多国籍企業と現地
の政府、社区、消費者、労働者といった多層的な関係を含んでいる。もし、国民
感情が傷つけられれば、消費者の選択に必ず影響が及び、多国籍企業が現地政府、
社区関係に対処するコストも余分にふえるはずである。
 事実上、市場の作用を引き出すことは、中国が相手政府の支援に影響を与える
だけでなく、「柔を持って剛を制す」ようなみずからを守る道なのである。
 馬宇主任は、「政府が行う制裁はもろ刃のやいばであり、相手も傷つけるが自
分も傷つく」しかし、市場の作用は共倒れの被害を回避できる。なぜなら、中国
企業は市場が代替する作用を自分で探せるからだ。
 市場の作用との調和を通じて、企業が日中関係の不安定に気づき、日本のリス
ク度合いの上昇によって日本製品や技術のサービスや譲渡の隠れたリスクがふえ
れば、企業は自発的に代替作用を探し、おのずと経済のやりとりが代替者に移転
することになる。
 馬宇主任は、話すときに「金が物を言う」という言葉を用いていた。
 日本メディアは、日中関係が持続的に悪化し、一部の日系企業には脱中国化の
現象が加速している、すなわち、投資生産拠点を東南アジア等その他の国・地域
へ移転し始めていると報じた。
 これに対し、馬宇主任は、日本は一部の労働集約型投資を東南アジアに移転す
るかもしれないが、これでは中国市場を完全に代替することはできない。中国市
場の広範さ、インフラの成熟度、人的資源の豊富さ、さらに一つの重要な原因は、
日本の対中投資が多くのサプライチェーンに及んでおり、大規模な移転などでき
ないからだとしている。
 目下、日系企業は既に中国に中核部品を輸出し、中国で最終製品を組み立て、
再輸出するという逆輸出の生産体制を構築して、中国を中心とする外需で内需不
足を補う経済回復モデルをつくっている。
 日本のサプライチェーンに以上のような特徴があることをもとにして、中国商
務部国際貿易経済合作研究院の金柏松研究員は、日系資本の東南アジア移転は、
中国経済に打撃を与えないだけでなく、かえって人民元高圧力を緩和すると分析
している。
 金柏松研究員によると、日本は対中投資がつくり出す流れは一般的に3つあり、
中国の現地での販売、日本への逆輸入、欧米等第三国への販売である。欧米の貿
易データでは、一部の製品は中国の対米輸出に統計算入されているが、生産と販
売の圧倒的多数の利潤は日本の親会社に流れることになっている。
 金柏松研究員は、もし日本が「迂回」貿易の性質を持つ投資を中国から移転す
れば、中国の貿易黒字がもたらす人民元高圧力は大いに緩和され、中国のその他
の産業と中国の自前の資本が日系企業の空きを埋めるのは難しくないとしている。
〔中国新聞網2012年10月11日〕

蒙牛の広告に誤り 中国企業は文化面でしくじるな

 中国乳製品企業の王者、蒙牛が近ごろ、全く新しいブランド広告を発表したが、
英文広告コピーに明らかな間違いがあった。
 米「僑報」紙の11日付の中国時事評論によると、近年来、中国企業が急速に発
展し、急ピッチで海外進出を果たし「大量の金を払う」ケースは少なくないが、
必ずしも思いどおりの効果が出ているわけではないという。
 その原因を探ると、大半は文化上の失敗をしているのだ。ここで指す文化とは、
一つの簡単な広告コピーかもしれないが、より多く考えられるのが管理理念である。
 ピックアップされた文章は以下のとおり。
 近年、少なからぬ中国企業が海外拡張のペースを速めている。中国乳製品企業
の王者、蒙牛は近日全く新しいブランド広告と商品パッケージを発表した。これ
は、この企業の13年来で初めてのイメージリニューアルだ。また「ただささやか
な幸せのために」という全く新しい広告を打ち出し、英文広告は「little happiness
matters」とのコピーだった。
 しかし、注意深い大衆は、蒙牛の英文広告コピーに明らかな間違いがあること
を発見した。「little happiness matters」は「ほとんど幸せでないことが重
要」という意味で、これは蒙牛が表現したい内容と完全に矛盾している。
 30以上の国内外の専門家が蒙牛の英文広告コピーは誤りであると認識している
が、蒙牛は間違いを認めようとしない。蒙牛は間違っていない、蒙牛は自分たち
の幸せに全く関心がないとやゆするネットユーザーもいる。
 ネットユーザーが批判する背景には、中国の乳業が近年たび重なる品質危機に
見舞われていることがある。
 蒙牛についていえば、近ごろは、発がん性物質が基準値を140%超えて検出され
たり、西安では消費者がヨーグルトを飲食中に金属異物を発見したり、また広東
省工商総局がアイスクリームに基準値を超える微生物を検出したり、続けざまに
起きている。
 蒙牛は海外進出を発表していないが、今回、目立つように英文広告を打ち出し、
まるで国際化戦略を進める準備のようにもとれる。
 「ささやかな幸せ」を誤って「幸せでない」と記載する蒙牛の管理者は、この
ような外国人から明らかに誤りだとみなされる英語広告が企業の国際イメージに
どのような負の影響があるのか考えたことがあるのだろうか。
 海外進出する中国企業の中で、同様の問題は蒙牛だけではない。近年来、中国
企業は急ピッチで海外進出を果たし、工場建設に投資し、多国籍の合併買収を行
う。その中に、少なからぬ「大量の支払い」がある。しかし、中国企業の海外拡
張は必ずしも思いどおりの効果を出しているわけではない。
 その原因を探ると、大半は文化上の失敗をしているのだ。ここで指す文化とは、
一つの簡単な広告コピーかもしれないが、より多く考えられるのが管理理念である。
 ここ数年、欧米経済は非常に不安定な情勢で、中国企業は次々に海外に出て底
値買いを行う。ニューヨークで最もにぎやかなタイムズ・スクエアで中国企業の
看板をよく見かける。中国企業は大金を投じて広告を出すことを惜しまない。
 スターがイメージキャラクターを務め、派手な営業活動を行うが、英語一語の
広告コピーが書けなくては欧米企業の品質に対する真剣な態度を学ぶことはでき
ず、ひどく惜しまれることだ。文化が重要でないということはない。
 文化はあってもなくてもいいというわけではなく、それが企業の発展の道を遠
くまで歩めるかを左右するものである。
〔中国新聞網2012年10月12日〕

中国企業はコストの優位性以外の競争力を確立しなければならない

 「中国経済の超高度成長段階は既に一段落し、中国企業が過去に享受していた
従来型の優位性も試練に直面している。中国のグローバル・チャレンジャーに言
わせれば、合併買収能力を強化し、コスト主導以外の競争力を確立しなければな
らない」
 先日開催された夏季ダボス会議期間中、ボストンコンサルティンググループ
(BCG)は、最新のグローバル・チャレンジャー中国50社に関する調査研究報告
を発表した。
 原稿執筆者の一人で、BCGの古くからのパートナーのデビッド・マイケル氏は、
今回選んだ中国のグローバル・チャレンジャーは、年間売上高の規模が約1.8億
米ドルから約3000億米ドルであるとしている。
 これらの企業のうち、半数近くが私営企業で、その他26社は国有企業である。
半分以上の収入が海外からきているのが13社である。
 2001年から2011年まで、中国のグローバル・チャレンジャーの年間販売の成長
は平均20%に達したが、スタンダード&プアーズ500指数はたった9%を占めるのみ
である。2000年以来、これら企業の業績状況はスタンダード&プアーズ500指数の
8倍以上で、MSCI新興市場の指数とMSCIの中国指数を大きく上回った。
 報告では、中国経済の超高度成長段階は既に一段落したとしている。
 2012年、中国の実質GDP増加は8%余りで、1991年以来、最低の成長幅となった。
労働力やその他投入するコストが次第に上昇するに従い、中国の費用の優位性は
日増しに衰退している。2012年から2016年まで、製造業の労働力費用は毎年少な
くとも10%のスピードで上昇すると予想され、この増加スピードは多くの先進国
の5倍、タイ、ベトナムなど発展途上市場の2倍になっている。
 そのほか、中国のチャレンジャーが得た一時的な成功に対し、グローバル企業
は予防措置を講じ始めている。
 デビッド・マイケル氏は、しかし、2011年の初めから、中国のグローバル・チ
ャレンジャーの株式市場の投資回収率は急激に変化し、収益力は巨大な圧力に直
面していると表明する。
 報告では、2011年、チャレンジャーの利潤率は11%、世界の有名企業の利潤率
は18%で、チャレンジャーの株式市場のパフォーマンスに下向きの圧力が起きて
いると指摘している。
 「これは中国企業が措置を講じて、過去に享受していた従来の優位性を越えな
ければならないことを示している。これら従来型の優位性は、規模が巨大な国内
市場、競争力のあるコストの優位性、強力な国家の支持などを含むが、現在、こ
れらの優位性は皆一定の試練に直面している」
 「多くの中国企業は既に買収合併を通じてコスト主導以外の競争力を確立する
とともに、その他、企業発展をグローバル化させる措置を講じ始めた」原稿執筆
者の一人、BCGの古くからのパートナーの耐迪賢氏は次のように表明している。
 華為、レノボのような中国のグローバル・チャレンジャーの一部がグローバル
市場で得た成功については既に誰もが知っているが、その他多くのチャレンジャ
ーの業績を知る人はまれである。
 例えば、邁瑞公司は、世界をリードする医療監視制御設備のサプライヤーで、
華大基因は、世界のハイエンドDNAシークエンシング機器市場の3分の1の検査能
力を備えている。世界の大型栄養補助食品企業の天獅集団は、アジア、アフリカ、
東欧など約70カ国に支社を設立し、2007年から毎年12%のスピードで増加し、2011
年には45億ドルにまで達している。三一集団有限公司と中聯重科株式有限公司は、
世界第6位と第7位の建築設備製造メーカーに発展した。そのほか、設備製造メー
カーの中国中材集団有限公司は、発展途上国のセメント生産能力支援によって、
現在、既に世界のセメント設備市場の40%のシェアを占めている。
 これらの企業の成功経験から、コストの優位性のほか、研究開発、製品の製造、
販売とブランド化の分野での企業の競争力がさらに重要で、同時に生産効率を高
め、グローバルに組織、管理、整備する政策を策定しなければならないことを示
している。〔中国経済導報2012年9月13日〕
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