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中国新時代の幸福感と不安

10年の変化「御飯食べた?」から「幸せ?」

 第16回全国代表大会以来、これまでにないチャンスと挑戦、複雑多岐にわたる
国内外の情勢に直面し、胡錦濤総書記と党中央は、小平理論と3つの代表とい
う重要思想をもとに指導してきた。科学発展観を深化、実行させ、全党、全国各
民族人民の努力を結束指導し、常に向上心を持ち、中国の特色ある社会主義事業
は盛んに躍動するに至った。この10年間、中国は小康社会の全面建設という新た
な長いプロセスに向かい、改革と発展の安定、党と国と軍、内政外交国防の統治、
各種業務で新しい進展を持続させ、国力、経済力、国際影響力は著しく向上した。
(11月6日新華社)
 2002年11月に開催された第16回全国代表大会から、今次の第18回全国代表大会
まで、10年間の庶民の生活には大きな変化があった。
 過去、中国人が人に会ったときに真っ先に発する言葉は「御飯食べた?」で、
食は何よりも重要なものだった。物質が不足している中国人にとり、食べること
が最優先、当時の中国は人々が物質的欲求を満たす段階にあった。経済が発展す
るにつれ、中国人は物質的な富を極大化した上で、精神的な満足を追求し始めた。
 今年10月、中央テレビの「新聞聯播」で、「末端庶民の心の声、幸福とは何だ
ろう」という特別番組が放映された。記者が全国各地、各業界の労働者に取材を
行い、「あなたは幸せですか?」と問うた。「幸せ?」は流行語となり、現在、
多くの人たちは挨拶を「御飯食べた?」から「幸せ?」に変えている。この種の
変化は見たところ単純だが、その背後にはどのような社会的な現実があるのだろ
うか。
 幸せとは何かについて、スタンダールは著書「チョウの夢」の中で「幸せとは
ただ一種の状態である」、幸せは精神面での追求であり、具体的な判断基準はな
いが、具体的な量的基準はあるとした。長きにわたってGDPは物質時代の幸福の
主要判断基準となった。「お金があるのは幸せで、ないのは不幸せ」幸せは極端
に物質化されたのだ。
 では、何が足りなくて、何を求めるのか。経済発展は我々の物質追求を満たし
たが、なぜ人はやっぱり不幸せだと感じるのだろうか。幸福感が物質量と反比例
する人さえ多くいる。物質が豊かになればなるほど、精神的にますます空虚にな
るのだ。体が健康ではなく、離婚率が高くなるといったことは我々の幸福感に影
響を与え、幸せとGDP成長とが反比例している。
 小平は改革開放当初、「片手に物質文明、もう片手に精神文明、両手をつか
み、両手を重視する」として、物質的な富の成長が一定成果を得たときに、精神
文明な追求もまた人々には必要だとしている。
 喜ばしいことに、党と政府は一貫して精神文明を建設する重要性をはっきりと
認識しており、何度もこの問題について重要部署を立ち上げ、各種ルート、各種
方式で、社会に精神文明を呼びかけてきた。特に、胡錦濤が提唱した「八栄八
恥」は、我々に生々しい現実的な判断基準を提供した。
 中国共産党第18回全国代表大会が開催され、全国の人々は首を長くして待ち望
んでいるが、党と政府がGDP成長を推進するとともに、実情に合致した措置を引
き続き講じ、精神文明建設強化、公平と正義の促進、社会の調和のとれた発展を
推進し、人々が経済の高度成長の中から幸福感を向上させることを望みたい。
〔中国経済網2012年11月6日〕

6割が幸福 賃金アップが幸福感の向上に最も有効

 中国の政治経済関連月刊誌「小康」と清華大学メディア調査研究室が2日に共
同で発表した「2011―2012中国幸福小康指数」の調査によると、中国国民の幸福
感に最も影響する要素は所得であり、健康と婚姻がこれに次いだ。「所得レベル
の向上」が中国国民の幸福感を向上させるのに最も有効な手段であった。
 中国幸福小康指数は、主に心身、家庭生活、社会関係、生活の質、社会環境の
5分野の満足度を評価している。
 調査対象の60.6%が自身を「幸福である」と回答しており(2011年を0.4ポイン
ト上回る)、わずか13.3%が「2011年ほど幸福ではない」とした。
 賃金、年金、食品の安全性の向上が、中国国民の幸福感を上昇させる最も有効
な手段である。社会治安、交通条件等分野に対する満足度評価が全体的に高い地
域の住民ほど幸福感指数は高く、逆もまたしかりであった。このことから、幸福
指数と生活は密接に関係があることが明らかとなった。
 人力資源・社会保障部労働工資研究所がこのほど発表した2011年「中国薪酬発
展報告」によると、一部業種では賃金が急激に上昇しており、企業高官と農民工
間の賃金所得格差が最大4553倍となったほか、企業内部においてほぼ5年間にわ
たり高官の賃金の伸びが明らかに一般職員を上回り、所得格差は縮小するどころ
か拡大し、社会の所得分配の不公平を生み出している。
 全国総工会(全国労働組合)の2010年の調査によると、2割の労働者の賃金は5
年間上昇していない。
 北京師範大学心理学院の張西超副教授の分析によると、一般的な状況下におい
て、人は衣食が足りていさえすれば、金銭的なものは幸福感に余り影響しない。
中国国外の多くの研究が、大金持ちの幸福指数は貧しい人に比べわずかに高いも
のの決して高い値ではないとしていることからも、収入が必ずしも幸福感に影響
を与える最も重要な要素ではないということは明らかである。
 北京大学社会学科の陸傑華教授は「所得・資源分配の不公平、貧富格差の拡大
が不幸を招く主な原因である」とし、幸福感を上昇させる最も重要な前提は所得
と分配の不公平を是正することであり「科学発展観における社会発展は、ただ経
済成長にのみ目を向けるのではなく、実情に即し人間本位のレベルに立ち返り、
民生問題に注目し、国民感情に配慮する。幸福、尊厳、このような心理感覚が既
に社会発展の重要な評価基準となっている。」と語った。
 世論調査機関ギャラップの公開した世界幸福感調査リポートによれば、世界の
17カ国で過半数の国民が幸福であると感じており、このうちデンマーク人の幸福
感の値が最も高く、74%の国民が幸福であるとしている。
 また、当該調査における、中国の自身が幸福であるとした値は18%と、アラブ
首長国連邦、オマーン、韓国、タイ、シンガポール、日本、マレーシア等アジア
諸国の値を下回った。〔燕趙都市報2012年11月3日〕

雇用見通しや雇用保障に対する不安が上昇

 世界消費者調査機構ニールセン・カンパニーが11月第2週に公表した3500名の
消費者を対象とした調査によると、中国の消費者は、2012年第3四半期が1年間で
最も職業的見通し及び収入が低迷し、この時期に職業選択及び雇用安定への不安
が最も高まったと見ている。
 雇用見通しに不確定性があるものの、中国の消費者の支出意欲はわずかに上昇
した。これはインフレ圧力の緩和、都市住民の可処分所得の2桁上昇、政府の景
気刺激策の相乗効果によるものである。
 ニールセン消費者信頼指数は、雇用に対する期待、収入に対する期待、消費意
欲の3指標が中核となっている。
 中国全体では、昨年同様、2012年は2四半期連続で雇用見通しは楽観的とは見
ておらず、収入に対する期待も年間で最も低かった。しかし、消費意欲はわずか
に持ち直し、2012年第1四半期のレベルに達した。
 しかし、個人の雇用見通し及び全体的な雇用保障に対する不安は急増しており、
前年同期比で前者は5ポイント、後者は3ポイント上昇した。日増しに募る雇用へ
の不安は、中国経済成長が最も低迷した2009年初頭のものと一致している。
〔和訊網2012年11月7日〕
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