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モニタリング強化 中国大気状況の可視化

PM2.5モニタリングエコノミー 80%以上は国外製品 上

 「世界で一番遠いものは何?」13日夜、中央電視台の郎永淳キャスターがある
メディア交流会の席上で質問を投げかけ、自分で答えた。「王府井を歩いている
ときに、人と手をつないでいるのに、見えない相手の顔!北京のスモッグが大変
濃いからですよ」
 14日現在、北京では3日間連続大気品質が6級の汚染で、大部分の地域の大気品
質指数AQIは極限値の500に達した。12日には、北京のPM2.5指数は「パンク」
(メーターが振り切れる以上になる状態)した。
 連日、上海、広東等の省を含む多くの地域で持続的にスモッグがあらわれ、PM
2.5という言葉が再注目されている。
 スモッグをつくり出す元凶の一つ、PM2.5とは、英語の短縮と数字との組み合
わせで、PMとはParticulate Matter、すなわち微小粒子状物質で、2.5とは大気
中の直径2.5ミクロン以下ということである。
 髪の毛の太さの20分の1ほどのPM2.5が、少なくとも20億元のモニタリング設備
市場を牽引している。スモッグの中を進む車両と同じように、中国国内の多くの
大気品質モニタリング設備企業も、このライバルが少ないブルーオーシャンに入
り始めていて、脱輸入化という波しぶきとしてあらわれてきている。
〈モニタリングの「浄化」〉
 中国の中東部地域は、13日も引き続きスモッグの中だ。新華社の報道によれば、
東北、華北、中部ないし黄淮、江南地域では、大規模な範囲で重度及び深刻な大
気汚染があらわれた。
 14日午後、「第一財経日報」記者は蘇州から北京まで高速鉄道に乗ったが、済
南駅からはすぐに濃いスモッグの中に入った。これより前には、窓の外はまだ明
るい日差しが照っていた。
 実際、深いスモッグが10日夜から北京を覆い、13日午前、北京市気象台は北京
気象史上初めてのスモッグ警報(オレンジ)を発表、「13日昼間、北京平野部で
は視界が2000メートル以下のスモッグが見られ、大気汚染が予想される」とした。
 珠海デルタでも同様にPM2.5が大規模な範囲で基準を超えてあらわれた。広東
省環境モニタリングセンターによると、12日18時までで、珠江デルタ62カ所の大
気品質観測点のうち全観測点の79%に当たる49カ所でPM2.5が基準を上回った。
 上海市大気品質リアルタイム発表システムが提供するデータによると、13日20
時現在、PM2.5の24時間平均濃度は1立方メートル当たり65.7マイクログラムであ
った。
 肺の中に入り込むほど細かいこの種の汚染物について、環境保護部門のモニタ
リングや発表技術が向上し、公衆の知る権利を満たしている。
 2011年末から、幾つかの地域のスモッグ頻発、このことから派生した民間での
大気モニタリングが世論の熱い関心を集めた。当時、環境部門が発表していた大
気品質報告の中にはPM2.5は含まれていなかった。環境保護部科技標準司の責任
者は以前、PM2.5を強制的な汚染物質モニタリング範囲に含めることが、スモッ
グ等環境管理のニーズを解決するとしていた。
 2012年2月29日、環境保護部と質検総局が新たに修正改訂を行った「環境大気
品質標準」が発表され、初めてPM2.5が通常の大気品質評価標準に入った。この
標準で増設されたPM2.5濃度限界値において、24時間の平均濃度は1平方メートル
当たり75マイクログラム、年間平均限界値は1平方メートル当たり35マイクログ
ラムである。
 同済大学の環境・持続可能な発展学院弁公室の蒋大和主任は、国内でPM2.5が
発表されて以来、ずっと北京、上海等都市の日報データに関心を持っていて、
「幾つかの法則性に気づいた」という。
 公開資料によれば、北京の大気中のPM2.5の22%は自動車等の排気ガスで、17%
が発電、ボイラー排熱といった石炭燃焼、16%がほこり、粉じんである。蒋大和
主任は、石炭燃焼の影響は自動車の排気ガスと比べられるほどのものだという。
 南方の幾つかの都市では、発電所の脱硫が比較的よく、集中暖房の問題もない。
一方、北方の幾つかの省では、炭鉱、製鉄所、火力発電所が比較的多い上に、冬
季の暖房供給で大気汚染がさらに深刻になる。
 「環境大気品質標準」実施の第一歩は、北京・天津・河北、長江デルタ、珠江
デルタ等重点地域が率先してPM2.5モニタリングを展開することである。
 今年1月1日から、これらの地域、各大直轄市、省会都市等計74都市では、定時
でのスクロール式の速報により、現地のPM2.5モニタリングデータ発表を始めた。
上海を例にとると、大気品質リアルタイム発表システムで毎時ごとにPM2.5のデ
ータを更新している。
 現在、環境保護部の認定を経た上海市大気品質観測点(国管轄)は10カ所である。
 上海市環境モニタリングセンターのエンジニアの伏晴艶氏は、モニタリングか
ら発表までのプロセスを紹介してくれた。
 それによると、それぞれの観測点で自動測定機が24時間サンプルデータをネッ
トワークで上海市環境モニタリングセンターに転送し、システムがノイズを修復
した後、さらに、データをチェックするスタッフが毎日定期的な時間にチェック
を行い、チェック後のデータで日報データを作成し、最終的に都市大気品質の全
体評価に用いる。
 採取したデータは、チェックを経た後、観測点ごと及び上海市全体の平均値が
つくられる。国家基準に基づいて、システムは最終的にモニタリングデータを大
気品質指数(AQI)に転換し、各メディアに発表する。
 「評価システムは非常に複雑で、毎回のデータごとに計算しなければいけない。
それぞれの種類の汚染物質について、濃度値を1時間当たりのAQI値に転換するの
に、それぞれ異なる計算式を使っている」
 それぞれ異なる汚染物質の濃度をAQIに転換することは、公衆に大気の品質状
況を直観的に知ってもらうためである。大気品質状況を評価する数字として、中
国AQI指数の評価標準は国際的に合致したもので、優(緑)、良(黄)、軽度汚
染(オレンジ)、中度汚染(赤)、重度汚染(紫)、深刻な汚染(えんじ)など
6種類の評価の分類とそれをあらわす色がある。AQIの数値が大きければ大きいほ
ど色は濃くなり、大気汚染状況が深刻であることを示す。
(次号に続く)
〔第一財経日報2013年1月14日〕

杭州PM2.5観測地点の6割で重度汚染 軽度汚染は常態化 上

 13日、中国環境モニタリングセンター(中国環境監測総站)ウエブサイトが発
表した重点都市大気品質日報では、汚染が最も深刻な上位10都市は、石家荘(河
北)500、邯鄲(河北)500、保定(河北)500、北京498、長春(吉林)375、唐
山(河北)295、瀋陽(遼寧)179、西安(陝西)240、成都(四川)232、鄭州
(河南)226だった。
 この指数で300以上になると重度汚染に属するが、このランキングはAPIをもと
にしており、この大気指数にはPM2.5やオゾンが含まれていないことに注意を要
する。
 現在、中国の74都市では、新基準の大気品質モニタリングAQIが実施されてい
る。AQIはAPIに比べ評価指標が6項目増加している。6項目とは、二酸化硫黄、二
酸化窒素、PM10、PM2.5、一酸化炭素、オゾンである。
 新指標は大気の実体をさらに反映したものになっているが、ますますシビアに
なっている。杭州は13日、APIでは汚染が最も深刻な上位10都市に当たらない。
しかし、杭州市環境保護局オフィシャルサイトのリアルタイム監視では、AQIに
基づき、杭州市区の大部分のエリアは重度汚染となった。
 このスモッグは一体どこから来て、いつになればなくなるのか、これが多くの
人が聞きたい問題である。
〈北京でスモッグ警報(オレンジ)発表 気象予報史上初〉
 北京市気象台は13日、気象予報史上初のスモッグ警報の最高レベルに当たるオ
レンジ警報を発表した。
 平野部では、微小粒子状物質を原因とするスモッグがあらわれ、視界2000メー
トル以下となり、濃霧の厚さは1―3キロメートルに達すると予想されている。つ
まり、北京が厚い汚れた空気に覆われて、料金所から10メートル離れた車のライ
トが見えないということである。
 北京では、定陵、八達嶺、密雲ダムのほか、そのほかの地域の大気品質指数は
そろって極大値500に達し、最高等級である深刻な汚染(6級)であった。
 北京でも、極めて深刻な汚染日に緊急措置を始めた。企業54社に排出削減30%、
工事現場28カ所に土砂運搬停止、北京現代の操業1日停止、党と政府機関の率先
した公用車30%停止、基準値を超える車両140車余の取り締まりを実施した。
 スモッグで覆われたのは北京だけではない。1月12日夜―13日昼間には、天津
でモニタリングされた環境中の大気品質は1月1日以来最悪の状況で、1月13日10
時59分、北京市中心の観測点数カ所の大気品質等級は「深刻な汚染」となった。
 江蘇省環境保護庁大気品質日報によれば、1月5日から連続8日間、南京全地域
で中重度汚染の等級となった。1月12日、南京では人工降雨によって汚染を緩和
するつもりだったが、気象条件が合わず、人工降雨は失敗した。
 南京環境保護局の韋昌明局長は、汚染が深刻過ぎる上に、南京でここ数日はず
っと風が静かで、汚染物質は地面の上にとどまっている、密閉した部屋で3人で
たばこを吸っていたのが、現在は5人にふえたかのようだと語った。
 13日、湖南省気象台は3回連続スモッグ警報を引き上げ、黄からオレンジ、そ
して赤とした。
 長沙市では朝にもスモッグが立ち込め、特に湘江沿いの道路のスモッグは大変
濃く、視界50メートルに満たず、路上の車両は基本的にフォグランプをつけてゆ
っくり走行している。
 北京の首都空港のほか、石家荘(河北)、長沙(湖南)、昆明(雲南)、杭州
(浙江)、南京(江蘇)、長春(吉林)、ハルビン(黒龍江)、邯鄲(河北)、
綿陽(四川)、南充(四川)、興義(貴州)、常州(江蘇)、南通(江蘇)等の
空港でもスモッグの影響を受けた。
 そのうち、長沙、昆明の空港では、一時視界が100メートル前後にまでなり、
飛行機の運航に深刻な影響を与えた。
 広西チワン族自治区桂林市全州県の衡昆高速道路の桂湘料金所付近でも、スモ
ッグによる20台が絡む玉突き事故が発生し、1人が死亡、15人が負傷している。
 中央気象台の予想によれば、今後3―5日間、中国では大気の動きが弱く、中東
部地域では依然としてスモッグが多発するとしている。1月16日、北京では3、4
等級の北風が吹く可能性があり、スモッグが流れ、大気が改善することが見込ま
れる。
〈杭州市区では重度汚染多く 午前中の最低視界は500メートル未満〉
 北京からはるか離れた杭州でも、スモッグから免れることはできなかった。
 13日7時39分、杭州市気象台はスモッグ警報(黄)を発した。市区における最
低視界は500メートル未満。
 午後3時ごろ、258メートルの高さがある銭江新城の浙江財富金融センタービル
の最上階の窓際に立つと、目前は見渡す限り真っ白で、隣の20メートル離れたも
う1棟の高層ビル以外は、ビルのてっぺんの形がかすかに見られるだけで、あと
はほとんど何も見えなかった。
 杭州の10カ所のPM2.5観測点では、悩ましい数字を出していた。和睦小学校、
浙江農大、下沙、城廂街道、臨平街道、濱江は5級、つまり重度汚染である。画
竜橋、西渓、雲栖は4級、中度汚染である。都市との比較観測点である千島湖だ
けが、状況がわずかによくて3級、軽度汚染である。
 国家標準に照らせば、大気中のPM2.5濃度の限界値は1立方メートル当たり75マ
イクログラムであるが、ここ数日の杭州ではこの数字をはるかに上回っている。
 13日夕方6時、大気中のPM2.5濃度指数が最も高かったのは臨平で、1立方メー
トル当たり259マイクログラムに達した。その次が下沙240マイクログラム、浙江
農大236マイクログラムであった。西湖風景区の雲栖でさえ、166マイクログラム
あった。
 モニタリングデータをさかのぼってみると、今回の大気汚染は1月5日には兆候
が見えていた。その日、杭州の各観測点の大気品質指数は100を超え、軽度汚染
になっていた。7日―12日にはAQIは150を超え、中度及びそれ以上の汚染に達した。
 そのうちPM2.5が最も重要な汚染物質で、5日―12日の期間において、杭州全市
のPM2.5の1日当たりの濃度の最高値は正常値を1.16倍上回っていた。
(次号に続く)
〔都市快報2013年1月14日〕
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