CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

財政赤字の背景と地方性債務問題

史上最高の赤字で地方債務リスクに注目

 2013年中国財政赤字は1.2兆元に達し、史上最高額となった。1000億元の中央
予算安定調整基金の調整要素の影響を除くと、2013年度予算赤字は1.3兆元である。
 このように膨大な赤字規模となったことにはわけがある。それは、国際金融危
機の影響がいまだ取り除かれておらず、積極財政政策はまだ実施される必要性が
あるということだ。
 約20%の超高水準の預金準備率は、比較的大きな下げ余地が当然あるはずだが、
数年来、貨幣供給が貨幣需要を上回ったことが相次いで物価上昇圧力となり、貨
幣政策の選択余地を限定的にさせている。貨幣政策が中立に回帰するのはイバラ
の道であり、積極財政政策を引き続き実施するしかできないのである。
 2013年、中央財政赤字は事実上、2012年の基礎の上での安定維持にすぎず、大
幅拡張にはならない。もちろん、巨額な財政赤字も事実である。
 財政支出の硬直性、特に民生支出の圧力は比較的大きい。これが、支配可能な
財源をふやす必要性を決めている。
 しかし、2013年の「営改増」(一部営業税を増値税に変更する政策)試行の継
続が進み、試行地域と業界がさらに拡大していくとなると、減税規模はさらに持
続的に拡大するはずだ。昨今の経済成長は低調で、財政収入の急成長の勢いは再
現しにくいものとなっている。
 こうして、一定の財政赤字規模を維持することが、財政の正常な運営、そして
公共サービス保障の要請となっている。
 2013年の中央国債残高は9兆1208.35億元だった。世界の主要国と比べて、中国
の財政は相対的に健全である。財政赤字率(3%を下回る)、さらに国債負担率
(60%を下回る)は安全な範囲内にあるのは言うまでもない。これは中国が2013
年に引き続き比較的大きな財政赤字規模を維持することの重要な基礎である。
 もちろん、財政支出にも限度がある。今後、財政支出の規模を調整し、財政支
出の構造調整を通じて財政支出圧力の緩和をすることにさらに注意すべきである。
 1990年代半ば、北欧福祉国家のスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デ
ンマークの4カ国は、当時の金融危機に対応するため、政府機能を再度位置づけ
た。それ以後、4カ国の財政支出がGDPに占める割合は急減した。今回の国際金融
危機で4カ国は割とうまくやっているのは、このことと無関係ではない。
 中国はまだ発展途上国の一つで、社会福祉が不足している歴史を返上しなけれ
ばならないが、効率的な社会福祉制度創設に注意するべきことは、発展レベルを
超えた、持続不可能な高福祉の約束をしないことである。
 中国の政府債務リスクは公共予算の赤字にはなく、地方政府性債務にある。2012年、
地方政府性債務規模の増加は割に多くなっている。
 会計検査を行う国家審計署の董大勝副審計長は、中国の地方政府性債務規模は
約15兆から18兆元と公表している。そのうちの5万から8兆元の地方政府性債務は
2012年1年間で累積したものである。
 急速に進む地方政府性債務の増大速度は警戒をしないわけにはいかない。もち
ろん、全ての地方政府性債務が地方政府の直接債務へと転換されたわけではない。
しかし、2012年の地方の国有土地使用権の譲渡収入は10.5%減少し、地方政府の
支払い圧力が大きく増加している可能性が高い。
 地方政府に支払い危機があらわれれば、最後は中央政府に債務を転嫁するだけ
である。そのため、地方政府性債務の管理と流れをさらに強化することが重要で
ある。〔大洋網―広州日報2013年3月20日〕

2012年 北京の4分の1近い経済成長は金融由来

 21日、北京金融工作会議が北京で開催された。北京市の李士祥副市長によると、
2012年金融業の北京市経済成長に対する貢献率は24.7%と大幅増加し、北京市の
トップの支柱産業となった。
〈金融業の経済貢献率は24.7%〉
 李士祥副市長によると、2012年、北京市の金融業の経済成長に対する貢献率は
24.7%、経済成長の4分の1は金融業からきている。2011年、金融業の貢献率はわ
ずか7.1%だった。
 このほか、北京市の行政3レベルの税収は4割が金融業から、財政収入の新規増
加分の35%が金融業からきたもので、金融業は北京市のトップの支柱産業である。
 「現在、首都経済の発展は発展方式の転換というとても厳しい段階に入ってお
り、極めて困難な発展課題に直面している」
 李士祥副市長は、目下、金融、卸売小売、情報サービス、ビジネスサービス、
科学サービス、流通サービス、不動産等7産業は既に1000億元の大台を突破し、
医療健康、介護、教育研修を代表とする基本的な公共サービスではない産業が、
北京では今後新しい戦略的な成長ポイントとして成長すると述べた。
〈金融業の付加価値14.4%〉
 北京市金融工作局の王紅局長は会見で、速報値では、2012年、北京市の金融業
付加価値は実質ベースで2592.5億元、前年比14.4%増、域内総生産に占める割合
は14.6%に達したとした。
 金融業の地方財政収入は前年比26.4%増の年間523.9億元を実現し、北京市の地
方公共財政収入の15.8%を占め、増収貢献率は35.4%に達した。
 2012年、年間のA株上場企業は23社新規増加し、197億元を資金調達した。上場
企業数、時価総額、融資額等7指標で全国トップに立った。
 2013年の首都金融業務について、李士祥副市長は、北京市は今年国家科技金融
センター建設の推進を加速し、金融に関するイノベーションを先行して試行する
ことに積極的に努めるとした。
〈北京金融業データ〉
▽2011年
 金融業付加価値2055億元 対前年比4.4%増 GRPに占めるシェア12.8%
▽2012年 金融業付加価値
 2092.5億元 対前年比14.4%増 GRPに占めるシェア14.6%
〔京華時報2013年3月22日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━