CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

混乱続く中国粉ミルクの中身

粉ミルク100国外ブランド 8割がにせもの

 中国市場に出回る100余りの粉ミルク中国国外ブランドのうち、8割が中国人に
よって「つくり出され」、「特別」に供給されているものである。このことは、
既に業界内では公然の秘密となっている。
 メラミン混入粉ミルク事件以降、多くの中国資本の乳製品企業が海外で商標登
録、あるいはOEM輸入製品をかたって中国市場に反撃をしている。
〈ここ2―3年で偽装国外製粉ミルクが氾濫〉
 「純正国外製を称する粉ミルクブランドがこの2―3年で少なくとも100件中国
市場に参入しているが、実際に中国国外において販売されているブランドはこの
うちわずか20件程度であり、残る8割は全て中国人がみずから起こした偽装国外
ブランドである」
 長年粉ミルクの販売に携わる張斌氏(仮名)は19日、インタビューに答え、上
記の現象が業界内では公然の事実とされており、「随分以前にメディアのインタ
ビューを受けた際にもこのような考えを述べた」と語った。
 乳業専門家である王丁棉氏も張斌氏のこの意見に賛同しており「中国資本の国
外粉ミルクブランドは50を下らない」と言う。
 「メラミン混入事件以前、オーストラリアやニュージーランド等において商標
登録を行い、粉ミルクのOEM生産を行っていた中国企業はわずか5―6企業にすぎ
なかったが、事件以降、その企業数は一気に20社余りにまで増加し、2013年、こ
の数字はさらに増加し30社余りとなっている」「さらに現在、70社余りの企業が
商標登録の申請の列に加わっているが、これら企業の背後には多く中国人の存在
がある」
〈偽装国外製粉ミルクは高価じゃないと売れない〉
 偽装中国国外粉ミルクブランドの数は膨大であるが、本物の海外ブランドに太
刀打ちできるのだろうか?
 張斌氏は「国内で既に名の知れたブランドであれば、OEM製品として輸入した
粉ミルクの売れ行きもよく、最高で20億元以上売り上げることも可能であり、ま
た1億元前後売り上げることのできるブランドも10数ブランドある。しかしなが
ら、偽装国外ブランドの大多数の売れ行きは振るわず、生き残ること自体難し
い」と語った。
 データによれば、デュメックス、ミードジョンソン、ネスレ、アボット、ワイ
ス、この5大海外製粉ミルクブランドの年間売り上げは例年5―60億元に上ってお
り、中国の粉ミルク市場は基本的に国外製の天下となっている。
 2012年、これら5大海外ブランドの売上合計額が中国粉ミルク市場のほぼ6割を
占めた。中国都市部では、国外製粉ミルクは2004年から主導的地位を占めており、
売上額の市場シェアは9割を超えている。
〔四川オンライン―華西都市報2013年4月18日〕

2012年 国外製粉ミルクが中国市場シェアのほぼ半数

 3月25日、ACニールセンの最新の「2012年年間中国乳幼児粉ミルク市場報告」
によれば、2012年、中国における粉ミルクの売上総額は385.18億元であり、この
うち、ミードジョンソンが全体の12.3%、デュメックスが11.7%、ワイスが11%、
アボットが7.7%を占め、これら4大海外粉ミルクブランドの売上合計額が中国市
場のほぼ半数を占めた。
 また、2012年粉ミルクの販売量は約19.7万トンであり、2011年比2.6%増加して
いるが、売上額は同12.9%増加しているため、価格の上昇が売上額上昇の主な要
因である。
 2008年に発生したメラミン混入事件以降、消費者の中国国内製粉ミルクに対す
る信用は大きな打撃を受け、中国国外製粉ミルクは価格の上昇期に入り始めた。
 ミードジョンソン、デュメックス、ワイス、アボット、ネスレ、明治、フリソ
等中国国外製粉ミルクは毎回10%前後の値上げをし、その頻度も年に一度から半
年に一度、ひいては四半期に一度となっている。
 商務部商務予報システムのデータによれば、2012年12月21日までで、中国にお
ける国外ブランドの粉ミルクの平均小売価格は1キログラム当たり200.71元、中
国国産ブランドの小売価格は同153.79元であり、粉ミルクの価格はなおも上昇を
続けている。
 ACニールセンの統計によれば、2012年プレミアム粉ミルク(200―300元、900グ
ラム)の販売量は前年同期比20.7%増の10.75万トン、売上額は23.3%増の241億元。
スーパープレミアム粉ミルク(300元以上、900グラム)の販売量は前年比129.8%増
の8895トン、売上額は134.2%と大幅増の36.09億元である。
 日増しに多くの粉ミルク企業がプレミアム、スーパープレミアム製品ラインに
参入を始めている。目下多くの中国国外製粉ミルクの価格が300元以上の大台に
乗っており、一部では500元にも上っている。
 これに対して、乳業専門家の王丁棉氏は、ここ1年、乳業の原料価格は比較的
安定しており、販売コスト、人件費はいささか上昇しているが、粉ミルクの価格
が上昇している理由としては不十分だとしている。
 その上で、王丁棉氏は、現在、中国国外製粉ミルクの粗利は60―85%、純利益
は18―30%にそれぞれ達しているが、中国国内製粉ミルクの粗利は一般的に30―40%
の間であり、純利益も10%に満たないということを特に指摘した。
 バイオスタイム戦略発展部の徐楽生総監は、中国の粉ミルクのプレミアム化の
傾向は今後も発展していくことが予想されるが、中国政府が乳業の安全を焦点と
した厳格な措置を実行していくに従って、その増加スピードは幾らか緩やかにな
ると見ている。
〔21世紀経済報道2013年3月26日〕

輸入粉ミルク価格が2か月足らずで3倍 淘宝の粉ミルク店も購入制限

 3月1日より、香港は厳格な粉ミルク購入制限令を実施した。4月に入ってから
は、イギリスとオーストラリアの各大型スーパーも乳幼児の粉ミルクに対し購入
制限の実施を開始した。
 水位の上昇とともに船の高さが上昇するように、多くの地区における購入制限
により中国国内の輸入粉ミルク価格も底上げされた。
 輸入粉ミルクにすっかりなれたある新米ママが計算をしてみたところ、同ブラ
ンドの輸入粉ミルクが2か月もしないうちに31.94%上昇していた。彼女は、値段
が高くては飲めないと言う。
 淘宝の独占輸入粉ミルク店からわかったことは、このところの取引記録は少な
くなってきており、多くの店舗で販売中断を示す品切れ表示を出している。
〈2か月足らずで3倍の値上がり〉
 「イギリスの粉ミルクの購入制限により、仕入コストが大幅に増加しているた
め、値上げさせていただいておりますことを御了承ください」16日、3歳の子供
を持つ母親である陳さんが淘宝で輸入粉ミルク店の店長に価格交渉をした際、店
長がやむを得ず発したのが上述の言葉である。
 陳さんは最近購入した粉ミルクの取引記録を見せてくれた。今年2月24日、彼
女が淘宝で3缶の粉ミルクを購入したところ、各缶の価格は144元であった。目前
の3缶が間もなく底をつくため再度数缶の購入を検討したが、16日、1缶の輸入粉
ミルクを発注し購入したところ、190元であったという。
 某新聞社の編集者王さんは、輸入粉ミルクの価格に対し深い感慨を持つ。王さ
んは、3月初めに人に頼み、某ブランドの輸入粉ミルク900グラム缶の商品を購入
したところ、280元であったのが、3月中旬には代理購入価格は285元に値上がり
し、この2か月で295元にまで上がったという。
〈淘宝粉ミルク店も購入制限〉
 淘宝サイトを一めぐりしてみたところ、ほとんど全ての店舗の最近の価格の値
上がりがひどい。
 ある淘宝店舗の店長は、某輸入粉ミルク900グラム1つを例にとり、昨年9、10
月の価格は160元前後であったのが、年が明ける前には180元以上になり、現在の
価格は既に220元に到達しており、商品はいまだ比較的欠品ぎみであるという。
 「輸入粉ミルク購入は1アカウント4缶まで」店舗はやむを得ずこのように表示
するが、どこに商売をしたくないものがいるものか、実際に在庫不足なのである。
 淘宝にある独占輸入粉ミルク店舗の取引記録はどんどん少なくなっており、
「粉ミルクの購入が制限されているため、○○○粉ミルクは現在在庫切れです」
と出して販売を中断する店舗さえ出ている。一部店舗では価格上昇を表示しては
いないが、店主に確認すれば在庫不足であることがわかる。
 ある淘宝の店主は、輸入粉ミルクの主要産地はニュージーランドであるが、ニ
ュージーランドの今年の干ばつの影響を受け、輸入粉ミルクの価格は下半期でさ
らに値上がりしかねないという。
〈ニュージーランドの干ばつが値段をつり上げる〉
 4月10日、あるメディア報道によると、ニュージーランド国内最大の会社「フ
ォンテラ・グローバル乳製品貿易」サイトの最新データで、今年5月の粉ミルク
価格は19.3%上昇し、2010年9月1日以来の最大の上昇幅となった。
 2013年以来、ニュージーランドのフォンテラ粉ミルク価格は既に36%上昇して
いるが、ニュージーランドの干ばつが粉ミルクを大量に減産させたことが恐らく
主要要因であり、短期間で緩和しない。
 国内乳製品業の専門家は、もし、この価格上昇の勢いが依然として持続するよ
うであれば、今年下半期は国内の圧倒的多数が利用するニュージーランド原産の
粉ミルク価格が上昇するだけでなく、ニュージーランドの粉ミルクを原料とした
液体状態のものを用いる一部企業も価格上昇の影響を受けるだろうと予測する。
 南京乳之宝の鄭永祥社長によれば、中国の輸入粉ミルクのうち、7、8割はニュ
ージーランドの粉ミルクを原料とし、しかも、ニュージーランドで中国向けに輸
出される粉ミルクのうち、フォンテラが7、8割を占める。
 また、価格上昇はミルクの原産地における突発的な干ばつにより引き起こされ
たものであり、干ばつが過ぎ去れば、原産地のミルク価格が緩和し、粉ミルク価
格が自然に落ち着くという。
〔金陵晩報2013年4月17日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━