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環境保護の抜け穴と技術的おくれ

地下水汚染企業の罰金はわずか平均7万元

 9日、環境保護部が今年行った華北6省市の地下水汚染特定項目検査結果を通達した。
 検査を受けた2.6万余りの企業のうち、55社に、汚水排出のための穴、または浸
出防止措置の施されていない溝、溝による排出、汚水の輸送または貯蔵という違法
な問題が存在していた。
 環境保護部門は、今年2月下旬から3月にかけて、華北地区の工業企業の汚水排水
先及び基準に達した汚染物の排出状況に対する全面的な調査を行った。
 この40日間の中で、執行担当者の出動人数は延べ7.5万人を超え、汚水排出にか
かわる検査は約2.6万企業、合計558件の環境保護違法行為を発見した。
 目下、各レベルの環境保護部門は424社に対し期限を定めた是正を命じ、88社に
罰金を科し、罰金総額は613万元余りとなった。また、80社の違法問題について既
に立案をし、現在処罰履行の手続中である。
 中華環境保護連合会環境法律サービスセンター監督査察訴訟部の馬勇部長は「88
社に600万余りの罰金を科し、1企業平均7万前後となる。しかし、汚染地下水が環
境に与える影響はさらに大きい」と語る。〔解放網―新聞晩報2013年5月10日〕

省エネ減排専門項目資金2.7億元が違法使用

 審計署が17日に発布した10省区1139の省エネ減排項目監査結果によれば、35の主
管部門と項目実施単位が会計監査資金量の1.16%を占める特定項目資金2.7億元を管
理規定に違反して使用していた。
 2012年5月から9月まで、審計署は山西、内モンゴル、遼寧、吉林、江蘇、浙江、
河南、広東、広西、寧夏の10省区に対し、2010年から2011年の中央及び省レベルが
財政投入を行った省エネ減排特定項目資金及び1139の省エネ減排項目について会計
監査を行った。
 審計署農業・資源環境保護監査司の責任者によると、上述の地方省エネ減排特定
項目資金の管理は全体的に比較的規範化されているが、少数の企業及び項目実施単
位は虚偽情報の提供、偽造資料の作成等の方法で規定違反の申請を行って、1.41億
元の特定項目資金を得ており、規定違反の1.29億元の項目資金は、日常業務、企業
経営等の非省エネ減排方面に支出された。
 例えば、江蘇東風悦達起亜汽車の一部のディーラーは、補助条件に合致しない自
動車数量等を申告し、省エネ自動車普及財政補助資金170万元余りを得た。
 寧夏中衛市環境保護部門は、国のコントロールする重点汚染源モニタリング測定
運用費70万元余りを流用し、給与等の支出に充てていた。
 広西防城港城鎮汚水処理施設パイプ網建設項目単位は、中央財政特定項目資金520
万元余りを流用し、財テクに当てていた。
 審計署が上述の問題を指摘した後、関連地方財政部門は会計監査の要求に従い、
既に13の単位(企業)から不正取得された6975.1万元を回収した。また、今年3月
末までに、15の単位(企業)が規定違反の使用を行った1.29億元を元の資金ルート
に戻した。
 このほか、審計署の発見した8つの違法犯罪案件糸口に対し、関連部門に移送し
て処理を行い、既に3つの案件の責任者3名に対して処置をし、その他の問題につい
てさらなる処置中である。〔新華網2013年5月17日〕

エネルギー自給率の不足 江西省シェールガス開発に進出

 「シェールガス華東第一井」と呼ばれる江西省シェールガス田は、シェールガス
を抜き取るための井戸のボーリング開始のカウントダウンに入った。最初のガス田
の施工位置は、江西省武寧県清江郷に確定している。6月ごろ、ボーリングを始め
る計画である。
 施工責任を負う江西省鉱物局シェールガス研究院の黄修保研究員は、「順調にい
けば、2カ月でサンプル井戸が完成し、ガスへの点火が実現できる」と言う。
 江西省社会科学院経済研究所の麻智輝所長は、江西省はオイルガス資源が深刻に
不足している省で、シェールガスの開発利用は江西省のエネルギー構造を改善し、
江西省の経済発展のためにさらに多くの資源を保証するものだとしている。
〈江西省エネルギー構造を改善〉
 江西省のシェールガス分布は広範にわたり、これに加えて水資源が豊富で、シェ
ールガスを開発する主要な利点をなしている。
 探査研究によると、江西省のシェールガスの原始埋蔵量は3.14兆―5.6兆立方メ
ートル、可採埋蔵量は0.63兆―1.12兆立方メートルで、埋蔵資源量は中国の約4―5%
を占め、主に江西省の西北、萍楽山間平地等の地質帯に分布している。
 シェールガスの開発利用は、江西省のエネルギー構造を改善する。江西省のエネ
ルギー自給率は、1985年90.8%に達したが、2010年には34.7%まで下降した。
 「江西省のオイルガス資源は深刻に不足しており、その上、ここ数年の工業化が
加速し、エネルギー消費量も急速に増加し、さらにエネルギー自給率の下降速度も
加速している」と麻智輝所長は言う。
 江西省はエネルギー需要を満たすため、毎年、他省から大量のエネルギーを調達
する必要がある。現在、オイルガス製品の対外依存度は100%で、他省から発電用石
炭を調達する割合は65%以上である。
 「この井戸にガスがあり点火でき、来年、シェールガスの採掘作業を開始できれ
ば、民間用、商用全体に広めることも間近になる」と黄修保研究員は言う。
 江西省は華東地域シェールガス開発の一つの縮図である。
 江蘇省もまた「シェールガス調査開発利用特定プロジェクト計画(2013年―2018
年)」と「シェールガス資源調査評価2013年度業務計画」の編成に着手している。
 江蘇省は中国のシェールガス探査開発の五大優良地域の一つで、可採資源量が約
1.55兆立方メートルである。
 「国内外の調査が行われ実証されたところによると、シェールガスの濃縮程度は
1500―4000メートルの間に埋蔵されているのが最適である。江蘇省で発見された浅
部の可採候補は「氷山の一角」にすぎない」。江蘇省エネルギー局関係者は以前、
メディアの取材を受けた際にこう話していた。
 このような莫大なシェールガス資源量は、エネルギーが欠乏する華東各省にとっ
て大きな魅力であることは間違いない。
〈リスクと挑戦〉
 中国のシェールガスはスタートが比較的遅いため、理論研究が不足し、技術が立
ちおくれていること、発展のモデルがはっきりしていないなどの問題がある。
 江西省地鉱山物局は、昨年10月の「江西一井」施工設計が順調に国家審議を通過
後、これまであえて軽はずみにはボーリング開始をしてこなかった。
 「シェールガスは非通常天然ガス資源の一種で、調査測量の作業難度は比較的高
く、江西省、華東全土でさえも先例がない」と黄修保研究員は言う。
 黄修保研究員は「リスクがとても大きいため、今回も国家投資でサンプル井戸が
つくられる。この井戸が今後の華東シェールガス開発に及ぼす影響は大きい」とし
た上で、しかし、江西省はシェールガス開発の技術方面では「華東各省から抜きん
出ており、その上、研究開発への投資が比較的大きく、技術は十分に足りている」
と言う。
 また、「華東一号」について、黄修保研究員は「工事過程でリスクがあることは
間違いなく、万が一事故に遭えば面倒なので、控えめに言って、我々は年末に竣工
し、ガスの噴出を行う」。「このサンプル井戸にガスが存在するかどうかを検証す
るだけではなく、さらに重要なのは、シェールガス開発技術の提供支援を今後さら
に高めるため、技術パラメーターを総括することである」と言う。
 このほか、価格も江西省シェールガスの発展を阻害する要因の一つである。
 麻智輝所長は「採掘コストが高過ぎるため、シェールガスの見積もりは普通の天
然ガスの売価よりも高い。もし、この規模で行えないならば、必然的にシェールガ
ス開発の進度とコストに影響し、最終的にシェールガスの競争力は失われるだろ
う」と言う。
〔21世紀経済報道2013年5月17日〕
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