CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

観光ガイドが萎縮する旅行法の脅威

団体ツアーの買い物取り消しも ツアーガイド「収入の8割はリベート」

〈中華人民共和国旅行法(抄)〉
第35条 旅行会社は、不合理な低価格で旅行活動を組織し旅行者を騙してはならず、
かつ、買物又は別途費用を支払う観光オプションの手配により割戻し等不当な利益
を得てはならない。
 旅行会社が旅行者を組織、接待するときは、具体的な買物の場所を指定してはな
らず、別途費用を支払う観光オプションを手配してはならない。ただし、双方が協
議で一致し又は旅行者が要求し、かつ、その他の旅行者の旅程に影響を及ぼさない
ものを除く。
第41条 旅行ガイド及び引率者は、決められた旅程を厳格に実行しなければならず、
無断で旅程を変更し又はサービス活動を中止してはならず、旅行者からチップを受
け取ってはならず、勧誘、詐欺、強迫又は手口を変えて旅行者に買物をさせ又は別
途費用を支払う観光オプションへ参加させてはならない。
(以上の訳文は国立国会図書館ホームページ参照
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8301169_po_02570006.pdf?contentNo=1)
 1日より施行された「旅行法」は、旅行会社は具体的な買い物の場所を指定して
はならず、別途費用を支払う観光オプションを手配してはならないと厳格に規定し
ており、これに違反した者には30万人民元以上の罰金が科せられる。
 翌2日、記者は北京市日帰りツアーに参加し、王府井、南鑼鼓巷等の観光スポッ
トを訪れたが、旅程における買い物の部分は既にそのほとんどが取り消されていた。
〈ガイドは街の入口で待機〉
 2日午後3時半、南鑼鼓巷では、少なくとも4―5の団体ツアー客が観光をしていた。
 一人のツアーガイドがツアー客に向かって「皆さんはこのまま進んでください。
私はここで待っていますので、4時20分に再度こちらに集合してください」と声を
かけ、胡同の入口に立った。
 ツアー客は三々五々南鑼鼓巷散策に向かった。
 オランダの団体ツアーの現地ガイドを務める陳さんによれば、法律の施行以前、
ツアーガイドはツアー客に同伴し、南鑼鼓巷の歴史を紹介し、買い物をする店を推
薦することもできた。
 「以前は私も店の推薦をしていました。リベートを受け取ったことはありません
が、今は要らぬ疑いを避けるためにツアー客に同伴せず、ここで彼らが散策から戻
るのを待ちます」と彼女は語った。
 記者はこの日、王府井、天壇公園等多くの観光スポットを訪れたが、旅程におけ
る買い物の部分は既にほとんどが取り消されていた。
〈旅行客の多くが旅程における「買い物」部分の取り消しに賛成〉
 「旅行法」における「買い物」に関する規定に焦点を当て、ツアー客100名にア
ンケート調査を行ったところ、その多くが「旅行会社によって特定の場所を指定さ
れた上、買い物を強要されて不快な思いをしたことがある」と回答しており、旅行
会社による買い物場所の指定を取り消す規定に賛同している。
 しかし、一部の観光客は、特定の場所に限った買い物の取り消しは足の不自由な
高齢者には不便であり「買い物が旅程に組み込まれているツアーは割安なこともあ
り、買い物を強要しないのであれば、買い物の部分を残しても構わない」と語った。
〈「以前の収入の8割はリベート」〉
 大多数の旅行客が旅程における「買い物」部分の取り消しに賛成している一方、
多くのツアーガイドは悲鳴を上げている。
 法律施行以前の彼らの主な収入源はツアー料金と旅行客の買い物によるリベート
であり、リベートによる収入は全収入の8割前後を占めていたため、多くのツアー
ガイドは骨身を惜しまず旅行客に買い物を勧めた。
 「私たちも気は引けたが、旅行客が多く買わなければ、私たちも多くは稼げな
い」「「旅行法」の施行後、旅行会社があえて買い物を手配することはなくなり、
リベートもなくなった。現在は、旅行会社がツアーガイドに対し固定給として300
―500人民元程度のサービス料金を支払っている」
 「旅行者に買い物をするよう説得するプレッシャーからは解放されたものの、収
入は半分になり、チップも受け取れなくなった」と多くのツアーガイドは口にする。
 北京市の某旅行会社のヨーロッパ旅行担当者は「買い物を旅程に組み込めなくな
ったことから、旅行会社は利益確保のため、ツアー料金をある程度上げるだろう」
と語った。
〈取材 「ツアーガイドが観光客の自費での観光を拒否」〉
 「あなたが私に(罰金額に相当する)30万人民元の保証金を払うなら、見学させ
ましょう」2日午前、天壇公園にて、あるツアー客が費用を自己負担して祈年殿を
見学したいと申し出たが、ツアーガイドにとめられた。
 「旅行法」において、ツアーは契約に定められた旅程のみ実行できると規定され
ていることから、「旅程にない場所を見学して、それが調査員に見つかったとき、
誰が強制的に連れてこられたわけではないと、私の身の潔白を証明してくれるの
か」とツアーガイドは言った。
 記者が確認したところ、この旅行客の契約には「天壇公園正門の入場券」しか組
み込まれていなかった。
 「あなた方ツアー客がトイレに行くのも怖い。トイレは有料のものもあるし、万
一費用の自己負担を強要されたと言われたら、どうしたらよいのか」
 ツアーガイドは、もし見学したいのであれば、当日の旅程を全うした後、再度旅
行客が自身でそこを訪れるよう言った。
〈他の観光スポットも同様〉
 故宮郊外にて、ある旅行客は特産物を買うのに便利なところまで案内をしてもら
いたかったが、ガイドにそれを断られ「あなたが前門大通りで買い物をするのは構
わないが、旅程が全て終了した後だ」と言われたと話した。
 「旅行法」において、「ガイドは無断で旅程を変更」してはならず、「勧誘、詐
欺、強迫又は手口を変えて旅行者に買い物をさせ又は別途費用を支払う観光オプシ
ョンへ参加させてはならない」と規定されているが、「双方が協議で一致し又は旅
行者が要求し、かつ、その他の旅行者の旅程に影響を及ぼさないものを除く」とさ
れている。
 「旅行客自身が店に行きたいと言って、その先で購入した商品に満足できず、後
になって電話でそれが協議を経ることなく購入を強要されたものであると訴えられ
たら、私たちに弁解の余地はない」とツアーガイドは語った。
〈名所説明係がドキュメンタリー映像を販売〉
 2日、記者が申し込んで参加した北京旅行集合センターのある日帰りツアーは、
天壇―円明園―恭王府をめぐるもので、200元だった。朝9時30分には、27人の観光
客を車に乗せ、前門から出発した。
 「私たちは新しい「旅行法」を厳格に守り、買い物や勝手な観光名所の増減は行
わない」出発前、北京旅行集合センターのガイドの劉さんは観光客に念を押し、か
つ「希望大家監督」通報ホットラインを紹介した。
 ガイドによれば、以前のツアーには景泰藍の焼き物工場の見学と買い物が含まれ
ていたが、「旅行法」で禁止されたため、「現在は取り消された」という。
 午後2時ごろ、ツアーは円明園西門に至り、ガイドの劉さんはツアー客を円明園
の説明係に委ね、「彼がさらに専門的な解説サービスを行う」と言った。
 劉さんは車に乗って待ち、ツアー客の見学が終わった後、ガイドを呼ぶようにさ
せた。
 約40分の円明園の見学の後、ツアー客の説明係の高さんは「円明園見学が終わっ
たら、円明園のドキュメンタリーを見ましょう」といって、ツアー客を団体バス乗
り場にある記念品店に連れていった。
 店内には、たくさんの円明園の風景画やその他たくさんの旅行記念の土産物がか
かっていた。店内の左側に行くと、大きな「円明園」記念映画のポスターがあり、
映像製品のカウンターがあった。
 店内に入った後、店員は円明園ドキュメンタリー映像を流し始めた。
 2分ぐらいの長さの円明園の大水法という観光スポットの紹介の後、上手にドキ
ュメンタリーを早送りし、北清事変の8カ国連合軍が円明園を占拠し焼き払う内容
を流し始めた。
 約10分前後で3シーンの映像を流した後、説明係と従業員はかわるがわる「ドキ
ュメンタリーは商務印書館からのもので本物、買って帰って子供に見せてあげてく
ださい」と売り始めた。
 記者がいるツアーの中にいた40歳前後のツアー客2人がそれぞれドキュメンタリ
ーセットを買った。
 「1セット100元は高くない。円明園、故宮、万里の長城など5枚ある」あるツア
ー客は話していた。
 ある匿名を希望するガイドによれば、「旅行法」には抜け道がある。例えば、茶
芸や手工芸等を見学するとき「強制的な買い物ではないが、ツアー客の何人かはそ
こに行けば買いたくなることは間違いないはずだ」。
〈追跡取材 費用 ツアー料金は上がるか〉
 王さんは貴州で申し込んだツアーで北京に観光に来た。「旅行契約に書かれてい
てわかったが、ツアーで買い物はないが、ツアー料金は3700元に上がっていた」
 このツアーの旅行会社の従業員によれば、昨年の国慶節の北京4泊5日ツアー料金
は2200元だった。今回の値上げは「買い物を取り消したため」だという。
 北京のある旅行会社のツアー価格表によれば、10月20日から、雲南旅行の価格は
4950元である。従業員は、昨年同期では「安くすれば2000元余りにできた」「買い
物をさせないので、雲南現地での価格が上がり、我々もただ値上げするしかない」
と漏らす。
 安徽から来た陳さんが参加したある旅行会社の2泊3日のツアー料金は1700元だった。
 昨年の国慶節黄金周のときに子供を連れて同じ旅行会社で北京ツアーをしたが、
当時のツアー料金は800元だった。
 北京流行集合センターのあるガイドによると、天壇―円明園―恭王府の日帰りツ
アーは200元で、そのうち天壇公園の入場料35元、円明園が70元、恭王府が70元、
保険(放心保)が5元、さらに交通費やガイド解説費がある。
 「こんなふうに計算していくと、ほとんど稼げない」旅行集合センターでは「15
日以降、現在の路線や価格に一定程度の調整を行う」としている。
 1日、王府井大街で、北京のある旅行会社のガイドの祝さんが28人の湖南省のツ
アーの引率をしていた。
 祝さんによると、以前、このツアーのツアー料金は1人当たり1800元で、「当時
は契約にしっかりと、300元―400元の買い物及び自己負担があると書かれていた」
 現在は、買い物や自己負担の項目をなくしたので、ツアー料金は相応に約40%値
上がりしたという。
 多くのガイドは、現在のツアーのツアー料金は値上がりしているという。
〈旅行会社 自己負担の項目があるツアーを試す人はいない〉
 北京のある旅行会社でヨーロッパ旅行を担当するある従業員によると、全ての旅
行会社は「旅行法」に基づいて、既に法律施行後の旅行についてツアー客と契約を
結んでいる。
 「9月20日に出発し、10月1日時点でツアー催行中であった場合、我々はツアー客
との買い物契約を結んでいる。その契約には6、7店舗が挙げられていて、ツアー客
がその中でみずから行きたい数軒を選択し、説明の上で行きたいという意思が出さ
れてから、ガイドが連れていくことになる」
 契約で挙げられた店舗は全て現地民が経営し、現地民が出入りする店で、「もし、
ツアー客の一部が買い物をしたくないときには、ツアー客に付近にいてもらうか、
みんなにとって便利な場所にいてもらうようにする」。
 買い物の旅程は、旅行会社がツアー客と相談して決めれば行うことができるが、
自己負担の項目がある場合は誰も試す人はいない。
 「旅行会社は、法律の罰則から逃れるため、現在は自己負担の項目を全て取り消
している」
 目下、各旅行会社では打開策を考えていて、ある旅行会社では、安い自己負担を
旅程に個別に加えようとしているが、全てが有名で、喜ばれるものを旅程に入れら
れるわけではない。
 「自己負担の中には、もともとコストや価格が高いものもあって、全てを旅程に
組み込んでいたら、ツアー料金が上がり過ぎてしまうし、ツアー客も望まないはず
で、したがって、自己負担の項目は取捨選択するしかなくて、スイスの雪山のよう
なところは比較的高いので、切り捨てることになる」
〈ガイド 以前は月収1万強も、現在はわずか5、6000元〉
 多くの旅行会社のガイドには基本給がなく、小規模旅行会社では社会保険もない。
 ある旅行ガイドによると、過去のガイド収入は主にツアー料金と買い物のコミッ
ションからなり、そのうち買い物のコミッションが主だったという。
 このため、正規の旅行会社であっても、契約の中には旅程に買い物が含まれ、よ
く行く場所には特産物専売店や工芸品等が含まれていた。
 別のガイドによると、買い物スポットでは、ガイドは商店とツアー客の買い物額
に基づいて収益を分け合い、ガイドは通常、買い物額の3%をもらうことができた。
つまり、ツアー客が100元の商品を購入するごとに、ガイドには3元のコミッション
が入っていた。
 「以前のガイドは、軽々と毎月1、2万元はもらっていた」「今は買い物をさせな
くなり、コミッションもなくなった」
 このガイドによると、「旅行法」が出された後、旅行会社の一部のツアーのツア
ー料金が上がった。
 「我々のツアー料金は1日300元上がった」が「通信費に1日20元、飲食費で50元
差し引くと」、1日の収入は約200元だという。
 1カ月で1日も休まなかったとしても、収入は6000元ぐらいだ。「休みや待機時間
を入れると、月収は4、5000元あれば、まあいい方だ」
 ガイド歴13年の章岩(仮名)さんは2000年からガイドを始め、ある国有大型旅行
会社で北欧ツアーに添乗し、年収は少なくとも10万元あった。
 ツアーの飲食や買い物、自己負担部分でのリベートはもはや業界の秘密ではなく
なって、これらはほぼ収入の80%以上を占める。「旅行法」が施行された後、彼の
収入は半減するだろうという。
 章岩さんが北京から20人の7日間の北欧ツアーに添乗すると、1人当たりのツアー
料金は7000元―10000元である。(価格は航空券や季節によって異なる)
 「海外ツアー客は普通、みんなチップをくれる」以前は7日後には、4000元の買
い物リベートと2000元のチップが手に入った。このような20人7日間の北欧ツアー
は、1年で少なくとも20回ほどあって、これで12万元の収入があった。
 「「旅行法」施行後は、買い物と自己負担が取り消しになった」現在、彼が手に
入れられるのは1日500元のツアー添乗補助で、このほかの収入はなくなってしまった。
 「今、あえてチップをもらいたい人がいるだろうか。数十元のチップが数千万の
罰金になる」7日のツアーのうちの送迎を除く実質6日間で計算すると、収入はもと
もとの半分の3000元である。
〈観点 取り締まりたいのは「取引の強制」であるはず〉
 中国社会科学院観光研究センターの劉思敏特約研究員は、以下のように見ている。
 買い物は非常に現実的な需要であり、観光の6要素の一つである。ツアー客は決
して買い物に反感を持っているのではなく、旅行会社による理不尽な買い物時間延
長、買い物回数増加、買い物の強制、だまされてにせものを買わされることに反感
があるのだ。
 「現在の「旅行法」は問題解決のための手段であるが、画一で曖昧な方法をとっ
ており、これが法律執行の難しさとコストをふやしている」
 劉思敏特約研究員は、買い物の強制やにせものを買わせることをやめさせ、規範
的な買い物、旅行観光市場の浄化に重点を置く方がいいと主張する。
 「旅行法」は、ガイドの現実的な生存に一定の打撃を与えており、業界再編成は
不可避である。ツアー料金が増加するに従って、ツアーに参加する人数も減るはず
で、普通のガイドは淘汰されるとともに、旅行会社のサービスの質の向上を促すは
ずである。
〔新京報2013年10月3日〕

国慶節黄金周 北京の公園には70万人の人出

 照り輝く明るい陽光と、秋空高くすがすがしい空気、そして好天気が、観光客数
を上昇させている。
 北京市公園管理センターの紹介によると、3日午前10時、11公園の観光客数が延
べ11万人に達し、1日の推計観光客数は延べ70万人を超すこととなり、今年国慶節
黄金周のピークとなった。
 10月2日の観光客数は、黄金周1日目より3倍多かった。2日午後3時までで、市所
属の公園は合計で延べ67万人の観光客を迎え、前年同時期から9%の伸びとなった。
これは前日の2.7倍である。
 頤和園、動物園、天壇公園は観光客数のベスト3で、それぞれ延べ平均10万人以
上の人出があった。そのうち、頤和園が延べ12.3万人と最も多かった。
 3日午前9時、市公園管理センターコントロール室で、頤和園観光客数が「飽和」
となっている様子が見られた。
 遠くに目をやると、園内は人でごった返しており、特に八方亭周辺では、巨大ラ
バーダックが多くの観光客の足をとめていた。〔千龍網2013年10月3日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━