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新労働契約法と人材派遣労働者の実情

中国国営企業6割が人材派遣を利用

 2013年7月1日、新「労働契約法」が正式に施行された。
 当該法では、人材資源市場における人材派遣問題にその重点が置かれ、人材派遣
は臨時的、補助的、代替的な業務においてのみ雇用が可能であると規定されている。
 時を同じくして人力資源・社会保障部は「人材派遣の若干意見(パブリックコメ
ント)」を公布、「企業がその補助的な職務において雇用する派遣労働者の比率は、
全雇用者数の1割を超えてはならない」との規定を定め、多くの企業経営者の心理
に影響を与えた。
 北京外企人力資源サービズ有限公司が20都市のデータをもとに調査研究を行った
結果、中国国有企業及び外資系企業は人材派遣利用の「重篤区」と言え、6割以上
で人材派遣が利用されている一方、民間企業の利用はわずか3割強であることが明
らかとなった。
 人材派遣は企業全体に広く浸透している雇用形態であり、調査に参加した企業の
ほぼ過半数が人材派遣を利用していると回答した。
 このうち、中国国有企業と外資系企業の人材派遣の利用は顕著であり、その利用
率は、中国国営企業が64.7%、外資系企業が61.4%であった。一方、民間企業で人材
派遣を利用している企業はわずか34.3%にとどまった。
 今回の調査において、人材派遣を利用していると回答した企業のうち、全雇用者
数に占める派遣労働者の割合が1割未満の企業が全体の7割を占めた。
 残る3割の、派遣労働者の社内における割合が1割を超える企業の内訳としては、
中国国有企業と外資系企業が多数を占め、中でも北京、蘇州、広州、成都、南京等、
経済の発展している都市では、同割合が1割を超える企業が4割を占め、特に北京で
は、同割合が4割を超える企業が1割以上に上った。
 新「労働契約法」は派遣労働者雇用のルールを求めており、現在、派遣労働者を
雇用している企業は、人材派遣をいかに利用するか、またいかにして企業の運営効
率を向上させるかについて深く検討している。
 企業の雇用のルール化のため、派遣労働者が全雇用者数の1割を超える企業は、
自主的にその雇用形態に調整を行わなければならない。調整の方法は、「アウトソ
ーシングへの転換」と「直接雇用」の2種類である。
 派遣から直接雇用に切りかえる際、企業は労働者から賠償金や有休を求められた
り、ほどなく定年を迎える高齢の労働者が直接雇用を望まないことや、直接雇用に
よって多額の人件費がかかること等の問題から、多くの企業は直接雇用を選択する
わけではない。
 中国国有企業及び合弁企業はアウトソーシングへの転換をより選択する傾向にあ
り、外資企業は直接雇用を選択する傾向にある。民間企業は半々である。
 一方、中国国内の人件費の高騰に従って、一部企業は、人材派遣を多用している
部署を中国から国外へ移す可能性も排除できなくなっている。
〔北京晩報2013年10月30日〕

南京 人材派遣社員は正社員より月給が1200元少ない

 最近、南京市は全市91社の人材派遣企業及び737社の人材派遣社員使用企業に対
し、人材派遣社員の専門調査を行った。これにかかわる人材派遣社員は15万人余り
となる。
 調査結果によると、使用企業の労働契約社員、人材派遣社員の月平均給与はそれ
ぞれ3909元、2715元で、その差は1200元弱となった。
 この結果に対し、先ごろ南京を訪問した国家人力資源・社会保障部関係者は、新
「労働契約法」は、企業または人材派遣社員の「正社員への転換」を促進している
と語った。
 調査対象となった南京の737社の人材派遣社員使用企業において、大多数の人材
派遣使用企業は問題なく労働契約社員を雇用することができるにもかかわらず、給
与の少ない人材派遣社員を使うことを好んでいる。
 15万余りの各人材派遣社員中、半数に近い人が企業で2―5年、約29%が5年以上に
わたり勤務をしている。正社員と比べ、人材派遣社員の給与待遇は低く、福利厚生
も少ないことは、人材派遣社員の最大の痛みとなっている。
 人力資源・社会保障部が北京外企人力資源サービス有限公司と共同開催した「
『律動中国』FESCO 2013年全国法律巡回講演」公益法律普及イベントが先日、南京
でも開催された。
 イベント上、人力資源・社会保障部法規司の呂鴻雁処長は、7月1日から施行され
た新「労働契約法」に基づき、使用企業は同工同酬(同一労働同一賃金)の原則に
従い、派遣労働者に対し、その企業で同類の職位の労働者と同様の労働報酬分配方
法を実行しなければならないと述べた。
 企業は、人材派遣社員の数をコントロールする際、臨時性勤務職位の継続期間は
6カ月を上回ってはならない。新法に違反する企業には処罰が科される。将来、多
くの人材派遣社員の正社員への転換が行われ、部分的な業務のアウトソーシングを
検討する企業も少なくないだろう。〔揚子晩報2013年8月29日〕

人材派遣社員 同一労働同一賃金の権利に福利厚生は含まれず

 人力資源・社会保障部の関連司局責任者は先ごろ、人材派遣社員は企業での労働
者と「同工同酬(同一労働同一賃金)」を享受する権利を有するものの、これには
福利厚生、社会保険は含まれないと明確に表明した。
 人力資源・社会保障部は今年8月から「人材派遣の若干規定」へのパブリックコ
メント募集を始め、規定では、派遣労務者は企業の労働者と同一労働同一賃金を享
受する権利があるとした。
 人力資源・社会保障部と全国総工会は以前、同一労働同一賃金には福利厚生と社
会保険が含まれることを希望していたが、その他の部門及び中央企業の猛烈な反対
を受け、福利厚生と社会保険は含まれないとなった。
 例えば、ある中央企業グループの収支では、当年の全業界利益は300億元余りだ
が、人材派遣社員へ同一労働同一賃金を完全に実施した場合、保険と福利厚生によ
り260億元近くの利潤が食いつぶされることになる。
 責任者は、これは企業が派遣労働者へ福利厚生と社会保険を掛けないということ
ではないと強調する。
 「労働契約法」では、雇用企業は労働者への関連福利待遇等について支払うこと
を明確に定めており、これは福利待遇面において、企業が正社員と人材派遣社員に
対し自由裁量を持つことができるということをあらわすにすぎない。
〔新華日報2013年9月2日〕

都市部労働者の賃金が5年で約7割増 平均4万6769元

 近年来、中国労働者の労働収入が大幅な増加を実現し、社会保険事業が急激な発
展を遂げた。
 中国人事科学研究院組織が編さんし、社会科学文献出版社が出版した「中国人力
資源発展報告(2013)」白書によると、ここ5年間に、中国の労働者の労働賃金は
経済発展に伴い、大幅な成長を実現した。
 全国都市部門の労働者の年平均賃金は2007年の2万4721元から2011年には4万1799
元にまで増加し、増加率は69.1%であった。
 2012年、全国都市私営部門の労働者の年平均賃金は2万8752元に達し、2011年と
比較すると4196元の増加となり、同年との単純比較で17.1%の伸びとなり、物価の
影響を差し引いても、実質14.0%の増加であった。
 2012年、全国都市非私営部門の労働者の年平均賃金は4万6769元に達し、2011年
の4万1799元と比較すると、4970元の増加となり、同年との単純比較で11.9%の伸び
となり、物価の影響を差し引いても、実質9.0%の増加であった。
 白書によると、中国社会保険事業は著しい発展を得たとして、その要因として以
下のことを挙げている。
1) 社会保険制度建設において歴史的なブレークスルーがあった。全国各地で基本
 養老保険制度が全面的に立ち上がり、国民皆医療保険が基本的に実現した。
2) 社会保険普及人口が拡大し続けている。各地での勤労者基本養老保険と都市と
 農村の住民社会養老保険の加入者数が7.87億人に達し、また基本医療保険加入者
 数は13億を超えた。
3) 企業の退職者基本年金額が引き上げられ、全て期日どおり満額支払われた。2012
 年、企業退職者の平均退職金は毎月1700元に達し、2011年比で12.5%の増加であ
 った。
4) 倒産企業の退職者、不振企業の職員、国営企業の年長者や負傷した職員、保険
 に加入していない集団企業の退職者を社会保険に加入させるなど、これまで先送
 りされてきた問題を適切な方法で解決した。〔京華時報2013年10月11日〕

全国流動人口 平均月収が3287元

 近日、国家衛生計生委員会が「中国流動人口発展報告2013」を発表し、中国の流
動人口が2.36億人に達したことを伝えた。6人に1人が流動者であることになる。
 国家衛生計生委員会流動人口司の王謙介司長は、現在、流動者の平均年齢は28歳、
半分以上の労働年齢にある流動者は80年代生まれであると語った。
 新世代流動者がまずます多く都市部にやってきて、労働でお金を稼ぐだけではな
く、7割以上の成人は都市部に移り住むことを希望し、都市部での成功を夢見てい
る。そして、その都市に溶け込もうとしている。
 これらの80年代生まれの若者が選択した流動方式は、生存型から発展型へと変貌
している。
 都市部に入ることはただ単にお金を稼ぐことが目的であるだけでなく、未来への
発展にさらなる期待を抱き、流動方式が個々の労働力の流動から世帯化へと変化し、
流動形態が出稼ぎ出戻り式から、都市での生活、仕事の定着へと変化している。
 6割以上の80年代生まれの流動者は、ここ3年仕事を変えていないという。
 今年4月における就業流動者の平均賃金は3287.8元で、去年の同期と比べて4.9%
のプラスである。
 流動者の主な就業先は私営部門か個人経営で、就業先は製造業など五大業種に集
中している。
 製造業は一貫して流動者を吸収する最も主要な業種であるが、ここ2年、流動者
が製造業で従事する比率は低下している。
 2013年の最新調査によると、製造業従事割合は33.3%で、2011年より4.1ポイント
下落している。第三次産業従事割合が上昇の勢いで、卸売小売とホテル飲食業界へ
の就業の割合が20.1%と11.3%で、2011年と比べ、2ポイントと1.4ポイントの上昇と
なった。〔大洋網―広州日報2013年10月14日〕
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