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留学生の帰国発展か将来不安の海外移民か

留学帰国者の就職が深刻に 思ったより低いは8割近い

 先日、中国社科文献出版社は国際人材白書「中国留学帰国人材発展報告2013」を
発布し、2013年に留学から帰国した人数が27.29万人に達し、前年同時期から45.56%
増加したと指摘した。これは歴史上最高値である。
 今後5年以内に、中国は海外からの帰国人数が出国人数より多くなるという歴史
的転換点を迎える。一方、帰国者の増加に伴い、国内全体の就職情勢深刻化を背景
として、留学帰国者就業問題も次第に深刻になっている。
 ここ5年間に帰国した人数が80万人近くになり、30年前の3倍に近づき、中国は留
学帰国者数が出国人数より多くなるという歴史的転換点を迎えることになる。
 2003―2011年に中国のGDPの年平均が実質ベースで10.7%の成長率となり、同時期
の世界の3.9%をはるかに上回った。中国の巨大マーケットが留学帰国者たちにまた
とない機会を与え、人材の新たな還流を引き起こしている。
 現在、留学帰国者の86%が6か月以内に仕事を見つけている。
 留学帰国者が帰国後就職する地域は、北京、上海、広東、江蘇、浙江、山東など
の発展都市に集中する。
 留学帰国者の41.6%が北京、14.2%が上海、8.7%が広東、6.4%が江蘇、5.3%が浙江、
5.2%が山東で就職し、この6つの省に81.4%の留学帰国者が集中している。
 外資系企業が留学帰国者の第一の選択で、4分の1を超す留学帰国者が選択してい
る。金融及び関連サービスが留学帰国者の就職する最も多い業種で、48.5%が選択
している。
 国内全体の就職情勢深刻化を背景として、留学帰国者の就業問題も次第に深刻に
なっている。
 留学帰国者の77.5%は、賃金が思ったより低いと考えている。そのうち、38.5%の
留学帰国者が思った以上の非常に少ない賃金だとしている。
 海外への留学生が多層化するにつれ、少なくない低質な留学生が国外の学校で卒
業証書を取得することも多くなった。しかし、結局のところ、総合的な資質から見
れば、就職競争力は国内の田舎者と変わらないのである。
〔大洋網―広州日報2013年11月25日〕

帰国者の多くは「ワカメ」にはならない

 近年、世界の人材が次第に工業国家からアジア、アフリカ、ラテンアメリカ等の
国に回帰するという「人材回流」が、国際人材流動の新現象となっている。
 最近、中国グローバル化研究センター、社会科学文献出版社が智聯招聘と共同で
編纂、出版した「中国留学帰国人材発展報告(2013)」国際人材白書(以下「白
書」という)が正式に発布された。
 白書では、帰国人数の大幅増という前提のもと、実質的なハイレベル帰国国際人
材の回流時間表と帰国創業の現状を探り、中国人留学生の回流の新傾向について客
観的で詳細な分析と判断を行っている。
 白書は、留学生の帰国する主な理由は、家族とともにいることを希望するもので
あり、うち、留学生の90.9%は父母のもとを離れたくないため、78.4%は国内での仕
事の発展性に自信があるため、66.7%はよりよい文化生活を求めて帰国するとして
いる。
 帰国者はそれぞれ年齢が異なり、出国・帰国の時代背景、思想観念にも差異が生
じるため、帰国の理由も異なる。
 全体的に見ると、1950年代及びこれ以前の帰国者は、その多くが公費留学生であ
り、帰国の理由は、主に帰国後の義務を履行するためである。
 1960、1970年代は、国内の仕事及びマーケットの発展チャンスを重視し、仕事上
の発展を期待して帰国するものが主である。
 1980、1990年代の若い帰国者は、その多くが一人っ子であり、兄弟がおらず、留
学生と家庭間の相互の依頼度が比較的高く、家庭のためというのが最も多い理由と
なる。
 また、帰国に当たっての最大の問題は政策制度のバリアであり、55.9%が国内政
策の制限が多い、50.5%が国内の法環境が整っていないと感じている。
 このほか、家庭生活と社会文化のバリアも帰国者が問題と感じる点であり、特に、
子供の教育(42.8%)、人間関係(43.4%)に同様の認識を示している。
 86%の帰国者が半年以内に仕事につくことができ、大多数の帰国者は「ワカメ
(就職待機)」や「ナマコ(余剰)」とはなっていない。
 帰国後3カ月以内に就職が決まる者が65.3%、3―6カ月以内は21%、6―12カ月以内
は8.2%となっており、1年以上かかる者は5.5%にすぎない。
 帰国者の国外での専攻は主に金融、経済、管理、エンジニアリング等となってお
り、これらの専攻は国内で需要が高く、就職しやすい。
 これに対し、智聯招聘のシニア人力資源専門家の〓健氏は以下のように述べている。
 多くの帰国者は自身の有利点を軽視してはいけない、特にここ最近の中国経済の
安定成長は海外留学生に多くの発展プラットホーム及びチャンスを与えている。
〈留学コストを回収するのに5年〉
 多くの帰国者は、留学コストの回収には比較的時間がかかると考えている。
 帰国後に就職した帰国者の半数以上が国外留学は割に合うと考えており、うち
21.1%が非常に割に合う、35.4%が割に合うと考えている。このほか、80%以上が、
自身の学識レベルは同業者よりも高いと認識している。
 しかし、これと同時に、帰国者の所持金は縮小している。77.5%は、実際の給与
は理想としていた給与より低いと感じ、1.8%のみが自身の希望金額を超えていると
している。
 帰国者の留学コストの回収には比較的時間がかかることを白書は示している。
48.8%の就職型帰国者は5年またはこれより長い時間がかかるとし、11.1%が4年で回
収可能、17.5%が3年で、11.5%が2年で、11.1%が1年で回収可能としている。
 これに対し〓建氏は、帰国者が職場の新人として良好な発展プラットホーム及び
就業計画を選択することは、高収入のオファーを受けることよりも重要であるとし、5
年間という時間は長くはなく、正しい職業計画のもとでの5年後の就業前途は相当
な価値があると提言している。
注)〓は、「赤」におおざと
〔上海金融報2013年11月12日〕

生活苦!香港中産階級層に再び移民ブーム

 中国大陸住民が香港への移民に熱を帯びている反面、一部の香港中級階級層は急
いで香港を離れようとしている。
 香港保安局のデータによると、今年上半期だけで3900人の香港人が海外に移民し、
昨年の同時期と比べて8.3%の増加となった。
 台湾の内政部入出国及び移民署の最新公布のデータによると、香港から台湾への
移民数は半年間で5倍にふえ、今年9月には632人に達した。
 専門家は、香港でここのところ起こっている移民ブームの原因は、香港経済の憂
いによるものだと指摘する。
〈台湾が「新たなお気に入り」〉
 「今年に入って、我々の商売は繁盛しているよ。特に、今年半ばから今まで、毎
日電話の対応に追われているよ」と、景鴻移民高級サービスセンター顧問の羅さん
は記者にこう話した。
 「直接面談した客は昨年の同時期の2倍、他の同僚も同じで、週4日は夜8時、9時
まで残業しなければならない。週末にはセミナーや定期の大きな行事も開催されて
いるけれども、このようにしないと客の要求を満たすことができない」(羅さん)
 香港歴史上かつて何度も起きている移民ブームでは、前回は1997年の香港返還の
時期で、一部の香港人が返還後の政治の不確定さを心配し、国外に移民した。
 政府の統計によると、今年になっての移民先はアメリカ、カナダとオーストラリ
アなどの国に集中している、過去5年間では、2011年の移民数で初めて増加に転じ
て8300人に達し、2010年比15.3%の増加となった。
 ある移民仲介業者は、今年接触した移民を希望する香港人の中である興味深い現
象を発見した。それは香港からとても近い台湾が移民の新しい選択となっているこ
とである。
 移民局のデータによると、以前香港から台湾に移住する人は、1カ月で100名強で
あったが、今年9月には何と632名に急増し、その数は5倍強に相当する。
 台湾は、まさに香港移民者の新天地となったとアナリストは指摘する。
 台湾にある屋台料理、物価の安さ、人情味のある人々、香港人にとっては憧れの
地である。他の移民国家や地域と比較すると、台湾へ移民することは、香港人にと
って敷居が一番低く、台湾での銀行預金が台湾ドルで500万あれば移民の申請が可
能である。
 香港は面積が狭く人口が密集しているが、台湾は居住環境が快適で、不動産も香
港の3分の1、地理的にもかなり近く、言葉が通じるのも優位な点で、このため、台
湾は徐々に香港人の人気を集めている。
 一部の香港中産階級は、台湾は高齢者養護施設整備が香港よりすぐれていること
から、台湾で晩年を過ごそうと移民を計画する人もいる。
〈教育と不動産を重視〉
 カナダ・ロテ移民事務所顧問の陳小儀氏は、香港人移民者の主要な動機はほぼ以
下の幾つかに当てはまると指摘する。
 一つ目は、子女の教育問題である。過去数年間に香港の教育制度は大きな改革を
行ったため、子供が希望の大学に入ることは極めて難しく、授業のストレスも相当
なものだ。
 次に、不動産高騰である。2008年以来、香港の不動産は倍になったため、たとえ
夫婦がそれぞれ高収入であっても、高過ぎる不動産を手に入れるのは困難である。
 このほかに、中産階級は香港の政治に不安を抱え、また香港が高齢化社会に進む
につれ、将来の医療保障問題も心配している。
 独立資産運用機構で長年勤めた業務主任の武さんは、1年前にカナダへの移民申
請書を提出した。
 武さんは仕事の関係で、ここ2年の間に香港とカナダを行ったり来たりしている
のだが、カナダの生活の方が適していると感じるし、人々の関係性も近しくなれる、
自分で貯めたお金を使って香港でマンションを購入するなんてウサギ小屋に住むよ
うなものだが、カナダなら大きな別荘に暮らせるし、食べ物も生活も安心できるの
だという。
 武さんは、多くの親戚が以前の移民ブームの際にカナダに移民しているため、孤
独は心配ないという。
 「香港の中産階級による移民が比較的多い。その主たるものはビジネスを通して
の計画だったり、結婚を目的とした移民であったりで、ごく少数だが移民目的のみ
でカナダに移民する人もある。今年の客の構成からいうと、20%はかつてカナダに
留学していた人で、20%は香港で高級管理職に就いている人で、年収が200万以上、
例えば空気の質や食べ物など、さらによい生活環境を求めている」と陳小儀氏は語る。
 「主に子供の将来を考えてのことだ。現在、香港の子供が有名な幼稚園や小学校
に入るのは至難の業で、競争は特に熾烈である。勝ち抜いて学校に入ったら、授業
のプレッシャーがのしかかり、私の2人の子供は小学校に入ったばかりなのに、時
間割りに追われ、毎晩宿題は10時過ぎまでかかる」
 「香港人は二重国籍を持てるから、オーストラリアの国籍をとっても、香港の身
分は残っているから、子供が学校を卒業してから香港に戻って働きたいと思ってい
ても大丈夫」とオーストラリアに移民予定の許さんは語った。
 許さんは、現在、小さな家を2軒所有しているので、夫とともにこの家を売った
お金で海外へ出ようと思っている。オーストラリアの居住環境は香港より数段にい
い、「空気はおいしいし、国の全体的な福祉が行き届いているし、老後の医療保証
もあるし」と語った。
〔証券時報網2013年11月14日〕
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