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右肩上がり経済がもたらす格差縮小のチャンス

中国 今年の昇給幅はアジアトップ

 1月8日午後、世界をリードするヘッドハンティング会社のヘイズが「2014年アジ
ア給与ガイド」を発表した。
 この給与報告によると、中国は2014年もアジア地域において最も高い給与成長が
続く。
 アジアにおける2600名余りの雇用主に対する調査によると、中国の雇用主の67%
は、従業員に対し6%以上の昇給を行う。アジア地域全体でいうと、この水準の昇給
を行う雇用主はわずか29%である。
 クリスティーナ・ライトアジア運営部長によると、アジアは依然として就業及び
給与水準の成長が世界で最も速く、現在も人的資源が不足している状況にあり、特
にトップクラスの人材が不足しているために経営者の求人が難しい。
 2014年、中国はアジアで昇給幅がトップになる。中国全体の求人募集の成長は下
がるとしても、全体としては引き続きふえるという。
 サイモン・ランス中国地区担当部長によると、中国企業の「海外進出や投資」が
加速し、特に海外の買収合併、海外上場の需要はますます突出し、中国企業の海外
人材及び海外バックグラウンドを持つ人材に対する需要は増加する。
 また、同氏は、求人需要の増加は主に金融とITの両業界にあらわれると見ている。
 「金融業界の海外人材に対する需要は高級管理職に当たる人材が主で、分野は主
にリスク管理、コスト管理及びコンプライアンスに集中する」(サイモン・ランス
部長)
 さらに、同氏は、中国の2014年の給与成長予想は6%で、個別分野と際立って有能
な個別の事例として10%を超える増加があらわれるだろうと指摘した。
 中国の会計と金融就業市場は再調整の最中だ。
 国際標準からすれば、中国経済の成長速度は依然として見る価値があるが、経済
モデルは既に次第に製造志向型からサービス志向型に変わってきている。
 北京、上海などの一線都市は現在、サービス会社、金融機関や銀行の参入をさら
に多く誘致しようと努力している。このことは、財務企画と分析、商業分析、規制、
監査とコンプライアンスの分野で、豊かな経験のあるベテラン求職者に多くの雇用
機会を生み出している。
 商業銀行の給与は上昇傾向を示し、求職者は10%から15%の給与増加を獲得している。
 昨年中国のIT市場は継続的に成長し、依然として初級、中級、高級専門人材を必
要としている。
 建築と工事の分野では、従来型の工事経験のある建築及びプロジェクトマネージ
ャーは15%から20%の昇給を獲得する見込みがある。
 製造分野では、昨年、日用消費財、自動車、医療器械と材料科学業界の研究開発
投資が一定程度増加した。
 グローバルなR&D機能あるいはセンターを中国に移し、長期的戦略で発展とコス
ト抑制を実現させる企業もある。
 このため、すぐれた研究開発経歴、海外経験及びバイリンガル能力を備えた求職
者に対する需要は特に引き続き高い。条件に合う求職者は相当の給与を獲得できる
だろう。
 2013年のデータから見ると、国家統計に基づけば、中国の存在感は依然として非
常に突出している。雇用主の54%は6%から10%の昇給、12%はさらに高い昇給を行う。
 マレーシアでも同様に少し高めで、雇用主の10%は10%以上、25%は6%から10%昇給
させる。
 香港では、大部分の雇用主(54%)は3%から6%の昇給を行う。
 この状況とシンガポールとは類似しており、シンガポールは雇用主の53%が同様
の昇給を行う。
 日本では、雇用主の64%は3%に満たない昇給で、16%は昇給を行わない。
〔21世紀経済報道2014年1月9日〕

給与「暴露」とボーナス「晒し」が大好きな中国人

 2014年度大学生の就職活動が本格化してきたが、オファーから絞り込んでいる北
京の重点大学のマイナー言語の修士学生の余嘯寅さんは最近、ふと気づいた。それ
は、人に頼んで企業の給与待遇を探るようなことをする必要がないということだ。
 「華為の高級事務員は4878元、安邦保険公司の法務専門員は6500元……」
 余嘯寅さんは「曝工資」というスマホアプリを見せてくれた。各業種のそれぞれ
の立場の給与額を無料で調べられるほか、自分の給与を公開する人が比較的多い会
社や職位なども閲覧できる。
 以前、給与待遇というのは中国人の間では「言ってはいけない秘密」であった。
今では、若者たちはこのような給与公開アプリを通して、将来つくであろうの仕事
の給与状況を知るだけでなく、この情報が転職前の必須情報となっている。
 代世偉さんは半年前、北京の外資系金融機関からデジタル出版会社に転職した。
代世偉さんはスマホの「分智網」を見ながら、次の転職先を探そうとしていた。
 代世偉によれば、このウエブサイトは現在、中国で最も多くの人が給与公開をす
るサイトで、世界ランキング五百強企業が中国で出している給与待遇に対して、会
社に得点をつけたり、コメントしたりできる特徴があるという。
 余嘯寅さんは、ネットユーザーが公開した給与額は本当だとは思っておらず、
「差し当たり参考にするだけ、何かしらの情報があるだけ、何もないよりはましだ
から」と語る。
 年の瀬が迫るこのごろは、給与公開ついでに、年末のボーナスも公開する人もい
る。ネット上では、珍しくてすごい一風変わったボーナスが公開されており中国社
会の多元化を映し出している。
 ネット上に流れている「インターネット企業21社の年末ボーナス」によると、イ
ンターネット企業は通常、社員の業績に応じてボーナスを支給しており、多いとこ
ろでは月給14から18カ月分に達する。
 中国での法定休暇の日程が迷走している中、一部の企業はボーナスのかわりに社
員に休暇を与えている。
 中電集団傘下の子会社のさんによると、その年に優秀な社員として選ばれると、
ボーナスとして何と5日間の有給休暇を与えられるという。「勤務年数10年以下の
社員は5日間の休暇しかもらえないのが倍になるのだから、全くすごいインセンテ
ィブだ」
 重慶観音橋のとある金融会社のボーナスは笑えるものだった。社員の楊敏さんは、
忘年会で10万元の大当たりを引き当てたが、彼女が社長から受け取ったお金は薄っ
ぺらい一枚のお札、10万ルピアで、中国元に換算すると数十元にしかならなかった。
 新浪微博上で、最もうらやましがられている年末ボーナスといえば、個人旅行サ
イト「窮遊網」が出した「大福利」だろう。
 窮遊網の張軼運営総監の微博から数千人に拡散されたのだが、「入社3年、年間1
万元分航空券支給、家族1人同伴可能、入社5年、年間3万元分航空券支給で、家族3
人同伴可能、行き先の制限はなく、何度乗り継いでも構わない」
 外国企業は中国企業に比べ一風変わったボーナスの哲学を持っている。
 オーストラリア企業で働く唐傑生さんは、「すごくロマンチックなボーナス」と
して、オーストラリア産ワインをもらった。「中国の会社みたいに年末にボーナス
を渡すのではなく、外国の企業はパーティーを開くのが好きで、抽選会などで景品
としてボーナスを出す」〔中国新聞網2014年1月7日〕

中国の都市・農村所得格差20倍 これは縮小傾向とのこと

 2012年の中国の都市・農村所得格差は20倍?2012年に中国の都市・農村所得格差
は20倍で、しかもこのデータの出典は2013年12月26日に発表された「社会白書」で
あった。
 20倍というのはどういうことなのか?
 2002年以降、都市・農村所得格差は3倍以上となっている。2010年には3.23倍に
なったが、2011年には3.13倍に下がった。
 「過去の都市・農村所得格差で出されたデータは調査人口の平均値が使われてい
るが、今回は、調査人口を所得水準に合わせて5等分した結果、最高所得者層20%の
所得水準は最低所得者層の20倍だったということであり、つまり都市・農村住民の
両端の所得格差は20倍ということである」
 1月2日、「社会白書」を編集した社会科学院社会学研究所の陳光金所長は、取材
に対し、このように述べた。
 データの使い方が違うとはいえ、都市・農村の両端の所得者層の格差が20倍とい
うのは、依然として避けがたい現実である。
 18回三中全会「決定」で、所得再分配改革の道筋及び方向がはっきりと示され、
改革方案が出されているが、所得格差は縮まらないのだろうか?
〈所得格差は大きいのか〉
 改革開放から三十有余年、中国人の所得は大幅に増加したが、所得分配の不均衡
の問題はますます鮮明になってきている。
 社会科学院のデータによると、1980年以降、中国の都市・農村所得格差が縮まっ
た時期はわずかで、例えば、1980―1983年では急激に縮小し、1994―1997年では小
幅に縮小したが、それ以外の時期では開き続けている。特に、2002年以降は3倍以
上で、2010年には3.23倍になった。
 一般的には、先進国の都市・農村所得格差は1.5倍前後で、発展途上国は高目で2
倍前後、このぐらいが基本的な数値である。3倍以上を超えると、所得格差が広が
り、バランスを欠くと説明される。
 「今回、両端の所得者層のデータを使って都市・農村所得格差の統計を行ったこ
とで、さらにわかりやすく正確になった。両端のデータは見たところ倍数はとても
大きいが、前年の状況と比べると都市・農村所得の格差は縮小している。」
 1月2日、「社会白書」編集に参画した社会科学院社会学研究所の張翼副所長は取
材に対しこのように述べ、格差縮小の主要因は、農民工の所得が増加してきている
ことと、農産品の価格が上がっていることだとした。
 しかし、都市経済の成長速度が都市住民の可処分所得の上昇速度に影響しており、
一つが上がり、一つが下がって、格差がおのずと縮小してきているという。
 国家統計局のデータによると、2012年、中国の都市・農村所得は安定成長してい
る。都市住民の1人当たり可処分所得は2万4565元で前期比9.6%増、農村住民の1人
当たり純収入は7917元で前期比10.7%増である。
 農村住民の1人当たり純収入の実際の成長は、都市住民の1人当たり可処分所得よ
りも1.1ポイント高い。
 「この格差は大きいと言えなくなっているのは確かだ」
 20倍の両端のデータに対し、社会科学院社会政策研究センターの唐鈞秘書長は1
月2日の取材で、次のように例示している。ある農民工の月給が1000元で、ある高
所得者の月給が2万元、市場経済ではこのような数値は正常なことである。
 張翼副所長によると、中国の都市・農村所得格差は、徐々に縮小の趨勢にあるが、
全ての発展途上国と比べれば、格差はまあまあ高い。
 しかし、中央が所得格差の調整を行う意向が強くなり、腐敗防止及び国営企業の
報酬改革が強化されるにつれ、都市・農村所得格差も小さくなってきている。
〈社会保障制度の完備〉
 データで平均所得格差が縮小していることが明らかになっている一方で、住民の
所得分配はますます不満があらわれている。関連調査によると、現在少なくとも60%
以上の庶民は所得分配に対する現状に不満を抱いており、物価上昇が急激になると
不満な気持ちは特に強くなる。
 「都市住民の所得分配の矛盾の緩和、所得格差の縮小について、当面の急務は、
社会保障制度の完備を急ぐことである」
 張翼副所長は、一次分配では所得分配不公平の問題を解決することは困難で、社
会保障といった二次分配の制度に頼ることで、ある程度の所得分配を行うことがで
きるとしている。
 目下のところ、中国の社会保障制度は基本的に全国をカバーしているが、農民に
対する保障はそれほどでもなく、都市・農村住民の間には社会保障自体の有無とい
った違いが存在する。
 事実上、社会保障制度の違いは、異なる地域、業界、社会階層の間でそれぞれ存
在する。
 例えば、労働者の中では社会保障の有無での待遇が違う。異なる職業間では、公
務員と国家機関の職員及び企業の従業員等で待遇が違う。企業の中の職種間でも、
一般の業界と独占業界の間では職業の福利厚生が実際に違う。中部、東部、西部と
いった地域間で社会保障費用徴収率や待遇が違う。
 これらの違いを徐々になくしていくことで、社会保障の調節作用がやっと有効に
発揮されることになる。
 社会保障を通じて所得分配を調節することは多くの国家に先例があるが、英国を
例にとると、英国は1983年、社会保障を通じて所得分配格差を大幅に縮小し、最高
所得者層20%と最低所得者層20%の所得分配の格差が、20:1から4:1となった。
 このように見ると、社会保障が所得分配を調整することにはとても大きな役割が
ある。
 しかし、監督管理制度の欠陥により、中国では不法所得の規模は巨大で、これが
所得分配格差拡大の一つの重要な要素となっている。
 その主要な要因は、権力をめぐる公共資金や公共資源の分配が生み出す腐敗、レ
ントシーキング等で得た資金のほか、養老金、公共積立金等の社会保障制度が統一
されていないことでもたらされる収入もある。
 このように見てみると、所得分配改革を進めるには公平な分配と所得の増加は同
様に重要であるが、中でも社会保障が所得分配を調整する役割は軽視できないもの
である。
 「今年の「低いのを引き上げ、高いのを制限する」という改革の道筋は、既に提
出されている所得分配草案に近づいており、関連細則は期待できる」張翼副所長は
強調する。
 国家発展改革委員会の徐紹史主任は、近々開催される全国発展改革工作会議の席
上で、2014年、発展改革委員会は、所得分配制度改革に関連する実施細則の発表を
関係各方面と協調して推進し、都市・農村住民、特に低所得者層の所得増加に努め
ると表明している。
〔華夏時報2014年1月4日〕
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