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海外旅行の大衆化に伴う観光客数増減

香港 個人手配旅行数を20%削減検討

 大量の中国人観光客の受け入れに直面し、香港では個人手配旅行の規模を20%削
減することを検討している。
 5月26日、香港策略発展委員会が開催され、中国と香港の問題が議題となった。
 会議後、会議に出席していた関係者によると、会議において、香港特別行政区の
梁振英行政長官は積極的に中国からの観光客数を制限する意見に言及し、個人旅行
観光客20%削減を提案したという。
 個人旅行で香港に来る観光客数の増加は、香港現地住民の多くの不満を呼んでい
る。子供を香港籍にするために入国する中国人妊婦や粉ミルクの買い占め等の事件
のほか、中国人観光客数の多さによって、買い物が混み合うことも不満となっている。
 どのようにして個人旅行、1年有効のマルチビザで出入境する人数を制限するか
は、最近、香港の各界で議論になっている。
 5月27日、行政会議に出席するに当たり、梁振英行政長官は、前日に確かに個人
旅行減少について検討したが、政府が提案したわけではなく、関係各方面の意見を
聞いている段階だとした。
 梁振英行政長官はまた、観光業は香港経済の重要な構成部分で、末端労働者の就
業にとっても非常に重要であると強調した。
 中国人観光客の香港観光の増加が急速で、香港の一部の施設には混雑が発生し、
政府は、例えば土地利用計画等を改めるなど、容量増や受け入れ能力向上の措置を
講ずることができるが、これらには時間がかかる。
 梁振英行政長官は率直に、観光客受け入れの能力の大幅向上の前に、特区政府は
いかにして観光客増あるいは観光客の伸びを緩やかにするか、観光客の規模の伸び
をとめるか、また、いかにして中国人観光客数を減らすかも研究し、中央に意見を
報告すると述べた。
 策略発展委員会委員の一人で、立法会議員の方剛議員はメディアに対し、個人旅
行観光客20%削減は香港経済に影響を与えるが、個人旅行観光客が過剰であること
が香港現地の住民の生活をますます混乱させていると述べた。
 方剛議員は、まず、日帰りの1年有効のマルチビザの観光客から着手することを
提案している。この種の観光客を制限することによる影響は少ないと見ている。
 近いうちに、観光客数制限の呼びかけのもと、香港執行部門も、政策のすき間を
突いて香港で「個人旅行」を行う観光客に規制を強化する。
 5月中にも、香港入国事務所は既に「破影」と名づけた監視活動を行い、通過ビ
ザで香港旅行をしていた中国人観光客34名を捕らえた。
 これらの観光客は、香港経由でほかの場所に向かうと話していたが、香港での7
日間滞在後の目的地がなかった。そのうち13人は出入境審査官に虚偽の申告をし、
7人は既に2週間から3カ月拘留されることになった。〔21世紀経済報道2014年5月27日〕

南方航空コックピットクルー昇給要求に回答 機長の給料3分の1上昇

 国有の三大航空会社の1つである中国南方航空は先日、ついに傘下のコックピッ
トクルーによる昇給要求に同意した。機長の給料は平均3分の1近く上昇した。
 昨年9月と今年4月、中国南方航空、中国東方航空、中国国際航空の大量のコック
ピットクルーが民航局に対し連名通知を出し、航空会社がコックピットクルーの就
業の自由、より給料水準の高い民営航空会社への転職を認めることを要求。業界の
幅広い注目を集めた。
 2回の連名通知の活動において、三大航空会社のコックピットクルーは国有航空
会社の緩慢な給料水準の増長を批判し、航空会社はコックピットクルーの自由な転
職を認めるべきだと要求した。
 現在、中国のコックピットクルーの収入は、民営航空が最も高く、国有航空と地
方の合弁による地方航空がその次であり、三大航空会社の収入水準は最も低い。
 しかし、中国民用航空のフライト数の急速な増加が国内航空会社のコックピット
クルー、特に機長数を非常に逼迫させ、三大航空会社はコックピットクルーがより
給料水準の高い民営航空会社に転職することを厳格に制限している。近年では、辞
職によって航空会社と争うコックピットクルーが徐々に増加してきている。
 しかし、この昇給後、南方航空の機長、教員、副機長の一人当たりの年収は上昇
し、それぞれの上昇分は30%、20%、16%を超える。機長の昇給は6ケタとなり、時給、
離着陸費などを含め、明らかに増加した。
 2013年年報によれば、南方航空のコックピットクルーは6342人である。上昇幅が
最も低い副操縦士の伸びで計算すると、南方航空の今回の昇給総コストは4億元以
上である。
 ある三大航空会社のコックピットクルーは21世紀経済報道に対し、三大航空にお
けるこの上げ幅を「非常に珍しい」としている。21世紀経済報道が入手した資料に
よると、南方航空は今回の昇給後にコックピットクルーの収入が国際航空や東方航
空の同職と比較し20%高くなったと予測している。
 今回、南方航空が先頭を切って昇給に踏み込んだことで、国際航空や東方航空は
より大きな圧力を受けることになると予測される。〔21世紀経済報道2014年5月28日〕

72時間通過ビザ免除利用 1日平均わずか延べ42人

 中国人の海外への出国観光は盛況だが、外国人の中国への入国観光は冷え込み、
上海の観光市場は昨年、不振をきわめた。
 上海市統計局が15日に発表した統計データによると、昨年、上海市民の出国者数
は延べ686.85万人で前年比25.1%増であったが、海外から上海への入国観光客は延
べ757.4万人で前年比5.4%減であった。
 これまで、2010年の上海博覧会以降、上海の入国観光客は減り続けている。
 業界関係者が15日に述べたところによると、入国観光が減少するのには多くの原
因があるが、EU、アメリカ、日本等中国への入国観光の主要な供給地で、ここ数年
経済状況がよくないこと、複雑な周辺環境が国際的な紛争をもたらし、関連国では
中国観光に一定の影響を与えていること、さらに、中国国内の大気汚染等の環境問
題が、中国への入国観光に影響を与えていることがある。
 さらに、再認識すべきこととして、もともと外国人観光客誘致のために大きな期
待が寄せられていた「72時間通過ビザ免除」政策が、上海で実施されて以降、1年
間で1日当たり延べ42人しか利用されておらず、人数がとても少ないことがある。
 この背景のもと、「72時間通過ビザ免除」の時間を7日間から半月にまで延長し、
範囲も入国地から全国へと拡大せよとの声も出ている。
〈上海 昨年の出国観光は盛況〉
 15日、上海市統計局から得た情報によると、2013年、上海市観光消費は大衆化し
てきており、観光産業経済は調整期に入っている。
 人民元高、海外における中国人観光客のビザ発行手続の簡略化が続き、航空会社
が新規フライトを増便したことで、昨年は多くの観光客が出国した。昨年、上海市
民の出国者数は延べ686.85万人で前年比25.1%増であった。
 中国人観光客の出国者数の増加が進むことと大きなコントラストをなしているの
は、ここ数年、EU、アメリカ、日本等先進諸国の経済疲弊が発展途上国に及び始め、
外国人観光客の入国者数が低迷を続けていることである。
 2013年、上海市への外国人観光客の入国者数は延べ757.4万人で前年比5.4%減で
あった。そのうち、外国人観光客は延べ597.59万人で5.6%減、香港・マカオは延べ
59.84万人で5.5%減、台湾は延べ99.97万人で3.9%減であった。
 外国人観光客減少により、上海の昨年の外国人観光客による外貨収入も前年比4.4%
減の53.37億米ドルであった。中国で宿泊する外国人観光客は、上海で1人当たり
854.06米ドル消費し、平均滞在日数は3.29日であった。
〈今年は外国人観光客が底を打って回復へ〉
 事実上、2010年の上海博覧会後、上海の外国人観光客数は一貫して減少傾向であ
った。
 上海観光局の統計によると、2010年、上海の外国人観光客数は延べ850万人余の
ピークに達し、その後、この数字は減少を続けた。2011年は延べ810万人余、2012
年は延べ800万人余、2013年はさらに減少し、延べ757万人余であった。
 外国人観光客数減少が続いた影響で、上海国旅、錦江旅游、上海青旅等上海の旅
行大手がここ数年、経営業績において一定程度の影響を受けている。
 上海青旅入国部の担当者の〓欣さんによると、昨年の外国人観光客数全体は2010
年のピーク時のわずか3分の1で、特に日本から上海に来る観光客の減少が際立って
いるとした。
 「日本はずっと上海の外国人観光客数ランキングでトップだったが、ここ2年ほ
どで、日本から上海への観光客は減少が続いている」(上海のある観光業界関係者)
 昨年以来、上海市政府及び観光主管部門は幾つかの積極的なプロモーション政策
を打っている。
 例えば、上海の科学教育、大学、医療等業界別に「観光大使」を推進し、国際的
に一定の影響力を有する学術経験者に国際会議を提起してもらい、会議観光を誘致
するなどだ。
 朗報としては、今年以降、上海の外国人観光客数が既に上昇に転じていることだ。
上海市観光局の過去3カ月間の統計によると、上海の外国人観光客数は延べ182万人
に達し、初めて2カ月連続で増加し、3.37%増であった。
〈「通過ビザ免除」は冷え切ったまま〉
 外国人観光客数減少に対し、もともと大きな期待が寄せられていた「72時間通過
ビザ免除」は効果がないのかと疑問に思う人もいるだろう。
 2013年1月1日、上海、北京、広州は72時間通過ビザ免除政策を正式に実施し、45
カ国・地域の住民は、一定条件を満たせば、この政策を享受できるようになっている。
 規定に基づき、通過ビザ免除の観光客は必ず接続便を予約していなければならず、
かつ第三国に向かわなければならない。同時に、中国に滞在する地点も制限されて
いる。上海を例にとると、乗り継ぎをする観光客は、ビザ免除中、上海を離れるこ
とはできない。
 通過ビザ免除政策は、国際的に新しいものでもない。数年前に、ソウル、韓国、
バンコク、シンガポール、ドバイ等の都市では、このような通過ビザの優遇政策を
使うことにより、多くの乗り継ぎ客を観光やショッピングに引き寄せて、都市航空
運送業や観光業の発展にも刺激を与えていた。
 中国でこの政策に大きな期待を寄せる地方政府は少なくなく、成都、重慶、西安、
瀋陽等地域の中心都市の多くがこの政策の実現を目指している。
 この政策に対する大きな期待は、各大手航空会社にもある。
 東方航空は、72時間通過ビザ免除政策の実施に合わせ、航空券とホテルがついた
個人旅行プラン、航空券と上海及びその周辺1―3日ツアー等の観光商品を出している。
 中国国際航空も、北京及び上海で、旅行会社と協力して、半日ツアー、1日ツア
ー、2日ツアーの観光商品を出している。
 このほか、機内雑誌広告から海外現地プロモーションまで、各大手航空会社の宣
伝が続けられている。
 しかし、上海の出入国管理部門の最新統計によると、通過ビザ免除政策実施後の
1年間において、延べ計1.52万人余の外国人観光客がこの政策を享受しているが、1
日当たり延べ42人と、人数は大変少ない。
〈韓国の通過ビザ免除30日を参考に〉
 事実上、「72時間通過ビザ免除」は冷め切ったままである。
 この政策実施当初、上海通関で第1四半期にこの方法で入国したのは1日当たりわ
ずか延べ20人余であった。ここ1年間の1日当たり利用者数は延べ42人で、上海の1
日当たり延べ1500人余の海外輸送旅客の数に遠く及ばない。
 なぜ海外都市でどこでも好調だった通過ビザ免除政策が、中国国内では冷め切っ
ているのだろうか?
 このことに対し、上海の航空会社のマーケティング関係者は、1つの都市に範囲
が制限されており、パッケージ観光商品の種類をふやせないと言及し、宿泊可能エ
リアを、上海のほか浙江や江蘇の各大都市まで広げることを提案している。
 中国国際航空のある関係者は以前、各地の空港が72時間通過ビザ政策を享受でき
る観光客に対して多くの資源を割くことを希望すると提案していた。例えば、専門
サービスカウンター等である。
 メディアの報道によると、中国東方航空の馬須倫社長は以前、現行の通過ビザ免
除政策は制約が多く、当該政策を享受する観光客は空港の通関ゲートから出入国し
なければならず、鉄道や船といった交通手段での出入国はできない、乗り継ぎ期間
中の観光客の体験や関連サービスは整っていないし、利用者目線になっていないと
言及していた。
 しかし、ある関係者は、航空会社と旅行会社の宣伝方法に限界があるためと見て
いる。「多くの関連商品の分類は以前と変わらず、1日、2日、4つ星基準、5つ星基
準にとどまっている」
 ある民間航空会社の観光市場アナリストは、外国人観光客の観光商品はますます
利用者目線に近づけたものになってきており、簡単な分類ではニーズを満たせない
としている。
 また一方、ネット上では、韓国等に学んで、「72時間通過ビザ免除」を7日から10
日や半月にまで延長させ、滞在地域を入国地から全国へと拡大させることを呼びか
ける人もいる。
 一つの例としては、韓国では、今年初めから通過ビザ政策を緩和し、韓国で乗り
継ぎをするアメリカ、日本、カナダ、オーストラリア、EU30カ国等の外国人は、韓
国にビザ免除で30日間滞在できるようにしている。
〔東方早報2014年5月16日〕
注)〓は、かねへんに「中」
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