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世界に広がる中国のパートナー構築戦略

メディア分析 中国が世界に持つ58のパートナーシップ

〈中国と各国との関係図〉
▽全面戦略パートナー――EU、イギリス、イタリア、フランス、スペイン、ポルト
ガル、ギリシア、デンマーク、ベラルーシ、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、
ベネズエラ、カザフスタン、インドネシア、マレーシア、南アフリカ、アルジェリア
▽全面戦略協作パートナー――ロシア
▽新型大国関係構築――アメリカ
▽全天候戦略合作パートナー――パキスタン
▽全方位戦略パートナー――ドイツ
▽全面合作パートナー――コンゴ共和国、ネパール、クロアチア、タンザニア、バ
ングラデシュ、エチオピア
▽全面戦略合作パートナー――タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー
▽戦略合作パートナー――アフガニスタン、韓国、インド、スリランカ
▽戦略パートナー――ASEAN、アフリカ連合、ペルー、アラブ連合共和国、アンゴ
ラ、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、モンゴル、ポーランド、
ナイジェリア、カナダ、セルビア、チリ、ウクライナ
▽友好パートナー――ジャマイカ
▽友好合作パートナー――ハンガリー
▽全面友好合作パートナー――ルーマニア
▽伝統合作パートナー――アルバニア
▽重要合作パートナー――フィジー
▽戦略互恵パートナー――アイルランド
 習近平国家主席の今回のラテンアメリカ訪問と前後して、アルゼンチン、ベネズ
エラの「戦略パートナーシップ」を「全面戦略パートナーシップ」に引き上げた。
 今現在までで、中国は既に18の国及び組織と全面戦略パートナーシップを結んだ。
全面戦略パートナーのほか、中国は世界にさらにその他の類型の40のパートナーを
有している。
 中国の影響力が大きくなるに伴って、中国とパートナーの関係も緊密になり、そ
れぞれが政治、経済、人文等方面の一致する目標を追求するようになっている。
〈詳解 パートナーシップ〉
〈国家間のパートナーシップとは〉
 「パートナーシップ」の概念は、冷戦終結後に始まった。冷戦終結後、NATOは
「平和のためのパートナー」を推進し、非NATO国とパートナーシップを結んだ。
 中国国際問題研究基金会ラテンアメリカ研究センターの研究員で、前駐エクアド
ル、チリ、キューバの大使の劉玉琴氏によると、パートナーシップとは、国家と国
家(地域、組織)の間で、信頼関係から政治、経済、科学技術、文化等分野で協力
を展開する一種の国際協力関係を指す。
 人民日報はかつて、大国の間の関係は、パートナーシップ、同盟関係、非同盟非
パートナーシップの3種類の基本モデルに帰納するとの文章を掲載した。
 大国パートナーシップの最も本質的で最も核心的な特徴は、パートナー国との間
の平等、非同盟、第三国に敵対せず損害を与えないことである。冷戦の時期の大国
間の同盟、敵対関係と比較して、パートナーシップとは、国家関係の進歩であり、
平等な協力を推進する正常な国家関係である。
〈パートナーシップは何種類あるのか?〉
 現在までで、中国は計58の国及び組織とパートナーシップを結んでいる。パート
ナーシップとは、合作パートナー、建設性合作パートナー、全面合作パートナー、
戦略パートナー、戦略合作パートナー、全面戦略合作パートナー等である。
 戦略パートナーシップは、双方の協力が国家安全利益の基礎の上につくられ、全
体、全局面、核心的利益が全て一致していることが求められる。全面戦略パートナ
ーシップとは、双方の合作分野がより広範で、戦略関係におけるランクが高く、比
較的全面に及んでいることを意味する。
 2003年から現在まで、中国が全面戦略パートナーシップを結んだ国家、組織は計
18である。そのうち、EUは最初に中国と全面戦略パートナーシップを結んだ。2003
年10月、第6回中国・EU指導者会合が北京で開催した後、双方は全面戦略パートナ
ーシップを決定した。
 戦略パートナーシップは戦略協作関係ではない。後者は、双方の関係が具体化し
た後に、後続的な活動がなければならない。この2種類の関係には親疎の違いはな
く、後者には国家間の信頼感が増すだけである。
〈いつ「全面戦略」に昇格するのか?〉
 今年は、中国とアルゼンチンが戦略パートナーシップを結んで10周年、中国とベ
ネズエラが共同発展の戦略パートナーシップを結んで13周年で、今回、習近平国家
主席の訪問期間において、前後して両国と全面戦略パートナーシップを署名した。
 劉玉琴氏によると、最初にパートナーシップを結んでから現在まで、中国とアル
ゼンチン、ベネズエラの関係は目覚ましく発展し、2つの国家と中国との関係はも
ともとの関係の基礎の上にさらに一歩発展させる必要があるという。全面戦略パー
トナーシップまで引き上げて、双方のさらなる協力の願望をあらわしている。
 「以前は、ある一分野に偏重した発展だったが、全面戦略パートナーシップを結
んだ後、双方は政治、経済、人文、国際及び地域事務等において全方位的な協力が
可能である」(劉玉琴氏)
 また、これらの協力はもともとの関係を基礎の上に引き上げたもので、全面戦略
パートナーシップを結ぶことは、決して両国の協力の上での大きな行動を意味する
ものではなく、一連の順を追って進めるプロセスであり「双方の願望は、多くの分
野でさらに緊密な協力を持つことである」(劉玉琴氏)
〈パートナーは中国にどのように影響を与えるか?〉
 前駐ドイツ大使の梅兆栄氏によると、パートナーシップを結ぶことは、両国関係
の発展がますますよくなることで、双方にさらに高いレベルの双方の関係を追求す
る意思を持ち、協力方面で主導的な役割を占めることと説明できるという。
 同時に、外交上、中国の国際地位の上昇を反映し、パートナーがより多くなり、
合作のレベルも高くなっている。現在の中国はパートナーシップ国家との長期的な
協力を結ぶ能力を持ち、資金、技術、インフラ等の分野でより強い実力を有し、産
業能力が過剰な分野では他国に支援も提供できる。
〈特殊なパートナー〉
〈ロシア 全面戦略協作の新段階〉
 今年5月20日、第四回アジア信頼醸成措置会議のサミットにおいて、習近平国家
主席とプーチン大統領は現在の中ロ関係の全方位、多次元の順調な発展について満
足を示し、中ロ全面戦略協作パートナーシップをさらに高い水準に引き上げること
を決定した。双方は「全面戦略協作パートナーシップの新段階に関する共同声明」
に署名した。これは両国関係の今後の発展をリードする重要な共同声明である。
▽分析 宋栄華氏(中国公共外交協会秘書長、国際問題研究所研究員):この種の
関係は中ロ間で特有なものである。中ロは世界の大国で、世界と地域の安全等の重
大な問題において、双方は共同の立場で相互に協力連携を図り、世界の重大な局面
では影響力を果たす。国家が緊張に直面しているときには、この種の協力連携は戦
略段階で目立ってあらわれる。
〈アメリカ 新型大国関係構築〉
 米中国交正常化後、両国関係には幾つかの波があり、幾つかの変遷があった。
 1997年、米中共同声明では、両国は「建設性戦略パートナーシップ」を結んだ。
ジョージ・ブッシュ大統領のときには中国は「戦略競争ライバル」とみなされた。
2002年、米中関係は「建設性合作関係」に変わり、2011年の胡錦濤国家主席訪米時
には、共同声明中に「相互尊重と互恵のウイン・ウインのパートナーシップ構築に
共同で努める」という文言が再登場した。
 2010年、「新型大国関係」の概念が米中双方の外交の場面でますます多く出てく
るようになった。2013年6月、習近平国家主席とオバマ大統領がカリフォルニア州
のサニーランズで会談した際には、双方は両国関係を深く観察し、新型大国関係構
築に努めるべきだと表明した。
▽分析:宋栄華研究員 新型大国関係は、主に、従来型の伝統的大国関係と異なり、
米中は歴史上における武力で世界の秩序を変える忌まわしいことを避け、敵対しな
い、衝突しない、相互尊重、協力してウイン・ウインの新型大国関係構築に努め、
対話を通じて双方の間の矛盾を解決するというものである。
〈パキスタン 全天候戦略合作パートナー〉
 中国が「全天候パートナー」と呼ぶ唯一の国はパキスタンである。国交正常化し
た1963年以降、中国・パキスタン両国は政治において平等で相互に信頼し、経済に
おいてウイン・ウイン、双方の核心的利益に関係する問題において相互理解、相互
支持を図ってきた。パキスタンとの友好関係の発展は中国政府の一貫した方針であ
り、両国は台湾問題、チベット問題、反テロ問題、対米関係等の問題で相互に支持
し、協力が非常に親密で、国家関係の模範だと言われる。
▽分析:宋栄華研究 「全天候戦略合作パートナー」は「全面戦略合作パートナ
ー」とは異なり、さらに高い次元の友好関係である。「全天候」は、どんなときも、
状況がどれほど変わっても、両国は密接に友好的であるという意味である。
〈ドイツ 全方位戦略パートナー〉
 今年3月、習近平国家主席とドイツのメルケル首相が会談した後、両国は「中独
全方位戦略パートナーシップ構築の共同声明」を発表した。声明では、10つの方面
から、両国の今後の協力発展についての全面的な計画をつくる。全方位戦略パート
ナーシップは、全てのパートナーシップの中で唯一の関係である。
▽分析:梅兆栄氏(前駐独大使) 「全方位」と「全面」は外国語においては同一
の単語だが、中国の理解では違いがある。「全方位」は「全面」よりも、立体的、
明示的、双方の協力が多方位であり、両国は環境保護、環境エネルギー、再生可能
エネルギー推進の方面で協力強化、世界貿易自由化や投資の開放の推進、財政金融
分野の協調の強化を実施する。
 ドイツは、中国の改革の全面的深化と「新四化」(新型都市化、情報化、工業化、
農村現代化)建設を支持している。
〔中国財経報2014年7月25日〕
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