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電子マガジン・中国最新情報
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政府主導の限界と民間活力への期待

中国の教授の給与は低い 臨時収入を稼がないといい生活はできない

 正常な社会では、知識エリートと呼ばれる特に大学の教授ならば、尊敬されるの
はもちろんのこと、それに見合った以上の報酬を受け取り、生計を憂う必要を取り
除き、学術研究に専念すべきである。
 しかしながら、実態は、各国の大学教授の給与は必ずしも皆理想とは言えない。
特に、中国の教授の帳簿上の給与は外国の同業と比較し、非常にかわいそうな感が
ある。
 アメリカボストン学院国際高等教育センター研究グループが28カ国の国立大学教
授の給与平均を分析した結果、購買力平価に基づいて計算したところ、中国若手教
授の初任給が最低で、わずか月259米ドルであった。ワースト2位のアルメニアです
ら中国の1.5倍ある。中国教授の平均給与は720米ドルで、わずかにアルメニアとロ
シアを上回った。
 若くてもベテランでも、カナダの教授の給与が最も高かった(初任給が5733米ド
ル、平均は7196米ドル、最高は9485米ドル)。このほか、中国の最高給与の教授と
若手の収入の差は全ての国の中で最低の4.3倍で、最低のノルウェーはわずか1.3倍
であった。
 中国での優秀な大学の教授は給与とは別に手当などがあるかもしれないが、西洋
の大学と比較するとその差は歴然であり、ちょっとした福利手当ではその差を埋め
ることは不可能である。
 事実、中国の優秀な大学は全て公立だが、世界では優秀な大学はみな私立大学で
あり、私立大学の教授の給与は公立大学よりさらに多い。そのため、中国と諸外国
の大学教授の待遇の差は、今回の調査結果よりも大きい可能性がある。
 専門家によると、中国で教授になるためには、学術の仕事以外に何か仕事を持つ
か、何か収入源のルートがないと、一人前の生活はできない。このような状況は、
学者たちの学術の独立性に影響を及ぼすばかりではなく、人材の流出を食いとめら
れない結果を招くことになる。
 中国政府がたとえ「千人計画」などのような優秀な人材を引きつける政策を実施
しようとも、根本の問題は解決されない。特に、高度な科学技術の領域では多くの
優秀な人材を自国に呼び戻すことができていない。例えば、アメリカの有名大学卒
業のコンピューター博士の初任給は、千人計画の給与レベルに相当する。
 逆に、香港科学技術大学の環境は教授に豊富な資源を与え、科学研究でつくり出
した影響力で教授の価値を評価するため、大学は優秀な教授と資源を引きつけ残留
させている。香港科学技術大学は1991年に成立したばかりだが、過去数年はザ・タ
イムズ・ハイアー・エデュケーションの工学技術学校ランキングで連続して中国大
陸の大学をリードしている。
〈公立大学教授平均月給〉
国名 平均初任給  平均月給  有名大学教授の平均月給(2010年購買力平価換
算(米ドル))
カナダ     5733 7196 9485  アルゼンチン  3151 3755 4385
イタリア    3525 6955 9118  フランス    1973 3484 4775
南アフリカ   3927 6531 9330  日本      2897 3473 4604
インド     3954 6070 7433  ブラジル    1858 3179 4550
アメリカ    4950 6054 7358  コロンビア   1965 2702 4058
サウジアラビア 3457 6002 8524  トルコ     2173 2597 3898
イギリス    4077 5943 8369  チェコ     1655 2495 3967
オーストラリア 3930 5713 7499  メキシコ    1336 1941 2730
オランダ    3472 5313 7123  ラトビア    1087 1785 2654
ドイツ     4885 5141 6383  カザフスタン  1037 1553 2304
ノルウェー   4491 4940 5847  エチオピア    864 1207 1580
イスラエル   3525 4747 6377  中国       259  720 1107
ナイジェリア  2758 4629 6229  ロシア      433  617  910
マレーシア   2824 4628 7864  アルメニア    405  538  665
〔網易2014年6月20日〕

博物館熱 年間407館が開館 政府支出に依存

 文化部の最新の報告によると、2013年末現在、中国の博物館数は3476館に達し、
2012年比で407館増加した。このような博物館の建設急増は世界的にも類を見ない
ものになっている。
 中国の民間活力が向上しているとはいえ、政府主導の博物館事業が依然として支
配的な地位を占めている。政府支出に依存し、市場競争が欠如している平凡な博物
館ばかりになっている。
 2009年、国務院は文化産業の発展を重要戦略発展目標に掲げた。博物館は文化産
業の中でも不可欠な部分である。第12次5カ年計画において、文化は支柱型産業と
なり、各省市は博物館建設を重視するようになった。
 これより以前は、毎年新規に増加する博物館は数十館だったが、計画後は、中国
で毎年数百館の速度で新しい博物館が建設され、毎日必ず1館は誕生するほどにな
った。第12次5カ年計画では、2015年に全国で3500館の博物館を求めているが、数
の上では心配は要らなくなっている。
 近年来、中国の博物館数が急増しているが、経営主体は依然として政府で、民間
活力は錦上に花を添える役割を演じるだけである。文化部のデータによると、目下
国立博物館は80.5%を占め、私立博物館は19.5%にすぎない。
 世界を見ていると、私立博物館はほぼ例外なく国の支援を受けている。世界で最
も多くの博物館があるのは米国で、私立博物館の割合は71.3%に達する。そのうち
世界的に有名な博物館として、メトロポリタン博物館、ゲティ・センター、フィラ
デルフィア美術館がある。
 これらの新規に建設される博物館が持つ社会、文化、経済への潜在力を十分発揮
し、真のソフト的な実力に変化させるには、なお長い道のりを歩まなければならな
い。政府支出の国立博物館は、展示品が単調で、企画に乏しく、収集を重んじ展示
を重んじない特徴があり、教育や伝播の役割を大きく損ねている。新規に建設した
博物館に展示物がない場所があるという問題は今なお解決されていない。
 2008年以降、1800館以上の国立博物館と200館以上の私立博物館が相次いで無料
開放され、経営形式が前に比べてたやすくはなくなったが、国家がこれに投入する
補助金は既に80億元に達している。急成長する国立博物館は金を食う体面だけの事
業となった。一方、私立博物館は経営がよくなかったら、最終的に閉館して投資者
のお金で賠償するだけの話である。
〈中国の博物館建設数〉
2002年 1511    2008年 1893
2003年 1515    2009年 2252
2004年 1548    2010年 2435
2005年 1581    2011年 2650
2006年 1617    2012年 3069
2007年 1722    2013年 3476
〈公立、私立博物館比率〉
国名     公立  私立
デンマーク  19.22% 80.78%  フランス   76.36% 23.64%
アメリカ   28.70% 71.30%  中国     80.53% 19.47%
イギリス   44.24% 55.76%  チェコ    87.14% 12.86%
ドイツ    54.18% 45.82%  ルーマニア  87.43% 12.57%
オーストリア 56.80% 43.20%  ポーランド  89.23% 12.57%
スイス    61.96% 38.04%  オランダ   89.97% 10.03%
ポルトガル  65.08% 34.92%  ハンガリー  93.38% 6.62%
ベルギー   65.19% 34.81%  スロバキア  94.12% 5.88%
スペイン   66.16% 33.84%  ラトビア   95.74% 4.26%
エストニア  68.98% 31.02%  クロアチア  99.55% 0.45%
フィンランド 74.77% 25.23%  ベラルーシ  100%  0%
〔網易2014年6月16日〕

一人っ子を失った家庭は100万戸 2050年には1000万戸を超える

 このほど、国家衛生計画生育委員会が表明したところによると、計画出産は1982
年に確立し、国家の基本政策として40年余りになる。中国の人口超過の勢いは効果
的に制御され、4億人余りの出産が減少した。
 しかし、社会科学研究院のプロジェクトによると、人口は政府筋が予測したよう
に効果的に制御されたが、同時に1.5億人の一人っ子と100万戸を超える一人っ子を
失った家庭を生み出した。2050年までに、中国は1100万戸の一人っ子を失った家庭
を生み出す見込みである。
 2010年までで、中国の一人っ子総数は約1.45億人になる。現行の人口政策に大き
な変更がない状況のもとでは、中国の出産率はわずか1.6である。(世界銀行のデ
ータによると、中国の政府筋のデータは1.18としている。)つまり、出産適齢期に
ある女性が平均してわずか1.6人の子供を出産しており、彼女らの子供のほぼ半分
に兄弟姉妹がいないことを意味している。
 中国の人口の安定を維持させたいのならば、その出産率を少なくとも2.1に到達
させる必要があり、さもなければ、幾世代か後には人口が深刻に衰退するだけでな
く、大部分の国民に兄弟姉妹がいないことになる。
 中国の出産率は既に長期的にはかなり低い水準にあり(90年代初めには既に2.1
を切っていた)、国連の予測データによると、2050年に到達するまでにわずか1.8
になる。中国では毎年多数の一人っ子が誕生しており、彼らの総人数は2020年に2
億、2050年には3億に達する。
 社会の一人っ子グループがこのように膨大であれば、彼らを失うという問題は軽
視できなくなるだろう。
 社会科学研究院の研究が示すところ、2010年に一人っ子の死亡を累計すると、一
人っ子を失った家庭は100.3万戸に達する。当年、中国では17.29万人の一人っ子が
死亡し、そのうち5歳以上は約9.51万人、10歳以上は約7.78万人だった。
 将来的には、一人っ子の死亡総人数はさらに増加し加速するだろう。2030年には、
死亡する一人っ子の人数は毎年27.7万人に達し、2040年には38万人にまで増加する
だろう。この傾向が進む中、2050年までに、一人っ子を失う家庭は通算で1100万戸
に達すると見込まれる。
 既に中年、甚だしくは晩年に至る夫妻については、一人っ子を失うことは、一つ
には心理上の壊滅的な打撃となり、二つには社会保障システムが依然として不健全
な状況のもとで、彼らの老後の重要な支柱を失うことになる。
 2007年から、中国は一人っ子が負傷した後の遺障害死亡家庭支援制度を徐々に整
備し始めているにもかかわらず、相互扶助は依然として焼け石に水であり、「喪
失」で家庭が直面する実際の問題を根本的に解決するのはとても難しい。中国で一
人っ子を失った家庭がふえるにつれ、累積する問題もますます深刻になる。
〔網易2014年7月11日〕
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