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中国による海外M&Aの進展と貿易による利益

中国の農業M&A額は世界の6割を占める

 中国が世界M&A市場において名実ともに出資者であったとしても、農業分野の大
型M&Aは一貫して大変少なく、活況ではなかった。この状況が変わりつつある。
 先日発表されたデータ統計会社のディール・ロジックのM&Aデータによると、2014
年の年初から9月3日までで、中国の農業企業の買収金額は98億米ドルに達した。こ
れは前年の7倍で、中国の農業M&A史上最高額となった。
 同時に、98億米ドルのM&A総額は世界の今年の農業M&A金額の60%弱を占める。米
国は35億米ドルのM&A総額、21%の世界シェアで第2位であった。
 2014年は、世界における農業分野のM&Aが豊作であるようだ。
 2014年年初から現在までで、世界の農業M&A金額は167億米ドルに達し、前年同期
発表の69億米ドルの2倍以上で、2006年以来の最高記録をつくった。
 中国の農業M&Aはまさに大規模、多分野という方向へ発展している。
 2014年年初から9月3日までで、中国企業は27件の取引を行い、農業M&A規模は既
に98億米ドルに達した。2013年同期では35件の取引だったが、取引額総計はわずか
14億米ドルだった。
 中国企業は農業関連企業を買収する際に上流、中流、下流の配置に大変関心を持
ち、中国企業の農業分野におけるM&Aはますます高額になっているという特徴がある。
 今年上半期は、中国企業の海外農業分野M&Aの大型案件が比較的集中した。2月に
は、中国糧油食品集団有限公司(中糧集団)が28億米ドルでニデラの51%の株式を
買収した。4月には、中糧集団は再びプライベートエクイティーファンドの厚朴投
資管理公司と40億米ドルでノーブルの51%の株式を買収した。
 デロイト中国企業M&Aサービス主管の葉偉文氏は先日、本紙のインタビューに対
して、次のように答えた。
 「農業分野のM&A投資は今後の中国企業の海外投資の一つの重要分野である。中
国の人口増及び中国農業の転換、高度化ニーズに伴い、多くの中国農業企業が農業
企業のサプライチェーンに沿って垂直統合を実現するようになる。産業チェーン全
体を運営することが、中国農業産業発展の一つの方向かもしれない」
 葉偉文氏はまた、農業分野のM&A投資周期が相対的に長く、資金を使うので、資
金力が豊富な買い手が必要である、エネルギー、資源分野のM&Aは戦略的M&Aに属す
る上、国家の安全保障と緊密に関係すると指摘する。
 デロイトの研究によると、農業栽培、畜産繁殖業が中国農業の重点M&A分野であ
る。〔第一財経日報2014年9月5日〕

中国の農産品商標登記総数は125万件

 農業部の陳暁華副部長は4日に開催された「2014ブランド農業発展国際シンポジ
ウム」の席上、昨年末現在、中国農産品商標登記は既に125万件に達したと述べた。
 それによると、農業部門の推進のもと、各地が農業ブランドの育成を展開し、無
公害製品、緑色食品、有機食品認証及び農産品地理マーク登録保護の強化、ブラン
ドマーケティング推奨を拡大など、中国の農業ブランド建設は積極的に進展した。
 2008年末時点の中国の農産品登記商標総数は60万件で、5年間でこの数字は倍増
した。
 「世界の主要な農業大国、農業強国のほとんどは農業ブランド大国、農業ブラン
ド強国である。中国の国土は広大、物産は豊富で、農産品の地域性、独自性の特徴
があり、中国は優良な農業ブランドづくりにとり、天然の優位性と恵まれた条件を
具備している」(陳暁華副部長)
 中国優質農産品開発サービス協会の朱保成会長は、当面の国家による現代化建設
というマクロの側面からも、現代農業発展の実践というミクロの側面から見ても、
農業ブランド戦略実施は既に成熟した条件を持っており、中国はこの歴史的なチャ
ンスを捉えて、中国農業ブランド戦略の実施に全力を挙げて推進するべきであると
述べた。
 中国優質農産品開発サービス協会等の団体が主催する「ブランド農業発展国際シ
ンポジウム」はこれまで3回開催し、成功をおさめている。今回のシンポジウムで
は、17カ国・地域の政府関係者、専門家、企業関係者が世界ブランド農業発展の趨
勢と中国ブランド農業発展の道筋等の問題について討論を行った。
〔新華網2014年9月4日〕

貿易総額から中国の競争力を見たら、一体どうなのか

 中国の貿易大国の地位を一体どのように判断するかは、中国の競争力を正確に知
ることがキーポイントである。2013年、中国の輸出入総額は25.83兆元(4.16兆米
ドル相当)である。これは、中国の年間輸出入総額が初めて4兆米ドルの関門を突
破し、米国を抜いて世界第一の貿易大国となったということだ。
 しかし、バリューチェーンの角度から見ると、中国が世界のグローバルチェーン
から得ている実際の利益は先進国よりはるかに低い。中国の低コスト優勢が次第に
失われるに従い、中国の製造業は、労働生産性を上げ収益を確保する、バリューチ
ェーン上流を少しずつ上昇させるなど、コスト先行以外の競争力を打ち立てなけれ
ば、貿易大国から真の貿易強国に向かって進むことができなくなっている。
 本質的に言うと、一国の輸出製品は国内付加価値を含むだけでなく、国外付加価
値も含んでいる。国内付加価値とは、一国の輸出製品中の、本国が生産し輸出して
他国に至る、あるいは本国に折り返し戻される歳の本国の付加価値である。
 国連貿易開発会議(UNCTAD2013)の報告によると、世界の輸出の約28%は、輸入
国がある輸出商品あるいはサービスの中間製品として輸入しているにすぎない。2010
年には、19兆米ドルの世界の輸出のうち、約5兆米ドルは重複計算されており、し
かも、加工貿易と中間財貿易を主とした貿易モデルでは、この種の重複計算と水増
しの要素はさらに大きい。
 ここ10年余りで、国際分業の範囲と分野は絶えず拡大しているが、従来の原産地
規則に基づいてなされる従来の貿易総量統計には重大な弊害がある。
 第一に、大量の中間財貿易の存在によって、国境を越えた貿易総量の純付加価値
には大量の重複計算が出ることである。
 第二に、製品には生産チェーンのフローが反映されないため、二国間貿易統計に
他国の中間投入財の価値を含むことである。例えば、「三角貿易」モデルでは、中
国の対米輸出には、日本、韓国など、東アジアの国から輸入した大量の中間投入財
が含まれる。
 WTOに加盟して十数年来、中間財商品貿易量の年平均の伸びは、消費財、資本財
よりも明らかに高い。
 中国の中間財貿易には二つある。一つは、本国の廉価な資源と労働力という初期
条件を用いて、生産フロー初期の中間投入財を国外に輸出する。もう一つは、国外
から輸入した中間投入財に、本国の労働力を用いて加工、組み立てを行い生産した
最終製品あるいは中間財を国外に輸出する(加工貿易)。
 目下、中国の加工貿易輸出は総輸出の4割前後である。中国は工業完成品の加工
組み立てプロセスでは相対的に優勢にあり、世界最大の工業製品生産国と輸出国で
ある。米、EUなどが最も主要な末端消費市場である。
 大量の労働集約型加工組み立てプロセスが中国に移転し、もともとの対米、対EU
の貿易黒字も中国に移転した。この種の移転は逆輸入、すなわち「商品輸出後、同
国に再輸入」によって可能になった。
 香港の物流とインフラ能力は先進的で、製品を香港を通して運べばコストを低廉
にし、かつ時間を省くことができる。輸出加工区では製品の輸出に輸出還付税を受
けることができ、中間商品は輸入されて加工に用いられ、加工後も税収優遇を受け
て輸出できる。
 中国はこれまで世界でも主要な逆輸入国であり、2000年比で12倍増となった。逆
輸入はまさに中国貿易の重要な構成部分となり、中国と先進国間の不均衡要素を深
刻に誇張させている。
 我々のモデル推計によると、輸出部門では国外付加価値の比重が比較的高い部門
は製造業に集中し、平均で26.3%である。すなわち、主要な製造業部門の輸出の4分
の1以上の付加価値は中国本国が生み出したものではない。
 仮に、付加価値貿易で計算すると、対米貿易黒字は36%前後縮小し、対EU、対イ
ンドでも貿易黒字が大幅に下降する。対日貿易赤字はさらに広がることになる。中
国貿易総額中の「水増し」は過小評価できない。〔新快報2014年8月18日〕
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